2023年12月31日(日)
冬芽でご挨拶

 早いもので、今日は大晦日。今年もお世話になりました。来年もまたよろしくお願いいたします(ペコリ)。左の写真はコシアブラの、右はネジキの冬芽です。

2023年12月30日(土)
草寄せをしながら

 今日は以前に刈った草を集める作業をしました。苅り草の下から現れたのはニホンアカガエルのメス(写真左)。冬眠中、急に被さっていた草を除けられて寒かったのでしょう。全く動きません。安全な場所に移して、しっかり草を被せてやりました。作業を終えてふと見ると、すぐそばに太陽光パネル設置工事の現場(写真右)。先人が営々と築き上げた、南向きの条件のいい棚田。治山治水の働きも持っています。このような場所がパネルだらけになるのは何とも惜しい…。(Y)

2023年12月29日(金)
冬芽に夢中

 ご近所のおばあちゃんのお宅に行った帰り道、雑木林の中で冬芽をいくつか見つけました。左の写真はニワトコ。ニワトコは早春に芽吹いて花が咲くので、すでに冬芽が大きく膨らんでいます。右はカキ。顔のように見えているのは葉痕、顔の表情を作っているのは維管束痕です。それぞれ個性豊かな表情の冬芽たち。雑木林を歩くのが楽しい季節です。(Y)

2023年12月28日(木)
田んぼに太陽光パネルは似合わない

 私たちが管理する田のすぐそばで行われている太陽光パネル設置工事。田んぼ1枚だけなので工事はかなり進み、架台がほぼ完成です(写真左、右)。ところで先日放送のNHKスペシャル「食の防衛線」では「コメの生産が、担い手の高齢化で急速に減少。最悪の場合は2040年には156万トンのコメ不足に陥る」と伝えています。たしかにこの辺りの現状も、コメ作りだけでは生活ができないのでコメ作りの中心は70代。若い人はいません。主食のコメ不足…都会の人も真剣に考えるべき時。疲弊した中山間地の農村は待ったなしの状況です。(Y)

2023年12月25日(月)
イマジン

 毎年、ユニセフや国境なき医師団などの団体に、わずかずつですが寄付をしてきました。今日もほんの少し…。でも、一向に戦争は無くならないし、亡くなる人や傷つく人は増えるばかり。寄付が無意味だとは思わないけど、何かむなしい…。落ち込みそうな気分でいるとき、ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞が思い出されました。「想像してごらん 国なんてないと…殺すことも死ぬことも何もない 宗教さえもない…すべての人々が平和な暮らしを送っていると…」。何よりも平和があってこそ自然も生命も輝くのです。左の写真は休耕田に植えたヒマワリ、右はイカルの親子。母鳥(右)が若鳥に餌を与えているところです。(Y)

2023年12月24日(日)
草はらの生きものたち(その2)

 ところで、7年前のイブの日。忘れられないことがありました。その日も草刈りをしていると、マコモの株元、地面すれすれのところに大きなカヤネズミの巣がありました。繁殖期はもう終わったはず。そう思って巣の中を見ると、驚いたことに毛の生えていない赤ちゃんネズミが4匹いたのです(写真左、急いで巣を元に戻し、刈草をたくさん掛けておきました)。草はらの中の命の賑わいを思い浮かべながら、作業を終えました(写真右。草刈り後)。(Y)

2023年12月24日(日)
草はらの生きものたち(その1)

 今日はクリスマス・イブ…とは言っても特別なことは何もなく、いつもの日常です。久しぶりに良い天気で、草刈りをすることに(写真左。作業前)。作業中にオオカマキリの卵鞘(らんしょう)、カヤネズミの巣、それぞれ2個見つけました。そのたびに手を止めて写真撮影。カヤネズミの巣の1つは直径12cmほど。しっかりした作りで、秋の繁殖巣と思われます。中を開けてみると、産座にススキの穂を巻き込んでありました(写真右)。赤ちゃんのふわふわのベッドであり、タネは大きくなった子ネズミの食料になったのでしょう.(Y)

2023年12月23日(土)
オオフタオビドロバチ

 オオフタオビドロバチは竹筒などに泥で巣を作り、幼虫の餌にするために狩ってきたチョウやガの幼虫を数匹入れて、卵を1つ産み泥でフタをします。卵から孵ったハチの幼虫は母バチが用意した餌を食べて育ちます。今年9月のこと、デッキに置いたサンダル側面のクッション穴に、このハチが出入りして巣作りの最中でした。こんなところに!と驚きましたが、サンダルに「使用禁止」の張り紙をして見守ることにしました。左の写真は巣に入る所、右は出るところです。手前に写っている運んできた土の塊を、水とだ液で柔らかくして巣作りに使います。こんな場所も利用するハチにちょっと感動です。(Y)

2023年12月22日(金)
雑木林の中で

 最低気温−5℃、最高気温+1℃。昨年以上に、秋がなくていきなり真冬になってしまったような気がします。猛暑の夏は田んぼビオトープの整備など、外の作業はできません。でも寒すぎてもやはりできない…。作業しやすい季節が短くなってしまって、ちょっと気持ちが焦ります。厳しい冷え込みの中、葉を落とした雑木林の中を歩いていると、生物の痕跡を2つ見つけました。左の写真は北斜面にあるクロモジの細い2本の幹の間に作られたチョウセンカマキリの卵鞘。右は小枝に作られたアシナガバチ(多分キボシアシナガバチ)の小さな巣。暖かい季節の生きものたちの営みが目に浮かびました。(Y)

2023年12月21日(木)
冬芽

 左の写真はクロモジの冬芽。左側に突き出しているのが花芽、大きいのが葉芽です。来春、それぞれ花や葉になります(3月17日の当欄で左の写真がクロモジの花です)。右の写真はマユミの冬芽と葉痕。花は小さくて地味ですが、ピンクに色づいた果実がとても美しいです。冬芽は夏の終わりから秋にかけてできますが、葉が落ちたこれからがよく目立つようになります(9月12日の当欄もご覧ください)。(Y)

2023年12月19日(火)
ジャコウアゲハ幼虫、8匹目の蛹化(その2)

 今年はジャコウアゲハアゲハクロアゲハモンキアゲハキアゲハの5種類のアゲハチョウ科幼虫を多数飼育しました。アゲハチョウ科の幼虫は、4回脱皮して緑色の終齢に(写真左。クロアゲハ幼虫、4回目の脱皮中)。そして前蛹を経て蛹になり、やがて羽化してチョウになります(写真右。羽化が始まったジャコウアゲハ)。飼育して観察するまで疑問に思っていたことがたくさんありました。蛹を支える帯糸が背中側にできるけどどうやって?蛹の殻はいつできる?などなど。飼育することで1つ1つ解決していきました(10月10日の当欄)。ところで、寒さで動けなくなっていたジャコウアゲハ幼虫は温めることで8匹蛹化しました。しかしとても小さいので来春の羽化は厳しいだろうな…。遅くとも9月中旬頃までには終齢になっていないと難しいような気がします。(Y)

2023年12月18日(月)
太陽光パネル設置工事の現場を見ながら

 12月17日、最低気温-2℃、最高気温+2.5℃。暖かかった前日から一転、この冬一番の寒さで雪が少し積もりました(写真左)。午後、近くの放棄田で始まった太陽光パネル設置工事の状況を見に行きました。日曜日で工事はありません。水が湧いてくる場所なので、排水工事をしているようです(写真右)。ここは湿地でサクラタデの大きな群落があり、水たまりには小型のゲンゴロウ類もいました。工事の現場を見ながら、生物の生存に不可欠な水のある場所がまた無くなってしまう…複雑な思いでした。(Y)

2023年12月16日(土)
ジャコウアゲハ幼虫、8匹目の蛹化(その1)

 例年なら当地ではジャコウアゲハは年3化ですが、今年は4化目の羽化があり、それらが産卵したものが幼虫になって、まだ飼育箱にいます。11月になると、さすがに朝晩の冷え込みは厳しくなって、気温が低いと幼虫は動けなくなります。暖かい昼間に太陽に当てると活動するので、飼育箱を出したり入れたり。でも、いよいよ食草が無くなって…。アゲハチョウ科の越冬態は蛹で、幼虫では越冬できません。それで、いつまでも前蛹のものをカイロで温めたら、早いもので1時間後、遅いものでも2日後に蛹になりました(写真左。11月15日蛹化)。右の写真は長く前蛹でいたモンキアゲハ。この個体は前蛹のまま死にました。早く温めて蛹にしてやればよかったです。(Y)

2023年12月14日(木)
ビオトープ池とミズスマシ

 田んぼビオトープを作る前に、自宅そばに人工池を作りビオトープ池と呼んでいました(写真左:製作途中、2012年2月。写真右:完成後、2012年5月)。土を掘って、その上に粘土を叩いて貼り付けたものです。水は雨水タンクから流れ込むようにしました。水が入ると早速やって来たのが多数のミズスマシ。速いスピードでクルクル旋回して泳ぎます。以前は普通種でしたが、いつの間にか姿を消し、今はビオトープ池にも田んぼビオトープにもいません。環境省、岡山県ともに絶滅危惧U類となっています。また、クロスジギンヤンマの羽化が多い年で40匹以上。マルタンヤンマ、ギンヤンマホソミオツネントンボなどの産卵や羽化もあります。小さな池ですが、生物にとって水がいかに大切かを知ることができました。(Y)

2023年12月13日(水)
冬鳥の飛来と田んぼビオトープの整備

 12月9日、冬鳥のシロハラを確認。今日はミヤマホオジロが来ました。これが今季の初見で、昨年は11月2日ですから(2022.11.02の本欄)、今年は1か月半ほど遅い飛来です。あと、毎年来ているカシラダカやアオジがまだ。気になりますが、期待して待っていたいと思います。さて、田んぼビオトープの整備。一昨日の夜にまとまった雨が降ったので、水の状態が良い所(写真左)もありますが、まだまだ干上がったままのところも(写真右)。雨でほとんどカラカラだった土に、ようやく水が浸みたというところでしょうか。もう一回まとまった雨がほしいです。(Y) 

2023年12月10日(日)
気候危機と生きものたち

 今日も季節外れの暖かさ。生きものたちとの出会いを期待しながら、田んぼビオトープの水草取りをしました。現れたのはオオコオイムシ(写真左)、ガムシヒメガムシマツモムシ、メダカなど。ガムシの写真を撮りたかったけど逃げられました。右の写真は一番大きい田んぼビオトープの状況。水がほとんど無くなって泥が剥き出しです。比較のため2022年12月11日の同じ場所の写真をご覧ください。雨が降らないで水が無くなってしまうと、両生類や水生生物にとって大きなダメージになります。ここで作業をしていると、気候危機を身に染みて感じます。(Y)

2023年12月8日(金)
太陽光パネル設置工事始まる

 日差しの暖かい気持ちのいいお天気。鳥たちが活発に活動していました。ヒヨドリ、コゲラ、タカ(ミサゴかな?)。畑にはエナガ、シジュウカラ、メジロの混群。さて、近くの放棄田でいよいよ太陽光パネルの設置工事が始まりました(写真左)。付近を環境保全の田として管理してきたので複雑な思いはありますが、今できることを精一杯やるのみ。それでも、少雨の影響で、いくら水草取りをしても田んぼビオトープの水は十分にたまりません(写真右)。来春のアカガエルの産卵に間に合うかな…。(Y)

2023年12月6日(水)
柚子仕事

 ご近所のおばあちゃんのお宅で、今年も柚子をたくさん収穫させていただきました。収穫したての柚子は果汁たっぷり(写真左)。まずは柚子茶を作りました(写真右)。次は柚子と蜂蜜の生ジャム、そして柚子ポン酢。あと、柚子果汁をたっぷり搾って柚子味噌や熱を加えて日持ちのするジャムづくり。皮を薄くそいで冷凍しておいて香りづけに。柚子は多用途に使えます。大変だけど、柚子の香りに包まれて…これも幸せの一つの形かな。(Y)

2023年12月5日(火)
クロゲンゴロウとヒメガムシ

 一昨年辺りから水生昆虫のミズカマキリが減り、タイコウチは全くいなくなってしまいました。今年の猛暑と少雨で田んぼビオトープの水量が減り、干上がることもしばしば。水質も悪くなりました。ニュースでは、今年後半の西日本の降水量は例年の20%ほど。そういえば、秋雨前線や台風の雨もなかった。ダムの水も減少の一途ですから、田んぼビオトープが干上がるのも無理もないのかな。それでも、越冬中の水生生物や来春産卵するアカガエル類のために、環境を少しでも良くしようと暖かい日には水草取りをしています。写真は作業中に現れた水生昆虫。左はクロゲンゴロウ右はヒメガムシ。生物の姿を見るとホッとします。(Y) 

2023年12月4日(月)
チャノキとビワの花
 11月中旬頃から一気に寒くなって、最低気温が氷点下になる日も。そんな寒い季節に咲く花があります。左はチャノキの花。お茶を作ろうと思うのですが、若葉の季節に葉をつんで、何度も蒸しては揉むということが出来なくて、いつも中途半端。でも葉を煎ってやかんで湧かす…それだけでもお茶の味がします。右の写真はビワの花。暖かい日には成虫越冬の昆虫が吸蜜にやってきます。(Y)
2023年12月3日(日)
メガソーラー見学会

 山の上に造成中の、メガソーラー発電所予定地見学会に参加。大規模開発の現場に行くのは初めてで、すごく興奮しました。ここはバブルの頃に大きなレジャー施設が作られた場所。でもわずかの期間で廃業、その後は廃墟のようになっていて地元は困っていました。その場所に持ち上がったメガソーラー発電所の計画。事業地面積は約44万u(44ha)、設置される太陽光パネル47,016枚…。規模が大きすぎて想像もできません。左の写真はパネル設置予定地で傾斜15度。右の写真の建物は、レストランなどかつてのレジャー施設の名残です。遠くに見える美しい山並みは吉備高原。今度は廃墟とならないように…切に願いました。(Y)

2023年12月2日(土)
田んぼにて

 今日は師走の2日。今年の夏は特別暑く、フーフー言いながら一日過ごすのがやっと、という毎日だったような気がします。でも、もうこんな時期。あっという間の一年です。さて昼間は久しぶりの暖かい日差しで、気持ちのよいお天気でした。写真左は田んぼで作業しているときに見えた東の山。暦の上では「山粧う」季節は終わったけど、今が一番紅葉が美しいと思います。田の畔にはスミレが1輪(写真右)。思わず屈みこんで見惚れてしまいました。(Y)

2023年12月1日(金)
ジャコウアゲハ幼虫、4匹目の蛹化(その2)

 ペラペラのチラシに腹部を固定したので帯糸を作れなかったのでしょう。幼虫はぶら下がったままで前蛹になっていたのです。さて、いつものレスキュー法(写真左。下にカイロを入れて温めました)。2日後の11月30日、蛹になりました(写真右。大きさは前の3匹とほぼ同じ2.5cm)。来春の羽化を見ないとわかりませんが、この方法で寒くなり始めた時期の幼虫を助けてやれるかもしれません。(Y)

2023年12月1日(金)
ジャコウアゲハ幼虫、4匹目の蛹化(その1)

 屋外の飼育箱で蛹化に失敗したのか、腹部の先端を紙(派手なチラシです)に固定して、逆さまになって数日動かない幼虫がいました(写真左)。蛹化直前のようですが、このままでは蛹になれません。固定した部分以外のチラシを切って外してやりました。紙の上に置くと背面を丸めた前蛹の形になっています(写真右)。(Y)

2023年11月30日(木)
アゲハチョウ科幼虫の頭部

 アゲハチョウ科幼虫の頭部は、普段は体の下に隠れているので移動中や食事中以外は見えないことが多いです。左の写真はニンジンの葉で見つけた3匹のキアゲハ幼虫のうちの1匹(10月29日の当欄)。2匹はすでに蛹になって、成長の一番遅かったこの幼虫も終齢。先端の薄黄色と黒の斑紋のある部分が頭部です。右の写真はモンキアゲハの終齢幼虫。蛹化場所を探してウロウロ。その時の写真です。眼状紋のある部分が頭部ではなく、その前方(写真では下方)に出ている白っぽい部分が頭部です。同じアゲハチョウ科でも随分と違いがあります。

2023年11月28日(火)
ジャコウアゲハ幼虫、3匹目の蛹化

 11月24日、飼育箱の底で動かずにいたジャコウアゲハ幼虫。手にのせるとすぐに動き出しました(写真左)。同じような状態だった前の2匹より元気そうです。すぐにカイロで温めたら2日後に蛹になりました。カイロは直接幼虫に触れないように、軍手の中に(写真右)。この方法で3匹の幼虫が蛹になりました。カイロで温めたから、幼虫の代謝が一気に進んで蛹になった? 蛹になる直前まで育っていたのに寒くて動けなくなっていただけ? 来春、羽化できるかな? 不思議は増すばかり。来年は飼育箱に1匹だけ入れて観察記録をつけようと思います。(Y)

2023年11月27日(月)
また一つ、昆虫の不思議(その2)

 体が乾くのを待って、翌日蛹を取り出しました(写真左)。先日の蛹とほぼ同じ大きさです(11月24日の当欄)。無事に羽化することを期待して、保護ポケットに入れてやりました(写真右)。昆虫って不思議です。(Y)

2023年11月27日(月)
また一つ、昆虫の不思議(その1)

 急に寒くなったので、ジャコウアゲハ幼虫の小さいものや弱っているものは屋内飼育にしました。左の写真は、一週間ほど何も食べず飼育箱の底で横たわっていた幼虫。死んだと思って手のひらにのせたら、しばらくして動き出しました(写真左)。幼虫は寒くなると動けなくなるのです。ダメもとで布にのせて小さなカイロで温めると、7時間後、驚いたことに幼虫は脱皮をして蛹になっていました(写真右)。

2023年11月26日(日)
この頃の田んぼビオトープ

 一気に寒くなりました。暑い時にはできなかった草刈りなど外作業を少しずつ進めています。夏の猛暑でほとんど手が付けられなかった田んぼビオトープは、畔の草と水草で覆われています(写真左)。おまけに少雨でしょっちゅう干上がってしまいそうになります。そのたびに水路の泥上げをして何とか水量回復しますが、すると水が来なくなった別のところが危機に。その繰り返し。気候異変を身に染みて感じます。みんな無関心でいると大変なことになるのでは…。心が折れそうな私…暖かい昼間に出てきたアマガエルに少し和みました(写真右)。(Y)

2023年11月25日(土)
イモリの秋の繁殖期

 田んぼビオトープの水草を抜いている時、尾が青紫色になったアカハライモリを見つけました(写真左)。イモリの繁殖期は春先と秋の2回。秋の繁殖期は、オスが婚姻色と呼ばれる青紫色に変化した尾を振ってメスに求愛します。メスはオスの精包(精子の入った袋)を体の中に取り込み、そのまま冬を越します。春先にもオスの求愛行動があり、産卵期は4月〜7月頃です。婚姻色以外にも繁殖期のオスにはわかりやすい変化があって、耳腺と呼ばれる部分が大きく膨らみます。右の写真で、頭部の後ろの左右に出っ張っている部分が耳腺です。今年は暖かいせいか婚姻色の色づきが遅いです。2022年11月19日12月14日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年11月24日(金)
ウマノスズクサ自生地へ

 自宅のウマノスズクサは朝晩の冷え込みで地上部はすべて枯れてしまいました。飼育中の幼虫がまだいるので、また自生地へ。幸いにも自生地のウマノスズクサはまだ元気です。ただ、この場所は草刈りや除草剤散布があるので、近い将来ウマノスズクサが絶えてしまう心配があります。それで、できるだけ根っこごと持ち帰って自宅で株を増やすことに。自宅で植える準備をしていたら、細い蔓にジャコウアゲハ前蛹が付いているのに気付きました。帯糸はしっかりしていますが腹部先端の固定が外れていて、このままでは蛹になれません。そこでいつものレスキュー法(写真左。8月28日の当欄もご覧ください)。そして、今日無事蛹になりました(写真右)。次は保護ポケットに入れてやって来春の羽化を待ちます。(Y)

2023年11月22日(水)
冬芽とヒイラギの花

 左の写真はカラスザンショウの冬芽と葉痕。顔のように見えているのは落葉した後の葉痕、その上にある膨らみが春になると芽吹く冬芽です。右はヒイラギの花。小さいけれど、純白の美しい花です。柊の漢字の通り冬がヒイラギの花の季節。この辺りでは真冬を除いて、一年中花が尽きることはありません。(Y)

2023年11月21日(火)
前蛹と臭角

 2匹いたクロアゲハ幼虫、1匹目はすでに蛹です(11月11日の当欄)。そして2匹目が今日、前蛹になりました(写真左)。蛹になりやすいように細かな枝をハサミで切っていたら、いきなり臭角を出しました。今日は写真が撮れなかったので、以前撮ったモンキアゲハ幼虫が臭角を出したところの写真を使います(写真右)。クロアゲハ幼虫の臭角は色はよく似ていますが、もっと細くて長いです(今日のは約2cmもありました)。前蛹も臭角を出すのですね。驚きました。(Y)

2023年11月20日(月)
ケラ

 庭にいたら「ピョー・ピョー・ピョー・ピョー」と高音の美しいアオゲラの声。この声を聞くと何だか心が浮き立ちます。さて、午前中は暖かかったので、田んぼビオトープの水草取り。夏には猛暑で作業ができず、水草が伸び放題です。田んぼビオトープ周辺では季節外れのシュレーゲルアオガエルの鳴き声も聞こえました。作業中、出てきたのはケラ(写真左)。前脚はモグラの前肢のように大きくてシャベル状。水の中に放したら急いで泥の中へ(写真右)。速い、速い!(Y)

2023年11月19日(日)
ナツアカネとサワガニ

 昨日は6〜7年ぶりの高速バスでの大阪行き。大阪も寒かったですが、ほとんどが建物の中の移動で、あまり寒さを感じませんでした。こちらではとても寒くて初雪が舞ったそうです。さて、中国道走行中の車窓から見えるたくさんの太陽光パネル。大阪に入ると、鉄道沿いは高層マンションの林立で遠景が見えないほど。生きものの生息環境は無くなっていくばかりのようです。話変わって、左の写真は草刈り中に見つけた、眠りに就いたばかりのナツアカネ。右の写真は田んぼビオトープで見つけたサワガニ。不便でも多様な生物がいるここがいいな。(Y)

2023年11月16日(木)
オオカマキリの棲み処

 大阪の比較的自然が残る所に住む友人の話では、開発が進んでカマキリの減少が顕著だとのこと。こちらでは…先日草刈りをしていたら、オオカマキリの卵鞘を5つ見つけました(写真左。5個のうちの1個)。今年は猛暑・少雨の長い夏で、草刈りも満足にできず草は逞しく伸び放題(写真右)。でも、オオカマキリの棲み処はこういう環境なので、開発が進むと棲めなくなるのだとよくわかりました。草刈り機で気付かずに刈り進んで、卵鞘が剥き出しになると鳥や哺乳類に食べられるので、そんな時は刈り草をたくさん被せておきます。(Y)

2023年11月15日(水)
ジョウビタキ

 今シーズン、我が家周辺を縄張りにしたジョウビタキのオス。長靴に止まって、いつも家の中を覗いているような…(写真左)。時々窓ガラスをコツコツと叩く音。窓ガラスに映る自分をライバルと思って戦っているのです。今日は、長靴からまっすぐに飛び上がったと思ったら急降下して再び長靴に。嘴にはゲットしたガガンボ。飛翔の巧みさに驚くばかり。勝手口を出たら、2〜3m先にまだいます(写真右)。下手でも私のコンデジで撮影できました。この冬を存分に楽しませてくれそうです。(Y)

2023年11月14日(火)
キアゲハ幼虫、蛹に(その2)

 11月12日、その前蛹が蛹になりました(写真左。11月14日撮影)。他のアゲハ類とは違う独特の色・形です。飼育箱の幼虫はあと2匹。1匹はすでに終齢で、残りの1匹も今日脱皮して終齢になりました(写真右)。幼虫の下にあるのは脱皮殻です。キアゲハ幼虫の脱皮殻を見たのは初めて。この脱皮殻もなくなっていたので、この後すぐに殻を食べてしまったようです。(Y)

2023年11月14日(火)
キアゲハ幼虫、蛹に(その1)

 今日の最低気温0.5℃、初霜が降りました。ジャコウアゲハ幼虫を飼育箱に取り込んでおいて良かったです。さて、10月の末に飼育を始めた3匹のキアゲハ幼虫(10月29日の当欄)。その中で一番成長が良くて6〜7cmもあった幼虫(写真左。11月4日撮影)が前蛹になりました(写真右。11月9日撮影)。体長は3〜4cm。前蛹になる前に、消化管の中のものをすべて出すので体が縮んで小さくなります。(Y)

2023年11月13日(月)
ウマノスズクサ畑のジャコウアゲハ幼虫

 今日の最低気温4℃、最高気温8℃。ここ2、3日で一気に冬になりました。それまでは暖かかったのでウマノスズクサはまだあります。大きな幼虫は何とか蛹化させたくて、北風がまともに当たるウマノスズクサ畑から飼育箱の中に移して飼育することにしました。体長約1cmのものから4〜5cmのものまで十数匹。小さな幼虫は諦めるけど、大きなものは蛹になるまで育ってほしい…。(Y)

2023年11月12日(日)
リンゴドクガ(その2)

 本種がどのように蛹になるのか知りたくて、飼育することにしました。幼虫はほどなく動かなくなり、飼育して4〜5日後から自分の毛も使って繭を紡ぎ始めました(写真左。中にまだ幼虫の姿が見えます)。そして11月12日、繭が完成したようです(写真右)。繭は2層になっていて、その中で蛹になります。来春の羽化が楽しみです。(Y)

2023年11月12日(日)
リンゴドクガ(その1)

 10月24日に庭で見つけたリンゴドクガ幼虫(10月24日の当欄)。ちょっと目を離した隙にいなくなり残念に思っていましたが、11月4日にまた姿を現しました(写真左)。蛹化が近いのか、10月に初めて見た時より毛が乱れています。第1、第2腹節および第2、第3腹節の背部境界に黒色部があり、触ると丸くなって背部の黒色部を見せつけます(写真右)。(Y)

2023年11月11日(土)
クロアゲハ幼虫、前蛹から蛹に(その2)

 11月10日の朝に前蛹を見たら、体の色がくすんで干からびたようでした(写真左。午前10時前)。てっきり夜の寒さで死んだと思って取り除こうとしましたが、すぐにというのも何だか忍び難くてそのままに。そして数時間後に見たら、なんと蛹になっていました(写真右)。脱皮しやすいように皮膚が変化していたようです。急いで取り除かなくて良かった…。それにしても体のあまりの変化に驚きました。写真はピンボケです。(Y)

2023年11月11日(土)
クロアゲハ幼虫、前蛹から蛹に(その1)

 クロアゲハの終齢幼虫が、しばらく飼育箱の中を歩き回った末に一か所で動かなくなりました。そこを蛹化場所と決めて、帯糸を体に架けて前蛹になる準備を始めたようです(写真左)。そして、およそ6時間後には前蛹になっていました(写真右)。11月7日のことです。(Y)

2023年11月09日(木)
ホシササキリとアオマツムシ

 昨日は立冬。暖かい立冬でした。夜、フクロウの鳴き交わす声がよく聞こえ、来年は繁殖が期待できそうです。外に出てみると、天の川やすばる(プレアデス星団)、そして満天の星。少し前には畑に体長1.5cmほどの小さなホシササキリが多数いました(写真左)。右の写真はアオマツムシ。ご近所のおばあちゃんと防獣柵越しに立ち話をしている時に見つけました。星とフクロウと昆虫たち。生活はとても不便だけど、ここで暮らす幸せを感じました。(Y)

2023年11月8日(水)
木の実

 自宅の近くに1本の大きなカラスザンショウの木があります。カラスと名が付くだけあって、カラスの大好物。実が熟すとたくさんのカラスが食べにきます。カラスは実を房ごとどこかに持って行って食べるようで、よく房状の実が落ちています(写真左)。油分の多い実は野鳥やほ乳類も大好き。カラスが落とした実はいつの間にか無くなっています。右の写真はクサギの実。これも野鳥が大好きです。ジョウビタキがこの実を食べたあと、私の長靴に止まって青いフンをするので困ります。でも、かわいいので許してあげよう。(Y)

2023年11月7日(火)
チョウの幼虫の眼状紋

 山陽新聞の連載「神様に会いたい(手塚治虫×養老孟司)昆虫編」に、擬態について書かれてありました。その中でチョウの翅の眼状紋(目玉のような模様)が、漫画の目にデザインがとても似ていると手塚さんが指摘されたそうです。私は翅の眼状紋ではなく、終齢幼虫の眼状紋に興味を持ちました。左の写真はアゲハの、右はクロアゲハ終齢幼虫の眼状紋です。アゲハのは鉄腕アトムやジャングル大帝に出てくる目、クロアゲハのはリボンの騎士のサファイアのキラキラした目です。クロアゲハの眼状紋は模様なのに立体的に見えるのはなぜ? 翅の眼状紋とともに調べたいと思います。(Y)

2023年11月5日(日)
里山の荒廃と気候危機(その2)

 左の写真は、2019年に自宅近くに設置した巣箱を掃除した時の内容物。カタツムリの殻が多数あり昆虫の残骸も多く、それだけエサが豊富だったということです。ここの巣箱では以前は4〜5羽のヒナが育ちましたが、2020年以降は巣立ちビナが少なくなりました。昨年はおそらく暑さのために巣箱の中のヒナが死にました。暑さ対策で移転した今年はヘビにやられて…。猛暑と少雨…気候危機と言われますが、影響が目に見えてわかるようになりました。右の写真は、ヒナの巣立ちを促す親鳥(2019年)。またこんな光景が見たいです。今日は11月というのに異常に暑い一日でした。(10月26日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年11月5日(日)
里山の荒廃と気候危機(その1)

 今日で担当するブッポウソウ巣箱7個の掃除をすべて終了。途中、荒れた田が多くなっていることに改めて驚きました。左の写真は巣箱のある田。1枚の田がセイタカアワダチソウの大きな群落に。こんな環境を嫌ったのでしょう。ここの巣箱は今年は利用された形跡がありませんでした。右の写真は別の巣箱の内容物。プラスチックの欠片などが目立ち、餌の残骸(甲虫の翅、セミの翅、カタツムリの殻など)はほとんどありません。(Y)

2023年11月4日(土)
ヒメアカタテハ幼虫、蛹に

 ヨモギの葉を綴った中で見つけたヒメアカタテハ幼虫(10月16日の当欄)が成長して前蛹(写真左)から蛹(写真右)になりました。蛹は尾端を固定して垂れ下がるタイプ(垂蛹・すいよう)で、色は鈍い金色。また一つ知ることのできた生物の不思議です。ところで幼虫は大きくなるとヨモギの葉を綴った中から出てきて、戻ることはありませんでした。10月16日の当欄で、その中で蛹になって羽化するまで過ごすと書いたのは間違いでした。訂正いたします。(Y)

2023年11月3日(金)
ゲンノショウコとリンドウ

 自宅周辺の乾いた環境に咲くゲンノショウコ(写真左。10月11日)。ドクダミ、センブリとともに三大民間薬の一つ。整腸に効果があるそうです。もっと早くに紹介したかったのですが、盛りを過ぎてしまいました。右の写真は今が盛りのリンドウ。今夏は猛暑で雨が降らず、おまけに草刈りが十分にできなかったので心配しました。でも、例年より小ぶりですが上品な美しい花がたくさん咲きました。もうすぐセンブリも咲きます。(Y)

2023年11月1日(水)
ジャコウアゲハ幼虫の旅立ち

 9月にジャコウアゲハ幼虫の食草、ウマノスズクサが足りなくなってきたので、いつもの自生地へ採りに行きました。ところが草刈りや除草剤散布のせいで激減。もう一度除草剤散布があれば、この場所から消えてしまうと思い、10株ほどを根付きで持ち帰ってプランターや植木鉢に植えました。それが良く育って、そこに4化目の母蝶が産卵。プランターでは15匹ほどの幼虫が育ちました。10月に入っても暖かい日が続き、幼虫は大きく成長(写真左。10月13日)。蛹になるための移動が始まりました。幼虫がいなくなったプランターは右の写真の状態(10月29日)。よく食べたものです。蛹4個は近くで見つけましたが、後は行方不明。どこかで厳しい冬を乗り越えて、来春無事に羽化してほしいです。(Y)

2023年10月30日(月)
まだまだいるよ、里山の生きものたち

 サトクダマキモドキが長い時間、バードバスに吸水に来ていました(写真左。下の枯葉はホオノキの大きな葉です)。10月16日に紹介したヤマクダマキモドキとよく似ていますが、サトは前脚が緑色、ヤマは赤色。前脚の色で区別できます。右の写真はショウリョウバッタモドキ。ショウリョウバッタに全然似ていないと思うけど…。刈り込んだ所より、少し草が伸びたような環境でよく見ます。個体数が増えたようです。(Y)

2023年10月29日(日)
キアゲハ幼虫

 10日ほど前、畑のニンジンの葉でキアゲハの若齢幼虫5匹を見つけました(10月20日の当欄)。そばを通るたびに幼虫を観察していたら、今日は一番大きなのが終齢になっていました(写真左。体長4〜5cm)。私がニンジンの葉を触ったせいで驚いたのか、臭角を出しました。キアゲハの臭角はアゲハ幼虫と同じ橙色。右の幼虫は3齢幼虫。キアゲハの幼虫は飼育したことがないので、明日から飼育して観察しようと思います。(Y)

2023年10月28日(土)
美しいもの

 羽化したばかりでしょうか。田の畔に陽の光を浴びて輝くように美しいツチイナゴがいました(写真左)。雑木林の北斜面にはフユイチゴの赤い実(写真右)。秋も深まったようです。人も生きものたちも猛暑の夏を乗り越えてホッとするひと時。いい季節がしばらく続きますように…。(Y)

2023年10月26日(木)
ブッポウソウ・巣箱掃除でわかること(その2)

 左の写真は今回の一つの巣箱の内部です。1cmの枯草の層の上に2cmのフンの層。ブッポウソウは巣材を使いませんから、枯草はスズメが集めた巣材、フンはブッポウソウのヒナのものです。スズメを追い出してブッポウソウが巣箱を使ったようです。フンの層1cmで1羽のヒナと推察されますから2羽のヒナが育ったようです。数年前まではフンの層は4〜5cmが普通でしたが、今回は3個とも1〜2cmで、ヒナの餌となる昆虫の残骸もとても少ない。ちなみに右の写真は2019年に撮影した巣箱の内容物で、昆虫やカタツムリの残骸がたくさん残っています。今年のフンの少なさ、昆虫の残骸の少なさに驚き、熱波の影響と昆虫の減少を示しているのではないかと危惧します。(Y)

2023年10月26日(木)
ブッポウソウ・巣箱掃除でわかること(その1)

 うちが管理している巣箱は、自宅近くのを含めて7個あります。今日はそのうち3個の営巣状況調査と掃除に行きました。イノシシ除けの防獣柵が高くなって、脚立を使って乗り越えないと巣箱に近づけません(写真左)。巣箱はすべて地上5〜6mの高さに架けてあり、木登器を使って登ります(写真右)。(Y)

2023年10月25日(水)
命は巡る

 今日の最高気温は22℃で暑いくらいのお天気。休耕田の草刈り後の短い草の上には、たくさんのバッタの仲間が。コバネイナゴ(写真左)、ヒナバッタホシササキリツチイナゴ(写真右)、ショウリョウバッタモドキ、クビキリギス幼虫など。コバネイナゴは交尾中。これから産卵、次の世代に命を託して一生を終えます。成虫越冬のツチイナゴは羽化したばかりで産卵は来春です。命は巡って次の世代に引き継がれていく…里山で生きものたちを見ていると日々実感します。

2023年10月24日(火)
リンゴドクガの幼虫

 午前中、庭で見たことのない幼虫を見つけました。調べたら、ドクガ科のリンゴドクガ終齢幼虫。左の写真は横から、右は背面から撮影しました(どちらも下が頭部です)。第1〜4腹節背面に歯ブラシ状の毛束が、お尻に近い所にオレンジ色の長い毛束があります。随分変わった姿をしていると思いましたが、美しいとも思いました。食草はリンゴに限らず、様々な広葉樹の葉ということです。ドクガとついていますが、幼虫にも成虫にも毒はありません。(Y)

2023年10月22日(日)
ヒマワリのタネ採りに

 この夏は猛暑と少雨で、棚田に植えていたヒマワリは大きくなりませんでした。花殻の直径も5〜6cmしかないけど、少量ながらいい種ができていました。それで、今日はタネ採りに。左の写真は、枯れたヒマワリの茎にいたオナガササキリのメス。産卵管がとても長く、体長と同じくらいあります。右の写真は、雨が降らないので完全に干上がった田んぼビオトープの一部。イノシシにも何度も荒らされたし…。これから少しずつ修復作業です。それにしても今年の夏〜秋のお天気は、生物に大きなダメージだったのではと気懸りです。(Y)

2023年10月21日(土)
サクラタデとヤクシソウ

 今日の最低気温7℃、最高気温14℃。一気に寒くなりました。さて、左の写真はサクラタデ。休耕田のちょっと湿ったあぜ道付近で今満開です。自宅周辺の乾いた場所ではヤクシソウ。満開のヤクシソウにキタキチョウが吸蜜に来ていました(写真右)。自然を守るとか環境保全といっても平和であってのこと。ウクライナやガザのニュースに心が痛みます。どうして人間はこんなことを繰り返すのか…。平和の大切さをしみじみ感じます。(Y)

2023年10月20日(金)
キアゲハ幼虫とオオアオイトトンボ

 昨日の草刈りは、自宅から作業場所まであぜ道を歩いて行きました。その帰り道、畑のニンジンの葉に、キアゲハの若齢幼虫が5匹。左の写真は5匹のうちの一番小さな1匹です(体長約1cm)。キアゲハは成虫や終齢幼虫はよく見ますが、若齢幼虫を見るのは初めて。見ていても気づかなかっただけかもしれません。またしばらく歩いて、雑木林の林縁部ではオオアオイトトンボが(写真右)。この地域の生物相の豊かさに驚くばかりです。(Y)

2023年10月19日(木)
クルマバッタとクサキリ

 今日は中山間地保全事業のブドウ畑の草刈りに。最高気温26℃、日差しの強い暑いお天気でした。草刈りは大変ですが、休憩時間に女性陣で喋るのが大きな楽しみ。さて草刈りを終えて帰宅すると、庭にきれいなバッタ…よく見るとクルマバッタです(写真左)。すぐそばには、草に紛れそうなクサキリが(写真右)。微妙な環境の違いで棲み分けるバッタたち。庭でクルマバッタやクサキリを見るのは初めてで、うれしい出会いでした。(Y)

2023年10月18日(水)
セスジツユムシとカザリバ

 今日は庭に冬鳥のアトリが複数(5羽以上)飛来しました。建物の側ではセスジツユムシ(写真左)。翅の脈が葉っぱのような美しい昆虫。来季は幼虫から飼育して成長の過程を詳しく観察したいと思います。右の写真はカザリバという名の小さなガ(5月25日撮影)。針金細工のような本種を見つけた時は驚き、名前が分かった時はうれしくて! 名前を調べるのに手こずって時間がかかってしまいました。(Y)  

2023年10月17日(火)
ハラビロカマキリの産卵(その2)

 夜、もう終わっていると思って見に行ったら、まだ続いていました。今朝9時前にもまだその場所にいて、卵鞘の総仕上げの最中(写真左。お腹はすっかり小さくなっています)。出来立ての卵鞘は輝くようなモスグリーン。その後、外出から昼前に帰ったらカマキリはいなくなっていて、出来上がった大きな卵鞘がありました(写真右)。色は薄い茶色に変わっていましたが、陽の光を反射してキラキラと輝くように美しかったです。(Y)

2023年10月17日(火)
ハラビロカマキリの産卵(その1)

 10日ほど前から、ガレージ付近に、はちきれんばかりのお腹をしたハラビロカマキリがいました(写真左)。こんなに大きなお腹をしたハラビロカマキリを見るのは初めてで、ハリガネムシに寄生されていないか心配でした。それが昨日の午後6時前にガレージの柱で産卵を始めていたのです(写真右)。水色の泡のような卵鞘に包まれて、卵は見えません。(Y)

2023年10月16日(月)
ヒメアカタテハ幼虫とヤマクダマキモドキ

 昨日は今季初めて冬鳥のジョウビタキが飛来しました。去年同様、まずは庭のバードバスで盛大な水浴びを。昼間は暑いくらいだけど、冬鳥の季節の始まりです。田の畔ではヨモギの葉を綴った中にヒメアカタテハ幼虫がいました(写真左。葉を広げられたので別の葉を移動中)。幼虫はヨモギの葉を綴った中で葉を食べながら成長し、蛹になって羽化するまで過ごします(季節の1コマ492もご覧ください)。右の写真は庭のコンクリート上にいたヤマクダマキモドキ。この辺りには、様々な姿かたち・生態の生きものが暮らしています。知れば知るほど分からないこと、もっと知りたいことが増えてきます。(Y) 

2023年10月14日(土)
ジャコウアゲハは今

 毎年渡りの途中で立ち寄るノビタキが今年も飛来しました。ここでしばらく食料を補給して、越冬地へ渡っていきます。さて、ジャコウアゲハ。4化目が産卵したものがウマノスズクサ畑で育っています(写真左。1枚の葉裏に産卵された7個の卵がすべて孵化)。ちょっと遅い時期ですが、今のところ暖かくてウマノスズクサも元気です(写真右)。この時期の卵は孵化しないことが多く、孵化しても幼虫はまず育ちません。暖かい今のうちにしっかり食べて蛹まで育ってほしい。観察を続けます。(Y)

2023年10月13日(金)
ヤクシソウとヨメナ

 ヤクシソウ(写真左)とヨメナ(写真右)が満開。どちらの花にもたくさんの昆虫が吸蜜に来ています。シオンは盛りを過ぎたのに毎年吸蜜に来ていたスジボソヤマキチョウが姿を見せません。残念に思っていたら今日、シオンのそばのヨメナに来ました。短い滞在だったので写真を撮ることもできず…。明日に期待することにします。(Y)

2023年10月12日(木)
畑にて

 畑で鎌を使って草刈りの途中、ふと見上げると久しぶりにツバメの群れ。我が家の上空は北東から南西へツバメの渡りのルート。この辺りで子育てをしたツバメたちは、若鳥とともにとっくに南に渡って行きました。でも北から渡り途中のツバメたちが次々とやって来るので遅くまでツバメを見ることができます。目を下にやると、地面にシュレーゲルアオガエル(写真左)、クリの葉にカタツムリ(多分コベソマイマイ)が。生きものたちの息遣いを身近に感じながら、棲み処を守る活動を続けたいと思います。(Y)

2023年10月10日(火)
クロアゲハ-終齢幼虫から蛹へ-(その3)

 左の写真は前蛹です。腹部が浮き上がった形で、このまましばらく動きません(2019年9月23日の写真です)。この状態がしばらく続き、時が来ると激しく体を動かして脱皮、蛹になります(写真右)。蛹になるための移動を始めてから4日後でした。終齢幼虫から蛹へ。ダイナミックな変化を遂げる不思議で興味深いチョウの世界です。(Y)

2023年10月10日(火)
クロアゲハ-終齢幼虫から蛹へ-(その2)

 腹部の先端を固定した幼虫が上を向きました(写真左。9月30日)。それから頭部を右に左に動かして帯糸を作ります(写真右。クロアゲハの写真がなかったので、これはモンキアゲハ幼虫です)。できた帯糸をくぐり体を支えて前蛹になります。帯糸をどうやって背中側に架けるのか不思議でしたが、先に作った帯糸をくぐって背中側に架けていたのです。(Y)

2023年10月10日(火)
クロアゲハ-終齢幼虫から蛹へ-(その1)

 クロアゲハの終齢幼虫が6〜7cmに成長し、蛹になるために移動を始めました(写真左。9月29日)。まず体の余分な水分を出すので体が縮みます(写真右。9月30日)。逆さになっているのは、腹部の先端を固定するために糸を吐いているのです。(Y)

2023年10月8日(日)
ショウリョウバッタのオスとメス

 夏から秋によく見るショウリョウバッタ。今年は孵化して間もない体長1.5cmほどの幼虫から観察することができました(6月26日の当欄に幼虫の写真があります)。左の写真は体長7〜8cmのメス、右は体長約4cmで細身のオスです。オスとメスの大きさが極端に違い、メスは日本に分布するバッタでは最大です。今日の最低気温12℃、最高気温17℃。一気に寒くなり、昆虫の姿もめっきり少なくなりました。(Y)

2023年10月7日(土)
カネタタキとクリ

 収穫したゴマが風で飛ばないように、軽くビニールを被せてありました。中で何かが動いています。よく見ると小さなカネタタキが何匹も。北寄りの風が冷たかったので、ビニールの中が快適だったのでしょう。1匹のオスがメスに接近中。そっとビニールを外しても逃げません(写真左)。オスは小さな翅を震わせて「チン、チン…」と小さな声でしきりにアピール。メスはというとあまり関心なさそうでした。少し前まではあんなに暑かったのに、急に朝晩冷え込むようになって秋は急ぎ足。クリの実もたくさん落ちています(写真右)。(Y)

2023年10月6日(金)
ジャコウアゲハの共食いとは

 ジャコウアゲハは、食草が少ないと共食いをするらしい。今年はジャコウアゲハの幼虫を100匹ほど飼育したので、観察する機会がたくさんありました。共食いというと大きい幼虫が小さい幼虫を食べるのかと思っていましたが…。ある時、飼育箱の天井の蛹を襲っている終齢幼虫を見つけて急いで引き離したことがあります(写真左)。前蛹は帯糸で体を固定していても激しく抵抗します。襲われるのは動かない蛹のようです。右の写真は若齢幼虫が卵を食べているところ。以前、孵化したばかりの幼虫がまだ孵化していない卵を食べていたのには驚きました。飼育は大変ですが、その生物の生きざまがわかり、愛着も増します。(Y)

2023年10月5日(木)
ヒメカマキリ

 先日、自宅周辺で見たことのないカマキリを見つけました。体長3〜4cmほどでコカマキリより小さく、ずんぐりした体。茎に止まってバッタのようにクルクルと動き、背中を見せません。それでもしつこくカメラを向けていると、草むらに落下。写真はその時のもので、左は仰向きで右は横向きになっています。専門家の方に写真を見てもらったところ、ヒメカマキリとのこと。卵を持って、腹部が膨れたメスです。うれしい初めての出会いでした。(Y)

2023年10月4日(水)
四国旅行(その3)

 帰りの車窓から見えたのは、幼いころ大阪で見たのと同じような家並み(写真左)。昭和の風景でしょうか。とても懐かしかったです。またその近くの、場違いとも思えるような大きな建築物(写真右)は、2010年に廃校になった一宇中学校校舎跡だそうです。地上5階、地下1階の立派な建物。昔は大勢の人で賑わっていたのでしょう…。しばし往時を偲びました。(Y)

2023年10月4日(水)
四国旅行(その2)

 登山道ではアキノキリンソウがすでに盛りを過ぎ、ナナカマドの実が赤く色づき(写真左)、リンドウやトリカブトが美しく咲いていました。また、林床は一面ミヤマクマザサに美しく覆われているのですが、シカの食害があるそうです。そのシカにバッタリ出会いました(写真右)。人慣れしているのか逃げようとしません。全部で3頭いました。(Y)

2023年10月4日(水)
四国旅行(その1)

 2泊3日で徳島県の剣山(1955m)の周辺と讃岐を旅しました。今回は剣山を紹介します。前夜泊の岩戸温泉から剣山に向かう車道に沿って流れる貞光川の清流(写真左)。両側に山が迫り、あまり経験したことがないような山深い所をゆるゆると1時間ほど走ると、登山リフトの乗り場がある見ノ越(標高1420m)到着。予定ではこの辺りを散策して帰るつもりでしたが、素晴らしい晴天で時間もまだ早い…もう少し上にとリフトに乗りました。15分で標高1750mの西島駅。気温13℃です。ここから急ではないコースを歩いて、剣山の雰囲気に触れることができました。右の写真は剣山山頂。次回は装備を整えてチャレンジしたいと思いました。(Y)

2023年9月30日(土)
オトコエシ

 今年は各所でオトコエシが大きな株になりました。人の背丈を超えてなかなか見事な眺めです(写真左)。これは一見草刈りをさぼっていたかのようですが、そうではありません。この花はジャコウアゲハはじめ多くのチョウやハチが吸蜜に集まる蜜源植物なので、邪魔にならない場所は残していたのです。右の写真は花の拡大。オトコエシの花をじっくり見たのは初めてですが、オミナエシ(女郎花)の花を白く大きくしたような感じ。だからオトコエシなんですね。(Y)

2023年9月29日(金)
秋の気配

 今日は隣の地区の集いに、私たち移住者地区の住民を招いていただき、楽しい時間を過ごしました。あれこれ気軽に語り合い、互いを知り合うというのは大切なことですね。さて、今日は最低気温15℃、最高気温30℃。朝晩は寒いくらいになりましたが、昼間は日差しが強く真夏の暑さ。9月末というのに例年よりかなり気温も湿度も高いです。それでも植物は例年通り花が咲き、実を実らせています。左の写真はススキ、右はコナラのドングリです。ススキと言えば、今日は中秋の名月。夜も晴れてきれいな満月でした。(Y)

2023年9月28日(木)
キイロスズメ

 デッキの下を大きなスズメガ科の幼虫が移動していました(写真左。体長約7cm。尾状突起がスズメガ科幼虫の特徴です)。そばの柱に絡んだヤマノイモにも、すごい食欲で葉を食べる同種らしい幼虫が2〜3匹。種類を調べてもこの科の幼虫は個体変異が多く、なかなかわかりにくい。でも、「スズメガ科の幼虫でヤマノイモの葉を食べるのはキイロスズメだけ」という記述を発見。キイロスズメだ! 名前が分かった時はすごくうれしい。右の写真はキイロスズメ幼虫のお腹側。葉を食べ終えて一休みかな? まるでお祈りしているようです。(Y)

2023年9月27日(水)
太陽光パネル設置と環境保全と

 私たちが一部を管理する棚田にある放棄田で、いよいよ太陽光パネル設置工事が始まりました。この田はずっと放棄されたまま荒れ放題で、見かねて私たちや営農組合の人たちで草刈りをしたこともあります。高齢化と後継者不在で放棄田は増えるばかり。土地所有者の方が、太陽光パネル設置に心が向かうのもわからなくはありません。でも、今後の管理は?景観や生物への影響は? いろいろ不安も感じますが、私たちには何の説明もありません。何やら悲しい気分…。左の写真は湿り気のある場所に生えるサワヒヨドリ、右は乾いた所に生えるヒヨドリバナ。ささやかでも、生物の棲みかを守り続けたいです。(Y)

2023年9月26日(火)
ニホントカゲとシマヘビ幼蛇

 長女家族に続いて次女家族(孫1人)が来ました。2週続きで久しぶりの孫たちとの触れ合い。わずかな時間だったけど自然体験も喜んでくれたかな? 幼少期の子どもたちが安心して生きものと触れ合える環境がもっと増えればと願っています。さて、写真左は自宅デッキの下で見つけたニホントカゲの幼体。カナヘビはよく見ますが、ニホントカゲは稀で、当地で見たのは3回目。ニホントカゲももっと増えないかな…。右の写真は玄関付近にいた体長30〜40cmほどの初めて見るヘビ。調べたらシマヘビの幼蛇でした。シマヘビの成体はよく見るのに、幼体は初めて。成体と体色や斑紋があまりに違うので驚きです。(Y)

2023年9月22日(金)
ホトトギスとキンミズヒキ

 今日はジャコウアゲハ、オスとメスそれぞれ1匹ずつ羽化しました。羽化が続く中で、発育不全でひっそりと死んでいくものも。昆虫にとって生と死はコインの裏表のような気がします。さて、周辺ではホトトギス(正式名はセトウチホトトギス)の花が咲き始めました(写真左)。ホトトギスはルリタテハ幼虫の食草です。キンミズヒキの花にはヤマトシジミが吸蜜に(写真右)。さまざまな生物が関わり合いながら生と死を繰り返しています。無駄な生物なんていないのですね。(Y)

2023年9月21日(木)
シオンとヒガンバナ

 4化目のジャコウアゲハ、今日もメス1匹、オス2匹が羽化。また、シオン(写真左)とヒガンバナ(写真右)が咲き始めました。シオンが咲くとスジボソヤマキチョウの飛来が待ち遠しくなります。田んぼビオトープ周辺のヒガンバナは周辺をイノシシに荒らされましたが逞しく咲いています。球根が大きくなったのか立派な株になりました。毎日の蒸し暑さにグッタリ…それでも植物が秋の到来を教えてくれます。この暑さも、もう少しの我慢かな。(Y)

2023年9月20日(水)
4化目のジャコウアゲハ

 春になって越冬蛹から羽化したチョウは、その年の1化目(第一世代)。1化目が産卵した卵から育ったものが羽化すると2化目(第二世代)。さらに3化目と…。暖かい地方では4化目もありますが、当地では今までジャコウアゲハは年3化しか確認していません。ところが、このまま越冬すると思っていた蛹が黒ずんできて(写真左)、今日メスのチョウが羽化しました(写真右)。当地で初めて見る4化目です。9月になっても続く高温のせいでしょうか? この4化目が産卵しても、幼虫の食草であるウマノスズクサが足りるのか心配です。(Y)

2023年9月19日(火)
ツチイナゴ

 7月頃に孵化した幼虫が成長し、早いものでは成虫になっています。ツチイナゴは以前、庭のプランターの草で若齢幼虫から羽化して成虫になるまで育ち、じっくり観察することができました(2019年10月2日の当欄)。以来、私の大好きな昆虫です。どんな昆虫もほとんどは成虫の姿しか思い浮かびませんが、みんな幼虫時代を経て成虫になるわけです。その変化の過程をもっと知りたいと思うようになりました。左の写真はツチイナゴの若齢幼虫、右はその顔です。バッタの仲間はみんなやさしい顔をしています。(Y)

2023年9月18日(月)
モンキアゲハ幼虫?

 1泊2日で娘家族が来ました。孫は8歳と4歳の二人。この時期に来るのは初めてです。ちょうどアゲハチョウ類とジャコウアゲハの幼虫や蛹を飼育中で、二人とも興味津々。バタフライガーデンにもこの時期、いろんなチョウがたくさん来ています。子どもたちには大きなアゲハ類が魅力的だったようで、モンキアゲハを教えてあげると、「モンキーアゲハ?じゃあサルアゲハだ〜」と大はしゃぎ。下の子は黒と赤の折り紙を切り貼りして「ジャコウアゲハ!」と得意顔。孫たちの自然体験、心に残るといいな。写真は見慣れないアゲハ類の幼虫。右は脱皮して終齢になったばかりです。何だろう?モンキアゲハかも…。(Y)

2023年9月14日(木)
コマツナギとクルマバナ

 今年の夏は猛暑で雨が降らず、例年のようには育たなかった植物が多い中、コマツナギ(写真左)とクルマバナ(写真右)はきれいな花を咲かせました。どちらも田んぼビオトープ周辺で見られます。(Y)

2023年9月13日(水)
クモバチとクモ

 庭の草地でクモバチがクモを引っ張っています(写真左)。時々その獲物を置いたまま周辺を徘徊する習性があるようで、その隙に撮ったクモが右の写真です。腹部が丸々とした見慣れないクモで、麻酔されているのか動きません。クモバチの仲間にもいろんな種類があるようで、8月10日のクモバチと今回のは別種のようで、クモの種類も違います。また、先日は小さなクモバチがサツマノミダマシという小さなクモを引っ張っていました。クモバチ類から、生きもの同士の無数にあるであろう繋がりの一端を見ることができました。(Y)

2023年9月12日(火)
冬芽

 冬芽は夏の終わりから秋にかけてできます(3月8日の当欄)。ちょうど今頃の時期…冬芽を探して歩きました。ある、ある!左の写真はカラスザンショウの幼木にあった冬芽。ハート型の顔のように見えるのは葉痕で、その上のコブのようなものが冬芽です。植木鉢で育てているもので、なかなか大きくならず葉も出てきません。でも古い葉痕の上に来年の葉になる冬芽ができていました。右はクサギの冬芽。まだ葉が付いているので葉痕はありません。よく観察すれば、四季折々に変化する植物の姿が見えてきます。(Y)

2023年9月11日(月)
クサヒバリとヤマクダマキモドキ

 8月の終わり頃から、田んぼビオトープ周辺でスズムシの鳴き声が聞こえます。数年前から一部の場所で鳴いていたのですが、去年あたりからすごく増えたようです。夕方作業をしていると、あちこちから「リーン、リーン」と澄んだ高音が。これも幸せの一つかな…。秋の昆虫は自宅周辺にも。左の写真は室内に入ってきたクサヒバリ。右はデッキにいたヤマクダマキモドキです。昼間はまだ高温多湿ですが、朝晩はようやくしのぎやすくなりました。(Y)

2023年9月10日(日)
マダラヤドリバエの寄生

 左の写真はジャコウアゲハに寄生していたマダラヤドリバエ。ジャコウアゲハの蛹の殻を破ってこのハエの幼虫が脱出、すぐ蛹になり1週間後ぐらいに羽化してハエの姿になります。一方寄生された蛹は一部が不自然に黒ずんできて、幼虫が脱出すると糸のようなものが垂れ下がります(写真右)。もうチョウになることはありません。このハエはジャコウアゲハの幼虫に直接卵を産み付けるのではなく、ウマノスズクサの葉に微小卵を産み付け、ジャコウアゲハの幼虫がそれを食べることで体内に取り込まれます。2〜3齢の幼虫になるとハエの卵の付いた葉を食べて寄生されることが多いようです。保護するなら、それより小さな幼虫や卵からのほうが寄生の心配がないと思われます。卵に産卵する小さな寄生蜂もいるそうで、卵も産みたてが安全かな。(Y)

2023年9月8日(金)
ツユクサとヘクソカズラ

 左の写真はツユクサ。夏中見ることができる花ですが、今の時期が色が濃くて一番きれいだと思います。別名がたくさんありますが、友人から教えてもらった「蛍草」が好き。早朝に開花して昼には萎れる短命花です。右はヘクソカズラ。小さいけどきれいで可愛い花。確かに葉を揉んだりすると独特の臭気があるけど、「ヘクソカズラ」という名はちょっとかわいそう。(Y)

2023年9月7日(木)
ナガコガネグモの日常

 左の写真はナガコガネグモの脱皮。右は獲物を捕食しているところです。獲物はキリギリス類のクサキリのようです。食べて、脱皮して成長して…日常を繰り返しながらやがて産卵して一生を終えます。春には小さかったクモが成長して成体に。今や貫禄十分で、田んぼ周辺に大きな網を張っています。(Y)

2023年9月6日(水)
姫路へ(その2)

 次は市立植物園へ。ここにもジャコウアゲハはいませんでしたが、ウマノスズクサが育っていました。ジャコウアゲハ幼虫へのヤドリバエの寄生状況について聞きたかったのですが、専門の方がお休みということで、これまた残念。それでも、羽化までバックヤードで大切に育てられていることがわかりました。蒲鉾工場周辺の写真をあと2枚。左はミヤマアカネ、右は満開のセンニンソウ。ミヤマアカネは初見で、たまには遠征もいいものだと思いました。(Y)

2023年9月6日(水)
姫路へ(その1)

 ジャコウアゲハは姫路の市蝶に指定され、市全体で大事に保護されているそうです。いつか行ってみたいと思っていたので、暑い中ではありましたが姫路へ行くことに。出発前、空を見上げれば秋の雲(写真左)。少しは涼しくなることを期待して…。まず向かったのは友人から聞いていた蒲鉾工場。ウマノスズクサが高く蔓を伸ばして、ジャコウアゲハがヒラヒラと…それはそれは綺麗だったそうです。ところが行ってみると、ウマノスズクサはないし、ジャコウアゲハもいません。我が家では羽化最盛期なのに…。仕方がないので猛烈に暑い中、周辺を散策しました。右の写真は途中で見つけたクルマバッタです。(Y)

2023年9月5日(火)
初めての脱皮

 9月1日、カラスザンショウの幼木でアゲハチョウ科のチョウの幼虫が孵化しました(写真左)。体長約2mm。卵の殻を食べています。そして今日、この幼虫が脱皮しているのに気付きました(写真右。体長約3mm)。幼虫の左側の黒い粒は頭部の脱皮殻。また腹部の後ろに長く伸びているのは体の脱皮殻です。初めての脱皮を終えて2齢幼虫になりました。順調ならあと3回脱皮して終齢(5齢)、そして蛹化、羽化となります。この幼虫の成長を記録したいと思います。(Y)

2023年9月4日(月)
ミヤマカラスアゲハとバタフライガーデン

 今日はジャコウアゲハのオス4匹、メス1匹が羽化しました。今は新たに幼虫30匹ほどを飼育しています。その食草を補給に行く途中のガレージに、飛べなくなったミヤマカラスアゲハのメス(写真左)。左の翅が半分ちぎれていましたが、残った翅はすごくきれいでした。きっと羽化直後に鳥に襲われたのでしょう。今回は残念ですが、環境を整えてやればミヤマカラスアゲハも増えるのではと期待が持てました。今、キバナコスモス(写真右)にたくさんのチョウが吸蜜に来て、サンショウの木にはアゲハが産卵。バタフライガーデンがようやく納得のいく形になってきました。(Y)

2023年9月3日(日)
ジャコウアゲハの羽化

 今日はジャコウアゲハが5匹羽化しました。左の写真は羽化が始まったばかりのもの。蛹の頭部が盛り上がって、羽化に気付きました。右は別個体ですが、羽化を終えて翅も乾いて飛び立つ直前。何度も翅を開いたり閉じたりして、思い切ったように飛んで行きます。写真の個体はともにメス。どちらも保護ポケットでレスキューしたものです。8月28日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年9月1日(金)
里山地域の種の多様性(その3)

 左の写真はアケビコノハというガの幼虫です。眼のように見えるのは体前部にある眼状紋です。幼虫の食樹はアケビミツバアケビ、アオツヅラフジ、ムベ、ヒイラギナンテンなど。成虫は果物を吸汁するので果樹栽培の農家からは害虫として恐れられています。ずっと以前に写真でこの幼虫を見てから、いつか見たいと思っていました。右はオオバコの穂を抱きしめるバッタ。名前がわからなくて調べ中。生物の多様な形、生態、体の模様など…驚きと興味が増すばかりです。1日2枚の写真では紹介しきれないほどの魅力的な生きものたち…。(Y)

2023年8月31日(木)
里山地域の種の多様性(その2)

 今日はアゲハが5匹羽化。これで飼育していたアゲハ22匹すべての羽化が終わりました。またジャコウアゲハの今季初めての羽化があり、4匹が無事飛んで行きました。さて、里山地域の多様な生物について。まず左の写真はクロヒカゲというチョウ。羽化したアゲハを飼育箱から放している時、そばの戸袋にじっと止まっていました。シックな色合いがとても美しいです。右はカナヘビ、トカゲの仲間です。7月に撮影したもので、産卵間近かお腹が大きく膨らんでいました。(Y)

2023年8月30日(水)
里山地域の種の多様性(その1)

 猛暑が続き雨の降らない、やり切れないような毎日。でも今の季節が一年で一番、多様な生物が活発に活動している季節です。そんな生物を眺めていると暑さを忘れて、気が付けば汗だくです。左の写真は、強い日差しを避けて北斜面にいたマユタテアカネのオス。腹部が赤くなってきています。右の写真、シオンの葉に紛れてツユムシ類の幼虫が下向きに止まっているのがわかりますか? ツユムシのように秋に成虫になる昆虫が、今はもう終齢幼虫。暑くても秋は近いようです。これから、私が当地に来て初めて見た生物を中心に紹介します。(Y)

2023年8月28日(月)
チョウの幼虫レスキュー法(その2)

 蛹を包んでいたティッシュをそっと開けると蛹が出てきました(写真左)。黒いのは幼虫最後の脱皮殻です。蛹化直後は蛹の中はドロドロ状態ということなので、しばらくはそのままに。その後十分時間が経って蛹の表面が乾いてから、紙で作った保護ポケットに入れました(写真右)。保護ポケットは小枝に接着してあり、その小枝を空き瓶に挿して固定。こうしておけば羽化の時は小枝につかまるので、落下の心配もありません。(Y)

2023年8月28日(月)
チョウの幼虫レスキュー法(その1)

 多数飼育しているジャコウアゲハは、木製飼育箱だけでは足りずプラスチックの容器も使用しています。その場合、前蛹や蛹を支える帯糸や腹部の先端が外れて落下することがよくあります。その時のレスキュー法です。まず、前蛹が落下した時は、ティッシュをアイスクリームのコーン状に巻いて前蛹を中に入れます。それを小さな容器に入れて待ちます(写真左)。暑い季節では2日後に蛹になりました(写真右)。

2023年8月27日(日)
クサギとキツネノカミソリ

 今日も日差しが強く、日向では肌がヒリヒリするような暑さです。私の子どもの頃よくあった夕立は、ほんのひととき暑さを和らげてくれました。でも昨今は夕立がなく、たまに降っても地面から湯気が上がってきて蒸し暑さがさらに増す感じ。日照りか災害級の雨か、最近の気候は穏やかな季節が短くなりました。こんな気候でも季節ごとに植物は花を咲かせます。左の写真はクサギ、右はキツネノカミソリです。(Y)

2023年8月25日(金)
ダイミョウセセリの巣の中は

 7月30日の当欄で紹介したダイミョウセセリの巣作り。2週間経って巣の中を覗いてみたら、幼虫が成長して蛹になっていました(写真左)。この中で羽化して巣の外に出てきます。翅を乾かして羽化完了。右の写真はダイミョウセセリの成虫です。(Y)

2023年8月23日(水)
エンドレスの世界

 5月下旬から6月初めにかけてのクロアゲハアゲハの卵・幼虫の飼育を皮切りに、今はアゲハ22とジャコウアゲハおよそ60個体を飼育中。アゲハはすべて蛹になって、昨日と今日で4個体が羽化しました。ジャコウアゲハも次々と蛹になり、まだ幼虫でいるのは10匹以下に。でも、ウマノスズクサを補給する時についてきた卵(写真左)と若齢幼虫(写真右)が後に控えています。アゲハ幼虫のために水に挿して置いていたイヌザンショウにもモンキアゲハが産卵して、これも飼ってやらないと…。里山保全も幼虫の飼育もエンドレス。寒くなるまで食草の補給が続きます。(Y)

2023年8月22日(火)
ショウリョウバッタとカブトムシ

 今年初めて、6月24日に見つけた時は体長約1.5cmだったショウリョウバッタ幼虫。7月30日には体長5〜6cmに成長していました(8月5日の当欄)。そして今は体長8〜9cmの成虫に(写真左。8月18日撮影)。成長も早いし個体数も多い…それだけ食べるものが豊富ということでしょう。また夜、灯りに久しぶりのカブトムシ(写真右。メス)。変わりつつあるとはいえ、ここにはまだ豊かな自然があります。ニュースでは、ハワイやカナダが大規模森林火災で大変なことになっているようです。地球温暖化が負のスパイラルに陥り始めている。愚かな軍拡競争も歯止めがかからない…。ささやかであっても、地域の自然を保全し生物の棲み処を守ること。私が今すべきことと思っています。(Y)

2023年8月21日(月)
ジャコウアゲハ幼虫の飼育

 今年は、初夏にジャコウアゲハの産卵が全くなく、7月8日に隣の地区から持ち帰った幼虫もすべて寄生されていて全滅。ガックリしていたら、数日後ジャコウアゲハが産卵にきました。今度こそ寄生されないようにと卵や小さな幼虫から飼育。食草を補給する時に卵や幼虫がついていて飼育個体が増加。今日数えたら60ほどにも。そのうち20近くが前蛹か蛹になりました(写真左。アゲハと同じように飼育箱の天井で蛹化です)。野外の卵や幼虫も含めると今現在100個体以上。地域絶滅の心配はとりあえず解消です。右の写真は2匹の幼虫が向き合って仲良く?ウマノスズクサの茎を食べているところ。茎が大好きです。(7月26日の当欄もご覧ください)(Y)

2023年8月20日(日)
これは何?

 左の写真は何だと思いますか? じっとしたままだとゴミの塊にしか見えませんが…。動き出すと生物だとわかります(写真右。下が頭部)。これはゴミを被ったクサカゲロウ類の幼虫です。飼育しているアゲハの幼虫に補給した、イヌザンショウの小枝にたくさんついていました。他の仲間では自分のフンを被る幼虫もいます。外敵から身を守り、生き抜く知恵でしょうか。生物の世界はつくづく面白いなと思います。(Y)

2023年8月18日(金)
セミの羽化殻

 今夏は例年にも増してセミの鳴き声が賑やかな気がします。7月初旬のニイニイゼミから始まって、ヒグラシアブラゼミ、8月に入るとミンミンゼミツクツクボウシ、クマゼミが独特の声を響かせます。ニイニイゼミとヒグラシはいつの間にかいなくなりました。あちらこちらに羽化殻も。左の写真はニイニイゼミの、右はツクツクボウシの羽化殻です。羽化殻はたくさん見つかるのに、羽化は今季まだ一度も見ていません。その気になって探さないとダメなのかな〜。(Y)

2023年8月17日(木)
ツマグロバッタのオスとメス

 左の写真はツマグロバッタのオス、右はメスです。オスは私が撮影しても、ほぼピタリとピントが合ってくれるうれしい昆虫です。右のメスは、何年か前の夏にツチイナゴと紹介して、自然に詳しい大阪の友人が間違いを指摘してくれました。ツチイナゴにある眼の下の黒い線はないし、そもそも真夏にツチイナゴの成虫はいません。でも、おかげで両種とも私の大好きな昆虫になりました。自然観察の面白さに気づき始めた頃のことです。(Y)

2023年8月15日(火)
生きものたちの日常

 台風7号が接近中。当地への最接近は夕方のようです。久しぶりの雨でちょっと一息、ということはあるもののやはり被害はとても心配。「線状降水帯」とか「フラッシュ干ばつ」という言葉は最近になって聞くようになりました。豪雨・暴風や干ばつ、それに伴う洪水、山火事など激しくなる気象災害はみな地球温暖化が原因。地球を守るために自然や平和を守ることの大切さ、人間はこれからどのように行動すべきか、新聞やテレビはもっと伝えてほしい…。こんな状況にあっても日常を生きる生きものたちの姿があります(写真左はアマガエル、右はコカマキリ幼虫)。(Y)

2023年8月14日(月)
幼虫の飼育

 7月に30個以上のアゲハの卵を飼育して、7月25日にすべて羽化しました(7月11日7月25日の当欄)。ホッとしたのも束の間、またイヌザンショウでアゲハの卵を30個ほど見つけて、飼育が始まりました。さらにウマノスズクサではジャコウアゲハの産卵も(7月29日の当欄)。初夏には全く産卵がなかったのに、今回は60個以上の卵。寄生昆虫から守るために、全部とはいきませんができるだけ飼育しています。その結果2種のチョウ合わせて80以上の大所帯に。アゲハはすでに前蛹や蛹になったものも(写真左)。ジャコウアゲハは今、体長1〜2cm(写真右)。たくさんのジャコウアゲハがヒラヒラと飛び交う里になって、地域の自然の素晴らしさに気付く人が増えたらいいな。(Y)

2023年8月12日(土)
続・雨が降らない

 その後も雨は全く降りません。いよいよ田んぼビオトープ全体が干上がってきて、泥沼のようになってしまいました(写真左。大きな水草はマコモです)。別の場所で草刈りをするつもりでいたのですが、急遽田んぼビオトープに入って少しでも水が増えるように作業することに。ところが、足元が田んぼ用の長靴ではなくスパイク長靴。履き替えに戻るのも面倒でそのまま作業。案の定泥の中で足が動かせなくなり、バランスを崩してバッシャーン!ドロドロになってしょんぼり帰宅。でも、その前に見た泥の中で咲くミズオオバコが驚くほどきれいで(写真右)、禍もあり福もあり。8月4日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年8月11日(金)
ナツアカネとツマグロヒョウモン

 プラスチックの支柱に倒立姿勢で止まるナツアカネ(写真左)。トンボは自分で体温調節ができないので、直射日光に当たる部分を少なくして暑さをしのいでいます。右の写真はサワヒヨドリの葉裏に止まっているツマグロヒョウモンのオス。時刻は午後6時半を少し過ぎた頃。チョウは午後4時頃には眠りに就きます。このツマグロヒョウモンも眠っていたようです。こんな姿を見る時、生物はそれぞれの「生」を生きている気がして、人間も野生動物も命の重さは同じだと思うのです。(Y)

2023年8月10日(木)
初めましての出会い

 猛暑と雨が降らないのと、イノシシの害で難儀しています。それでも最近、初めて見る生物に出会うことが多くなり、励まされています。左の写真はクモバチの一種(キオビクモバチ?)。襲われたクモは脱皮したばかりのようです。窓ガラスを上がっていくのが見えたので、まず家の中から1枚。そして外に出て撮ろうとしたら逃げ足が早くて…。結局残ったのは、鮮明ではない最初の1枚だけです。右の写真はヤマハギの葉を食べていた幼虫。調べたらギンボシシャチホコというガの幼虫のようですが、食草はヌスビトハギとありました。飼育して確かめようともう一度その場所に行ったら、もう見つかりません。残念です。(Y)

2023年8月9日(水)
ナガコガネグモの狩り

 ナガコガネグモは、網にかかった獲物に毒を注入したり、糸でグルグル巻きにして動けなくしてから食べ始めます。食べ方は消化液を獲物にかけて溶かし(体外消化)、ドロドロになった部分を口から吸い込みます。獲物は左の写真がオオカマキリ幼虫、右がツマグロバッタのオス。ナガコガネグモは、これからの成長・産卵に向けて食欲旺盛です。(Y)

2023年8月8日(火)
ツチイナゴ

 昨日、休耕田の畑周辺でツチイナゴ幼虫を見つけました(写真左。体長約1cm)。今季2度目です。2週間ほど前に初めて見た時には体長4〜5mm。目の下の黒い線がうっすらとありました。初めてこの幼虫を見た時は、何てきれいで可愛い!と驚きました。日本(南西諸島を除く)の狭義のバッタの仲間では、成虫で冬を越すただ一つの種類。暖かくなると産卵して一生を終えます(写真右は成虫。6月27日)。ツチイナゴを成虫と幼虫、同時期に見たのは初めてです。6月16日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年8月6日(日)
3種のコガネグモ

 今まで見つけられなかったコガタコガネグモ、今日北斜面にある地道を歩いていて見つけました!(写真左)。これでよく似た3種のコガネグモ類、コガネグモ(7月28日の当欄)、チュウガタコガネグモ(写真右)、コガタコガネグモを全部見つけることができました。人の顔のように見えるのは腹部背面の模様です。コガネグモ類が棲んでいるところは餌となる昆虫が多くいて、網を張る足場が確保できる場所。つまり自然環境が豊かな場所と言えます。(Y)

2023年8月5日(土)
休耕田の畑(その2)

 畑の隅のヒャクニチソウで吸蜜しているのはツマグロヒョウモンのオス(写真左)。ウラギンヒョウモンと間違えて、改めて図鑑で違いを確かめ脳にインプット。電気柵のプラスチック杭にいたのはショウリョウバッタ幼虫(体長5〜6cm)。初夏に見た時には1.5cmほどだったのに(6月26日の当欄)。猛スピードで成長していきます。(Y)

2023年8月5日(土)
休耕田の畑(その1)

 今年もゴマの花が咲きました(写真左)。ゴマとゴミの分別が大変だけど、自分で作ったゴマは売っているものより格段においしいです。右の写真はキュウリの雌花。雨が降らなくてナスもピーマンも元気がないのに、キュウリだけはよく穫れます。(Y)

2023年8月4日(金)
雨が降らない

 7月20日に梅雨明けが発表されてから雨は一度少し降ったきりで、後は夕立もありません。そして日差しは強烈。田んぼビオトープの水が減ってきて、とうとう一部が干上がってしまいました(写真左。泥が赤いのは鉄バクテリアのせい。赤く染まった子ガエルが中央に)。おまけにイノシシが侵入して、生命線の水路が3日に渡り激しく掘り返されてぐちゃぐちゃに(写真右)。水不足は毎年ですが、今年はちょっと途方に暮れています。昨日のニュース番組では、昨今の極端な気候変動は地球全体、とりわけ北極の温暖化が原因で、激しい気象災害が今後も増えるだろうと。そんな時に一方では、大量の資源とエネルギーを使って、東京では神宮外苑の再開発、大阪では万博。誰のために?というような計画が懸念の声を聞こうともせずに…。喫緊の課題はもっと他にあるはずなのに。(Y)

2023年8月2日(水)
ベッコウハゴロモ成虫と羽化殻

 先日、ヒマワリの葉裏で羽化直後と思われるベッコウハゴロモとその脱皮殻を見つけました(写真左)。羽化の時に取れた毛が散乱しているのがわかるでしょうか。右の写真(2022年7月29日撮影)の上方に、ロウ物質でできた毛束を持つベッコウハゴロモの幼虫が写っています(下方の薄緑色はアオバハゴロモ成虫です)。腹端に長い毛束を持つ奇妙な姿の幼虫が、脱皮して成虫になるとガラリと姿が変わります。自然には実に様々な生きものがいるものです(2021年7月17日の当欄もご覧ください)。(Y)

2023年8月1日(火)
生きているって素晴らしい!

 この季節、私は暑さで参っているけど、生きものたちはとても活発に活動しています。左の写真はオンブバッタ幼虫。右の写真は脱皮中のバッタ。図鑑で調べたらすぐに名前がわかるだろうと思ったけど、なかなか…。で、只今調べ中。足元ではジャコウアゲハがヒラヒラ飛びまわり、ヤマノイモの葉にはダイミョウセセリ成虫が来て…どちらも産卵かな。バードバスにはエナガやシジュウカラ、ヒヨドリなどがひっきりなしにやって来て水浴び。時にはカラスも。みんな嬉しそうで、生きていることを謳歌しているような…。眺めていると、私の心も和んできます。(Y)

2023年7月31日(月)
ノカンゾウとキカラスウリの花

 休耕田の法面で、およそ10年ぶりにノカンゾウの花が咲きました(写真左)。10年前、この場所のすぐ下は水が溜まってジュクジュク。周りは私の身長を超えるマコモが群生していました。その後私たちが整備。きれいになりましたが、ノカンゾウが咲かなくなりました。何が原因だろう…。乾燥化?日当たり? いろいろ試して、ようやく今年うれしい開花。爽やかなオレンジ色が魅力的な花です。右の写真はキカラスウリ。暗くなってから開き、朝には萎れる一日花。今朝は早くに田んぼに出たおかげで、不思議な形の美しい花を見ることができました。(Y)

2023年7月30日(日)
ダイミョウセセリ幼虫の巣作り(その2)

 帰宅して見たら新しい巣が完成し、幼虫はその中に納まっていました(写真左)。その新しい巣を裏側から見たら、いくつもの小さな穴(写真右)。葉を糸で綴じた時に作られたものでしょうか。幼虫が自分の吐いた糸で葉を綴じて中に隠れる…。また一つ、不思議で愛おしくなる生物の世界です。(Y)

2023年7月30日(日)
ダイミョウセセリ幼虫の巣作り(その1)

 勝手口を出たところの柱に、毎年ヤマノイモが蔓を絡ませて大きな株になります。その葉に毎年ダイミョウセセリが産卵し、幼虫が育ちます。幼虫には面白い習性があって、葉を折りたたんで「巣」を作るのですが(写真左)、自分の成長に合わせて一辺数mmの小さなものから大きなものへと作り変えていきます。今朝早く、田んぼに行く時にヤマノイモの葉を見たら、幼虫が巣の外に出て何やら作業中でした(写真右)。(Y)

2023年7月29日(土)
ジャコウアゲハがやって来た!

 外出から帰宅したら、ジャコウアゲハが産卵に来ていました(写真左)。卵は全部で18個(写真右はその一部)。ヤドリバエなどに寄生されないように、産卵直後の卵を保護することにしました。また忙しくて、ちょっと嬉しい食草の補給が始まります。それにしても、ジャコウアゲハは初夏の産卵が全くなくて地域絶滅ということも考えていたのに…。広い地域、どうやってウマノスズクサを見つけるのだろうと思うとちょっと感動します。(Y)

2023年7月28日(金)
コガネグモ

 田んぼの入り口に体長約3cmのコガネグモ(写真左)。大きな円網の真ん中にデーンといるので迫力があります。気を付けていても、網にかかってしまってよく壊します。網はちょうど私の顔の高さ。網は粘着質でとても丈夫。顔にかかると取るのに一苦労です。壊してしまった網は翌日には修繕されて元通り。私が網をよく壊すのに、クモは移動せずにいつも同じ場所にいます。右の写真はニイニイゼミ、ある日のコガネグモの獲物です。コガネグモは岡山県の準絶滅危惧種。これから産卵して8月には姿を消します。(Y)

2023年7月26日(水)
ジャコウアゲハ、その後

 ウマノスズクサが刈り取られる前に自生地に行きました(7月8日の当欄)。保護した幼虫は15匹。みんな蛹になる直前で、大きく育っていたので寄生が心配でした。案の定、家に持ち帰って飼育を始めたら次々と寄生がわかりました。蛹になれたのは15匹のうち2匹だけ。羽化を願っていましたが、これらも寄生されていて結局全滅です。最近ジャコウアゲハ幼虫に寄生するヤドリバエの仲間が増えているようで、保護のためには卵か小さな幼虫の時から飼育することが大切だと改めて認識。ジャコウアゲハの復活を願ってウマノスズクサを育てようと思います。写真は、孵化が始まった卵と終齢幼虫。どちらも以前のものです。(Y)

2023年7月25日(火)
アゲハの幼虫、その後

 数日前からアゲハの羽化が始まり、今日すべてが羽化しました(7月11日の当欄もご覧ください)。途中、事故や病気?で数匹が死にましたが、残りの30匹近くが無事羽化(写真左)。ほとんどの幼虫が木製の天井で蛹化したので、羽化の時の落下を避けるため天井には麻布をベタベタと貼り付けておきました。これが効果を発揮、落下しての羽化不全はありませんでした。見に行った時に、人影に驚いたのか翅が乾ききらない1匹が落下。でもカラスザンショウの幼木に移してやったら、ゆっくり時間をかけて翅を乾かし元気に飛んで行きました(写真右)。

2023年7月24日(月)
エノキワタアブラムシ

 屋上のデッキに上がると、地上5〜6mのエノキの樹冠部がすぐそこ。今はエノキワタアブラムシが現れる季節です。本種はエノキに寄生するアブラムシ。全身に白い綿状のロウ物質を纏っていて、カメラを向けてもなかなかピントが合わず…。しつこくカメラを向けていたら、翅を出して(写真左)飛びました。本種には有翅型と無翅型があるそうです。右の写真はそのエノキワタアブラムシをハラビロカマキリの幼虫が捕食中。他にはアマガエルやクモなども。みんなこのアブラムシを目指して高い木の上まで上がってきます。(Y)

2023年7月22日(土)
シャチホコガの蛹

 6月17日の当欄でシャチホコガの繭と蛹と紹介したのは間違いでした。写真を載せたものの、どうも納得できなくて、飼育箱の土の中を何度も探しました。そして今日、ようやく本当の繭を見つけました。繭は2枚の落ち葉を糸で綴った間にありました(写真左)。その繭をハサミで切り開くと、中に成虫が羽化した後の蛹の抜け殻と終齢幼虫の脱皮殻が(写真右)。繭の中で蛹になるとはこういうことか。驚きと感動と…また一つ生命の神秘に触れた気がします。右の写真の脱皮殻で、手前が頭部、その後ろに脚が見えます。6月6日の幼虫の写真と見比べてください。(Y)

2023年7月21日(金)
畑の昆虫

 畑の様々な生物(7月19日の当欄)、もう少し紹介します。左の写真はヒナバッタ。いつもは上から見るばかり。横から見るのは初めてです。種名がわからず図鑑で苦労して調べました。やっと分かったら、「なーんだ」。ヒナバッタは田んぼにたくさんいます。上から見るのと横から見るのとでは随分違う印象。いろんな角度から見ることが大切ですね。最近は自宅そばの畑でもよく見るようになりました。右はトノサマバッタの幼虫。今年初めての出会い。頭の後ろ側の鎧のような背中が特徴。何ともかわいい背中です。(Y)

2023年7月20日(木)
季節の移り変わりは生物とともに

 昨夜、玄関の戸締りのついでに周りを見ると、灯火に引き寄せられたのか板壁に体長約6cmのミヤマカミキリ(写真左)。すぐそばにはニイニイゼミも(写真右)。今これを書きながらふと窓外に目をやると、大きな夏型のアゲハが今が盛りのリョウブの花で吸蜜しています。春に羽化したチョウが産んだ卵が成長して羽化する季節。そういえば最近よくチョウを見るようになりました。里山では生物の移ろいとともに季節の変化を感じます。今日は中国地方の梅雨明けが発表されました。(Y)

2023年7月19日(水)
畑で作業

 雨が降りそうなので、降る前にと自宅そばの畑で作業をしました。畑には様々な生物がいます。トノサマバッタ幼虫、他のバッタやキリギリス類、カエル、ジャノメチョウ…。左の写真は葉の上にいたシュレーゲルアオガエル。体に白いものがいっぱい付いています。きっと、ロウ物質を纏ったアオバハゴロモ幼虫(写真右)をたくさん食べたのでしょう。カエルの顔、満足そうに見えませんか。(Y)

2023年7月18日(火)
田んぼで

 田んぼで様々な生物に出会うと、つい手が止まってカメラを向けてしまいます。左の写真はアカヘリサシガメ。初めての出会いです。右はツマグロバッタ。もう成虫が現れたのかと思ってよく見たら翅が短い…これは幼虫。不完全変態のバッタ類は、チョウやトンボなどと違って幼虫から成虫になるまでの間に大きな変化を遂げることはなく、徐々に変化が起こります。だからバッタの幼虫は成虫のミニチュア版のようですが、翅が短いので区別できます。本種をツチイナゴと間違えたかつての私の知識のなさが懐かしい…。(Y)

2023年7月17日(月)
庭にて

 最近草刈りしたばかりの庭。それなのにもう10cmほどに伸びた草。その中をこちらにやって来る黒い塊。何だろうとカメラを持って外に出ました。やって来たのは体長10数cmの小さなクサガメ。私の姿を見たら逃げる・逃げる!思ったより動きが早いので、犬走りでようやく撮影できました(写真左)。イチゴのプランターにはカタツムリの一種、コベソマイマイ(写真右)。日々、多様な生物と出会う幸せ。手を加えることで自然が豊かになっているとしたらうれしい…。(Y)

2023年7月16日(日)
カミキリムシ

 左の写真は、アキグミの葉にいたキボシカミキリ(体長約3cm)。幼虫はクワ、イチジク、ミカンなどの生木を食害するので害虫扱いされますが、大きさ、色彩ともに大好きな昆虫の一種です。右の写真は夜、玄関の灯りに来た体長約6cmのシロスジカミキリ。先日の小学生との自然観察会で男の子が見つけたノコギリクワガタ(6月29日の当欄)以来の大型昆虫です。夜の戸締りをするときに玄関付近を見るのが日課ですが、昨夜は他に、ヘイケボタル成虫1とオバボタル幼虫1のほのかな灯りを見ることもできました。(Y)

2023年7月15日(土)
休耕田の草刈り(その2)

 ミソハギ群落ではキイトトンボが交尾中(写真左)。田んぼビオトープのオタマジャクシは全くいなくなり、みんなカエルになったようです(写真右は体長約2cmのアマガエルの子ガエル)。寄り道しながら今日の草刈り場所に到着。今年は雨が多く、草が伸び放題!これからの時期、熱中症に注意しながらの草刈りです。今日は蒸し暑かったけど風は心地良し。地上にはバッタ(幼虫、成虫も)、上空にはチョウトンボウスバキトンボ、ツバメやコシアカツバメ、イワツバメが飛び交って…。いい時間でした。(Y)

2023年7月15日(土)
休耕田の草刈り(その1)

 久しぶりに休耕田の草刈りに行きました。ミソハギの花が咲き始め(写真左)、コオニユリは満開でした(写真右)。(Y)

2023年7月14日(金)
リョウブとヤブカンゾウ

 6月末のこと。友人のブログに、兵庫県ではリョウブの花が満開とあったので、自宅周辺のリョウブの木を見に行きました。当地は気温が低いのか、まだ蕾。あれから2週間…こちらでもリョウブが満開になりました(写真左)。ヤブカンゾウも満開(写真右)。この花は雄しべが花びらに変化して、八重咲の花になります。これが暑苦しいと嫌う人もいますが、私は大好きな花の一つです。エディブルフラワーで、サラダで食べられます。新芽も美味しいということなので、来春は試してみよう!(Y)

2023年7月13日(木)
寄生

 チョウの幼虫を飼育していると、寄生されて死んでしまうことがよくあります。卵や小さな幼虫で保護するとまず大丈夫ですが、大きくなった幼虫を保護飼育するとほとんどが寄生されています。先日のタテハチョウ科の蛹(5月22日の当欄)…羽化を楽しみにしていましたが、出てきたのは寄生バチでした(写真左)。寄生バチは宿主の体内で成虫になって出てきます。7月7日に保護したジャコウアゲハ幼虫は、前蛹の段階で5匹が寄生されています。ジャコウアゲハの場合は寄生バエ。寄生バエは宿主から終齢幼虫で出てきて外で繭を作ります(写真右)。それにしても、自然下で成虫まで育つことは何と難しいことでしょう。(Y)

2023年7月12日(水)
ある日の出会い

 洗濯物を取り込もうと思って、ウバタマムシに気づきました(写真左)。思いがけず、大きくてかわいい眼。こんなにじっくりとウバタマムシの顔を見たのは初めてです。ヒメジョオンにはツユムシの幼虫(写真右)。成虫も好きですが、幼虫もきれいで魅力を感じます…と思うのは昆虫が大好きだからでしょうか。大多数の人は、そうは思わない?(Y)

2023年7月11日(火)
アゲハの新しい飼育(その2)

 その後ほとんどが順調に育ちました。終齢になるとプラスチックの飼育容器では狭すぎるので、木製の大きな飼育箱に。それでも夏型の終齢幼虫30匹となるとかなり過密(写真左)。何とか無事に育って、今はほとんどが前蛹または蛹です。飼育箱の全側面は風通しを考え、また蛹化の場所として好都合だろうと網戸にしてあります。ところが、ほとんどの個体が網戸ではなく木製の天井で蛹化します(写真右。これはまだ前蛹)。天井の板は割合滑らかなので、羽化の時の落下が心配。みんな蛹になったら無事羽化できるような細工を考えよう。ようやく忙しかった葉の補給は終了。ちょっと一息です。(Y)

2023年7月11日(火)
アゲハの新しい飼育(その1)

 イヌザンショウの幼木から卵や小さな幼虫を持ち帰ったら、全部で30匹以上いました(左の写真は孵化直前の卵、右は孵化したばかりの幼虫。ともに6月23日撮影)。(Y)

2023年7月10日(月)
クロアゲハ羽化

 5月下旬から6月初めにかけて、アゲハチョウ科の幼虫2匹と卵1個を見つけて飼育していました。そのうち、6月2日にカラスザンショウの幼木で見つけたクロアゲハが今日羽化しました(写真左。右は見つけた時の写真です)。5月22日に見つけた幼虫はすでに羽化、アゲハでした。飼育箱に残っているのは、卵から飼育した(5月31日の当欄)のクロアゲハ蛹だけになりました。小さな幼虫時代に種類がわかるようになりたいけど難しい…。写真を整理しながら2種の違いを見比べたいと思います。(Y)

2023年7月9日(日)
ホタルブクロとクリの花

 紹介したくてしそびれた植物があります。花が咲いたのは1か月ほど前のことになりますが…。左の写真はホタルブクロ(6月7日)。以前は白い花もありましたが、最近は赤紫色の花ばかりです。右はクリ(シバグリ)の花(6月7日)。数年前、クスサン(蛾)が大量発生したときは枯れるかと心配しましたが、持ち直しました。実がなりすぎると食べるのに苦労しますが、あんまり少ないと寂しくなります。1日2枚の写真だと、日々の自然の変化についていけない時も。遅くなりましたがご覧ください。(Y)

2023年7月8日(土)
ウマノスズクサ自生地へ

 畑のウマノスズクサは繁茂し(写真左)、花も咲いたけど、ジャコウアゲハの初夏の産卵はありませんでした。残念な思いでしたが、次の産卵を期待して、太い蔓を根元で切りました。切らないと母蝶が産卵するような柔らかい葉が出てこないのです。そんな時に友人が知らせてくれました。隣の地域のウマノスズクサ自生地周辺で近々草刈りが行われるが、葉にはジャコウアゲハの幼虫がいると。それは大変と急いで自生地へ。今年初めて見る幼虫は蛹化間近の大きなもの(写真右)。保護のため、葉ごと持ち帰って飼育を始めました。幼虫は全部で15匹。大切に育てます。(Y)

2023年7月7日(金)
シャチホコガの羽化

 6月4日に見つけたシャチホコガの幼虫が昨日、羽化しました(写真左は背側から、右は横から撮影したもの。体長約3cm、開張5〜6cm)。幼虫は奇妙な姿でしたが、成虫も一見普通のガのイメージとは違いました。フサフサの毛があり、翅は乱れてボサボサ。羽化直後なのに翅がひどく傷んでいるようで、胸部の毛も一部なくなっています。不思議に思って他の方の飼育記録を読んでみました。そしておおよそ推察できました。このガは真夜中に羽化して、飼育容器から出ようとして激しく暴れ、傷んでしまったようです。午前10時頃、羽化に気付いた時は容器のふちでじっとしていて、フタを外しても動きません。夕方にもそのままでしたが、今朝はいなくなっていました。6月4日17日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年7月5日(水)
テングチョウの羽化

 6月9日に見つけたテングチョウの卵(6月12日の当欄)。孵化、幼虫の成長、そして蛹化を経て7月4日に羽化しました(写真左)。右の写真は、枯れて縮れたエノキの葉の中に残っていた羽化殻。身近で生物の営みに触れる喜びを感じます。都会に近い場所にも、子どもたちが安心して自然と触れ合える里山環境を作れないものでしょうか。費用と時間はかかっても、こういうことも大きな子育て支援だと思うのですが…。(Y)

2023年7月4日(火)
ナツツバキとヤツメカミキリ

 ナツツバキが次々と咲き始めました(写真左)。ナツツバキは一斉に咲いて散るのではなく、咲く花、散る花、蕾といろいろなので長く花を楽しむことができます。花のすぐそばにカミキリムシがいました(写真右。体長15mmほど。7月2日)。初めて見る昆虫なので調べるとヤツメカミキリ。きれいなカミキリムシです。初めての生物との出会いが何とも嬉しいことでした。(Y)

2023年7月3日(月)
ヘビの来襲

 7月1日の夕方、雨の中でブッポウソウの声がしたので双眼鏡で巣箱を見ると、ロープのようなものが。よく見るとヘビのようです。急いで長い竿を持って駆けつけると、アオダイショウが巣箱から頭部を出していました。竿で落とそうとしたけど中に入ってしまって出てきません。ブッポウソウも姿を消してしまい大騒ぎをすることもなし。先日の巣箱を巡る争いの時の迫力とは違います(6月26日の<季節の1コマ475>)。ヘビに襲われたら諦めるしかないのでしょう。昨日、巣箱を取り外して(写真左。中には細かく割れた卵の殻が残っていました)、中を洗ってから再設置(写真右)。周辺の草刈りをして、ヘビ除けの木酢液を散布。もう一度やり直してくれるかもという淡い希望を持って…。それにしても、雨で濡れた直径5cmの単管パイプを登るアオダイショウの能力にビックリ!甘く見ていて対策が不十分でした。ブッポウソウには気の毒なことになり、残念でなりません。(Y)

2023年7月1日(土)
アゲハの羽化

 5月22日にカラスザンショウの幼木で見つけたアゲハの幼虫が、昨日羽化しました。飼育箱を外に出してやろうと動かしたら落下(写真左)。でも、チョウの前にそっと手を出すと乗ってきて、すぐに飛んでいきました。あいにくの梅雨空でしたが、きっと安全なところで雨をやり過ごしてくれる…そんな思いで見送りました。無事羽化してホッとしましたが、後に続く幼虫が30匹以上(写真右)。イヌザンショウの幼木に、たくさんのアゲハの卵が産み付けられていたのを持ち帰って飼育しているものです。野外でそのままにしていると、寄生されたり、アシナガバチに肉団子にされたりして全滅するので、保護することにしたのです。みんな元気でよく食べるので葉の補給に追われます。(Y)

2023年6月30日(金)
ニンジンの花

 休耕田の畑で、今年もニンジンの花が満開です(写真左)。ニンジンは根っこの部分を収穫して食べてしまうので、花を知らない人がほとんどだと思います。でも以前、収穫し忘れたまま放置した株から思いがけず大きな花が咲いてニンジンの花を知りました。今年は、こぼれ種から育ったもの。この花にはいろんな昆虫が集まります。右の写真はアカスジカメムシです。(Y)

2023年6月29日(木)
しぜんたんけんたい

 28日、地元の小学1、2年生の校外学習として、田んぼビオトープ付近で「しぜんたんけんたい」(自然観察会)をしました(写真左)。曇りのち雨の予報でしたが予定通り決行。天候のせいか期待していたほどはチョウやトンボ、それにブッポウソウは現れずちょっと残念。それでも、男の子が大きなノコギリクワガタを見つけてみんなびっくり!(写真右)。また誰かがモリチャバネゴキブリを捕まえた時も大盛り上がり。みんなゴキブリは家の中にいるものだと思っていたのです。無事観察会終了。その1時間後にいきなりの豪雨。子どもたち、雨にあわずにすんでよかった。雨のあとたんぼビオトープ付近に行ったら、観察会の時にはいなかったイモリやサワガニが。生きものたちとの出会いは一期一会。でも、子どもたちをもっと驚かせたかったな。(Y)

2023年6月27日(火)
トンボに道を譲ったら

 休耕田に行く途中に、オカトラノオの群落があります。きれいなうちにと写真を1枚撮りました(写真左)。少し先の狭い道でモノサシトンボとバッタリ(写真右)。トンボをまたいでいくと飛んで行ってしまうだろうな…。結局トンボに道を譲って違う道を行くことに。その道はしばらく草刈りをしていなかったので、すごい藪漕ぎになりました。草の勢いに圧倒されそうな季節。蒸し暑さには参るけど、いろんな生物との出会いが楽しみな時期でもあります。(Y)

2023年6月26日(月)
ショウリョウバッタ幼虫

 今日は久しぶりの雨。このところ高温多湿の中での作業が続いたので、今日はちょっと一息です。昨日は雨が降る前にと思って、棚田の一本道の刈草を集めて焼きました。草を熊手で集めていると、ショウリョウバッタの幼虫が次々と(写真左。体長約1.5cm)。成虫になるとメスでは体長8〜9cm、触角や後脚も含めると14〜18cmにもなりますが、今は何とも可愛い姿。小さな幼虫の、成虫までの道のりが今始まったばかりです。草を刈って集めて焼いた棚田の一本道はすっかりきれいになりました。(Y)

2023年6月25日(日)
テングチョウ幼虫、蛹に

 6月9日に見つけたテングチョウの卵。気が付けば終齢幼虫に(写真左)。そして今日、蛹になりました(写真右。大きさ約1.5cm)。ホッとしたのも束の間、イヌザンショウで見つけたアゲハチョウ科のチョウの卵が全て孵化しました。20匹以上の初齢幼虫を保護飼育。この季節、同居人(虫)は増えるばかり。成長を見るのは楽しいけど…ちょっと大変。6月12日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年6月24日(土)
サンショウウオとイモリの幼生

 田んぼビオトープにセトウチサンショウウオの幼生(写真左。2023.06.19撮影)がたくさんいる場所があります。写真の個体は体長3〜4cmで、後肢もあり変態間近です。同じ場所で少し黒っぽい幼生を見つけました(写真右。2023.06.21撮影)。体長1cmほどで外鰓はありますが、後肢はまだ出ていません。これはセトウチサンショウウオではなく、アカハライモリの幼生です。どちらの幼生も外鰓があって前肢が先に出て…同じような成長の過程を辿ります。初期の幼生はよく似ていて、区別するのはとても難しいです。(Y)

2023年6月21日(水)
モートンイトトンボとキイトトンボ

 左の写真はモートンイトトンボ。岡山県の準絶滅危惧種です。新聞に高知県四万十市トンボ自然公園(通称トンボ王国)の記事が掲載されていましたが、モートンイトトンボは高知県ではトンボ王国でしか見られないそうです。私たちが管理する田んぼビオトープには、この時期たくさん見られるのに? 自然豊かなはずの高知県では絶滅危惧T類となっていて、ちょっと驚き…。気候や地形の違いもあるでしょうが、全国的に減少傾向ということなので、農薬や乾田化が大きな原因ではないかな? 右の写真はキイトトンボ。トンボの仲間は水がないと命を繋ぐことができません。トンボが飛び交う環境を、子どもたちのために残せないものでしょうか。(Y)

2023年6月20日(火)
ノアザミとチョウ

 ノアザミに吸蜜に来る昆虫はとても多いです。今日は、2種のチョウを紹介します。左の写真はウラギンヒョウモン、右はヒメキマダラセセリです。雨が降り続いた後のカラッとした晴れ間。今までどこにいたのでしょう。一気にたくさんの生物が現れました。こんな日は、私もちょっと幸せな気分になります。(Y)

2023年6月19日(月)
アゲハ幼虫、蛹へ(その3)

 幼虫は6月15日にようやく前蛹になり(写真左)、翌日蛹になりました(写真右)。以前はアゲハといえば成虫しか思い浮かばなかったけど、今は成長の各段階を思い浮かべます。飼育して連続した成長の段階を見ると、その生物の興味深い生態を知ることができ、愛着が湧いてきます。(Y)

2023年6月19日(月)
アゲハ幼虫、蛹へ(その2)

 と思うと、そのうちまた移動して食べ始める(写真左)。右の写真で下にいるのは同じ飼育容器にいる初齢幼虫。仲良くしているようで何となくほほえましい。ウロウロと静止を繰り返しています。(Y)

2023年6月19日(月)
アゲハ幼虫、蛹へ(その1)

 5月22日に見つけたアゲハチョウ科の小さな幼虫。無事成長して6月7日に終齢になりました(写真左)。終齢になると、葉を補給してもすぐに食べてしまう大食漢。でもそのうち歩き回らなくなり1か所で静止したので、そろそろ前蛹?(写真右。6月12日)。(Y)

2023年6月18日(日)
田んぼビオトープからの帰り道で

 もうすぐ田んぼビオトープで自然観察会をするので、マコモなどの水草を取り除いて開放水面を広げています。マコモは秋まで放っておくと、地下茎を張り巡らせて除去が厄介になります。ビオトープの水に入っての作業。辺りでは、イカルの明るく美しい囀り、畔を歩くオスのキジ、電線で親鳥が運んでくる餌を待つコシアカツバメの幼鳥、夏型の大きなキアゲハ…楽しみながらの作業です。作業を終えての帰り道、熊手に止まったショウジョウトンボ(写真左)。オカトラノオで吸蜜するオオチャバネセセリ(写真右)。オカトラノオは今、満開です。(Y)

2023年6月17日(土)
シャチホコガの幼虫、蛹に

 一昨日、飼育中のシャチホコガ幼虫の姿が見えなくなりました。いよいよ蛹になるのかな…。シャチホコガの幼虫は地面に降りて蛹になるので、あらかじめ飼育箱の底に土と枯葉を入れておきました(写真左)。今日、確かめるために枯葉を裏返すと、蛹がありました(写真右)。特徴的な形の幼虫からは想像できない、シンプルで小さな繭に包まれています(写真右。長径2〜3cmの俵型)。どのように繭を作ったのでしょう?脱皮殻は?謎が多いです。(Y)

2023年6月16日(金)
梅をいただきに

 ご近所のTさんが「梅をとりにおいで」と誘ってくださいました。Tさんのお宅には、亡くなられたご主人が丹精された実のなる木がたくさんあります。梅にブドウに桃、キウイ、ビワ、ブルーベリー…それぞれの収穫期にはいつも声をかけてくれます。今日の梅の収穫は5Kgほど(写真左)。つやつやしてきれいな梅です。作業を終えて足元を見たら、ツチイナゴが交尾中(写真右)。ツチイナゴの交尾は初めて見ます。ちょうど今頃が成虫越冬のツチイナゴの繁殖期なのだと納得できました。成虫は産卵後、卵に命を託して一生を終えます。そしてもう少しすると幼虫出現。間近で見ることができた命の循環です。(Y)

2023年6月15日(木)
アワフキムシ

 先日、知り合いの方が来られて周辺を案内した時、草に付いた泡の塊(写真左)の中にいるのはホタルの幼虫かと聞かれました。エッ?中にいるのはホタルの幼虫ではなく、アワフキムシの幼虫ですと答えました。泡の中を見たら黒っぽい幼虫がいました。5月に見た時よりずいぶん大きくなっています。この泡の塊の中には、ホタルの幼虫がいると昔の人は言い伝えてきたようです。ちょうどホタルの発生と同じころに、よく目につくからかもしれません。ところで、この泡はアワフキムシ(カメムシやセミに近い昆虫で、何種かいます)の幼虫が分泌物を泡立てて作ったもの。この中で乾燥と天敵から身を守りながら植物の汁を吸って成長します。生物の世界は多様で、とても興味深いです。(Y)

2023年6月14日(水)
ドクダミ

 ドクダミは日本の三大民間薬の1つ(他の2つはセンブリとゲンノショウコ)。がくや花びらを欠く小さな花が密集している基部に、白い花びらのように見えるもの(総苞片・そうほうへん)が4枚付きます。だから1個の花のように見えても、実はたくさんの花の集まりです(写真左)。解毒、利尿、降圧などたくさんの薬効があり、生の葉には殺菌作用があるので火傷の治療などにも用いられたそうです。生だと独特な臭いがしますが、干すと臭いは消えます。梅雨の頃が花の時期。毎年この頃に全草を乾燥させてドクダミ茶を作ります(写真右)。白く透き通るような総苞片と黄色い穂状の花…ドクダミの花が大好きです。(Y)

2023年6月13日(火)
魅せられて

 シャチホコガの幼虫を飼育して、そのユニークさ、行動の面白さにすっかり魅せられました。さて「シャチホコ」を漢字で書くと「鯱」、魚偏に虎です。鯱とは頭が虎で体が魚、常に尾を高く反り上げているという想像上の海獣のこと。シャチホコガは、幼虫が大きく膨らんだ尾部を反り上げた奇妙な姿をしているのでこの名が付けられました。左の写真は威嚇のポーズ。刺激すると長い中脚と後脚を大きく広げて威嚇します。右の写真は普段の擬態モードで、縮れた枯葉にそっくり。この時は長い脚を畳んでいます。(Y)

2023年6月12日(月)
テングチョウ幼虫の孵化

 6月9日にエノキ若葉の隙間で見つけたテングチョウの卵。11日に見たら透けて見えます(写真左)。孵化した?でも孵化したばかりの幼虫は卵殻を食べるはず…。しばらく探したら少し離れた葉の上に小さな幼虫がいました(写真右。体長1〜2mm)。アゲハチョウ科のチョウを何種か卵から飼育したことがありますが、どれも孵化直後に卵殻を食べていました。だからチョウの幼虫はすべてそうだと思っていましたが、食べるものと食べないものがあるそうです。いずれにせよ、とても小さくて可愛い幼虫。無事育ってほしいです(Y)

2023年6月11日(日)
子育て支援や少子化対策に思うこと

 左の写真は、エノキ若葉の隙間に産み付けられたテングチョウの卵。縦じま模様があるラグビーボールのような形で、長径1mmあるかどうかのごく小さい卵です。右の写真はハラビロカマキリの幼虫。カマキリ類全体の数が減っていますが、特にハラビロカマキリの減少は顕著で、この幼虫が今季初見です。そういえば、ごく普通にいたコカマキリも今季はまだ見ていません。自然を保護し、生物と共生することは人間の命を守ることでもあります。子育て支援や少子化対策は、お金を配るだけではなく、子どもたちが嬉々として自然と触れ合える環境を残すということも大切だと思います。(Y)

2023年6月9日(金)
マユミ(その2・花と実)

 花が咲き(写真左。5月16日)、先日は実ができ始めているのに気づきました(写真右。6月7日)。花は小さくて地味だけど、花の割に大きな実は秋になると濃いピンクに色づきとても美しいです。四季折々、さまざまな魅力を見せてくれる樹木です。(Y)

2023年6月9日(金)
マユミ(その1・冬芽と芽吹き)

 左の写真はマユミの冬芽です(3月4日)。暖かくなって次々と芽吹いてきました(写真右。3月17日)。冬芽から芽吹きへ、ダイナミックな変化です。(Y)

2023年6月8日(木)
シャチホコガ幼虫のその後

 幼虫はネジキの葉のほとんどを食べつくすと、激しく動き回りました(写真左)。おかげで、この幼虫の体全体を見ることができました。とても長い脚です。右の写真は葉を補給した時の幼虫。脚を畳んで体が反り返って、なるほど「しゃちほこ」です。イナバウアーと言った方がわかりやすいかな。飼育箱に入れてしばらくすると葉を食べ始め、やがて落ち着いたようでした。食べて休んでウンチして…とてもユーモラス。(Y)

2023年6月7日(水)
田んぼビオトープへ(その2)

 田んぼビオトープに着くと、たくさんのニホンアカガエルの子ガエルが出迎えてくれました(写真左。体長約1.5cm)。少し前まではヤマアカガエルの子ガエルばかりだったのに、今見るのはニホンアカばかり。産卵時期が少し早いヤマアカの子ガエルは、すでに水辺から離れて雑木林に移動したようです。また、畔ではミゾカクシ(写真右)が例年になくきれいです。雨が多いせいかもしれません。(Y)

2023年6月7日(水)
田んぼビオトープへ(その1)

 今年はよく雨が降り、6月としては朝晩の冷え込みが強いです。昨日は一日中肌寒く、4月下旬並みの気温だったそうです。さて5月末の観察会が終わって、生きものたちの様子や顔ぶれも変わりました。田んぼに行く途中でササユリが咲き始め(写真左)、モノサシトンボがたくさん見られます(写真右)。(Y)

2023年6月6日(火)
シャチホコガの幼虫

 昨日の夕方、ネジキの花とシャチホコガの幼虫が気になって見に行きました。幼虫は6月4日に見つけた時からほぼ同じ場所にいて、ネジキの葉を食べています(写真左。下が頭部です)。生態をもっと知りたくて写真を撮った後、飼育を始めました。土の中で蛹になるということなので、飼育箱に土も入れて。幼虫は特異な姿ですが、成虫はごく一般的なガのようです。今朝見たら、葉の軸にぶら下がるように静止していました(写真右)。まるで縮れた枯葉…ほとんどの人は生物だと気付かないでしょう。昼間は休息して、夕方また食べ始めるのかな? 不思議で面白い生態をじっくり観察しようと思います。(Y)

2023年6月5日(月)
ヒメウラナミジャノメとイヌツゲの花

 イヌツゲの木にヒメウラナミジャノメが(写真左)。チョウを見ていると、イヌツゲに花が咲いていることに気づきました(写真右。花の大きさは2〜3mm)。どんな木にも花が咲く。当たり前のことなのに、周りにたくさんあるイヌツゲの小さな花に気付いたのは初めてです。自然に興味を持つことで得た、たくさんの発見や知らなかった生物との出会い。自然観察から自然保護へ…自然や生物の命を守りたいという気持ちは観察することから育まれます。イヌツゲの花を見ながら、幼少期の子どもたちが自然と触れあうことの大切さを思いました。(Y)

2023年6月4日(日)
ネジキとシャチホコガの幼虫

 ネジキの花が咲き始めました(写真左)。今年は花つきが良く、とてもきれいです。写真を撮っていると、枯葉色のものが目に止まりました(写真右)。よく見ると動いています。初めて見る昆虫…シャチホコガの幼虫でした。それにしても変わった様相。どっちが頭部? 調べたら、シャチホコガの幼虫は静止する時、体を大きく反らすそうです。頭部は分かったけど、眼は? 大あごは? まだまだ不思議がいっぱい。自然には多様な生物がいることを改めて知ることができました。(Y)

2023年6月3日(土)
ホオノキの若葉

 ホオノキは日本では最も大きな葉をつける広葉樹で、1枚の葉の長さは20〜50cm、幅は10〜25cmもあります。左の写真は1つの冬芽が芽吹いて成長したホオノキの若葉(4月26日の当欄もご覧ください)。掌状複葉のトチノキと違って、1枚1枚が独立した葉です。枝先に葉を輪状につけて、効率よく太陽光を吸収しています。右の写真はホオノキを見上げたところ。とても美しく、樹の下にいると輪状の葉が力強く雨も風も暑さも避けてくれそうな気がします。ちなみに花も在来種の中で最も大きいということです。(Y)

2023年5月31日(水)
卵から幼虫へ(その2)

 卵から出た幼虫は、自分が育った卵の殻を食べています(写真左。午前9時18分)。孵化を始めてからおよそ2時間後には殻をすべて食べ終えていました(写真右。体長2〜3mm)。アゲハチョウ科のどのチョウかはまだわかりません。(Y)

2023年5月31日(水)
卵から幼虫へ(その1)

 5月23日、カラスザンショウの幼木の柔らかい葉に産み付けられた、アゲハチョウ科のチョウの卵を1個見つけました(写真左)。翌日にもまた1個。孵化を楽しみにしていましたが、最初に見つけた卵は先日の雨で流されてしまったようです。あとで見つけた1個は無事でしたが、様子がおかしい気がして孵化を諦めていました。それでも写真を撮って、よく見ると何と孵化が始まっていたのでした(写真右。午前8時21分)。(Y)

2023年5月30日(火)
トチノキの若葉

 左の写真はトチノキの冬芽(長さ4〜5cm)。3月3日の当欄で使ったのと同じ写真です。右の写真は同じ枝のトチノキの若葉。1つの冬芽にこれだけの葉の元になるものが収められていたのです。たくさんの葉のように見えますが、葉は7枚。トチノキの葉は1本の葉柄に5〜9枚の葉(小葉)が付いて掌(てのひら)のように見えるので掌状複葉(しょうじょうふくよう)と呼ばれます。(Y)

2023年5月29日(月)
樹の花(その1、ゴンズイとウノハナ)

 今日は久しぶりの雨。これからしばらく雨予報です。観察会が雨に降られなくてよかった…。今、樹の花が次々と開花しています。左はゴンズイの花。お天気が良いと、たくさんの昆虫が吸蜜に訪れます。チョウではクモガタヒョウモンアオスジアゲハアサマイチモンジがこの花の蜜が大好きなよう。右はウノハナ(ウツギ)。以前はたくさん咲いていましたが、最近は花を見ることがなくて…周りの樹が大きくなって日陰になったせいかな。今年はやっと花を見ることができました。(Y)

2023年5月28日(日)
自然観察会

 昨日、雑木林と田んぼビオトープ付近で、「おかやま環境ネットワーク」と共催の自然観察会を行いました(写真左)。雑木林ではタンナサワフタギやナツハゼ、ソヨゴの花が咲き、ヤマウグイスカグラやヤマグワの実が熟し始めていました。田んぼビオトープでは大きくなったセトウチサンショウウオ幼生やドジョウ、メダカ、卵を背負ったオスのオオコオイムシなど。ブッポウソウの華麗な飛行も見ることができました。参加者は15名。子どもたちの参加もあって楽しい観察会になりました。右の写真は観察会当日の棚田の風景です。5月25日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年5月25日(木)
観察会の下見(その2)

 田んぼビオトープでは、ニホンアカガエルが幼生から子ガエルへ(写真左)。トノサマガエルやシュレーゲルアオガエルの幼生もいます。チガヤの草はらには、地上20〜30cmのところにカヤネズミの繁殖巣と思われる大きな巣(写真右)。観察会、楽しくなりそうです。(Y)

2023年5月25日(木)
観察会の下見(その1)

 昨日、「テッペンカケタカ」の声を聞いてホトトギスの飛来を確認。ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロなどは、若鳥だけで採餌や水浴びにやってきます。さて今日は、27日に行う自然観察会の下見をしました。まず、ため池の堤防では甘い香りが漂って、スイカズラの花が満開。葉にはニセリンゴカミキリ(写真左)。しばらく行くとタツナミソウ(写真右)が小さな群落を作っていました。(Y)

2023年5月24日(水)
コンニャクの花

 何年か前に数個のコンニャク芋をいただきました。畑に植えたままにしていたら、何度か花が咲きましたが、ふつうの花のイメージからは程遠い奇妙なもの(写真左)。今年も1株咲いたので調べてみることにしました。まずは強烈な臭いに耐えて…。左の写真で、外側を覆っているのは仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれるもの。中央上部、赤茶色の膨らんだ部分は花序付属体と言って、中は空っぽですが臭気を発してハエなどを呼び寄せます。その下の小さな黄色い粒粒が花粉を作る雄花の集団(写真右)。写真には写っていませんが、その下に雌花の集団があります。臭気に誘われたハエは仏炎苞の下部に落ち込んで花粉を雌花に着けるという巧みな仕組みがあるそうです。一般的な花とは違うけど、これも花だと納得できました。そういえば、同じサトイモ科のミズバショウの花に構造が似ています。(Y)

2023年5月22日(月)
蛹と幼虫

 昨日、ため池の堤防でタテハチョウ科のチョウの蛹を見つけました(写真左)。蛹はサイヨウシャジンの葉の裏に付いていましたが、幼虫が何を食べていたかは分かりません。また、カラスザンショウの幼木の葉には、今年初めて見るアゲハチョウ科の幼虫(写真右)。たぶんクロアゲハの幼虫だと思います。蛹も幼虫も保護・飼育することにしました。越冬蛹からチョウがすべて羽化して飼育箱を片づけたばかり…チョウの飼育がまた忙しくなりそうです.(Y)

2023年5月21日(日)
ミヤコグサ

 休耕田や休耕田の畔で、ミヤコグサが満開(写真左、右)。ミヤコグサはシルビアシジミというチョウの幼虫の食草です。このチョウは環境省レッドデータブックで絶滅危惧TB類の希少種。年々ミヤコグサが増えているので、シルビアシジミが現れるのを期待したいと思います。(Y)

2023年5月20日(土)
ヤマガラとダイミョウセセリ

 久しぶりに休耕田の草刈りに出ようと外に出たら、足元に巣立ちして間がないヤマガラのヒナ(写真左)。もう少しで踏むところでした。そっと写真を撮って思案しているうちに、気が付けばいなくなっていました。きっと母親を待っていたのでしょう。私がヒナの近くにいたので、母鳥は気が気でなかったはず。「巣立ちびなが地面にいても、保護しようとして拾ってはいけない」とよく言われますが、その通りだと思いました。さて、一件落着で休耕田へ。途中にノアザミで吸蜜するダイミョウセセリ(写真右)。生きていることを謳歌するような生きものたちの営みです。(Y)

2023年5月19日(金)
ムベとナツハゼの花

 4月末、今年もムベの花が咲きました(写真左。4月30日)。春に白い花を咲かせ、秋に赤紫色の実がなります。実は食べられますが、タネが多いので食べるのはちょっと面倒かな。右の写真は今満開のナツハゼの花(大きさ5〜6mm)。目立たない花なので、いつも花が終わったあと、同じツツジ科のネジキのように下向きでつぼ型の花が咲いていたことに気づきます。今年初めて、盛りの時期の花を見ることができました。地味だけどきれいです。(Y)

2023年5月18日(木)
脱皮直後のフキバッタ幼虫

 イチゴの葉の上にフキバッタ幼虫がいました(写真左。体長7〜8mm)。そばには脱皮殻…脱皮直後の幼虫です。しかも、ふ化後最初の脱皮! しばらくカメラを向けていたら、少し移動して顔をこちらに向けました(写真右)。バッタはみんな優しい顔。眺めていると、私も優しい気持ちになります。(Y)

2023年5月17日(水)
再生可能エネルギー

 先日リスの食痕である「森のエビフライ」(5月11日の当欄)を見つけたのは、道路脇にあるアカマツの木の下です(写真左)。エビフライを探しながら、ふと道路の反対側を見たら草に埋もれかけた太陽光パネル(写真右)。このまま草に埋もれて放置されるのではないかと危惧します。日本は大地震や巨大台風など自然災害が多く、原発はもちろん太陽光発電も風力発電も向かないということです。大きなエネルギーを使う大規模工事で自然破壊して作る「再生可能エネルギー」?…日本の風土に合った再生可能エネルギーを得る方法はないものでしょうか。左の写真の道路の奥で、メガソーラーの工事が始まりました。(Y)

2023年5月16日(火)
アカガエルの子ガエルとシュレーゲルアオガエルの卵塊

 標高300mにある我が家の、今日の最高気温は27.5℃。平地ではもっと暑かったのでしょう。5月中旬でこの暑さ。今年の夏もまた「体に危険な暑さ」や気象災害が気になります。温暖化対策、待ったなしですが…。さて、2月13日に田んぼビオトープで始まったアカガエルの産卵。いつの間にか幼生(オタマジャクシ)が変態して、子ガエルの上陸が始まっていました(写真左。ヤマアカガエル)。右の写真は畔に産み付けられたシュレーゲルアオガエルの卵塊(大きさ約5cm)。乾燥が心配で水の中に入れてやりましたが、これで良かったのかな…。(Y)

2023年5月15日(月)
生きものたちの賑わい

 13日に羽化したジャコウアゲハは翅が伸びるまでに2回落下したので、しばらく庭で様子を見ていました。じっとしていると、カエルの大合唱に混じって時折遠くから聞こえるカッコウの声。近くからはキビタキやコジュケイ、ウグイスのさえずり。ツバメは来年の巣作りのためかな?玄関やガレージを点検したり、時には私の目の前すれすれを飛んで行ったり。また、肩をかすめるように飛ぶシジュウカラやヤマガラ、ホオジロなどの若鳥たち。夢のような時間…これも幸せの一つの形かな。左の写真はクサギの葉上のフキバッタ幼虫(体長6〜7mm)。シオンの葉上ではシュレーゲルアオガエルが休息中です(写真右)。(Y)

2023年5月14日(日)
越冬蛹の羽化を終えて

 昨日のジャコウアゲハの羽化で、2023年春から初夏の越冬蛹の羽化がすべて終わりました。生き残っていた蛹はアゲハ7個、クロアゲハ6個、ジャコウアゲハ1個で、すべてが無事に羽化。ただ、昨秋に保護した蛹はもっとあったのですが、病気や寄生で多くがダメになりました。特に寄生されたジャコウアゲハが飼育下、自然下ともに多かったです。寄生を防ぐには、卵や初期の幼虫から保護・飼育するのが大切。今年も少しでも多くのチョウが羽化するように飼育したいと思います。左の写真は羽化前日のジャコウアゲハの蛹。ウマノスズクサの葉も大きく展開してきました(写真右)。(Y)

2023年5月13日(土)
ジャコウアゲハの羽化(その2)

 指につかまらせて板壁に移動。ホッとしたのも束の間、また落下。今度は網戸につかまらせて、やっと落ち着きました。でも、右の前翅が折れ曲がったようになって(写真左)…。羽化不全が心配でしたが、ゆっくり時間をかけて翅を伸ばしているうちに前翅もまっすぐ伸び、無事羽化終了(写真右)。初めに見た時から4時間かけて飛んで行きました。(Y)

2023年5月13日(土)
ジャコウアゲハの羽化(その1)

 朝見た時は蛹に変化がなかったのに、しばらくしてジャコウアゲハが羽化しているのに気づきました(写真左)。右の写真はおよそ5分後のチョウの様子です。翅がだいぶ伸びています。その後、大きなジャコウアゲハが翅を伸ばすには麻布が小さすぎたのか落ち着かず、移動しているうちにプラスチックの壁につかまろうとして落下しました。(Y)

2023年5月12日(金)
ホオノキの花とカノコソウ

 今日は用事で津山の街に出かけました。帰り道、毎年たくさんの花を低い位置に咲かせるホオノキがあります。ちょうど満開。いつも忘れるカメラも持ってきた…これはチャンス! カメラに収めることができました(写真左)。自宅の敷地でもホオノキの花が咲いていますが、見上げるような高い所ばかり。私のカメラでは遠すぎてうまく撮れないので、今日は撮れてよかった。右の写真はカノコソウ。毎年秋に1度だけ草刈りされる道路際に、きまってこの時期きれいな花を咲かせます。(Y)

2023年5月11日(木)
やっと見つけた森のエビフライ

 「森のエビフライ」は、ニホンリスが松ぼっくりの中にある種を食べたあとの食痕です(写真左)。リスは松ぼっくりの鱗片を食いちぎって、鱗片と鱗片の間にある小さな種を食べます。5月の観察会の時にエビフライを子どもたちに…そんな思いで探しに行くと、アカマツの木の下で12個見つけることができました。右の写真はそれで作ったペンダントです。ところで、リスがエビフライを作るのは主に夏から秋にかけて。ベストシーズンは秋のはじめですが、冬から春にも作ります。出来立てのエビフライはその時に!(Y)

2023年5月9日(火)
大木の伐採

 昨日、今日と雑木林にある大きな木を、専門業者さんに伐採してもらいました。電話線がすぐ近くを通り、斜面下にはお年寄りの施設、境界には防獣柵があるという困難な場所です。左の写真は昨日の作業の様子。作業の方は地上20m近い場所で、込み入った枝を施設側に落とさないように丁寧に切っています。右の写真は今日の作業の様子。枝がすべて切り払われて幹だけになった木を、慎重に少しづつ上から切っています(地上10mほど)。周到な道具の準備と匠の技、そしてチームワーク。すごい仕事だなと見ていて感動しました。木を7、8本切ってもらった跡地は明るい空間になっていました。(Y)

2023年5月8日(月)
ヒメハギとオトシブミの揺らん

 一昨日、昨日と降り続いた雨がようやく上がり、午後からは晴れ間も出てきました。最後の1頭になったアゲハが無事羽化。旅立ちを見送りました。残りはジャコウアゲハの蛹1個。これも明日か明後日には羽化するでしょう。お天気が良くなったので、南側の小道でキンラン探し。結局見つからず…今年は咲かないのかな。でもヒメハギ(写真左)が咲き始め、コバノミツバツツジの葉でオトシブミの「揺らん」を見つけました(写真右)。(Y)

2023年5月7日(日)
ギンリョウソウとフジの花

 5月5日、石川県で震度6強の大きな地震がありました。今後の余震と大雨が気になります。また、2月15日の山陽新聞のコラムに書かれていた原発のリスクについての文章を思い出しました(3月15日の当欄)。先の統一地方選挙では相変わらずの低投票率。国民が政治にもっと関心を持たないと日本の未来はどうなるか…。左の写真はギンリョウソウ、右は満開のフジの花。年々フジが増えているのは、山の手入れがされなくなったから。張り巡らされた地下茎からフジの新しい芽がすごい勢いで伸びています。(Y)

2023年5月6日(土)
クロアゲハの旅立ち

 午前中、保護していたクロアゲハの越冬蛹6個のうち、残っていた最後の1個からチョウが羽化しました(写真左。腹側から撮影)。右の写真は前日の午後5時頃の蛹です。羽化が近くなってくると、チョウの黒い翅の色が透けて蛹が黒くなってきます。帯糸がしっかりと蛹を支えているのがわかります。今回は6頭とも羽化の瞬間は見のがして残念でした。でも羽化したてのチョウの美しさや、翅が乾いて飛び立つときは何度見ても感動します。2020年8月7日の当欄にモンキアゲハの羽化の瞬間の写真を載せていますのでご覧ください。(Y)

2023年5月5日(金)
それぞれの生

 左の写真は飼育しているセトウチサンショウウオ幼生です(体長2.5〜3cm)。体後部からヒレが生えて、それに指ができつつあります(4月9日の当欄もご覧ください)。ヒレから指のある肢へ、魚類から両生類への進化の歴史を間近で垣間見ることができました。右の写真はニホンアマガエル(5月3日)。体表面がまだらになっていて、脱皮途中だと思われます。それにしても大きなお腹。もう産卵を終えたかな。さまざまな生物がそれぞれの生を生きています。(Y)

2023年5月4日(木)
自然観察会

 いいお天気のもと、子ども3人、大人4人と私たちの合計9人で、自宅周辺とたんぼビオトープで自然観察会をしました(写真左)。保護していたクロアゲハの蛹から2頭が羽化し、自宅そばのビオトープ池で今年初めてのクロスジギンヤンマの羽化(写真右)。田んぼではツバメとともに2羽のブッポウソウが「ギャッ、ギャッ」と鳴きながら飛び交って。たんぼビオトープにはヒメミズカマキリやクロゲンゴロウ、卵を背負ったオオコオイムシ、ドジョウなど。アカガエルの幼生には後ろ肢が出ていました。子どもたちの「また来たい」の声に励まされた、楽しい観察会でした。(Y)

2023年5月2日(火)
キリギリス幼虫とササユリの芽生え

 大きく展開してきたウマノスズクサの葉上にキリギリス幼虫がいました(写真左。体長6〜7mm)。キリギリス幼虫はよく似たヤブキリ幼虫より少し遅れて現れるようです。雑木林では、ササユリが大きく成長していました。1か月もすれば開花です。(Y)

2023年5月1日(月)
チョウの羽化と保護ポケット

 去年の秋から保護していたチョウの蛹は、アゲハ7、クロアゲハ6、ジャコウアゲハ1です。そのうち、今日までにアゲハ5頭とクロアゲハ2頭が羽化しました(写真左は4月30日に羽化したアゲハ)。今日は外出予定があるけど、暖かくなりそうなので羽化したチョウが出られるように飼育箱のフタを開けておきました。でも帰宅してみると今日の羽化はなし。緑色のクロアゲハの蛹は今にも羽化しそうだったのに…。よく見ると腹部の先端の固定が外れてぶらんぶらんです。そこで保護ポケットの出番!(写真右)。無事羽化しますように。(Y)

2023年4月30日(日)
保全活動をしながら

 4月27日、旅行に出発する準備をしていたら、庭にアカハラ(野鳥)が飛来しました。当地でアカハラを見るのは初めてです。昨日はコサメビタキやブッポウソウの飛来を確認しました。カスミザクラの木にはコゲラやヤマガラ、シジュウカラ…。私たちが手を加えるのをやめたら壊れていく自然だけど、里山の美しい景観や生物多様性の豊かさが失われていくのは何とも惜しい。私たちの活動を引き継いでくれる人や団体が現れないだろうか…。左の写真は今が盛りのヤマツツジ、右はちょっと盛りが過ぎたミツバアケビです。(Y)

2023年4月29日(土)
一泊旅行(その2)

 しまなみ海道(写真左)を走行中に見える山々は、スギやヒノキなど植林された針葉樹がなく広葉樹林ばかり。間近で見る新緑の美しさが目に沁みました(写真右)。そういえば愛媛県に来るのはいつも3月で、この時期は初めて。たった1か月で山の様相が大きく変わることにも驚きました。(Y)

2023年4月29日(土)
一泊旅行(その1)

 一泊二日で、今年も愛媛県に旅行に行きました。行きは瀬戸中央道(児島-坂出ルート)、帰りはしまなみ海道(今治-尾道ルート)を利用。左の写真は一年ぶりの桜井海岸(今治市)。飼い犬のウリと毎年春に来た場所です。帰りに寄った大三島の道の駅「多々羅しまなみ公園」にあった頭上注意の張り紙(写真右)。見上げたら、高い所にコシアカツバメの大きな巣。最近は道の駅やスーパーで巣を作らせないようにしている所が増えているので、張り紙を見て温かい気持ちになりました。(Y)

2023年4月26日(水)
ホオノキ-冬芽から若葉へ(その3)

 さらに数日して、葉は大きく展開(写真左)。降り続いた雨のあと見に行くと、托葉はすっかり落ちてしまって柔らかい若葉だけになっていました(写真右)。ホオノキの芽吹きがこんなにダイナミックで美しく、興味深いものだったなんて。また、托葉が必要に応じて変化していくさま…。植物は動かないものと思って興味を持てませんでしたが、ものすごく変化する生きものであることを日々観察するなかで気づかされました。(Y)

2023年4月26日(水)
ホオノキ-冬芽から若葉へ(その2)

 展開し始めた芽を1つとって分解してみました(写真左)。銀色をしているのは幼葉の裏側。芽の中では裏側を表にして折りたたまれ、さらに托葉が幼葉の内側にセットでついています。それが9セットありました。右の写真は葉が広がってきたところ。托葉が大きな赤い膜質の覆いとなって紫外線などから若葉を保護しています。(Y)

2023年4月26日(水)
ホオノキ-冬芽から若葉へ(その1)

 ホオノキの芽鱗はもともとは托葉だったものが革質の芽鱗に変化して、寒さや乾燥から幼葉を守ります。さて、冬芽(3月3日の当欄)の中の休眠芽が活動を始めたようです(写真左)。数日すると葉が展開を始めました(写真右)。初めに現れたのは銀色の光沢を持った幼葉。あるサイトに「天使の羽」と表現してありました。(Y)

2023年4月25日(火)
春の花(その2)

 左の写真はカラスノエンドウ。きれいで、子どもの頃から馴染みのある好きな花ですが、今年ははびこりすぎて除草に苦労しています。右はスミレ(の一種)。集まって咲いている姿がとてもきれいでした。(Y)

2023年4月25日(火)
春の花(その1)

 昨日はイカルの明るく高らかなさえずり。また今日は子どものノウサギが庭にやってきました。ウサギを庭で見たのはおよそ10年ぶり。イカルのさえずりとともに嬉しいできごとでした。さて、今日は一日中冷たい雨で、最低気温は4℃、最高気温は10℃。2月下旬並みの寒さでした。今日は外の作業ができないので、撮りためた春の花を紹介します。左はウマノアシガタ、右はキランソウです。ウマノアシガタはメタリックな黄色で光りすぎて撮影が難しい。これはちょっとうまく撮れたかな?(Y)

2023年4月24日(月)
始まりの命

 保護していた蛹から、クロアゲハが無事に羽化しました(写真左)。昨年の10月頃に蛹になったので、およそ半年の長い休眠を経ての羽化です。ふとエプロンを見れば、体長1cmほどのオオカマキリの幼虫があちらこちらに(写真右)。草刈りの時に見つけた卵鞘をいくつか持ち帰って保護していたのですが、その一つの孵化が始まっていました。もう少し後だと思っていたのに…。孵化したばかりでも共食いするので、他の卵鞘を急いで分散させ、エプロンにいた幼虫も1匹ずつ放して。うーん、手がかかる!(Y)

2023年4月23日(日)
巣箱移設

 ブッポウソウの巣箱を移動しました。山際で西日の当たらない、ここの棚田で一番高い所です(写真左)。去年まで設置していた場所は棚田の中央で、真夏には早朝から夕方遅くまでカンカン照り。おまけに昨夏は猛烈な暑さと少雨。おそらくそのために繁殖は失敗しました。ヒナは途中まで育っていたはずなのに…。今年もブッポウソウは来てくれるだろうか? 不安は尽きませんが、もうすぐ飛来の時期。期待したいです。右の写真は巣箱の場所から眺めた田んぼビオトープとパステルカラーに彩られた春の山です。(Y)

2023年4月22日(土)
クサガメと防獣柵

 ため池堤防下の放棄田の草刈りをしていて、大きなクサガメを見つけました(写真左)。最近は田んぼビオトープでも姿を見るように。クサガメの繁殖期が近いのです。堤防に防獣柵ができるまでは(写真右。向かって右側がため池、左側が田んぼです)5月頃になるとクサガメがため池側から、繁殖のために田んぼへ移動するのをよく見かけました。今は、ため池側と田んぼ側に分断されて…。カメも困っているだろうな。防獣柵は必要なものですが、人間にとっても不便なものです。(Y)

2023年4月21日(金)
ヒメウラナミジャノメとスズメノテッポウ

 今日は用事で街に出かけていたので、夕方遅くなってから田んぼの様子を見に行きました。途中にあるウグイスカグラの葉裏でヒメウラナミジャノメが眠りに就いていました(写真左)。「おやすみなさい」って、その場をそーっと離れました。田んぼの畔ではたくさんのスズメノテッポウ(写真右)。懐かしくなって、子どもの頃を思い出しながら笛を作りました。笛を吹くと大きくてきれいな音。よし、今度子どもたちに教えてあげよう。(Y)

2023年4月20日(木)
ウワミズザクラ

 4月初め頃からウワミズザクラの葉が伸び始め、葉が開き終わった枝先から花穂が伸びてきました(写真左。4月2日)。穂状に集まった小さな蕾が次第に膨らみ、下の方から順番に白い花を咲かせます(写真右。4月16日)。冬芽は鱗芽で長さ3〜6mmの三角状卵形をしているそうです。目立たないので気づきませんでした。来季は見逃さないようにしたいと思います。ところで今日は気温が上がり、保護していたアゲハの蛹が3頭羽化しました。保護している蛹の中では今季初めての羽化です。また、きれいなさえずりが聞こえてキビタキの飛来を確認しました。(Y)

2023年4月19日(水)
コシアカツバメ飛来

 コシアカツバメが飛来しました。一昨年まではブッポウソウと同じ5月初めころでしたが、昨年に続いて今年も10日ほど早い飛来です。近くの施設の壁で多数が巣作りをし、その古い巣を利用してスズメが巣を作ることもあります。ツバメ(普通のツバメ)も周辺を飛び回って、これから9月頃まで棚田が賑やかになります。ところで先日、田んぼビオトープで作業していたら畔際にメスのトノサマガエル(写真左)がいて、水草の茎にはヤンマの抜け殻も(写真右。4月12日)。季節は生きものたちとともに変わっていきます。(Y)

2023年4月18日(火)
うれしい日

 今朝いつものようにシロハラ(写真左)が庭にやってきて、地面を掘り返しながら採餌していました。大きな獲物をゲット! 双眼鏡で見たらクマケムシ(ヒトリガの幼虫)。シロハラは毛虫も食べるのですね。また、すぐそばには見慣れない鳥。よく見るとビンズイ(写真右)! 今季初めての飛来です。以前は冬鳥と思っていましたが、最近は5月頃によく見ます。ビンズイの後は、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、アオジ、スズメ、ツグミ…次々と。まるで野鳥のオールスター登場のような…。賑やかでうれしい日。(Y)

2023年4月17日(月)
ナキイナゴ幼虫

 何年前からだろう。このバッタの幼虫が気になりだしたのは。でもなかなか名前がわからなかった。今日、その幼虫と今季初めての出会い(写真左)。体長4〜5mm、孵化して間がないものと思われます。名前を今年こそ!と思って調べたら、あっけなくナキイナゴの幼虫とわかりました。隠れても無駄だよ(写真右。バッタの得意のポーズです)、もう誰だかわかったからね。(Y)

2023年4月16日(日)
輝く命

 庭にいると、きれいなシロハラのさえずりが聞こえます。田んぼで作業していると、電線でセグロセキレイのさえずり。周りはシュレーゲルアオガエルの大合唱。そして夜は時に間近でフクロウのメスとオスが鳴き交わす声。「ホッホッ」、一瞬間をおいて「ゴロスケホッホー」…。生活はとても不便だけど、こういうのも幸せの一つの形かな。左の写真は孵化したばかりのヒメギス幼虫(体長4〜5mm)。右はカンサイタンポポに吸蜜に来たベニシジミです。(Y)

2023年4月15日(土)
草焼き、ツバメのこと

 昨日は風がなかったので、秋に刈ったままにしていた草を焼きました(写真左)。右の写真は去年のうちに刈ってしまいたかったけど、急な寒波と雪で刈れずに残してしまったところ。これから草を刈って焼きます。ところで、Kさんのお宅でツバメと会うことができました! もう卵を産んで抱卵中かな?去年の巣の補修中かな? 縁側でKさんと並んで座っていたら、すぐそばまで来て今にも部屋の中に飛び込んで来そう…。それほど人とツバメは関係が近かったのです。Kさんのお宅では、今もツバメがとても大事にされています。4月2日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年4月14日(金)
柳絮

 ネコヤナギに種子ができて綿毛に包まれています(写真左)。柳絮(りゅうじょ)とは、白い綿毛に包まれた柳の種子のこと。また、それが春にフワフワと漂うさまを言います。右の写真で黒っぽい粒は綿毛の中の種子。タンポポの綿毛のように種子を遠くに運びます。まだ見たことはありませんが、綿毛が風に乗って運ばれていくさまは雪が舞うようだということです。柳絮は俳句の春の季語になっています。街では気付けなかった自然観察の面白さ…。それだけ当地の自然が豊かだということでしょう。3月10日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年4月13日(木)
カスミザクラと新緑のケヤキ

 庭のカスミザクラが満開になりました(写真左)。名前は、遠くから見た様子が霞(かすみ)のように見えることに由来します。当地ではカスミザクラが終われば3月から始まった野生種のサクラの季節は終わります。右の写真は新緑が美しいケヤキ。四季折々に自然は変化し、季節は移り変わっていきます。(Y)

2023年4月12日(水)
アケビの雄花と雌花

 アケビの花が咲き始めました。毎年この花が咲き始めると写真を撮りたくなります。でも夕方の光や昼間の明るすぎる光ではダメ。白い花を撮るのは難しいです。今日は雨上がりの午前中に撮影しました。ちょっと納得のいく写真が撮れたかな。左の写真は雄花、右は雌花。透き通るような美しい花です。(Y)

2023年4月11日(火)
春の田んぼビオトープ

 今朝はため池でカワセミのオスとメスを見ました。えっ!ひょっとしてため池の土手にカワセミの巣? ちょっと期待したいです。庭には冬鳥のアトリとシロハラとカシラダカ。みんな渡ってきた時より濃くてきれいな羽の色です。さて、夕方田んぼビオトープの水路で今季初めて自然下のセトウチサンショウウオ幼生を見つけました(写真左。体長約3cm)。8個卵のうがあったのに、やっと見つけることができました。右の写真は春の田んぼビオトープ。緑色が濃くなって、今が一番きれいな時。でも、草刈りの季節も近い…。(Y)

2023年4月10日(月)
伸びて、伸びて

 静かな冬芽の時期から、暖かくなるにつれて植物の成長の勢いには目を見張ります。キウイの新葉がグングン大きくなって(写真左)、葉痕がとても小さく見えます(写真右。3月31日の当欄と見比べてください) これからどのように成長するのでしょう。花は?実は? 今まで気付かなかったけれど私の傍らで毎年変化を繰り返していたのだ。今は冬芽や芽吹き、その後の成長にすごく興味があります。少し知ることで、さらに知りたくなる。自然に興味を持てば、人生に飽きるということはないような気がします。(Y)

2023年4月9日(日)
セトウチサンショウウオ幼生

 今年もセトウチサンショウウオ幼生の飼育をしています。幼生は1.5cmほどに成長、右前肢ができつつあります(写真左)。前肢の指は4本ですが、写真ではまだ3本しかありません。完成まであと少し…。前肢が完成するころ体後部にもヒレが出ていて、それが5本の指がある後肢に変わります。写真でお腹が膨らんで赤っぽくなっているのは、餌のブラインシュリンプをお腹一杯食べたから。もっと大きくなったら田んぼビオトープにいる赤虫などを与えます。ところで、雨と強風でサクラは散りましたがコバノミツバツツジは満開になりました(写真右)。(Y)

2023年4月8日(土)
トチノキの芽吹きと新葉の展開

 トチノキが芽吹き始め(写真左)、早いものでは新葉が伸びてきました(写真右)。あまり大きくない冬芽の中に折りたたまれていた葉芽が、暖かくなって一気に成長を始めた感じです(3月3日の当欄もご覧ください)。トチノキの葉は大きいので、芽吹きも展開もダイナミック。このエネルギーはどこから?と驚きます。それから、今日はシジュウカラのカップルが巣箱を覗きにやってきました。巣箱を気に入ってくれたらいいのにな…。庭ではシロハラが神出鬼没。地面を掘り返して大きなミミズをゲット。この自然を守りたい…心から思います。(Y)

2023年4月7日(金)
タンポポとカワラヒワ

 在来種のキビシロタンポポ、カンサイタンポポ、外来種のセイヨウタンポポが満開になり、タネが出来始めました。タンポポのタネが大好物のカワラヒワが頻繁にやって来るようになりました。カワラヒワは、綿毛が開く前に数束ずつ取ってタネだけを上手に食べています。左の写真はキビシロタンポポ、右はカワラヒワがタネを食べた跡です。2021年4月18日の当欄、「季節の1コマ」22291もご覧ください。(Y)

2023年4月6日(木)
アカガエル幼生とヤブキリ幼虫

 田んぼビオトープで体長3〜4cmに育ったアカガエルの幼生が活発に活動しています(写真左)。先日はタンポポの花で孵化後間もないヤブキリの幼虫を見つけました(写真右。体長5〜6mm)。ヤブキリの幼虫は小さいうちは花粉を食べますが、少し大きくなると力強いハンター、肉食昆虫に。活発に活動するたくさんのアカガエル幼生やヤブキリの幼虫が、私に生物の季節の始まりを教えてくれます。(Y)

2023年4月5日(水)
常緑樹

 常緑樹とは、落葉樹と違って四季を通じて常に緑葉を保っている樹木のこと。各葉の寿命はあります(一般には2〜3年で枯死落葉します)が、次々に新しい葉が作られて落葉現象が目立ちにくい樹木だとも言えます。左の写真はクスノキの、右はシロダモの新葉。ともに常緑樹です。クスノキの新葉は赤く、シロダモの方はビロードのような柔らかい毛が生えています。これから新葉が成長して古い葉と入れ替わります。(Y)

2023年4月4日(火)
モニタリングサイト1000・里地

 2月13日に始まったアカガエルの産卵は3月19日で終わり、ニホンアカガエル179卵塊、ヤマアカガエル41卵塊、合計220卵塊を確認しました。これで5年間のモニタリングサイト1000・里地の6項目の調査(植物相、チョウ類、鳥類、哺乳類、カヤネズミ、アカガエル)をすべて終えました。こんなに集中したことはかつてなかったこと。興味を持てば、いくつになっても自然を見る目は広がるのだと思いました。生物を学ぶ学生さんたちに、モニタリングサイト調査への参加を勧めたいと思います。左の写真はショウジョウバカマ、右は畔に咲くノミノフスマです。(Y)

2023年4月3日(月)
満開の桜と南側の小道

 左の写真は畑に植えたしだれ桜。今、満開です。右は南側の小道。桜とコバノミツバツツジの花でピンク色に染まっています。これから白いコバノガマズミや朱色のヤマツツジが咲き、新緑の美しい風景に変わっていきます。(Y)

2023年4月2日(日)
草刈りとツバメ飛来

 刈り残した休耕田(写真左)の草刈りをしていたら、3羽のツバメが田んぼビオトープのすぐ上で、虫採りのような様子。当地で今年初めて見るツバメです。ご近所のKさんのお宅では、ツバメ(写真右。これは以前の写真です)が毎年どこよりも早く来て巣作りをするのに、今年は遅いので心配しています。最近は道の駅など多くの施設で巣が壊されてしまいます。昔の人はツバメは田の害虫を食べる益鳥として大切にし、巣を壊したりはしなかったのに…。農薬で虫が減ったのでもうツバメは必要ない? 農業のやり方が変わってもツバメとの共生は人間にとって大切なことだと思うのですが…。Kさんのお宅で今年もツバメと会えますように。(Y)

2023年4月1日(土)
ツチガエルとハラビロカマキリの卵鞘

 早いもので今日から4月。今日は田んぼビオトープで羽化したばかりのシオヤトンボやツチガエル(写真左)を見ました。また草地ではキアゲハも。雑木林では、リョウブの幹に産み付けられたハラビロカマキリの卵鞘を久しぶりに見つけました。最近はハラビロカマキリとコカマキリが顕著に減少しています。原因はなんだろう? 卵鞘を見ながら、ハラビロカマキリが無事育つことを祈りました。(Y)

2023年3月31日(金)
キウイフルーツの芽吹き

 左の写真はキウイフルーツの冬芽。丸いのは葉痕、中の2個の模様は維管束痕です。キウイの実が好きでよく食べるのですが、2年ほど前から冬芽、特に葉痕の面白さに気づきました。いつも見逃してしまう芽吹きですが、今年はほぼ毎日観察したので初めて芽吹きを見ることができました(写真右)。植物によって様々な冬芽や芽吹きにちょっと感動しています。(Y)

2023年3月30日(木)
リョウブの芽吹きとアカガエル幼生

 リョウブが芽吹いてきました(写真左)。また田んぼビオトープではアカガエルの幼生が成長し、大きいものでは体長3cmほどになりました(写真右)。お腹の渦巻きは消化器(腸)です。眺めていると、幼生たちの生きる力に圧倒されそうです。幼生たちはニホンアカガエルとヤマアカガエルの両種がいますが、まだ区別はつきません。ところで、3月19日でアカガエルの産卵が終わりました。たくさんの幼生たちは他の生きものに食べられて、多くの命を支えるのでしょう。生き延びてカエルになるのはどのくらい? この時期にはいつも思います。(Y)

2023年3月28日(火)
スプリングエフェメラル

 スプリングエフェメラルは「春の妖精」とも呼ばれる山野草。落葉樹の林で木々の葉が茂るまでの春先の短い間に花を咲かせ、夏になると姿を消すのが特徴です。春に花を咲かせる山野草には色々ありますが、その中でも春の一瞬だけ姿を現すものが「スプリングエフェメラル」。今日はお天気が良かったので「春の妖精」探しに行きました。まずはユキワリイチゲ。10日ほど前にはまだ蕾(写真左)で、今日行ったら花は終わっていました。残念なので別の場所にコバイモ(の一種)を探しに。こちらは株も増えて満開でした(写真右)。短い花の命がとても愛おしいです。(Y)

2023年3月27日(月)
シュンランとコバノミツバツツジ

 やり残した落ち葉かきをしようと雑木林へ。頭上でシジュウカラの美しい囀り。先日は春型のアゲハコマルハナバチを見ました。我が家で飼育していたチョウの越冬蛹の羽化ももうすぐ。さて、シュンランが満開になって株の数も60株以上に(写真左)。また、コバノミツバツツジも咲き始めました(写真右)。一年で一番美しい里山の春です。(Y)

2023年3月26日(日)
春が来た!

 「みんなは みんなは きのめだよ はるになれば もっときれいに なるんだよ パッパッパッパッ…」(「ふゆめがっしょうだん」福音館書店 より)。 待望の春! 落葉樹の新しい葉が展開してきました。左の写真はカラスザンショウの幼木、右はサンショウの芽吹きです。2022年1月29日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年3月25日(土)
讃岐旅行(その2)

 小麦や菜の花を見ながら歩いていると、すぐそばにオオバンの10羽ほどの群れ(写真左)。急いで逃げることもなく、ゆっくりと1羽また1羽といなくなりました。消えた先を追うと大きなため池が広がっていて、カモもゆったりと水に浮かんでいます(写真右)。きれいに手入れされたため池の周りは田んぼや畑。安心して採餌したり、休息したり、歩いて移動したりのオオバンのユーモラスな姿。流れる穏やかな時間…。帰宅して山を見ると、やはり山のサクラがソメイヨシノより早く咲いていました。こんなことは初めてです。(Y)

2023年3月24日(金)
讃岐旅行(その1)

 1泊で讃岐を旅してきました。児島から瀬戸中央道を通って坂出へ。驚いたことに、途中の至る所の山、もちろん讃岐の山もサクラが満開でした(写真左。正面の山は飯野山、別名讃岐富士)。山腹に白く見えているのがサクラです。手前には小麦畑、穂がだいぶ出揃ってきました。右の写真は菜の花畑。一面の黄色がとても美しかった。それにしても、山のサクラの満開がすごく早いです。(Y)

2023年3月22日(水)
シュンランとニワトコ

 今日はWBCの決勝、対アメリカ戦。最年少三冠王の村上選手が1次リーグでは全然打てなくて。準決勝、決勝戦で逆転サヨナラ打やホームランを打った時は胸が熱くなりました。みんなで力を合わせて勝ち取った勝利。野球の素晴らしさを存分に味わうことができました。さて、雑木林ではシュンランが咲き始め(写真左)、ニワトコの花は満開(写真右)。春は命あふれる季節です。孵化、羽化、脱皮。芽吹きや開花…。生きものたちの今を次々と紹介します。(Y)

2023年3月21日(火)
野球と草焼きと

 今日はWBCの準決勝、対メキシコ戦の日。普段は野球を見ないのに、朝からテレビ中継に夢中。でも3点先行されたところで後ろ髪を引かれつつ休耕田へ。昼頃から雨の予報で、風もない絶好の草焼き日和だったので…。刈草を集めているとアマガエル(写真左)が2匹、オオカマキリの卵鞘1つ。アマガエルは遠くに逃がし、卵鞘は持ち帰りました。また、刈草の下には直径6cmほどのカヤネズミの越冬巣(写真右)。小さな巣でしたが、寒さをしのぐためか、しっかり編まれていました。帰宅してテレビを見たら日本の逆転勝ち。嬉しかった!(Y)

2023年3月20日(月)
ヤブツバキとモモの花

 ヤブツバキの花が盛りです(写真左)。ヒヨドリやメジロにとっては、待ちに待ったご馳走。今日はヒヨドリが吸蜜に来てシャッターチャンスだったのに…逃げられました。残念! 畑ではハナモモの花が咲き始めました(写真右)。当地で最初に咲くサクラも咲き始め、これからソメイヨシノ、ヤマザクラカスミザクラへと…。里山は美しい花の季節を迎えます。(Y)

2023年3月19日(日)
山-冬から春、そして初夏へ

 左の写真はコバノガマズミの枝の先端にあった冬芽(1月12日)。植物によって特徴のある冬芽ですが、同じ植物でも花芽か葉芽かによって形が違います。左の写真の冬芽は見たことのないものだったので毎日観察しました。暖かくなると葉が展開(写真右。3月18日)。身近な木の変化を見ながら、山の樹々の1本1本が刻々と変化していくことを想像しました。こうして山全体の様相も厳しい寒さの冬からパステルカラーの春、そして緑滴る初夏へと移り変わっていくのだと…。(Y)

2023年3月17日(金)
クロモジとヒサカキ

 ヤマガラやシジュウカラが庭や畑にやって来るようになりました。盛んに囀っています。周辺に巣箱が2つ。気に入ってくれるといいな…。さて、クロモジの花が咲き始め(写真左)、ヒサカキは満開になりました(写真右)。クロモジの花びらは半透明で、その繊細さがとても美しいです。小枝と葉で作ったクロモジ茶は和製ハーブティー。香りがよくてリラックス効果も。またクロモジの爪楊枝は抗菌作用がある高級品です。(Y)

2023年3月15日(水)
春本番

 2月15日の山陽新聞「滴一滴」の最初の4行に衝撃を受けました。「日本の国土は世界の0.25%しかないのに、過去10年間に世界で起きたマグニチュード6以上の地震の2割は日本で起きている」。狭い国土に大地震の多さ…。日本の進むべき道は脱原発しかないことをストレートに教えてくれました。次の選挙では脱原発や平和を求める人に私の大切な1票を投じよう…。雑木林ではウグイスカグラが咲き始め(写真左)、アセビが満開になりました(写真右)。美しい花も風景も平和であればこそです。(Y)

2023年3月14日(火)
ブッドレア

 ブッドレアは初夏から秋にかけて小さな花が集まって円錐状の花を咲かせます。香りと蜜に誘われてチョウが集まるので、我が家ではバタフライガーデンに植えています。左の写真はブッドレアの冬芽(2月4日)で大きさ2mmほどの小さなもの。右は暖かくなってからのもの(3月12日)。大きさは5mmほどになり、冬芽の時と随分変わっていました。これからどんな風に展開して、あんなに大きな円錐状の花を咲かせるのか不思議…。生きものの世界は興味を持てば持つほど不思議が募ります。(Y)

2023年3月13日(月)
アカガエルとセトウチサンショウウオの産卵

 夜に雨が降って朝にはもう上がっていましたが、田んぼビオトープにアカガエルの14個の新しい卵塊がありました。また、セトウチサンショウウオの卵のうは今までで合計3個。例年と比べてあまりに少ないので、今日は丁寧に探すことに。すると水路の落ち葉に隠れていた4対の卵のうを見つけました(写真左・右)。2015年に初めてセトウチサンショウウオの存在を知り(当時はカスミサンショウウオと呼ばれていました)、2020年に初めての飼育。2〜3年で成熟するので、その時の飼育個体が産卵にきているかもしれません。(Y)

2023年3月12日(日)
ビオトープ池の補修と生きものたち

 ビオトープ池(人工池)がまた少し水漏れをしだしたようなので、ひどくならないうちに補修をすることにしました。昨日は枯れた水草取り。今日は粘土をたたいて貼りました。作業中出てきたのはメスのアカハライモリ(写真左)とアマガエル(写真右)。どちらも今年の初見です。イモリはお腹が膨らんでいます。春と秋の2度繁殖期があるイモリ(2022年12月14日の当欄)。このイモリは秋に交配して、まもなく産卵します。産卵後、新たに交配して産卵することはあるのかな?(Y)

2023年3月11日(土)
孵化

 アカガエルの卵が次々と孵化。大きいものは体長2cmほどになりました(写真左)。もう外鰓はありません。孵化は嬉しいのですが、一つ心配事があります。最近はこの時期、雨が降らず日差しが強い。そのため、ため池からの滲みた水頼りの田んぼビオトープが干上がって、幼生が干からびてしまうのです。昔の棚田は水が上の田から下の田へ落ちる仕組みでしたが、今は地中に複雑に埋め込んだパイプを通って出てきます(写真右)。だからパイプに泥が詰まって水が出てこなくなることも。水の具合が気になって、これから毎日田んぼ通いです。(Y)

2023年3月10日(金)
ネコヤナギの開花

 ネコヤナギが次々と開花(写真左)。ネコヤナギの花はたくさんの花が集まったもので、花穂(かすい)と呼ばれます。花びらはなく、この木は雌株なので咲いているのは雌花。黄色いのは雌しべです。雄花には雄しべがあり、どちらも綿毛に包まれています。気が付けば葉芽も展開してきました(写真右)。ネコヤナギの雌花は成熟すると、長い綿毛をつけた種子を作ります。これを柳絮(りゅうじょ)と呼ぶそうです。種子ができるのが楽しみ…。2月16日の当欄もご覧ください。(Y)

2023年3月9日(木)
一気に春

 昨日は最高気温19℃、5月並みの気温とか。少し前まで朝は連日氷点下だったのに…。最近は季節の変化が激しくて春・秋の過ごしやすい季節が短く、猛暑の夏が長くなりました。ニュースの3か月予報を見ていたら、気温は今年も平年より高いと。このままでは年々気温が高くなります。それでも例年と変わらずツクシが顔を出し(写真左)、シュンランの蕾が膨らみ始めました(写真右)。生物が気候の変化に耐えられるうちに、人間は温暖化と真剣に向き合わなければ…。(Y)

2023年3月8日(水)
サンショウの芽吹き

 左の写真は朝倉ザンショウの冬芽と葉痕です(2022年2月3日)。冬芽は夏の終わりから秋にかけてでき、休眠・越冬して春に伸びて葉や花になる芽のこと。冬芽には葉や茎、花の元になるものが小さく折りたたまれているのです。サンショウの冬芽も春になって芽吹き始めました(写真右。2023年3月4日)。これからどのように展開していくのでしょう。葉は? 花は? 自然の中で、それぞれの生物がそれぞれのやり方で生きています。(Y)

2023年3月7日(火)
セトウチサンショウウオ

 田んぼビオトープでセトウチサンショウウオの卵のうを2対見つけました。産まれたのは少し前のようで、卵のう内で幼生は大きく成長していました(写真左)。外鰓もよくわかります。右の写真は卵のうの近くにいたセトウチサンショウウオのオス。メスが来るのを待っています。オスの首のあたりに絡んでいるのは脱皮殻。カエルと同じように脱皮することは知っていましたが、見たのは初めてです。(Y)

2023年3月6日(月)
ニホンヒキガエルの繁殖期

 知り合いの方から、ヒキガエルが集まりだしたと連絡をいただき、昨日行ってきました。防火水槽の中に6匹のニホンヒキガエル(体長80〜150mm)がいることを確認。現場では気が付かなかったのですが、4匹が集まっているところの写真(写真左)をよく見ると、ひも状の卵塊が見えます。左端の個体は産卵中のメス。オスが抱接しています。じっと眺めているとヒキガエルの魅力や生命の神秘のようなものを感じて、いつまでも眺めていたくなるような貴重な時間でした。右の写真は以前に見た大変な数のヒキガエル幼生(体長約2cm。2010年6月17日、岡山県立森林公園)。変態直後の子ガエルは小さくて体長約1cmです。(Y)

2023年3月5日(日)
スズメの減少と農地

 米作りが中心の当地に来て、スズメ(写真左)がすごく少ないことに驚きました。専門家の方に伺うと、スズメは個体数が20年前の調査より3割以上減少しており、しかも農地の割合が高い場所ほど減少度合いが大きいということです。理由として、農地の質の低下や農薬の影響で餌となる昆虫や種子が減っていることなどが考えられます。食料自給率39%ほどの日本。米(写真右)は日本の主食ですから、スズメなどが稲刈り後の田んぼにたくさん集まるような安心・安全な米作りがもっと盛んになることを願いたいです。そのためには農業に若い力が必要なのですが…。

2023年3月3日(金)
冬芽(ホオノキとトチノキ)

 左の写真はホオノキの冬芽。この木は20年以上前、私たちがこの土地を見つけた時にすでにありました。成長が早いので何度か伐採されましたが、ひこばえが育って今は見上げるような木に。3年前からは花も咲くようになりました。毎年ホオノキの冬芽を撮るのですが、私の背丈では高すぎてピンボケばかり。今年初めて私の目線にある冬芽を見つけて撮ることができました。右の写真はトチノキの冬芽。触るとねばねばとした粘液に覆われています。この粘液は虫の侵入を防いだり防寒に役立つと言われ、他の植物では見られないということです。(Y)

2023年3月2日(木)
アカガエルの産卵

 昨夜暖かい雨が降って、アカガエルの産卵がありました(写真左)。新しい卵塊は66個。2月13日に始まった産卵は、その後も2回の小さなピークがあり、今回のを合わせると卵塊は170を超えました。早くに産まれた卵は厳しい寒さの中でも発生が進み、丸い粒からオタマジャクシに近い形になってきました(写真右)。外鰓も見えます。寒天質の膜から出てくるのも、もう間もなくです。(Y)

2023年3月1日(水)
休耕田の草焼き4日目

 昨日に引き続き、法面の刈草を下に下ろして安全な場所で焼きました。法面の上は棚田にもう1つあるため池の堤防です。左の写真は刈草が引っかかったままの、右は下ろして焼いた後の法面です。草を刈っただけではきれいになりません。焼くことによって美しい草地・草はらができ、多様な在来の草花が育ちます。作業から帰った直後、庭に10羽ほどのヒレンジャクの群れが来ました。当地で初めて見るヒレンジャク。双眼鏡で見ると、その美しさに圧倒されました。環境整備を頑張ったご褒美かな。この休耕田の草焼きはあと1回で終わりそうです。(Y)

2023年2月28日(火)
休耕田の草焼き

 カヤネズミの生息地として管理している休耕田の草焼き3日目。秋に草刈りをし、カヤネズミの冬越しのために刈草をそのままにして、今頃の季節に焼き始めます。刈草はススキなど嵩の高いものばかり(写真左)。年に一度の草刈りだと、ススキは3m近くにもなります。それを安全な場所まで運んで、乾燥しすぎている場合にはジョロで水をかけてから少しずつ焼きます。労力も時間もかかりますが安全第一で。休耕田がだんだんときれいになっていくのが嬉しいです。頑張ったのであと1日で終われるかな…。(Y)

2023年2月27日(月)
冬芽(カキとイチジク)

 明るい日差しに、季節が冬から春に入れ替わったのを感じます。今日は雑木林の落ち葉かき。南側の雑木林ではおよそ30株のシュンランの蕾が大きく膨らんでいます。冬芽も早いものは花芽や葉芽が展開してきました。みんな芽吹いてしまう前に、撮りためた冬芽をできるだけ紹介したいと思います。左の写真はカキ、右はイチジクの冬芽。顔のように見えるのは落葉後の葉痕で、目や口など表情を作っているのは維管束痕。その上の帽子のようなものが冬芽です。植物によってそれぞれの表情を見せてくれます。(Y)

2023年2月26日(日)
生と死

 左の写真は南斜面。その上に小さな地道があります。先日、そこに羽が散乱しているのを見つけました(写真右)。飛ぶための大きな羽はなく、保温など体を守るための体羽ばかりです。羽から見て、襲われたのはイカル。イカルを斜面に追い詰めて仕留めたと考えると、襲ったのはオオタカでしょう。厳しい寒さの中、オオタカも生きるために食べなければなりません。でも必要以上に狩ることはなく、1羽のイカルが犠牲になったことで他の鳥たちは生き延びました。里山は、生と死が身近にある場所でもあります。(Y)

2023年2月25日(土)
早春賦

 昨日も一昨日の続きで、休耕田の2/3の刈草を焼くことができました(写真左)。休憩中、角(つの)ぐむカサスゲを見つけました(写真右)。「角ぐむ」とは、角のような芽を出す植物が芽吹くことを言います。唱歌「早春賦」の2番の歌詞「氷解け去り 葦(あし)は角ぐむ さては時ぞと 思うあやにく 今日もきのうも雪の空 今日もきのうも雪の空」に出てくる葦も、カサスゲと同じように角のような芽を出します。この歌詞は優しくて情景がすぐに浮かんで、大好きな歌…。カサスゲの角ぐむ芽は触ったら硬かったです。(Y)

2023年2月24日(金)
ウクライナ侵攻から1年

 ロシアのウクライナ侵攻から今日で1年。現代において、武力で他国の領土を奪うとは…。世界の核兵器保有数は12705発(2022年1月時点。その90%をアメリカとロシアが保有)。高校生の時、核兵器を保有することで平和が保たれていると習いました。でもウクライナ侵攻を見ると、昔習ったことが通用しないことは明らかだと思うのですが…。さて、アセビの花が咲き始め(写真左)、フキノトウが顔を出しました(写真右)。自然は厳しい寒さを乗り越えて春の到来を教えてくれます。次の世代に平和で美しい地球を残してあげたい…。(Y)

2023年2月23日(木)
草焼き

 今日は暖かく風もなかったので、カヤネズミ生息地として管理している休耕田の草を焼きました。草は昨秋に刈って、そのままにしていたもの。刈草の下は暖かく、カヤネズミのいい越冬場所になるのです(写真左は地面すれすれにあった小さな越冬巣)。それでも、いつまでもそのままにしておけなくて…。刈草はススキ、マコモ、カサスゲ、チガヤなど嵩の大きいものばかりで、休耕田の1/3の草を焼くのが精一杯でした。右の写真は、畔から俯瞰した田んぼビオトープ。静かな水の中で少しずつ命の賑わいが始まっています。(Y)

2023年2月22日(水)
コガクウツギ

 ここ数年コガクウツギの花(写真左)を見なくなったので、枯れてしまったと残念に思っていました。でも今日見たら、枯れ木の間から紅紫色の若い枝がたくさん出ていました(写真右。若い枝の先にあった冬芽です)。まだ細いので今年の花は無理でしょうが、来年は期待できそうです。傾斜のある地道の際にあるので、雨のたびに土が流されて弱ったのかもしれません。きれいな花で、この辺りではここにしかない木。土を補給してやって大切に育てようと若い枝を見ながら気持ちを新たにしました。(Y)

2023年2月21日(火)
アカガエルの産卵

 2月19日は朝までにまとまった雨が降り、寒さが少し緩みました。田んぼビオトープでは今季3度目のアカガエルの産卵が(写真左)。新しい卵塊は67個。2月13日の最初の産卵から数えると104個になりました。でも今日はまた真冬に逆戻りで雪の一日(写真右)。最低気温-3℃、最高気温1.5℃、積雪は5cmほど。今年はよく雪が積もると地元のおばあちゃんに話したら、「最近は少のうなった。旭川にダムができるまでは50cmも積もることがようあったんよ」とのこと。ダムと雪の量? 微妙に関係があるのかもしれない…。(Y)

2023年2月19日(日)
鳥類調査・まとめ

 2018〜2022年度、5年間の鳥類調査(各年度繁殖期6回、越冬期6回)が終了しました。2022年度は43種を記録。5年間トータルでは54種となりました。モニタリングサイトの調査以外も含めると、現在までにこの地域で76種を確認しています。里山地域だからこその野鳥の多さです。この結果が地域の保全につながればと思っています。写真は里山の代表的な鳥、左ヤマガラ、右シジュウカラです。(Y)

2023年2月18日(土)
自然の造形

 左の写真はトックリバチの巣。土を削り取って集め、木や家の壁などにトックリ(徳利)形の壺を作り、内部に1個だけ産卵。そして幼虫の餌となるガの幼虫を入れてフタをします。卵から孵ったハチの幼虫は餌を食べて成長、蛹になって春を待ちます。春になると内側から穴を開けて成虫が外へ。右はナガコガネグモの卵のう。中に約1000個の卵が入っています。秋に孵化した子グモは卵のうの中で越冬。6月頃1回目の脱皮を終えて卵のうから旅立ちます。自然の巧みさとその魅力。人間は自然を模倣して道具を作ったのではないか。そんな気がしてきます。(Y)

2023年2月17日(金)
セトウチサンショウウオの産卵

 田んぼビオトープの水路で、今季初めてのセトウチサンショウウオの1対の卵のうを見つけました。卵のうは、細くて短い枯れ枝にしっかりと結び付けられていました(写真左)。卵は丸い形をしていたので、産卵されて間がないものだと思います(写真右)。明日は雨予報。アカガエルとセトウチサンショウウオの産卵が楽しみです。(Y)

2023年2月16日(木)
ネコヤナギの冬芽

 1枚だけからなる帽子状の芽鱗が脱げると、中から現れたのは花芽(写真左、右)。葉が出る前に花が咲きます。このネコヤナギの木は雌株なので咲くのは雌花。花が終わると小さな葉芽が芽吹きます。雌花も葉芽もこれからどのように展開していくのか…。じっくり観察するのは初めてで、好奇心の種は尽きません。(Y)

2023年2月15日(水)
シロハラの寝床

 鳥たちは、厳しい寒さの夜をどこで過ごしているのだろうか。ある時、玄関の扉を開けたら下にたくさんの鳥の糞。見上げると梁(写真左)にも糞がついていて、ここを寝床にしたようです。この辺りでよく姿を見かけるシロハラ(写真右)だと思います。風を避けて、体を板壁にピッタリくっつけて、羽毛で寒さを凌いで…。想像すると愛おしい気持ちになります。最強寒波の後は寝床を変えたようですが、今はどこで夜を過ごしているのでしょう。やはり身近に暖かい場所を見つけているような…。朝、どこからか元気よく飛び出してきます。(Y)

2023年2月14日(火)
卵塊探しとカンサイタンポポ

 昨日の夕方もアカガエルの鳴き声がしていました。今日は寒い一日でしたが、卵塊探しに行くとやはり新しい卵塊が9個(ニホンアカガエル5個、ヤマアカガエル4個)。埋もれた草の中からカンサイタンポポが顔を出していました(写真左)。右の写真はヤマアカガエルの卵塊6個。寒い中にも春が近いことを感じさせてくれます。(Y)

2023年2月13日(月)
アカガエルの産卵

 アカガエルの産卵が始まりました。今日確認した卵塊はニホンアカガエル20個、ヤマアカガエル7個、合計27個でした。左の写真は産みたての卵塊。右はニホンアカガエルの卵塊(左側の表面がくもっているもの)とヤマアカガエルの卵塊(右側の透明な方)です。(Y)

2023年2月12日(日)
太陽光パネル

 たまっていた刈草を焼きました。お天気が良くて風もなく、草焼きには絶好の日和。棚田1枚がすっきりしました(写真左)。すぐそばの放棄田では、赤い杭が何本も(写真右)。夏にこの棚田地域に初めて設置される太陽光パネルの目印。先日業者が測量しに来て打った杭です。せっかくみんなで手入れしてきた棚田に突然の太陽光パネル設置。規制緩和というものでしょうか。地権者と業者との話し合いだけですべてが決まるそうです。何とかしないと中山間地はパネルだらけになってしまいます。(Y)

2023年2月11日(土)
冬芽(コナラとネコヤナギ)

 左の写真はコナラの冬芽。顔のように見えているのは葉痕です。コナラの冬芽は、魚のうろこのようなもの(芽鱗)に包まれています。右はネコヤナギの枝先端の花芽。1枚の芽鱗が帽子のように覆っています。花期は3月。コナラもネコヤナギも、これから冬芽がどのように展開していくのか、楽しみに観察したいと思います。(Y)

2023年2月10日(金)
春が待ち遠しくて

 朝起きたら雪が降っていて、間もなく止んだものの5、6cmの積雪。郵便配達の人や地面で餌を探す鳥たちのためにと雪かきをしました。その時に撮った南側小道の写真です(写真左)。画像を見ながらふと、春はどうだったかなと。以前の写真を探してみると…ありました!(写真右。2022年4月27日。白い花はコバノガマズミです)。人工物と違って自然は四季折々に姿を変えていくものだと改めて思いました。こんなに寒いと例年にも増して春が待ち遠しいです。(Y)

2023年2月9日(木)
春の足音

 2週間ほど続いた最強寒波は凍えるような寒さでしたが、その後はまた穏やかな日々。それでも朝晩の冷え込みは厳しいです。暖かい昼間、家の周辺を歩くと花壇のフクジュソウの花が咲き始め(写真左)、北斜面の雑木林ではショウジョウバカマの蕾が大きく膨らんでいました(写真右)。植物は春が近いことを感じて活動を始めたようです。(Y)

2023年2月8日(水)
月桂樹

 月桂樹の陰干しした葉は「ローリエ」としてカレーやシチューなど煮込み料理やマリネなどの香辛料として流通しています。以前はスーパーで買っていましたが、外国産の色の褪せたものばかり。ローリエが月桂樹の葉と知ってからは、畑の片隅に植えた月桂樹の緑色の葉を料理に使っています。左の写真は月桂樹の冬芽。では右の写真は? 調べたら蕾とのこと。開花は4〜5月、雌雄異株です。こんな身近にあっても気づかなかった花。春の開花が楽しみ…。興味を持つことで見える世界がどんどん広がっていくような気がします。(Y)

2023年2月6日(月)
コナラの伐採(その2)

 左の写真は伐採直後の切り株と木。安全のため伐採するときは高い位置で切り、その後根元近くで切ります。残った切り株から出たひこばえが大きくなるとまた利用できるようになります。右の写真は倒れた木です。この辺りは、ずっと以前はカブトムシやクワガタムシ捕りのメッカとして有名だったそうです。今もコナラの木がたくさんあるのに、カブトムシなどコナラの木を利用していた昆虫がいなくなりました。雑木林を利用しなくなって、木が大きくなりすぎたことも原因の一つだと言われています。(Y)

2023年2月6日(月)
コナラの伐採(その1)

 コナラの木を伐採しました(写真左・右)。大きくなる木なので、放っておくと手がつけられなくなります。直径20cmほどの今なら安全に倒せるし、薪やシイタケのほだ木にしやすいのです。さて、作業に入ります。北側には電線、東西方向には大きな木。木は南に傾いて生えています。迷うまでもなく南側に倒します。まず始めに倒す方向に切り込み(受け口という)を入れ、反対側から受け口下面より少し高い位置を水平に切り込み(追い口という)を入れていきます。しばらくすると木は音を立てて正確に南側に倒れました。(Y)

2023年2月5日(日)
鳥類調査

 「モニタリングサイト1000・里地」の越冬期5・6回目の鳥類調査をしました。今回が越冬期調査の最後であり、5年間行った鳥類調査の最後でもあります。久々によく晴れて日差しが暖かなお天気のせいか、鳥たちの活動も活発で楽しい調査になりました。確認できたのは、自宅周辺で1年中見ることのできるシジュウカラやエナガなどの他、滅多に見られないハイタカ、トラツグミなど28種にもなりました。写真左は、残雪の上で餌を探すアトリ。右は地面にいたヤマガラで、エゴノキの種子をくわえています。去年の秋にどこかに隠しておいたものを見つけ出したようです。秋にエゴノキの種子を採りに来る姿はよく見ますが(2021年8月29日の当欄)、それを探し出した姿を見るのは初めてです。このように5年間の調査で、今まで知らなかった鳥たちの行動をたくさん知ることができました。5年間で合計何種の鳥を確認できたかは、近いうちにまとめて報告したいと思います。(Y)

2023年2月4日(土)
ジャコウアゲハの蛹

 ウグイスカグラの1mmほどの小枝にジャコウアゲハの蛹(写真左)。自然下の蛹です。飼育下で死んだ幼虫(2022年10月19日2023年1月4日の当欄)がウマノスズクサの葉裏で卵だった時、すでに大きく成長した幼虫が数匹いたはず。どこか頑丈な人工物で越冬蛹になっていると思っていましたが、こんな細い小枝で風にも雪にも耐えていたのかと…。無事羽化することを楽しみに春を待ちたいと思います。右の写真の奥がウマノスズクサ畑、手前は人工池です。ウマノスズクサ畑から蛹があった場所まで10m以上。蛹化するのに随分長い距離を移動するものです。(Y)

2023年2月3日(金)
獣害

 自宅から2kmほど下った国道沿いの集落で、子連れの20頭ほどのサルの群れが悪さを始めたようです。私が住んでいる地区に来るのも時間の問題のような気がします。当地にはシカも、今のところ数が少ないながらいます。サルやシカが山から出て田畑に来るようになったら、イノシシ用の防獣柵は役に立たないので一気に被害が出ます。最も狙われやすいのが高齢化と人口減少に直面している中山間地です。何か手立てはないものでしょうか。左の写真はサル、右はシカ。いずれもセンサーカメラに写ったもので画像はよくありません。(Y)

2023年1月31日(火)
水の濁り

 今日はおよそ2週間ぶりの明るい日差しのいいお天気。いっぱい用事を詰め込んで津山の街へ。さて1か月以上前のことですが、田んぼビオトープの水が濁っているのに気付きました。よく見るとカモと思われる羽根が浮いています(写真左)。水を濁らせたのはコガモかな? センサーカメラを設置して調べました。写っていたのはコガモではなく、氷の上を歩くセグロセキレイ(写真右)。寒波が来てからは水が濁らなくなったので、カモが来なかったということでしょう。もう少し早くカメラを設置しておけばと。残念なことをしました。(Y)

2023年1月29日(日)
最強寒波と温暖化

 朝、富山県に「顕著な大雪に関する気象情報」が発表されていました。他にも日本各地で大雪による災害が起こっています。これって線状降水帯が雪に変わっただけ? では温暖化が原因? 台風の大型化もあるし、このままでは一年中大きな災害が起こるのでは? それが現実になりそうで怖いです。国のリーダーである政治家からは何の発言もないけれど、未来を生きる人たちへの責任は感じないのでしょうか。左の写真は今朝軒下にできた氷柱(つらら)。右は咲き始めたフクジュソウ(1月23日)。寒波で今は雪の下です。(Y)

2023年1月27日(金)
今日も雪

 今日の最低気温-2℃、最高気温+2.5℃。今日も雪が降り低温も続いていて、積もった雪もなかなか解けません。ところで12月になっても暖かい日が続いていたのに、中旬の10日間ほどは急に雪が降ったりして真冬並みの寒さに。その後は年末からお正月と穏やかなお天気。そしてまた最強寒波襲来。最近はお天気が急激に変化して、しかも長く続く。激しいことも多くなって豪雨に豪雪…。今までの経験が通じなくなっています。左の写真はため池の堤防、右は雪に覆われた放棄田です。今更の冬景色ですが、1月24日、25日の当欄と見比べてご覧ください。(Y)

2023年1月25日(水)
最強寒波

 24日の最低気温-5℃、最高気温+1℃。北風が強く、夕方からは暴風雪に。明日は生協の配送だけど大丈夫だろうか…。朝起きると15〜20cmの積雪。囲いのないガレージは雪が吹き込んでひどい状態です。結局、生協の車は1時間以上遅れたものの無事到着。朝から雪かき、生協のあれこれで…疲れました。今日は最低気温−6.5℃、最高気温-1℃の真冬日。雪は全然融けません。左の写真はため池、右は棚田とたんぼビオトープ。美しい雪景色です。当地は数年ぶりの大雪。道路の雪かきをしながら、豪雪地帯に住む人たちの大変さに思いを馳せました。(Y)

2023年1月24日(火)
里山が美しいのは…(その2)

 2016年の冬に大勢で放棄田の草刈りをしました。その後はうちで整備、年に1〜2回草刈りと草焼きをしています(写真左)。冬に刈草を焼くと、初夏にはきれいな草はらができ(写真右)、秋には成長した草はらにカヤネズミの巣がたくさん見つかります。「里山が美しいのは人の汗の賜物」。この言葉を胸に刻んで、美しく、命あふれる里山を守りたいと思います。(Y)

2023年1月24日(火)
里山が美しいのは…(その1)

 左の写真は5〜6年間放置されたままの放棄田。左奥はこの辺りでたった1枚残った水田です。6、7年前、放棄田が一番ひどい状況の時です。放棄田の上のため池周辺も草がすごくて、堤防から見ると下の放棄田も防獣柵も全く見えません(写真右)。こんな状態でした。(Y)

2023年1月23日(月)
ビワ

 左の写真はビワの花。こんな寒い季節にも咲く花があります。暖かい日だったら、成虫越冬の昆虫たちが吸蜜に訪れていたかもしれません。でも今日は厳しい寒さで、昆虫の姿を見ることはありません。右の写真はビワの冬芽。様々な姿で冬の寒さに耐える植物…今、冬芽探しに夢中です。(Y)

2023年1月22日(日)
無農薬レモン

 友人が育てた無農薬レモン、今年も送ってくれました。大小さまざまな、愛おしくなるようなレモンたち(写真左)。一番大きいのは12cm。これを使って、久しぶりにレモンジャムを作ることにしました。いつもは市販の小さなレモン4個で作りますが、皮を剥くのと1房ずつ実を取り出すのが大変で、このごろはちょっと…。でも、これだけ大きなレモンだと簡単に実を取り出せます。他にも、サツマイモのレモン煮やレモンサワー…せっかくの貴重な無農薬レモンなので、皮を生かした料理もしようと思います。写真右は以前作ったレモンジャムです。(Y)

2023年1月21日(土)
草を刈って、集めて、焼いて

 来週はかなり強烈な寒波ということで、それまでにと外の作業を頑張っています。今日は、以前に刈った草を集めて焼きました。刈草がなくなると畔のラインがくっきりとなって、棚田がすごくきれいになります(写真左)。刈草を熊手で集めていると、真っ赤なツルリンドウの実(写真右)。草の下が暖かかったのでしょう。年を越しても、まだきれいな色をしていました。(Y)

2023年1月20日(金)
ヤマコウバシ

 左の写真はヤマコウバシの枯葉色になった葉。葉は枯れても木に付いたままなので、この時期よく目立ちます。右は冬芽で、春に冬芽が芽吹いて新しい葉が展開する直前にようやく落葉します。木の種類によって、紅葉も落葉も様々なのだと気付くことができました。自然は不思議で溢れているということも…。(Y)

2023年1月19日(木)
雅ねえの獣ばなし

 広報に「雅ねえの獣ばなし」が連載されています。「雅ねえ」こと井上雅央(まさてる)さんは、獣害対策の専門家。井上さんが出演されて昨年放送されたNHKスペシャル「獣害転じて福となす」。私の住む隣町が舞台であり、また獣害対策についてわかりやすく、面白く話されるのに思わず見入りました。井上さんがおっしゃるには、獣道は共用でアナグマが掘った防獣柵の下の穴をタヌキが広げてイノシシが鼻を突っ込んで持ち上げる。結果として獣たちの共同作業で柵突破。まさにそんな現場に出くわすことがあります(写真左・右)。(Y)

2023年1月18日(水)
鳥類調査

 モニタリングサイト1000・里地の、越冬期3・4回目の鳥類調査をしました。確認できたのはホオジロ(写真左)、ジョウビタキ(写真右、メス)、カシラダカ、アオゲラ、ベニマシコなど18種。前回より少なかったし個体数も多くありませんでした。でもベニマシコを確認できたこと、アオゲラのドラミングの音を長時間、間近で聞けたことはとても嬉しい体験でした。以前の繁殖期調査の時に、雑木林から棚田に響き渡るアオゲラの鳴き声を聞いたことを思い出しました。高音で明るい「ピョーッ!」という声。ドラミングの音とともにいつまでも心に残ります。(Y)

2023年1月16日(月)
休耕田のチガヤ群落

 今日は、カヤネズミの巣がよく見つかる休耕田の草刈り。ここは1年間手入れしないでいると、クズなどのつる植物、セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサ、ノイバラなどがはびこり、カヤネズミは巣を作らなくなります。今は秋から冬に草刈りと刈草の焼き払いを行い、つる植物や外来植物などは適宜除去しています。そうしていると秋にはチガヤのきれいな群落ができ、巣もたくさん見つかるようになります。左の写真は南から北へ広がっているチガヤ群落を横から見たところ。右は草刈り途中。この後、残った分もすべて刈ってようやく完了です。(Y)

2023年1月15日(日)
常緑樹の冬芽

 今まではフジコバノガマズミなど落葉樹の冬芽ばかり紹介しましたが、常緑樹にも冬芽があります。写真左はシロダモ、右はヤブツバキの冬芽です。落葉樹の冬芽と同じように春になると芽吹きます。そして展開してくる新しい葉と交代に少しずつ古い葉が落ちます。だから秋から冬に一斉に葉を落とす落葉樹と違い、一年中葉があります。今まで常緑樹の冬芽はよくわからなかったけど、ちょっと注意して観察してみました。ある、ある! 興味を持つことで見えてくるものがたくさんあります。(Y)

2023年1月13日(金)
ブッポウソウの繁殖と温暖化

 ブッポウソウ(写真左)の繁殖は、昨年は失敗が多かったそうです。私たちが架けた巣箱でも巣立った様子は見られませんでした。最近ようやく巣箱を下ろして点検しました。ヒナのフンや餌の残骸の層が底に約2〜3cm溜まっています(写真右)。また巣箱の奥には孵らなかった卵が1つ。そんな様子から、小さなヒナが2〜3羽いたけど育たなかったのだろうと考えています。専門家のお話では、昨夏の猛暑で昼間昆虫類が飛ばず、餌不足になったのではないかということでした。また、巣箱の内部が暑くなりすぎたことも考えられます。今年は暑さ対策を工夫して、繁殖を成功させてやりたいです。(Y)

2023年1月12日(木)
今日も草刈り

 今日はカヤネズミの生息地として管理している休耕田(昨日の右側の写真の場所です)の草刈りをしました。ここは広くて、ススキやチガヤ、マコモ、カサスゲなど嵩の高い植物ばかり。2人で1時間余り刈っても、田の半分くらいが精一杯。作業中見つけたのは、カヤネズミの使用済みの巣が2個(写真左・右)。右は、巣の中の2層構造がよくわかるように壊したものです。内側の淡い緑色、葉を細かく裂いた柔らかい部分で子育てします。ところで、明日からは3日ほど雨模様の予報。外の作業が続いたので、休めるのがちょっと嬉しい雨です。(Y)

2023年1月11日(水)
棚田の草刈り

明後日から3日間が雨予報なので今日も草刈り。すぐそばのTさんのお宅の柿の木(写真左)にヒヨドリなど野鳥がたくさん集まって柿を食べていました。この柿は渋柿だと聞いていましたが、ようやく渋が抜けて甘くなったようです。あっという間に食べつくされることでしょう。ところで、今日で棚田上部の草刈りはほぼ終えてヤレヤレ。でも見下ろしたら、カヤネズミの生息地にと残していた草はらがすごい状況(写真右)。次はここを刈らなければ…。夫婦二人での草刈りと草焼き。呆然となりそうですが、春からの生きものたちの賑わいを楽しみに頑張ろうと思います。(Y)

2023年1月10日(火)
休耕田の草刈り
 風は冷たかったけど、穏やかな日差しの一日。休耕田の草刈りをしました。夏は猛暑、12月の中旬は真冬の寒さで外の作業がほとんどできませんでした。毎年、年内に外の作業を終えたいと思うけど、思い通りには…。こんなに寒くなると、田んぼビオトープの整備はできません。今できるのは草刈りか草焼きか。風があるので今日は草刈り。作業中にクズの冬芽(写真左)とツチイナゴ(写真右)を見つけました。クズははびこって困るけど、花はきれいだし冬芽は魅力的。何とか共存できないかな。(Y) 
2023年1月9日(月)
ササ刈りをしながら

 今日は以前に刈ったササを集めながら、木の根元に残ったササを鎌で刈りました。作業中、ササの茎にオオカマキリの卵鞘が2個(写真左。2個のうちの1個)。最近カマキリが減っているので、鳥やほ乳類に食べられないように枯れたササをたくさん被せておきました。すぐそばのコバノガマズミの木には冬芽(写真右)。野鳥以外はほとんど生物の姿を見なくなりましたが、地面にはロゼット葉の植物もたくさんあります。厳しい寒さや風に耐えて春を待つ、生きものたちの息づかいが聞こえるような気がします。(Y)

2023年1月8日(日)
コンニャク作りを終えて

 コンニャク作りで、いつの間にかお正月が終わりました。それにしても、アクが強く、かぶれやすいコンニャク芋を美味しいコンニャクにした先人の好奇心や知恵には驚かされます。体も脳も逞しく働かせていたことでしょう。話変わって、自宅周辺で冬鳥が多く見られるようになりました。ジョウビタキ、カシラダカ、ミヤマホオジロ、オオカワラヒワ、アトリ、ツグミ(写真左)など。先日からはトラツグミ(写真右)も姿を見せてくれます。(写真はどちらも以前のものです)(Y)

2023年1月7日(土)
コンニャク作り(その3)

 コンニャク作りは想像した以上に大変で、初回は見事に失敗。2回目、コンニャクのりに市販の凝固剤(炭酸ナトリウム)を加えたら固まり始めました(写真左)。しっかり混ぜて両手で丸く形を作って水の中に。その後2回ほど湯がいて、あく抜きをしてからきれいな水の中に(写真右)。ようやく完成しました。味付けして試食すると、市販のものとは少し違う歯ごたえと味わいで、とても美味しい。苦労のかいがありました。次からは失敗なくできるでしょう。そうそう、生のコンニャク芋はかぶれるので必ずゴム手袋をはめて作業しないといけません。(Y)

2023年1月6日(金)
コンニャク作り(その2)

 まずコンニャク芋を小さく切って皮や悪い所を取って、串が通るぐらいまで時間をかけて茹でます(写真左)。それを水とともにミキサーにかけるとドロドロに(写真右。コンニャクのりというそうです)。これに凝固剤を入れたら固まるはず…が固まらない。凝固剤の代わりに、草木灰で作った灰汁(あく)を使ったのですが、灰の量が足りなかったのか作用が弱かったようです。一般に使われる炭酸ナトリウムは用意していません。一晩おいても全然固まっていなくてガックリ。もったいないけどこれは畑の土に返します。コンニャク芋はまだ残っているので、炭酸ナトリウムを買ってきてリベンジです。(Y)

2023年1月5日(木)
コンニャク作り(その1)

 10年ほど前に、コンニャク芋をいくつかいただきました。畑に植えておくと、春に芽が出て見慣れない植物が育ち、数年後には何とも奇妙な花も咲くようになりました(写真左)。そろそろ掘り上げてコンニャク作りをと思いつつ、つい面倒で…。ようやく去年の12月に一念発起で掘ってみると、大きく育った芋が出てきました(写真右)。正月にはコンニャク作りをすることに。ネット上に作り方の情報はいっぱいありますが、さてうまくいくでしょうか?(Y)

2023年1月4日(水)
幼虫はやはり…

 孵化して2か月半、ジャコウアゲハの幼虫はやはりダメでした。これまでも動かなくなっても2、3日してまた動き出すことがあったので、今回も大丈夫かなと思ったけど…死んでいました。ひょっとしたら幼虫のまま休眠して、5月頃に出る新しいウマノスズクサの葉を食べて再び成長、などとも考えました。しかし、アゲハチョウ科は蛹で休眠・越冬。そこは変えられないようでした。生かしてやりたい思いはありましたが…。左の写真は脱皮直後、右はウマノスズクサの茎を移動中。ともに元気なころの2齢幼虫です(飼育の途中経過は10/19,11/5,11/20,12/24の当欄をご覧ください)。(Y)

2023年1月1日(日)
明けましておめでとうございます

 新しい1年が始まりました。今年も生きものたちに背中を押され励まされながら、里山環境の整備頑張りたいと思います。ところで、ロシアのウクライナ侵攻が始まって、世界の至る所で内戦や紛争があることに気づきました。軍備や兵器に大金を使って人の命を奪い、暮らしや環境を破壊する、そして地球温暖化も進むばかり…。今は命の大切さや環境問題に目を向ける時。もう待ったなし。私は小さな生きものたちの命を見つめながら、里山地域の環境変化を発信するつもりです。今年もよろしくお願いします。(Y)

2022年12月31日(土)
大晦日

 2022年、最後の1日。若いころのお正月は毎年親戚など20人ほどが集まるので、年末の数日はおせち料理作りで徹夜なんてことも。今は夫婦二人のお正月。黒豆、ごまめ、蒲鉾だけのおせちです。掃除もほどほどにということにして、今日は今年最後の外作業。南斜面の刈草を集めて焼きました(写真左。草を刈る前は12月16日の当欄をご覧ください)。「草を刈って、集めて、焼く」をしていると、景観が美しくなり、その後に生えてくる草も年々やさしくなります。右の写真は、刈草を集めている時に見つけたフジの冬芽。自然は着々と春への準備をしています。(Y)

2022年12月30日(金)
カメムシ

 大阪にいた時は、カメムシというとマルカメムシしか知りませんでした。当地に来て、カメムシには美しいものや面白い模様のある種が多数あることを知りました。畑のゴマにいたのはブチヒゲカメムシ(写真左。9月4日)とアオクサカメムシ(写真右。これは幼虫で、たくさんいました。9月4日)。カメムシ…また面白い世界に触れることができました。来年は、バッタの仲間とともにカメムシにもこだわって紹介したいと思います。(Y)

2022年12月29日(木)
カマキリの卵鞘とクモの卵のう

 10日間雪の降るような寒さの後、このところ昼間は割合暖かいお天気が続いています。厳しい寒さの時には出来なかった外作業。いいお天気のうちにしておくことにしました。今日も休耕田の草刈りです。作業中に見つけたオオカマキリの卵鞘(写真左)。最近カマキリが減っているので大切に保護したいと思います。右の写真はナガコガネグモの卵のう。卵は秋のうちに孵化して、幼体はそのまま卵のうの中で越冬。翌春に1回目の脱皮をした後、6月頃卵のうから旅立ちます。田んぼ周辺で一番個体数が多く、目立つクモです(8月13日の当欄もご覧ください)。(Y)

2022年12月27日(火)
鳥類調査

 10日ほど寒波が続いた後、一昨日からは日差しもあるまずまずのお天気。今日は「モニタリングサイト・里地」の鳥類調査(越冬期)1、2回目をしました。出だしはオオタカ、ツグミ、ジョウビタキなど次々と現れてウキウキと調査開始。でも途中から、何だか鳥が少ないぞ、とてもいい天気なのに…? 積雪と冷たいお天気が続いたので南に移動したのかな? 今日確認できたのは20種。これはいつもと変わりませんが、個体数がすごく少なかったです。左の写真はシロハラ、右はカシラダカ。どちらも今日確認できた鳥ですが、写真が撮れなかったので以前の同じ時期のものを使いました。次回の調査に期待したいと思います。(Y)

2022年12月26日(月)
ウリのこと

 飼い犬のウリが天国に旅立って今日で1年。今までウリのことはあまり思い出しませんでした。でもこの時期になると、ふとした瞬間に頭に浮かぶようになり、今更ながらウリといた日々が思い出されてなりません。動物病院で重い病気だと告げられてから36日、あまりに早い旅立ちでした。人間の5倍くらいのスピードで駆け抜けるという犬の一生。写真を見ながら、しばしウリを偲びました。左の写真は自宅そばのビオトープ池(人工池)で探索中(1才。2011年7月)。右は奥大山の芝生広場を全速力で走るウリです(8才。2018年6月)。(Y)

2022年12月25日(日)
ツチイナゴ

 ここしばらくは雨や雪の冷たい毎日でしたが、今日は久しぶりの青空と暖かい日差し。しばらく見なかった鳥たちも、庭や畑で餌探しに余念がありません。ミヤマホオジロ、シロハラ、キジバト、ジョウビタキ、エナガなどが来ました。厳しい寒さの中、みんな元気でよかった! 私も日差しに誘われて南斜面の草刈り。作業中、成虫越冬のツチイナゴがたくさん飛び出してきました(写真左)。バッタ科に共通しますが、正面から見ると優しい顔で魅力的(写真右)…と思うのは私だけ?(Y)

2022年12月24日(土)
続・ジャコウアゲハの幼虫は

 10月4日頃4個産卵されて、17日に孵化したジャコウアゲハの幼虫。成長があまりに遅いので11月5日から飼育することに(11月5日の当欄)。でも次々死んでしまって、1頭だけ生き残った幼虫も変態には至らず今も幼虫のまま(写真左)。飼育を始めてから食草を自生地に3回採りに行きましたが、気温が下がったせいかあまり食べません。食べ残しはすぐ枯れてしまうのでさらにもう1回自生地へ。案の定、葉はすっかり茶色になっていましたが(写真右)ほんの少しだけは食べました。食草がウマノスズクサだけというのは厳しいものです。9月中旬以降に産まれた卵は、生かしてやるなら早く飼育に踏み切って、早く蛹にさせてやることが大切だと痛感。今は見守ってやるしか…。(Y)

2022年12月23日(金)
放棄田

 最低気温−5℃、最高気温−2℃の真冬日。今日も雪が舞う冷たい一日でした。さて、10年以上前はきれいな水田や畑が広がっていた地域なのに、いつの頃からか放棄田と防獣柵が増えました。左の写真は、水田と畑が棚田状にあった所。今は防獣柵の向こうにススキ、セイタカアワダチソウ、ササなどが生え放題。木まで大きくなっています。右の写真は、きれいに整備された水田と大豆畑の間に3、4枚ある放棄田です。放棄田に隣接する田畑は雑草が侵入してくるので対処に困っていることでしょう。先人が苦労して守ってきた田畑です。食料の国内生産や環境保全の面からも問題を強く感じます。何かいい方法はないものでしょうか…。(Y)

2022年12月22日(木)
羽根の散乱

今朝、ガレージのそばに黒い大きな風切り羽と少量の体羽が散乱していました。オオタカに襲われたと思われます。襲われたのは当地に多いハシボソガラスでしょう。今年は畑や周辺の柿の木はどれも大豊作で、よくカラスが集まっていました。でも今日はピタリとカラスの姿がありません。仲間が襲われたのがよく分かったのでしょう。右の写真はやはりオオタカに襲われたキジバトの羽根(2017年5月。自宅付近)。「食う-食われる」は自然の摂理とはいえ、身近での命のやり取りに思わず手を合わせました。(Y)

2022年12月21日(水)
カヤネズミの巣とウラギンシジミの越冬態

 今日は午後から雨という予報だったので、午前中に管理している休耕田の草刈り。その時に、2個カヤネズミの巣を刈ってしまいました。左の写真は2個のうちの1個です。出入り口がはっきりわかる、しっかりと作られた繁殖用の巣です。すでに役目は終えている時期ですが、念のため草を被せておきました。午後、軽トラで通りかかった細い道路の法面、ヒサカキの葉裏に白い物。車をバックさせて確認するとやはりウラギンシジミ。帰宅してすぐにカメラを持って行きました。もういないかな? いたいた! 久々に見るウラギンシジミの越冬態です(写真右)。(Y)

2022年12月20日(火)
狩り

 左の写真はナガコガネグモで獲物はショウリョウバッタのオス(10月31日)。右の写真はコシマゲンゴロウ。獲物が何かは不明です(10月6日)。食べて食べられて…生き残ったものだけが次の世代に命を繋ぎます。(Y)

2022年12月19日(月)
寒い日には

 今日の最低気温-5.5℃、最高気温+1.5℃。今日も冷たい一日でした。こんな日は外の作業ができないので、以前に撮った写真の整理をしました。その時見つけた2枚の写真。左はホシササキリ(10月7日)、右はハイイロゲンゴロウ(10月6日)。どちらも今年初めて見たものです。私たちが整備する所は、放棄田も含めて70〜80aほど。その周辺も含めてそんなに大きくないところに、ため池、浅い水辺、水路、湿地、草地、草はら、雑木林、田んぼなどコンパクトに多様な環境があります。多様な里山環境が様々な生物の命を育むのだと実感します。(Y)

2022年12月18日(日)
雪景色

 我が家の温度計では、今日の最低気温−4℃、最高気温0℃。朝起きたら数cmの積雪で一面の雪景色。雪は終日消えることはありませんでした。12月としてはちょっと厳しすぎる冷え込み。左の写真は、ため池の堤防、右はため池です。ため池には氷が張り、その上に雪が積もっています。今後この冬の寒さはどうなるのでしょう? ちょっと気が早いけど来年の夏の暑さは? 気候変動が未来の話ではなくなっているので心配です。(Y)

2022年12月17日(土)

 一昨日、田んぼビオトープが干上がった時、わずかに水が残った所にエビやメダカ、ヤゴなどが多数集まっていました。水があっても泥沼状態です。水の補給がもう少し遅れたら、みんな死んでしまうところでした。その時、泥沼の中に初めて見るガムシの仲間を見付けました(写真左)。後で調べたらコガムシ。田んぼビオトープにたくさんいる1cmほどの小さなガムシはヒメガムシで、今回見つけたコガムシは2cm弱あります。さらに、体長4cmと大きくてよく目立つのがガムシです(12月9日の当欄もご覧ください)。右の写真はヤンマの仲間のヤゴ。死んでいると思って手に取ったら動いたので急いで水の中へ…。(Y)

2022年12月16日(金)
南斜面と柿

 自宅南斜面の一角に自生の柿の木があります。実は大きさ4〜5cmの小さなもの。今年はどこも柿が大豊作で、ここの柿も例外ではありません(写真左)。この柿は渋柿ですが、カラスがたくさん集まって柿を狙っているところを見ると、渋が抜けて甘くなったようです。私が南斜面の草刈りを始めたので、カラスは諦めてどこかに飛んで行きました。右の写真が南斜面。これから気合を入れて草を刈ります。里山が美しいのは人の汗の賜物…改めて思います。(Y)

2022年12月15日(木)
水が干上がった!

 今日の最低気温は−2℃、最高気温が+5℃。真冬の寒さです。あんまり冷たい時は、落ち葉かきか草刈り。体が温まります。さて、当地の米作りは雨水頼り。田んぼビオトープも同じ。昨今は雨が少ないので、ため池から浸みた水が頼りです。時々その浸み水が減って、田んぼビオトープが干上がります。先日も2か所が干上がって、体長5cmほどのフナ1匹と多数のメダカが死にました。急いで水路の泥上げと水草取り。泥沼になった所にもメダカやエビ(写真左・右)など。危機一髪! ようやく水が溜まりました。それにしても、水の管理は難しい…。(Y)

2022年12月14日(水)
続・婚姻色のイモリ

 12月12日に、また婚姻色のアカハライモリを見つけました(写真左。11月19日の当欄もご覧ください)。イモリの繁殖期は4〜6月なのに、この寒い季節に婚姻色? 疑問に思って調べると、イモリの繁殖期は春と秋の2回。オスが排出した精子の塊(精包)をメスが体内に取り込み、貯精嚢で精子を保存。春に受精卵を1つずつ産卵するということです。左の写真で、成熟したオスの眼の後方にある張り出しは耳腺(有毒成分を作る所)。右の写真は、そばにいたメス。メスの耳腺はオスほど張り出しません。(Y) ※参考図書:「はっけん!イモリ」(緑書房)

2022年12月13日(火)
ツチイナゴとツマグロヒョウモンの蛹

 今日も草刈り。広い休耕田で草刈りをしていると、ため息が出てきます。それでも、現れる生きものたちに励まされて頑張れるのかな。今日はツチイナゴ成虫(写真左)とツマグロヒョウモンの蛹(写真右)を見つけました。この時期のツチイナゴは、秋と違って周囲の枯草に紛れるような色になります(11月7日の当欄もご覧ください)。チガヤの葉に付いていたツマグロヒョウモンの蛹には金色に輝く突起。葉を切ってしまったので持ち帰ってデッキに置きました。来春の羽化が楽しみです。(Y)

2022年12月12日(月)
ヒナバッタとナツアカネ

 朝晩の冷え込みは厳しいですが、昼間は割合暖かい日が続いています。昨日は田んぼビオトープの写真を撮ったあと、草刈りをしました。暖かいと昆虫やカエルなどが出てきます。草刈り機で生物を殺傷しないよう気を遣いながらの作業です。作業中、ヒナバッタ(写真左)とナツアカネ(写真右)を見つけました。この時期にしては2種ともに傷のない、きれいな個体でした。朝晩の冷え込みはどこで凌いでいるのでしょう。自然は不思議でいっぱいです。(Y)

2022年12月11日(日)
水草取りを終えた田んぼビオトープは

 今日はまず、昨日水草取りを終えた田んぼビオトープの写真を撮りました。作業を終えるといつも夕方。光線の加減か、写真が暗くなってしまいます。そこで今日は作業前の明るい光の時に撮影(写真左)。11月4日の当欄の左の写真とほぼ同じ場所から撮りました。写真を比べると、随分水草取りを頑張ったと自画自賛。でも、すべてのビオトープの水草取りを11月中に終えることはできませんでした。右の写真は棚田と田んぼビオトープです。(Y)

2022年12月10日(土)
ヒメミズカマキリ

 今日も暖かかったので、田んぼビオトープの水草取りをしました。このビオトープは4か所ある中で一番広く、最初に水をため始めた所。何とか水草取り終了です(写真左)。今日の作業中出てきたのは、今年初めて見るヒメミズカマキリ(写真右)。岡山県の準絶滅危惧種です。よく似ているミズカマキリより体が小さく、呼吸管が短くて体長の2/3ほどという点で区別できます。(Y)

2022年12月9日(金)
ガムシとヒメガムシ

 今朝の最低気温は−1℃。バードバスに薄い氷が張りました。昼間はよく晴れて暖かくなったので水草取り。今日で田んぼビオトープ1枚の水草取りをすべて終えたかったのですが、なかなか手ごわくて明日に持ち越しです。作業中に大きなガムシ(写真左)と体長1cmほどの小さなガムシ(写真右)が出てきました。小さいのはコガムシかヒメガムシ。お腹のトゲを見たら長くて、後ろ脚の付け根を超えていたのでヒメガムシだとわかりました。同定は難しくて、なかなか種名まで行き着きませんが、今日は珍しくすんなりと…。うれしかったです。(Y)

2022年12月8日(木)
草刈り

 しばらく寒い日が続いていましたが、今日は風もなく日差しの暖かい良い天気。久しぶりに草刈りをしました。昨年の秋から冬に「草を刈って焼く」を頑張ったら、チガヤのきれいな群落が休耕田のあちらこちらにできました。カヤネズミの巣がたくさん見つかります。そのチガヤも枯れて刈り取り時。巣のある所を刈らないように注意していたつもりが…刈ってしまいました(写真左)。大きくて丈夫な巣だったので、秋の繁殖巣と思われます。中に幼獣がいるかもしれないので、巣の上に刈草をいっぱい被せておきました。作業の終わりに軽トラの荷台から眺める一本道の風景が好きです(写真右)。(Y)

2022年12月6日(火)
東京へ

 東京の孫たちに会いに行っていました。無邪気にはしゃぐ小さな子たちの笑顔にこちらも笑顔。でも、時折よぎる戦禍や貧困の中の子どもたちの姿…。どの国のどの子も幸せな子ども時代であってほしいと願わずにはおれません。さて3日間家を空けて、飼育中の2頭のジャコウアゲハ幼虫は? 出かける前には、どちらの幼虫も前蛹の体勢に入り(写真左)、帰宅の頃には蛹になっているだろうと…。ところが帰宅したら2頭とも移動していてまだ幼虫のまま(写真右)。もう食草はありません。3日以上食べずに生きていますが、どうなるのやら。見守ってやることしかできません。(Y)

2022年12月1日(木)
暖かい日には

 早くも師走です。つい先日までは季節外れの暖かさだったのに、昨日・今日は一挙に真冬の寒さ。鳥以外の生物の姿は全くありません。でも、12月半ば頃までの暖かい日にはいろんな生きものたちと出会います。少し前の写真ですが、左はローズマリーの花で吸蜜するキタキチョウ(11月26日)。右はアマガエル(11月21日)。この日は暖かかったので、アマガエルを3匹も見ました。(Y)

2022年11月30日(水)
ヒマワリのタネを食べたのは?

 今から3か月以上前のことになりますが…。今年も棚田に植えたヒマワリがきれいに咲きました(写真左)。それから40日ほどしてタネが熟したので収穫に行くと、右の写真のような状態のものが…。タネの中身だけ食べて、殻は残してあります。一体誰の仕業? 鳥はこんな食べ方はしないし、ネズミかな? まさかニホンリス? 誰でもいいか。美味しそうに食べている様子が目に浮かんで、楽しい気分にさせてくれたもの! (Y)

2022年11月29日(火)
ヒャクニチソウとシロツメクサ

 バタフライガーデンで、こぼれ種から芽生えたヒャクニチソウが小さな花を咲かせました(写真左)。逞しいキバナコスモスもこぼれ種からたくさん芽生えて草丈15cmほどに。その中にシロツメクサが一輪、花だけをのぞかせています(写真右)。霜が降りたらみんな枯れてしまうけど、春にはまた新しい芽が出てきます。今日は一日雨。雨の後は一気に冬型とか…。ようやく本来の寒さになるのかな。(Y)

2022年11月28日(月)
地球温暖化と食料自給率

 最近の新聞に、地球温暖化で魚介類や海藻類の多くで漁獲量の減少などマイナスの影響が出ている、との記事がありました。温暖化の影響は気象災害だけではありません。漁業や農業での収量にも大いに関係します。米作りの現場近くに住んでいますが、高齢化もあり5年後の米作りはどうなるだろうかと考えてしまいます。今年の食料自給率は39%とか。防衛費を2倍にするという話がありますが、真に国や国民を守るためには兵器の増強より、温暖化対策や食料自給率・エネルギー自給率を上げることの方が急務なのではないでしょうか。資源や食料を巡って内乱や戦争が多発…考えるとゾッとします。平和な暮らしを守るためには何が必要なのでしょうか…。今の社会状況に心が沈むことも多いですが、自然を見つめると気持ちがほぐれます。左の写真はフユイチゴの実、右は秋にも少数が咲くコスミレです。(Y)

2022年11月27日(日)
セトウチサンショウウオ発見!

 田んぼビオトープの水草取りをしていたら、体格のいいセトウチサンショウウオ(オス)を見つけました(写真左・右。体長約10cm)。今季初見。こんなに大きくて傷のないセトウチを見るのは初めて。また、いつもは年が明けてからなのに11月に見るのも初めてです。これから2月、3月頃までメスが来るのを待つのでしょう。来春の産卵が楽しみです。(Y)

2022年11月26日(土)
ヒイラギとチャノキの花

 キンモクセイのようないい香りがすると思っていたら、ヒイラギ(モクセイ科)の花でした(写真左)。節分に、枝に焼いたイワシの頭を刺して玄関に飾ると魔除け、鬼除けになると言われる木です。右の写真はチャノキ(茶の木・ツバキ科)の花。昔の人がお茶を作った名残でしょうか。この花が咲き始めると、そんなにきれいとは思わないのについ見入ってしまいます。(Y)

2022年11月25日(金)
ウマノスズクサ自生地へ

 同じ時に生まれたジャコウアゲハの幼虫2頭。よく食べる方は体長3〜4cm、小さい方も3cmほどに。寒さで黄色くなったウマノスズクサの葉でしのいでいましたが、いよいよ与える葉がなくなってしまいました。やむなく、ダメだろうと思いつつ自生地へ。ところが、ありました! 枯れた葉の下に緑色の葉がいっぱい(写真左)。急いで帰宅して幼虫に与えました。匂いでおいしいとわかるのでしょうか、すぐに食べ始めました(写真右)。いっぱい食べて早く蛹になってね。飼育していると、つい一生懸命になってしまいます。今年も自生地に助けられました。(Y)

2022年11月23日(水)
水草取りとケラ

 今日は久しぶりの雨。冷たい雨でしたが、生きものたちには恵みの雨となりました。さて、昨日までの暖かいお天気で水草取りがかなり進みました。昨日、枯れたクログワイを抜いていると出てきたケラ(写真左)。ケラはいつ見てもユーモラス、大好きな昆虫です。右の写真は今の田んぼビオトープ。11月4日の当欄、左の写真で黄色く色づいているのがクログワイ。風景の変化とともに季節は移り変わります。(Y)

2022年11月22日(火)
サトクダマキモドキ

 昨日、板壁に体長(翅端まで)6cmほどの大きなサトクダマキモドキがいました(写真左)。前脚の腿節が緑色で、よく似たヤマクダマキモドキは赤紫色です。板壁を登って、上から下を見下ろしていました。近づいても逃げないので、下から顔を撮影(写真右)。サトとヤマの顔を比べたら…ヤマの方が優しい顔をしているかな(8月25日の当欄をご覧ください)。(Y)

2022年11月21日(月)
ハラビロカマキリ

 居間の網戸にハラビロカマキリ(メス)がいました(写真左)。ハラビロカマキリを見るのは、10月16日の田んぼでの自然観察会以来で今季2度目。しばらくして見たら、すぐそばにクサギカメムシ。カマキリは狙いを定めて…次の瞬間、鎌でカメムシを捕えていました(写真右)。今日は暖かく爽やかなお天気。他にもオオカマキリやコバネイナゴ、サトクダマキモドキ、テングチョウ、ナツアカネ、アマガエルなど、たくさんの生物が活発に活動していました。ジャコウアゲハの幼虫も元気です。(Y)

2022年11月20日(日)
続・ウマノスズクサ畑の幼虫は

  10月17日に孵った4頭の幼虫。1頭は行方不明になり、3頭の飼育を始めました(11月5日の当欄)。急速に朝晩が冷え込んで、飼育箱の幼虫も活動が鈍くなりました。そこで、古いウールの端切れを敷いたり、夜は暖房のない部屋に入れたり。それでも1頭は死にました。残り2頭のうち元気な個体は体長2cmを超え、よく食べるように(写真左)。ウマノスズクサの葉はほとんど枯れましたが(写真右)、まだ残っている葉を毎日補給。うまく蛹になれるかどうか…最後まで見守ってやりたいです。(Y)

2022年11月19日(土)
婚姻色のアカハライモリ

 田んぼビオトープで水草取りをしていて、婚姻色になっているアカハライモリのオスを見つけました。婚姻色というのは繁殖期に現れる体色で、アカハライモリのオスではしっぽが青くなります(写真左・右)。イモリの繁殖期は4〜6月のはず。どうして11月に婚姻色? 調べたら、10月下旬〜11月にかけてもメスに求愛しているオスがいるそうで、そのために婚姻色が出ることがあるそうです。そういえば近くにメスがいました。メスはこの時期にはすでに成熟した卵を持っています。とはいえ、寒さに向かう今の時期の求愛はなぜ?(Y)

2022年11月18日(金)
紅葉

 左の写真は、田んぼから東の方角に見える山。この山の紅葉は今頃が一番美しいです。黄色く色づいているのはイチョウです。右の写真は田んぼビオトープ付近の草紅葉。奥はミソハギ、手前はチガヤです。ミソハギは花も紅葉も美しい(8月11日の当欄)。立冬は過ぎましたが、「山粧う」の言葉がピッタリの今頃の風景です。(Y)

2022年11月17日(木)
ヒガンバナとフユノハナワラビ

 秋の彼岸の頃に咲いたヒガンバナ。草刈りが終わり、他の草がほとんどなくなった畔で力強く濃緑の葉を伸ばしています(写真左。10月31日)。ヒガンバナは花のある時に葉はなく、葉のある時には花はありません。だから「葉見ず花見ず」という別名があるそうです。秋から春に球根に栄養をため、夏が近づくと葉は枯れて休眠期に入ります。そして、秋の彼岸の頃に一気に花を咲かせます。右の写真はシダ植物、フユノハナワラビの胞子茎(11月15日)。花が少なくなった畔に彩を添えてくれます。(Y)

2022年11月15日(火)
ツチイナゴ成虫

 写真左は、成虫で越冬して産卵後まもなく一生を終えるツチイナゴ(6月27日)。写真右はその卵が孵化した幼虫(9月4日)で、この後成長して秋のうちに成虫になります(11月7日の当欄)。バッタの仲間では珍しく、春と秋に2回成虫が見られるのです。こういう生活史をもつバッタのことを知ったのは最近です。バッタの魅力にすっかりはまって、成長の記録を作りたい…なんてことを考えています.(Y)

2022年11月14日(月)
セスジツユムシとツマグロヒョウモン幼虫

 朝晩の冷え込みがきつくなって、すっかり昆虫の姿を見なくなりました。少し前までショウリョウバッタなどがいたのに…。それで、この秋に撮影したけど取り上げることができなかった昆虫を紹介します。左の写真はセスジツユムシ成虫(10月11日)、右はツマグロヒョウモンの幼虫(10月8日)です。日付を見ると、どちらも撮影したのは1か月以上前のこと。振り返れば、時の経つ速さに驚くばかり。一日一日をもっと大切に過ごさなければと思う日々です。(Y)

2022年11月13日(日)
命の重み

 法務大臣は「法の番人」で重要な役職だと思っていたのに、「死刑のハンコを押した時だけニュースになる地味な仕事」と現職の法務大臣(その後更迭)。法務大臣といってもこの程度? でも、ニュース番組で法務大臣経験者の、たとえどんな重罪を犯した人であっても死刑の決裁印をつく時の悩み、苦しみは大変なものだという話を聞きました。その人の人間性の問題のようです。命に関わる人は皆感じるはずの命の重み。鳥インフルエンザで何万もの鶏の殺処分に関わった人はどんな思いで…。ところで、ジャコウアゲハの幼虫は、やっと1.5cmに(写真左)。ほとんど葉の下にいます(写真右)。食草がすべて枯れてしまうまでに蛹になれよ…小さな幼虫にも感じる命の重みです。(Y)

2022年11月12日(土)
今日も水草取り

 午前中から水草取りをしました。今日はマコモとクログワイ。マコモは根が固いので大変。クログワイはひどくはびこっていますが、抜きやすいので助かります。昨日、根を切りながら作った水路はいい感じでした(写真左)。作業を終えて帰り道、コバネイナゴを見つけました(写真右)。生きものの気配が少なくなった畔道でコバネイナゴとのうれしい出会い。この昆虫は12月頃まで見ることができます。(Y)

2022年11月11日(金)
続・水草取り

 天気予報では小春日和は今日を入れてあと2日。明後日は雨予報です。水草取りを進めておかないと…。マコモは、はびこってすぐに水面を埋め尽くしてしまうので、その根っこ取りを集中してやりました。群落の根元は柔らかい土だと思っていたのに、マコモの太い根とイネ科植物の細かい根が絡んでカチカチです。これは切るしかありません。鋸鎌で根っこごと切り進めると、いつしか水路ができていました(写真左・右)。田んぼビオトープにコガモが群れで来た時の隠れ家になるかな。(Y)

2022年11月10日(木)
ジョロウグモのメスとオス

 左の写真はジョロウグモのメス。体長は2〜3cmあり、南側の小道で3層構造の複雑で大きな網を張っていました。しばらくするといなくなり、今度は畑で大きな網。風当たりが強いなど網を張った場所が気に入らないと次々移動するようです。3年前の秋にはデッキの風の当たらない場所で大きな網を張ったジョロウグモがいました。その場所がよほど気に入ったのか移動することなく産卵し、翌年の1月まで生きていました(2020年1月29日の当欄)。右の写真は体長6〜7mmのオス。メスとオスでは大きさに随分差があります。(Y)

2022年11月9日(水)
トチノキの黄葉とミコシグサ

 庭ではトチノキがきれいに黄葉しています(写真左)。ため池の堤防にはミコシグサ(写真右)。これはゲンノショウコの別名。実がはじけてお祭りの時の神輿のような形になることからミコシグサとも呼ばれます。ところで11月7日は立冬。暦の上ではこの日から冬です。昼間は快適でも朝晩の冷え込みがきつくなりました。いい季節はほんの一刻。大切に過ごしたいと思うこの頃です。(Y)

2022年11月8日(火)
南側の小道

 自宅そばの、紅葉が美しい南側の小道(写真左。10月30日)。ここはアセビヤマザクラエゴノキなどの木の花やチゴユリ、キンラン、シュンランなどの草花が四季折々楽しめる場所です。右の写真はセンブリ(10月31日)。10月22日の当欄でも紹介しましたが、株とともに蕾も増えました。この蕾が一斉に開いたらどんなに美しいかと、カメラを持ってせっせと通ったのに少しずつしか咲かず…。センブリは一斉には咲かない花だとようやく納得しました。(Y)

2022年11月7日(月)
中山間地保全事業

 今日は中山間地保全事業の草刈りの日。男性3名、女性4名の参加です。自分たちの管理地とは違った環境でいつもとは違う生きものが見られたりします。また、休憩時には女同士の楽しいお喋り。作業は大変だけど私にとっては楽しみの日でもあります。今日見つけた生物は、アカガエル、コバネイナゴ、オオカマキリ、ヒナバッタ、ショウリョウバッタモドキなど。他に、この時期にまだ交尾中のトノサマバッタがいました(写真左)。また、生き残りの昆虫たちが多い中で、秋に羽化したツチイナゴは一際きれいで元気でした(写真右)。(Y)

2022年11月6日(日)
成虫越冬の昆虫

 午前中、自宅そばの小さな畑に今季初めて冬鳥のオオカワラヒワが群れで飛来。エゴマやシソのタネを食べていました。夕方には季節外れのヤマアカガエルの鳴き声。生物で賑わう環境は人間にとっても過ごしやすい環境…そんな思いで棚田の環境整備をしています。写真は最近作業中によく見る昆虫で、左はツチイナゴ(バッタ科。9月23日10月2日の当欄)、右はクビキリギス(キリギリス科)。クビキリギスは口の周りが真っ赤。一度見たら忘れられません。2種ともに成虫で越冬して翌年5月頃産卵、7月頃まで成虫を見ることができます。(Y)

2022年11月5日(土)
ウマノスズクサ畑の幼虫は

 10月17日に孵化したジャコウアゲハの4個の卵(10月19日の当欄)。昼間は暖かくなっても朝晩は一気に冷え込むようになり、4頭の幼虫の成長が悪くてやっと体長1cmほどになりました(写真左、11月4日)。ウマノスズクサの葉も黄色くなってきて、11月中に蛹になれるか心配に。それで、今日から飼育することにしました。飼育箱の中だと外より少しはあたたかいだろうと。もう少し早く飼育すれば…と後悔も。右の写真は臭角を出す幼虫(10月27日。体長7〜8mm)。臭角は他のアゲハ類より短くて、何となく愛嬌があります。(Y)

2022年11月4日(金)
水草取り

 左の写真は現在の田んぼビオトープ。数日かけて奥の方から水草取りをしてきましたが、手前の方はまだほとんど手つかずです。記録のために写真を撮ったら、思いがけずきれいな水草の草紅葉。もう少し残しておきたい気もするけど、アカガエルの産卵のためには水草を取らなければ…。右の写真は今年の1月31日に撮ったもので、左の写真とほぼ同じ場所。泥の中で冬眠する生物への影響を考えると、水草取りは11月中に終わらせたいです。(Y)

2022年11月3日(木)
クダマキモドキ

 今日は冬鳥、カシラダカの飛来を確認しました。さて、ツユムシの仲間のクダマキモドキ。当地には、よく似たヤマクダマキモドキ(8月25日の当欄)とサトクダマキモドキ(写真左・右)の2種がいます。ヤマクダマキモドキの前脚の腿節が赤紫色に対してサトクダマキモドキは緑色。よく似た2種も、この色の違いで見分けることができます。(Y)

2022年11月2日(水)
小鳥たち

 10月18日に今季初めて姿を見たジョウビタキ。オス1羽が庭に来てバードバスで水浴びです(写真左)。また、今日はミヤマホオジロが初飛来。庭の片隅で採食に余念がない様子(写真右)。冬鳥以外にもシジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、メジロなども。そんな小鳥たちを眺めていると、幸せ感でいっぱいになります。さて、ジョウビタキは独特の鳴き声。澄んだ高い声でヒッ、ヒッと鳴き、カッカッと低い声も出します。これが火打石を叩く時の音に似ているということで、この仲間をヒタキ(火焚き)と呼ぶようになったそうです。色づいてきた雑木林にこんな声が響いています。(Y)

2022年11月1日(火)
珍客

 洗濯物などにくっついてきたのでしょうか。よく家の中に珍客があります。見つけるのはたいてい夜。今までにクダマキモドキウマオイカマドウマ、アマガエルなど。この8月に来たのは体長4〜5cm、今年生まれのニホンヤモリ(写真左)。寝る前に見つけたので大変!深夜に捕虫網で捕えて外へ。先日はオスのコカマキリ(写真右)。寒かったので翌日暖かくなってから逃がしました。昆虫のほとんどは、冬までに次の世代に命を託して一生を終えます。そして冬の静寂の中で、引き継がれた新しい命は誕生の春に向けて準備が粛々と進みます。(Y)

2022年10月31日(月)
水生生物(その1)

 暖かい日中に水草取りをしています。来春のアカガエルやセトウチサンショウウオの産卵までに、水量の安定と開放水面を広げるためです。水草取りをしていると、いろんな水生生物に出会います。左の写真はミズカマキリ。右はすでにお腹が卵で大きく膨らんだニホンアカガエル。草地や雑木林から水辺に集まって、産卵まで冬眠して待ちます。(Y)

2022年10月30日(日)
リンドウ

 10月16日の自然観察会には間に合わなかったけど、18日にリンドウが開花しました(写真左)。リンドウの写真を撮りたいと思うのですが、気が付けばいつも夕方。夕方には花は閉じてしまいます。今日こそと思って早い時間にカメラを持って田んぼへ…やっと撮影することができました(写真右。この株は満開です)。初めてここでリンドウを見つけた時はほんの数株。今日数えたら70株以上です。里山では真冬を除いて花が絶えることがありません。(Y)

2022年10月29日(土)
カマキリ

 写真はお腹の大きなオオカマキリ(左。10月7日)とコカマキリ(右。10月28日)です。年々カマキリが少なくなってきていると感じます。以前は少数ながらいたヒメカマキリも全く見なくなりました。今年はハラビロカマキリを見ていないと思っていたら、16日の観察会の時に男の子が捕まえていました(10月17日の当欄)。子どもたちの集中力と好奇心に満ちた目で見つけてくれた貴重なハラビロカマキリでした。それにしてもカマキリが少ない。来期もカマキリに注目していようと思います。(Y)

2022年10月27日(木)
愛媛旅行(その2)

 24日は石鎚山の南麓に広がる西日本最大級の渓谷、面河渓(おもごけい)へ。河原にそそり立つ絶壁は高さ100m、幅200mにも及ぶ巨大な花崗岩の一枚岩(写真左。亀腹と呼ばれます)。鮮やかなエメラルドグリーンの水は、川底まではっきりと見通せる透明度(写真右)。周囲を2000m級の山々に囲まれた渓谷はダイナミックで美しい景観です。今回はおよそ40年ぶりの面河渓。若い頃に感じた驚き・感動が強烈に懐かしく思い出されます。20歳頃の私でもそうですから、幼少期の子どもたちが、自然の中で目を見張った経験は深く心に残るはず。子どもたちに豊かな自然体験をさせてあげたい。改めて思いました。(Y)

2022年10月26日(水)
愛媛旅行(その1)

 10月23日〜25日、ちょっとリフレッシュということで四国に行きました。23日は石鎚山(標高1982mの西日本最高峰)の登山口がある愛媛県西条市の成就社へ。石鎚山は学生の頃何度か登りましたが、いつも南東側の土小屋ルートばかり。いつか成就ルートで登りたいと思っていました。今回はロープウエイを降りて、山道を歩いて30分の石鎚神社成就社(写真左)まで。次回は体調や装備を整えて、頂上は無理としてももう少し上まで歩きたいです。右の写真は色づき始めた石鎚山系の山々です。(Y)

2022年10月22日(土)
里山の小さな花たち(その3)

 自宅の南側の小道で、ヤクシソウとともにセンブリ(写真左)やアキノキリンソウ(写真右)が満開です。センブリは民間薬の代表格。健胃薬として認められています。センブリの名前の由来は、千回振り出しても(煎じても)まだ苦いということから。一度試してみよう。(9月24日10月8日の当欄もご覧ください)(Y)

2022年10月21日(金)
ヤクシソウ

 ヤクシソウの花が至る所で満開です。この花にはハチやアブ、チョウなどたくさんの昆虫が吸蜜にやって来ます。夕方玄関近くにあるこの花を見たら、ホウジャク(写真左。種類不明)とアシナガバチ(写真右。種類不明)が吸蜜していました。アシナガバチの体には花粉がいっぱい。蜜源が少なくなる季節にたくさんの花を咲かせるヤクシソウは昆虫にとってありがたい植物でしょう。私も吸蜜に忙しい昆虫と満開の花を眺めていると元気が湧いてきます。(Y)

2022年10月20日(木)
イモ掘り(その2)

 イモを掘っていると、土の中から現れたのがアカハライモリ(写真左。体長5cmほどの幼体)。水の中ではなく畑で冬眠するのかな。大、中、小、いろんなサイズのイモリがいました。右の写真はトビズムカデ。ムカデの本来の居場所は畑などの草地です。家の中に入ってくると危険生物。でも、本来の居場所では害虫を食べてくれる大切な生物なのです。(Y)

2022年10月20日(木)
イモ掘り(その1)

 昨日、サツマイモの収穫をしました。今年は例年になく豊作で、1株に9個大きなイモが付いているものも(写真左)。今冬はサツマイモ料理をいっぱい楽しめそうです。右の写真は芋づる。葉を除いて甘辛く炒め煮にすると美味しいです。(Y)

2022年10月19日(水)
ジャコウアゲハの卵が孵化

 10月17日、心配していたジャコウアゲハの4個の卵が孵化しました(写真左)。写真では幼虫が3頭しかいませんが、別の葉に1頭いました(写真右)。先に孵化した幼虫が移動したのでしょう。3頭の幼虫は自分が生まれた卵の殻を食べているところです。急に寒くなりましたが、食草はたっぷりあります。蛹になるまで元気に育ってほしい…。(Y)

2022年10月18日(火)
クロアゲハの羽化

 クロアゲハ6個、アゲハ6個、ジャコウアゲハ5個の蛹が飼育箱の中にいます。みんな休眠して越冬、来年の春に羽化するのだと思っていたら、えっ?まさか!クロアゲハの羽化です(写真左・右)。暑さが一転、最高気温が14℃、北風が吹く今季一番の寒さの日に…。でも、蜜源も幼虫の食草もまだあるし、明日からは暖かくなる予報。無事に旅立って配偶相手も見つけて、次の世代が冬までに蛹まで育ちますように。左の写真でチョウの左側後方に見えるのは、一番最後に終齢になった幼虫(10月13日の当欄)。小さいけれど健全そうなので蛹になりそうです。(Y)

2022年10月17日(月)
自然観察会(その3)

 田んぼビオトープで子どもたちが観察したのは、ミズカマキリ、ガムシ、いろんなヤゴ、イモリ、ドジョウ、ツチガエルの幼生(写真左)など。そのうち、虫かごの中では捕まえたお腹の大きなハラビロカマキリがバッタを食べ始めました(写真右)。子どもたちは、それぞれの環境に様々な生きものがいて、食う・食われるということもあるということを感じてくれたかな。大人の人たちも手入れされた棚田環境の素晴らしさに気付いてくれたかな。子どもたちの歓声が響く観察会はとても楽しい。帰りがけに、ある子の「また来たい!」の言葉が何ともうれしかったです。(Y)

2022年10月17日(月)
自然観察会(その2)

 挨拶や説明を終えて観察開始。田んぼビオトープ周辺では棚田の休耕田に植えたコスモスが満開。草はらでカヤネズミの立派な巣も見てもらいました。リンドウの花が開花まであと少しだったのが残念でしたが、美しいサクラタデやミゾソバの群落、薄紫色が美しいヤマハッカ(写真左)、カサスゲ・チガヤ・サワヒヨドリなどの草はら…。ヨメナとノコンギクの見分け方、水生植物のミズオオバコやクログワイの観察なども。そんな中で子どもたちは学生さんが採集してくれる水生生物に夢中です(写真右)。(Y)

2022年10月17日(月)
自然観察会(その1)

 16日、おかやま環境ネットワークと共催の自然観察会を田んぼビオトープ周辺で行いました。3家族(子ども9人)と個人参加の人、スタッフも含めて総勢23人の参加者でした。空地の草を刈って急ごしらえした駐車場で、開会前から早くも昆虫採集に熱中する子どもたち(写真左)。虫かごの中はあっという間にバッタなどがいっぱい。子どもたちのパワーやこんなに昆虫がいることにも驚きました。お手伝いの学生さん(両生類・は虫類の勉強中)が黒化型のシマヘビを捕まえてきたので、みんなで触らせてもらいました(写真右)。ヘビの印象が少し変わるといいな…。(Y)

2022年10月15日(土)
命は巡る

 左の写真はトノサマバッタ、右はカネタタキ。どちらもメスで、死んで間がない感じです。カネタタキは後脚が片方ありませんが、それ以外はどこも傷んでなくてきれいです。多分産卵を終えて命を終えたのでしょう。これらの命は卵に引き継がれ、来年の5月頃幼虫が誕生。自然の中では、個体は死んでも命は巡ります。(Y)

2022年10月14日(金)
ウマノスズクサ畑の今

 ウマノスズクサの葉裏でジャコウアゲハの卵を4個見つけました(写真左)。はじめに見つけてから10日ほどになるのに、まだ孵化しません。食草のウマノスズクサの葉はたっぷりあります(写真右)。早く孵化して寒くなる前に蛹にならないと…気をもむ毎日。産卵がいっぱいあっても食草が足りなくなって、自生地に採りに行った年もありました。今年の秋は葉があるのに産卵は少ない。自然はなかなか思い通りにいきません。(Y)

2022年10月13日(木)
クロアゲハ終齢幼虫

 雨がほとんど降らず猛暑だったこの夏。大型のチョウが見られるようになったのは、暑さが少しマシになった頃からです。いつの間にかイヌザンショウの葉上に小さな幼虫がたくさん。この木の付近に来ていたのはアゲハクロアゲハモンキアゲハですが、さてどのチョウの幼虫? 飼育して調べることにしました。終齢幼虫になるとはっきり分かるのですが、結果はアゲハとクロアゲハがどちらも6個体、モンキは0でした。左の写真は2頭のクロアゲハ幼虫。右にいるのは脱皮して終齢になったばかり。左側の先に終齢になった幼虫がねぎらっているような…。眼状紋は目ではないので、そんな感情移入はよくないのですが…。その幼虫も立派に成長(写真右)。先輩はみな蛹になり、幼虫はこれ1頭となりました。(Y)

2022年10月12日(水)
最後のカヤネズミ調査

 10月10日、環境省「モニタリングサイト1000・里地」のカヤネズミ調査をしました。この調査は初夏と秋の年2回カヤネズミの巣の数を調べます。今回の調査で巣は今までで一番多い10個を記録しました。モニタリングサイトの調査地は5年ごとに募集があり、私たちは第4期(2018年4月〜2023年3月)のサイトに認定されています。調査項目はカヤネズミ、チョウ、鳥類、植物相、アカガエル、中・大型哺乳類の6項目です。気が付けば、最後のカヤネズミ調査。調査は大変でしたが、今までで一番勉強し、知識も身に付いたと感じています。私たちは年齢からいって次の5年はありませんが、若い人にはぜひ調査に参加してほしいと思います。左の写真は今回見つけた巣の一つ。右はカヤネズミが好む草はらです。(Y)

2022年10月11日(火)
柿仕事

 畑の柿の木に大きい西条柿が200個ほど生りました(写真左)。昨年はおよそ50個だったので、今年は大豊作です。高い所のは鳥に残して収穫。ご近所にもお分けして、残り100個ほどを干し柿にしました(写真右)。西条柿は渋柿で、この辺りでは干し柿を作る柿として有名です。また、完熟させると渋が抜けてヨーグルトと一緒に食べると絶品。冷凍して夏のシャーベットにも。地元のおばあちゃんから毎年「柿を採りにおいで」って声をかけてもらうので、まだまだ柿仕事は続きそう。梅仕事、柿仕事、そして柚子仕事が終わって年の暮れとなります。(Y)

2022年10月10日(月)
ニホンヒキガエル

 昨夜、玄関の扉を開けたら足元に見慣れぬカエル(写真左)。体長5cmほど。赤いライトを照らしてよく見たらニホンヒキガエルでした。調べたら、このカエルのオタマジャクシは小さく、成長しても3cmほど。上陸した子ガエルは体長約8mm。成体(写真右。2016年10月1日)の体長は8cm〜15cmとあります。では体長約5cmのヒキガエルは今年生まれの幼体? この辺りでは成体は1度見たきりだし、産卵を確認したこともありません。どこで生まれて、どこから来たのでしょう。このまま定着してほしい…。(Y)

2022年10月9日(日)
原木シイタケとコカマキリ

 しばらく前、台風が来たり蒸し暑かったりして見に行くのを忘れていたら、たくさんのシイタケが巨大になっていました(写真左)。急いで収穫。食べ跡のあるのはナメクジやカタツムリにおすそ分け。それでも大きなボウルに山盛り採れました。横を見たら黒い遮光ネットがかかっている原木がまだあります。もっとあるかと思ってネットをめくると、シイタケは全くなくて、交尾中のコカマキリがいました(写真右。暗いのでピントがよくありませんが)。収穫したシイタケの味は…大きくなりすぎて、おいしくなかったです。(Y)

2022年10月8日(土)
里山の小さな花たち(その2)

 1か月前のことになりますが…。田んぼビオトープで咲いていたヘラオモダカの花がとても美しかったです(写真左。9月13日)。右はツルニンジン(写真右。9月28日)。ヒイラギの木に絡んで、高いところで咲いていました。いつもは雑草の生い茂る中で、かわいそうなぐらい花を食べられて…。今年は高いところでのびのびとして、花を食べられることもなく。こんなにきれいなツルニンジンの花を見たのは初めてです。ところで、1日2枚の写真では、なかなか紹介しきれないたくさんの花たち。9月24日の当欄もご覧ください。(Y)

2022年10月7日(金)
それぞれの日常(その1)

 左の写真は2頭のアゲハ終齢幼虫。終齢になるとすごい食欲で、葉がなくなって硬い茎を食べていました。食べている時には、いつもは見えにくい頭部の様子がよくわかります。上の幼虫の最前部に突き出ている小さな部分が頭部。眼状紋があって一見頭のように見える部分は胸部です。観察の後、すぐに新しいイヌザンショウの葉を補給してやりました。毎日の葉の補給が私の日常の一部になっています。右の写真はクサギの葉で休息中のシュレーゲルアオガエル(メス。体長約5cm)。四肢ともに発達した吸盤を持ち、垂れ下がった葉でもへっちゃらで眠っています。それぞれの日常…。(Y)

2022年10月6日(木)
小学生の自然観察会

 今日は田んぼビオトープで地元の小学生の自然観察会。前々日までは晴れ予報だったのに、曇りで時折小雨も。でも子どもたちは元気いっぱい。棚田の一本道(写真左)で昆虫採集。ある女の子の採集カゴの中にはたくさんのバッタに混じって美しい金属光沢の昆虫。よく見ると珍しいセイボウ(青蜂)の仲間。続いて田んぼビオトープ周辺で水生生物の観察。ゲンゴロウ類、ヤゴ、ガムシ、ミズカマキリ、イモリ、ドジョウ、ツチガエル、メダカ、エビなど。右の写真は水の生きものに夢中の子どもたち。水のある環境を大切にして、子どもたちに豊かな自然体験をさせてあげたい…改めて思いました。(Y)

2022年10月4日(火)
水生生物調査

 今週の木曜日に田んぼビオトープ周辺で小学1・2年生の子どもたちと自然観察会をするので、下見を兼ねて水生生物調査をしました。ミズカマキリは増えましたが、以前たくさんいたタイコウチやヒルがいなくなりました。左の写真はドジョウ。何となくユーモラスで愛すべき存在です。右はトンボの幼虫のヤゴですが、まだ小さいので種類はわかりません。観察会当日にはガムシやゲンゴロウ類、サワガニなど現れないかな。子どもたちの喜ぶ顔が楽しみです。(Y)

2022年10月3日(月)
豪華な鳥見の日

 昨日は豪華な鳥見の日でした。エゾビタキ(写真左)やノビタキやツバメが渡りの途中で立ち寄り、コサメビタキもまだいます。たくさんのツバメが電線に止まり(写真右)、一斉に飛び立って餌となる昆虫をフライングキャッチ。今の時期のツバメは頭のすぐ上を飛ぶので迫力満点です。また、セグロセキレイが庭に来て、バードバスで初めての水浴び。自然が好きだと人生に飽きるということがないかもしれません。忙しいのがちょっと難だけど…。(Y)

2022年10月2日(日)
ツチイナゴ成虫現る

 このところヒマワリのタネの収穫に追われています。作業をしていると、現れ始めたツチイナゴの成虫が何個体も(写真左)。みんな羽化したばかりでピカピカです。すぐそばには終齢幼虫も(写真右)。これもまもなく成虫になります。ツチイナゴは成虫で越冬して来年の春に産卵。7月頃まで越冬成虫の姿を見ることができます。(Y)

2022年10月1日(土)
クサギ

 10月になりました。まだまだ暑くて昼間は夏、朝晩は秋という感じかな。さて、クサギの花期がそろそろ終わりに近づきました。でも一斉に咲いて散るということはなく、1本の木で花が終わっても別の木で咲くので、全体としては花期が非常に長い植物です。左の写真は8月9日に撮影しました。花のあとは赤紫のがくが開き、中から藍色の実が顔を覗かせます。それもまた楽しみ。枝の先に冬芽ができていました(写真右)。冬への準備も着々です。(Y)

2022年9月30日(金)
コサメビタキとアオゲラ

 自宅そばの畑に10羽ほどの小鳥の小群が。枝にとまり、飛び立っては餌となる昆虫を捕えて枝に戻るの繰り返し。急いで家から双眼鏡を持って出ました。やはりコサメビタキです(写真左)。今年はこの鳥の若鳥を見て、初めて繁殖を確認しました。今日見たのは、越冬地への渡りの途中で立ち寄ったものでしょう。クリの木ではキョッと大きな声。アオゲラです(写真右)。上空には北から南へ渡りの途中のツバメたち。この環境を都会に住む人もみんなで楽しめたらいいのに…。(Y)

2022年9月29日(木)
自然の授業

 小学校1、2年生に地元の自然について授業をしました。45分を夫と半分ずつ。ちょっと緊張しながらスタートしましたが、子どもたちの元気なこと!すっかり緊張がほぐれて、楽しい時間を持つことができました。来週は田んぼビオトープに来てもらって自然観察会。子どもたちといい時間を過ごしたいと思います。左の写真はコナラのどんぐり、右はクリ(シバグリ)。昼間はまだまだ暑いけど、季節はすっかり秋本番になりました。(Y)

2022年9月28日(水)
オミナエシとミズオオバコ

 休耕田でオミナエシの株が増えました。でもなかなかきれいな花に出会えず、思うような写真が撮れません。休耕田のオミナエシは諦めて棚田の東側の法面へ。ここで毎年咲くオミナエシを撮影(写真左)。やっと納得のいく写真が撮れました。右の写真はミズオオバコ。9月9日の当欄でも紹介しましたが、涼しくなって花が大きく、きれいになりました。(Y)

2022年9月27日(火)
シオンとスジボソヤマキチョウ

 今年もスジボソヤマキチョウがシオンに吸蜜にやって来ました(写真左)。シオンにはスジボソヤマキチョウの他にも様々なチョウが吸蜜に訪れます。ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、アゲハ、モンキアゲハ、キアゲハ、ジャコウアゲハ、セセリチョウの仲間(写真右はオオチャバネセセリ)等々…。花を求めて飛び交うチョウたち。環境整備のご褒美かな。一刻、幸せな気分になります。(Y)

2022年9月26日(月)
クロアゲハ終齢幼虫に

 飼育している幼虫が脱皮間近だと思って写真を撮りました(写真左)。1時間半ほどして飼育箱を見たら、幼虫がいつもと違う。よく見たら脱皮中(写真右)。脱皮が始まったら、終わるまで5分とかからなかったと思います。その1時間後には脱皮殻を食べ終えていました。これで終齢幼虫。背中の黒い帯状の模様がつながっているのでクロアゲハだと思います。羽化はよく見るのですが、脱皮を見るのは初めて。生きものの不思議をまた1つ知ることができました。(Y)

2022年9月25日(日)
ハネナガイナゴとクログワイ

 田んぼビオトープでハネナガイナゴがクログワイの茎を食べています(写真左)。イナゴの食べ物はイネ科植物の葉だと思っていたのでクログワイ(カヤツリグサ科)の茎を食べていることに驚きました。思わず見入っていると、茎の中が空洞で薄い仕切りがあります。それで別の茎を取って一部を裂いて見ると、イナゴの食べ跡と同じ(写真右)。イナゴに教えてもらいました。ちょっと感動。(クログワイについては「季節の1コマ」442をご覧ください) (Y)

2022年9月24日(土)
里山の小さな花たち

 路傍の植物に頑丈に絡むつる性のヤブマメ(写真左)。周辺をカメラを持って散策していて、今頃が花の時期だとわかりました。このつる草は毎年見ているのに…。興味を持って見ていると植物のこともしっかりと頭に入ってくるのがうれしいです。右は田んぼビオトープに多いイボクサ。花の大きさは1cmもありませんが、きれいな花です。イボクサという名はかわいそうだと、花の時期になるといつも思います。(Y)

2022年9月23日(金)
ツチイナゴ幼虫2態

 ため池の堤防でピンク色のツチイナゴ幼虫を見つけました(写真左)。ピンク色のものはよく見つけますが、こんなに色の濃いのは初めてです。色素変異の突然変異型ということですが、わかっていないことも多いようです。右の写真は一般的な緑色の幼虫。大阪にいる時はバッタと言えば成虫しか思い浮かばなかったけれど、卵のときもあれば幼虫の時もある。こんな当たり前のことに、当地に来てやっと気づくことができました。バッタの幼虫はとっても可愛いです。(Y)

2022年9月22日(木)
ジャコウアゲハの羽化

 8月15日に孵化直後のジャコウアゲハ幼虫1頭と卵1個を持ち帰って飼育を始めました。卵も程なく孵化して幼虫が2頭に。その後も順調に成長しましたが、2頭とも飼育ケースのプラスティック壁で蛹に。これでは羽化したばかりの成虫がつかまる足場がなく、落下して羽化不全となる可能性が高いです。そこで、物置にあった目の粗い麻布を壁にはりつけました。昨日、蛹は真っ黒になって(写真左)、今日2頭とも無事に羽化。麻布につかまって、時間をかけて翅を伸ばした後に飛び立ちました。うまくいって良かった!(Y)

2022年9月20日(火)
台風一過

 台風14号が通り過ぎて、空気が入れ替わったように季節はすっかり秋本番になりました。これから夥しい落葉落枝の片付けです。ところで、田んぼビオトープ周辺は今日もイノシシに入られました。せっかく整備した畔もひっくり返されて…。里山保全も獣害対策もエンドレスだと改めて思います。左の写真はシオン、右はヒヨドリバナ。どちらも草丈が高くなるので台風の強い風で倒れないか心配でしたが、しっかり立ってきれいな花を咲かせていました。今年もシオンにスジボソヤマキチョウは吸蜜に来てくれるでしょうか。(Y)

2022年9月19日(月)
水草取り(その2)

 作業をしていると、いろんな生物が現れます。左の写真はミズカマキリ、右はマルタンヤンマと思われるヤゴ。水草取りは大変だけど、さまざまな生きものたちとの出会いが私の背中を押してくれます。ところで、また超大型の台風14号。各地に大きな被害をもたらしながら進み、私の住んでいる地域も今、暴風圏内です。風雨ともそれほどでもありませんが、今回の台風は中心から離れた場所で強い風が吹くらしいので気が抜けません。南西諸島や九州の度重なる被害に心が痛みます。(Y)

2022年9月19日(月)
水草取り(その1)

 夏の間、暑くて出来なかった田んぼビオトープの水草取り。この頃は夕方になると暑さが和らぐので、びっしり生えた水草取りをしています。まず水草を抜いて粘土質の泥を柔らかくします(写真左。たくさんの細かい根で泥を掴んでいます)。そして、水の中で洗ってできるだけ根に絡んだ泥を落とします(写真右)。泥を戻して水漏れ防止、また泥の中の小さな生物や卵を生かすために。水草取りをしないと、あっという間に乾燥化します。(Y)

2022年9月18日(日)
クズとセトウチホトトギスの花

 昨日タカの渡りを見た帰り道、道路脇にクズ(写真左)とセトウチホトトギス(写真右)の花が咲いていました。クズの花はうちの近辺でも以前はたくさん見ることができました。でも最近は大きくなる前に刈り取るので、花を見ることは少なくなってしまいました。昨日見たのはセトウチホトトギスとともに、とびっきり美しかったです。(Y)

2022年9月17日(土)
タカの渡り観察会

 今日はタカの渡り観察会に行ってきました。以前からずっと見たかったタカの渡り。今回は自宅からそう遠くない吉備高原での観察会だったので、早起きして参加しました。台風が近づいている影響か数は少なかったですが、ハチクマ8、サシバ3、ツミ1を観察することができました。条件が良ければ、左の写真の山を越えて上昇気流に乗り、時にはタカ柱を作りながら手前側の南方向へ飛んで行くそうです。右の写真は今日現れたハチクマです。(Y)

2022年9月16日(金)
カラスザンショウの幼虫は?(その2)

 脱皮を終えた幼虫は殻を食べ始めました(写真左)。右の写真は食べ終えるところです。この写真で幼虫の一番下の白い部分が、口のある頭部。その後ろの一対の黒い目のように見えるのは眼状紋と呼ばれるもので、ここが胸部です。脱皮殻を食べ終えるのはあっという間でしたが、動画にすれば面白かっただろうなと、ちょっと残念。それにしても、食べている時の胸部の皺のすごいこと!(Y)

2022年9月15日(木)
カラスザンショウの幼虫は?(その1)

 9月8日、植木鉢に植えたカラスザンショウの幼木で体長約2cmのアゲハチョウ科の幼虫を見つけました(写真左)。幼虫はすくすく成長し、今日、終齢になりました(写真右。幼虫の下にあるのは脱皮殻です)。9月13日に羽化したクロアゲハは、初めモンキアゲハだと思っていたものです。ウーン、何度飼育しても幼虫で見分けるのは難しい。今回は絶対にクロアゲハだと思いますが…。判別は羽化しての楽しみにしたいと思います.(Y)

2022年9月14日(水)
シラヤマギクとツユクサ

 毎年、ため池の堤防の同じ場所に生えるシラヤマギク(写真左)。株も大きく逞しくなって、草丈は1mを超えるのに先日の台風11号の強い風でも倒れませんでした。ツユクサは堤防など路傍の至る所に生えます(写真右)。花期は6〜10月と長いですが、日差しも少し落ち着いた今頃に咲く花が大きくて美しいと思います。(Y)

2022年9月13日(火)
ヤマハギとゲンノショウコ

 イノシシに2度荒らされて、田んぼビオトープや畔の修繕を兼ねて水草取りをしています。田んぼに行く途中、ヤマハギ(写真左)とゲンノショウコ(写真右)が美しかったです。まだまだ蒸し暑く蚊の来襲には閉口するけれど、ヤマザクラの葉が色づいて爽やかな秋が近いことを教えてくれます。今日飼育していたクロアゲハが羽化。写真を撮る間もなく飛んで行きました。(Y)

2022年9月12日(月)
イノシシにまた入られた

 毎日、高温多湿の日が続きます。さて、先日入られたイノシシ、また入られました(写真左。荒らされた田んぼビオトープの畔)。原因を調べたら、防獣柵が一部こじ開けられていました。急いで修繕しましたが、他の場所でも壊されていないか不安で一杯です。棚田での自然観察会の日が近いので気の焦る日々。それにしても、もう少し涼しくなったら作業もはかどるのだけど…。荒らされた畔のそばではヒガンバナが咲き始めました(写真右)。眺めていると少し元気が湧いてくるようです。(Y)

2022年9月11日(日)
チョウの孵化

 イヌザンショウの葉に産み付けられたチョウの卵。その場所で幼虫が育つと天敵に食べられることも多いようなので、最近は卵を見つけたら2〜3個持って帰ります。昨年まではアゲハが年2回、それぞれ10数個産卵。ところが今年の夏は暑すぎたのか産卵が全くなく、今頃になって卵や幼虫が見つかります。昨日、そのうち1つの卵の様子が変化(写真左)。孵化間近と思って見ていたら、今日孵化しました(写真右)。今回は挫折することなく、成長の過程を追ってみたいと思います。今の時期に卵や幼虫のものは、蛹のままで休眠して冬を越します(9月4日の当欄もご覧ください)。(Y)

2022年9月10日(土)
私のクラフトと自然の造形

 左の写真は草バッタ。いつもはススキやマコモの葉で作るのですが、写真のバッタはシュロの葉で作りました。シュロの葉はススキのように手が切れる心配もなく、作りやすいです。右はトックリバチが泥で作った巣(幅約1cm)。親バチは巣の中に卵を1つ産み、幼虫の餌となる獲物(小型のガの幼虫)を何匹も狩ってきて巣の中に入れてフタをします。写真の巣はフタがされていないので、制作途中か何らかの事情で途中放棄されたのもの。巣は壺や徳利に似ています。昔の人は自然から多くのことを学んだのだと思います。(Y)

2022年9月9日(金)
ヒマワリと台風

 棚田のヒマワリが花の時期を終えました。先日の台風11号では強い風が吹いて、かなりの数のヒマワリが倒れたり傾いたり(写真左)。タネが地面につくと湿気でカビが生えるので、急いで支えをしてやりました。ヒマワリは咲き始めて40日後にタネが熟すそうです。今年のタネは充実しています(写真右)。ヒマワリのタネが大好きなカワラヒワももうすぐ熟し具合を見に来るでしょう(「季節の1コマ」437もご覧ください)。スズムシが鳴き、ヒガンバナが咲き始めました。もうすぐ秋本番です。(Y)

2022年9月9日(金)
ミズオオバコとオモダカ

 昼間はまだまだ暑いけど、朝夕は随分としのぎやすくなりました。それでちょっと元気が出て、畔の草刈りと水草取りを再開。夏の間は外に出るのも尻込みするような暑さで、手を付けずにいたら畔の草も水草も伸び放題。でもちょっと手を入れたらきれいになって、いろんな植物が目につくようになりました。左の写真はミズオオバコ。岡山県、環境省ともに絶滅危惧U類です。右はオモダカ。どちらも透き通るような白い花びらが何とも美しい…。(Y)

2022年9月7日(水)
クモにもいろいろありまして…(その2)

 左の写真はチュウガタコガネグモ。本種を初めて見た時コガネグモ?と思ったけど、よく見るとどこか違う。図鑑で調べて名前がわかりました。腹部の模様が、子どもの頃よく見た威勢のいい魚屋のおじさんの顔のような気がして、強烈な存在感。右の写真はトリノフンダマシ。こんな姿でもクモの仲間です。目のように見えるのは腹部の模様。黒いのは頭胸部、茶色いのが折りたたんだ脚です。一見鳥の糞のように見えます。シロオビトリノフンダマシ(7月27日の当欄)より糞らしい。天敵に食べられないように擬態しているということですが、視力のいい鳥に通じるのかな…?(Y)

2022年9月5日(月)
ゴマの収穫

 昨日、ゴマの収穫をしました。下の方の莢が2〜3個裂開を始めたら収穫適期とありますが、そうはうまくいきません。上の方から裂開したものもあれば、全体に裂開したものも。そうなれば、茎をハサミで切るだけでぽろぽろとゴマがこぼれ落ちます(写真左)。まだ莢が青いままのもたくさんあるので、何回かに分けて収穫することにしました。よく見ると、まだ花が咲いているものも(写真右)。ゴマの花は、真夏の強烈な日差しより初秋の柔らかい日差しの方が似合うような気がします。(Y)

2022年9月4日(日)
イヌザンショウ

 今年はチョウが少ないです。昨夏には猛暑の真夏でもツマグロヒョウモンだけはある程度の数がヒャクニチソウに吸蜜に来ていたのに、この夏はそれもサッパリ。でも少し暑さが和らいで、チョウの姿が増えてきました。満開のキバナコスモスにはジャコウアゲハモンキアゲハツマグロヒョウモンなどたくさんのチョウが吸蜜に訪れています。イヌザンショウの葉の軸で今年初めての卵発見(写真左)。他にも卵がないかと探していると冬芽!(写真右)。冬芽は夏頃に作られ始め、晩夏から秋にはできているそうです。(Y) 

2022年9月3日(土)
異常気象

 パキスタンでは異常高温による氷河湖決壊で大洪水。日本でも豪雨と洪水で大きな災害が頻繁に起こっています。台風の規模も大きくなって、進路も以前には考えられないようなコースを。このような状況でも、政治家から温暖化について真剣な思いが伝わってこない。生物の世界でも温暖化の影響を強く感じます。生物がいつまで異常気象に耐えられるか。このままでは温暖化で人も生きものたちの生命も危うい。左の写真はツチイナゴの、右はトノサマバッタの幼虫。それぞれの今を生きています。(Y)

2022年9月2日(金)
続・ジャコウアゲハとウマノスズクサ

 8月16日にも同じタイトルで書きました。今回は続編でウマノスズクサの管理について。8月31日、ウマノスズクサ畑にいた最後の第3世代の終齢幼虫が茎を下り始めました(写真左)。いよいよ蛹化場所への移動か…でも結局移動は今日になりました。移動を見届けて、残っていた直径1cmほどにもなっている茎をすべて切りました。先に切ったものからは柔らかい葉がたくさん出てきています(写真右)。これで晩秋まで乗り切れるかな…。新しい葉には、もう2cmほどに育った幼虫がいました。(Y)

2022年9月1日(木)
ツルボとノアズキ

 田んぼの法面にツルボのきれいな花(写真左)。例年は刈草をそのままにしていたので、この時期枯れた草を寄せるとモヤシのようなツルボが現れます。昨年の冬に刈草を集めて焼くのを頑張ったので今年はがっちりしたツルボ。株も増えて花もすごくきれいです。右の写真はノアズキの花。つる植物で強い繁殖力。あっという間に他の植物に絡みついて難儀するので早めに刈ってしまいます。写真を撮りながらこの花の美しさに気づき、今年は一部を刈り残すことにしました。(Y)

2022年8月31日(水)
ジャコウアゲハの1年

 越冬蛹が羽化したものを第1世代(第1化)と呼びます。6月1日に第1化メスの産卵を確認し、それが孵化した第2世代の多数が成虫まで育って羽化しました(第2化)。第2化が産卵した第3世代が今生存しています。早いものではすでに羽化して(第3化)産卵を始めたものもいます。今、飼育箱の中には第3世代の幼虫が7頭と蛹が3個です。気候のせいか自然下・飼育下ともに多くが寄生バエに寄生されて死にました。寄生の多さに驚くばかりです。ところでこの第3世代が成虫になって産卵した卵は蛹の段階で越冬。来年5月頃に羽化して、またジャコウアゲハの1年が始まります。写真左は産卵中のメス、右は若齢幼虫3頭です。(Y)

2022年8月30日(火)
ジャコウアゲハの小さな蛹

 10日ほど前のことですが…。飼育箱の中で体長2cmほどのジャコウアゲハ幼虫が、ウマノスズクサの枯れ落ちた葉の上で動かない。死ぬのかな、脱皮するのかな(脱皮や前蛹になる前には動かなくなります)と、そのまま様子を見ることにしました。翌朝、飼育箱を見てびっくり。まさかの小さな蛹です(写真左)。右の濃い茶色は脱皮殻で、下端の黒く光っているのは頭部の脱皮殻です。多分ダメだろうと思いましたが保護ポケットに入れてやりました(写真右)。今のところ変化はありません。(Y)

2022年8月29日(月)
昨日の続き

 あんまり気持ちが良くて、暗くなるまで草刈りをしながら写真を撮っていました。田んぼビオトープの畔で今まで見たことのないクモを発見(写真左。コモリグモの仲間です)。小さくてわかりにくいですが、クモの腹部にグジャグジャといるのは子グモ。母グモが自分のお腹に卵を産み付けて、子グモがある程度大きくなるまで育てるそうです。生きものの世界の不思議をまた一つ知ることができました。見上げれば爽やかな秋の空(写真右)。今日はまた暑い一日でしたが、湿度は少し低くなりました。(Y)

2022年8月28日(日)
トノサマバッタとクサキリ

 珍しく爽やかなお天気。こんな日は草刈りもはかどります。1年のうち、作業しやすい日はそんなに多くありません。暑い日が続いていて作業ができなかった分、頑張りました! 日暮れが早くなって、気が付けば周囲は薄暗く…。帰る途中、田んぼの出入り口でトノサマバッタ(写真左)とクサキリの成虫(写真右)を見つけました。昼間にはサンショウクイが飛来。貴重でうれしい一日になりました。(Y)

2022年8月27日(土)
君の名前わかったよ

 さかさまになってるけど、確か少し前に見たような…(写真左)。そうだ、思い出した! ヤマクダマキモドキでしょう。前の写真と比べるとやっぱり同じ顔(写真右)。どちらのアングルも可愛いね。まだまだ暑いけど、生きものたちの移り変わりで季節を感じます。空を見上げれば秋の雲。この蒸し暑さももう少しの辛抱かな。(Y) 

2022年8月26日(金)
田んぼの花

 キンミズヒキが咲き始めました(写真左)。濃いピンク色のミソハギを背景にキンミズヒキの黄色がひときわ輝いて見えます。すぐそばでは満開のサワヒヨドリにベニシジミが吸蜜に来ていました。私の腕でも、ベニシジミが入ると写真がグッと引き締まって見えるような…どうでしょうか。(Y)

2022年8月25日(木)
ヤマクダマキモドキ

 夜、大きなバッタの仲間が電灯の周りを飛んでいました。壁に止まった時によく見るとヤマクダマキモドキでした。よく似たサトクダマキモドキというのもいますが、本種は前脚の腿節が赤褐色、サトクダマキモドキは緑〜黄色なので区別できます。翌朝、室内干しのタオルにいたのでそーっと屋外へ(写真左)。すぐには逃げなかったのでゆっくり観察させてもらいました。姿も顔(写真右)も魅力的です。(Y)

2022年8月24日(水)
ジャコウアゲハ・レスキュー

 昨日、プラスチック製の飼育箱の壁で前蛹になったジャコウアゲハが、帯糸も腹部先端の固定も外れて落下。以前にやったレスキュー法を試してみました(写真左。2020年10月13日の当欄もご覧ください)。落下した前蛹をケースに入れた4時間後、色が変化した幼虫が激しく動いて脱皮、無事蛹になりました(写真右)。これから保護ポケットに入れて羽化準備。無事羽化してほしいです。今朝は別の飼育箱でオスのジャコウアゲハが羽化。元気な旅立ちを見送れたうれしい朝でした。(Y)

2022年8月23日(火)
イヌザンショウの木と幼虫

 ガレージの際にイヌザンショウの木が生えて、年々大きくなります。いつの頃からかアゲハが年に2回産卵するようになりました。でも天候の影響なのか、昨年ごろからアゲハチョウ科のチョウが少なくなりました。毎日イヌザンショウの木を見に行きますが、今年はアゲハの産卵がありません。ところがある日のこと、どこかで産卵していたようで葉上に1頭の小さな幼虫が(写真左。2022年8月12日)。アゲハではなくモンキアゲハのようですが、確認するためと天敵から守るために飼育することにしました。その幼虫が今日、終齢に(写真右)。特徴を見て、間違いなくモンキアゲハ。貴重なアゲハチョウ科の羽化。それまで大切に育てようと思います。

2022年8月22日(月)
イノシシに入られた!

 ここ4年ほどはイノシシの害を免れていたのに、数日前、イノシシに入られてしまいました。左の写真は荒らされた田んぼビオトープ(2022年8月20日)。右は以前に田んぼビオトープの畔を端から端まで掘り返された時のもの(2015年9月21日)で、今回はそこまでひどくはなかったものの、やはり気が滅入ってしまいます。張り巡らされた防獣柵には異常がなかったけど、農家の方の田への出入口が開いていました。扉を固定していた紐が古くなっていてイノシシの圧力で切られてしまったようです。高齢化の中で農家の方は頑張っておられます。獣害防止のためにもっと公的予算を割いてもらえないだろうか。都会から来た人間として切に思います。10月にはここで自然観察会の予定があります。それまでに、ビオトープに落とされた土を上げたり畔を直したり整備しないといけません。間に合うかな…。(2016年11月1日の当欄もご覧ください)。(Y)

2022年8月21日(日)
棚田の一本道とサシバ

 棚田の一本道(写真左)で草刈りをしていたら、上空を6羽のタカが旋回。何とかカメラに収めて(写真右)帰宅。写真を拡大して種類を調べたら、サシバの若鳥のようです。渡りの途中かとも思ったけど時期が早すぎるし、北方向へ飛び去ったのでそうではなさそうです。若鳥たちで渡りの練習や獲物探しをしているのでしょう。10年ほど前、一度だけ怪我をして飛べなくなっているサシバらしきタカを見たことがあります。当地でもサシバは見られるはずだと思っていました。うれしい出会いでした。(Y)

2022年8月20日(土)
ゴマ

 広い休耕田の畑で白ゴマを栽培しました(写真左。ゴマの花です)。花が早く咲いたものは、もう結実を始めました(写真右。結実は下から上に進みます)。ゴマはゴマ科の一年生植物。昔は農家の畑の一隅に、よくゴマが栽培されていたそうです。下部の早く成熟した刮ハが2〜3個裂開を始めたら収穫適期。花が見たくて始めた数年ぶりのゴマ栽培ですが、実の収穫も楽しみです。(Y)

2022年8月19日(金)
クルマバッタとゴイシシジミ

 畑できれいなバッタを見つけました(写真左)。トノサマバッタとも違う…。調べたらクルマバッタ。「初めまして」の生きものに出会うたび、うれしい気持ちでいっぱいになります。右の写真はため池の堤防で見つけたゴイシシジミ。時間は午後5時前。ササの葉裏で眠りに就いたばかりのようです。しつこくカメラを向けていたら、目が覚めたのかどこかへ飛んで行きました。せっかく眠っていたのに…悪いことをしました。(Y)

2022年8月18日(木)
棚田のヒマワリと梅干

 今年も棚田に植えたヒマワリが咲きました(写真左)。写真を撮ろうと棚田に行ったら、突然猛烈な雨。写真は土砂降りの中のヒマワリです。今年は梅雨入りしてもあまり雨が降らず、わずか2週間で梅雨明け宣言。宣言後に少し梅雨のようなお天気。その後は晴れたと思ったら急な雨といった安定しないお天気が続いています。4kg漬けた梅干も土用干しを楽しみにしていましたが…晴れ間を見つけては外に出したり入れたり。苦労したけど何とか梅干完成です(写真右)。(Y)

2022年8月17日(水)
コウベモグラ

 今日は久しぶりにまとまった雨。最近は豪雨で大きな災害になったり、逆に雨が降らなくて気温が40℃超にもなったり。日本や世界で気象災害が頻繁に起こっています。これから地球はどうなるのだろう…。大きな不安を感じます。さて、2か月前のことですが、畑でコウベモグラの死骸を見つけました(写真左)。土の中で生活するため前肢が大きく発達。土をかき分けるシャベル状の鋭い爪(写真右)。目はあるが視力はほとんどありません。日本には6種類のモグラがいますが、コウベモグラは西日本に広く生息しています。(Y)

2022年8月16日(火)
ジャコウアゲハとウマノスズクサ

 ジャコウアゲハもウマノスズクサも環境省や岡山県では絶滅危惧種に指定されていませんが、ともに希少種です。ジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサしか食べません。それなのに河川敷などではジャコウアゲハの生活サイクルは考慮されずに刈り取りが行われ、1980年代にはジャコウアゲハは大きく数を減らしました。今では多くの所で保護活動が行われています。我が家では、葉を増やすために上の蔓から草丈を低くし、卵や幼虫が付いていれば持ち帰って飼育。食草が足りなくなれば葉を補給。そこにもまた幼虫…。飼育も里山保全もエンドレス。今、幼虫10頭と蛹2個を飼育中です。写真左:脱皮直後の幼虫。右:蛹の切れた帯糸の代わりに糸で支えを。(Y)

2022年8月15日(月)
続・ウマノスズクサの管理

 ウマノスズクサは低く刈り取ることが大切ですが、昨年はまだ緑色の葉がたくさん残っている蔓を切る勇気がなくてそのままに。するとどんどん伸びて6m以上になり、そばのサクラの枝に絡みました。ところが大きくなったジャコウアゲハ幼虫は茎が好きで途中の茎を食べてしまい、上方にたくさんあった葉が一斉に枯れる事態に。幸い隣の地区に自生地(写真左)を知っていたのでそこで調達して何とかピンチを凌ぎました。ところで、ウマノスズクサの刈り高は低い方が、出てくる葉の数が多くなるそうです。葉が少なくなる秋に向けて頑張ってみます。でも、いくら慎重に作業しても見落としはあります。切った葉の裏に卵があれば持ち帰って飼育。今日もそんな卵が孵化しました(写真右。体長3〜4mm)。(Y)

2022年8月14日(日)
ウマノスズクサの管理

 ジャコウアゲハ保護のためのウマノスズクサの管理について調べると、低く刈り取ることに尽きるそうです。草丈を低くすれば(0〜10cm)、柔らかい葉がたくさん出てきてメスはそこに産卵します。草丈が高いままだと若い葉が出ず硬い葉ばかりになって、そこに新たな産卵はありません。でも幼虫や蛹が葉にいるのに、それらを犠牲にしないで刈り取る方法は? いろいろ考えて、今は少しずつ幼虫などがいないのを確かめて上に伸びた蔓から切って最終的に草丈が5cmになるようにしています。今年こそ食草が不足しないようにと、まだまだ試行錯誤中です。写真:ウマノスズクサ畑で。茎が好き(左)、休憩中(右)。(Y)

2022年8月13日(土)
クモの狩りを見て

 捕食中のクモを見ました。左の写真はナガコガネグモで獲物はショウリョウバッタです。右はジョロウグモでツクツクボウシを捕えています。ここでも多様な命がつながることの大切さについて考えました。今日は天気予報で雨を期待したのに、雨雲は消えてしまったようです。当地では極端な少雨と高温多湿。東北地方では豪雨で大きな災害が起きています。温暖化と気象災害に生きものたちもどこまで耐えていけるでしょうか。人間の飽くなき欲望に、自然からのしっぺ返しが始まっているような気がしてなりません。(Y)

2022年8月12日(金)
トノサマガエル子ガエルとケラ

 休耕田4枚の6か所に水を溜め、周年湛水の田んぼビオトープにしています。そのうちの1つが少雨と強い日差しで干上がってきました。水は雨水とため池から浸みてくる地下水だけが頼み。水の管理が難しいです。水が減ってくるとモグラやケラが穴を開けるので、水漏れしてさらに水が減ってしまいます。先日、水草を抜いて根に付いた泥や粘土でそんな穴を塞いでいると、獲物を求めて来たのか体長3〜4cmのトノサマガエルの子ガエルが何匹か集まってきました。そのうちの1匹にカメラを向けようとした時、横からケラが飛び出してきて、次の一瞬子ガエルが大きな口を開けてパクリ。ケラは2〜3cmもあったのに目をパチクリさせてゴックン(写真左)。右は飲み込み終えてホッとした顔。ウーン、キャッチしたその瞬間を撮りたかったな…。(Y)

2022年8月11日(木)
花の撮影(その3)

 棚田からの帰り道、キツネノカミソリ(写真左)とヘクソカズラ(写真右)がきれいでした。里山には多様な環境があり、四季折々に花が咲くから様々な昆虫が訪れる。昆虫を求めて鳥が集まる…。花を探しながら「命のつながり」を考えてしまいました。

2022年8月11日(木)
花の撮影(その2)

 続いて、クルマバナ(写真左)とコマツナギ(写真右)です。他にも紹介したい田んぼの花はいっぱいあります。また次の機会に。(Y)

2022年8月11日(木)
花の撮影(その1)

 ミソハギとアキノタムラソウの写真がうまく撮れなくて再チャレンジ。朝早くに棚田へ。棚田には驚くほど様々な花が咲いていました。まずはミソハギ(写真左)。マルハナバチの仲間が多数吸蜜に来ていました。右の写真はアキノタムラソウ。ハナバチが体に花粉をいっぱいつけて吸蜜。この花は小さくて地味な感じですが、たっぷり蜜が出るのかスジグロシロチョウやジャコウアゲハなどもよく吸蜜に訪れます。花期は7〜11月。「アキノ」と名前がついていますが、当地でも7月から咲き始めます。(Y)

2022年8月10日(水)
カマキリの脱皮殻

 クサギの木でカマキリの大きくてきれいな脱皮殻を見つけました(写真左)。小1時間後にその写真を見ていて、この脱皮殻の長さを測っておこうと同じ場所に行きました。でも、いくら探しても脱皮殻はなく、代わりに体長10cmほどのオオカマキリの成虫がいました(写真右)。あの脱皮殻の主はたぶんこのオオカマキリでしょう。でも脱皮殻はどこに消えた? チョウの幼虫と同じように、カマキリも自分の脱皮殻を食べることがあるのでしょうか。(Y)

2022年8月8日(月)
私はだ〜れ?

 田んぼの畔にいたバッタの仲間です(写真左)。あなたはだれ? 横から見るとわかった(写真右)。ハネナガイナゴでした。今季初めてハネナガイナゴの成虫を見つけました。これから晩秋まで、コバネイナゴとともにその姿を見ることができます。バッタ類がたくさんいる当地に来て、写真を撮ってじっくり眺めるようになりました。今、その魅力に夢中です。自分の経験から、身近に多様な生物がいることは大人にも子どもにもすごく大切なことだと思います。身近な自然を奪わないで! 心からの願いです。(Y)

2022年8月7日(日)
バタフライガーデン

 バタフライガーデンがひとまず完成しました。左の写真はエキナセア、右はヒャクニチソウです。あとブットレア、ボタンクサギ、ハナトラノオ、キバナコスモスなど。スミレ、カタバミ、ノアザミなど自生の植物も四季折々に咲きます。チョウが吸蜜に訪れる庭には、チョウ以外にもハナバチやハナアブなどたくさんの昆虫が集まります。そんな昆虫をお目当てにカマキリなど肉食昆虫やカエル、鳥なども。でも放っておけばすぐに藪になるので、少しずつ手入れも欠かせません。人や生きものたちすべてにとって居心地のいい空間になればいいな。(Y)

2022年8月6日(土)
クワガタムシとニホンカナヘビ

 左の写真は今年初めて見るクワガタムシ(ヒラタクワガタのメス?)。ここ数年、クワガタムシやカブトムシなど大型の甲虫をほとんど見なくなりました。以前は夜、灯りによく来たし、もっと以前の旧旭町には夏になると子どもたちがカブトやクワガタ捕りによく来たそうですが…。右の写真はニホンカナヘビ。子どもたちの格好の遊び相手。当地にもたくさんいます。本種が東京23区で絶滅危惧T類に指定されたそうです。カナヘビが住めない街。大人は、子どもたちの大切なものを奪ってはいないでしょうか。(Y)

2022年8月5日(金)
我が家の歌子ちゃん

 8月1日、飼育していたセトウチサンショウウオ幼生の最後の1頭が変態。翌日棚田に放しました。この個体は幼生時代(写真左)は怖がりで食が細い。冷凍アカムシをやろうとしてもピンセットが怖いのか、すぐに泥に潜ってしまうのでとても困った。NHK朝ドラヒロインの妹にちなんで「歌子ちゃん」と呼ぶようになりました。同じ時に生まれた幼生のほとんどが7月上旬に変態して上陸。どうなるかと思った「歌子ちゃん」も時間がかかったけど、体長4〜5cmまで育ち、外鰓も取れて無事変態(写真右)。結局、卵から孵化幼生を12頭飼育し(3月29日の当欄)、8頭が変態するまで育ちました。サンショウウオといえど長く世話をしていると、別れの時は一抹の寂しさを覚えます(7月4日の当欄)。(Y)

2022年8月3日(水)
ブルーベリー

 30年以上前、大阪のデパ地下で初めて見たブルーベリー。小さなプラスチックケースに一握りほどが入って500円。高価すぎて、もちろんスルーです。当地に来たら、ご近所のTさんのお宅の庭先に実のなる木がたくさん植えられています。そして毎年収穫時期に分けていただくようになりました。今年もTさんと一緒にブルーベリー狩り。どっさりいただきました。すぐに食べきれないものは冷凍庫保存。時々ジャムを作ります。Tさんのおかげでブルーベリーがすっかり馴染みのものに。ところで、うちの畑のブルーベリーもやっと収穫できるようになりました(写真左、右)。

2022年8月2日(火)
ジャコウアゲハ、前蛹から蛹へ

 4齢だと思っていたジャコウアゲハ幼虫が、8月1日の朝にはウマノスズクサの茎で前蛹になり(写真左)、夜には蛹になりました(7月24日28日の当欄)。脱皮を数え間違えて、3回だと思ったのが実は4回脱皮していて終齢になっていたのです。昨夜午後10時半過ぎ、黒っぽい前蛹から金色のようなものが見えたと思う間もなく蛹に(写真右)。約1時間後、もう1頭も蛹化しました。こちらは時間がかかり、体を強くよじりながらの脱皮。それでも帯糸も切れず、腹部先端の固定も外れませんでした。どちらの蛹も体を動かし、体勢を整えて蛹化完了です。(Y)

2022年8月1日(月)
棚田の一本道とツマグロヒョウモン

 今日から8月。今年は5月から暑かったので、夏が長く感じられます。さて、少し前のことですが。棚田での作業を終えて帰る前、夜7時を過ぎた棚田の一本道です(写真左)。また草が伸びてきました。そろそろ刈らないと。この時期、草はどうしてこんなに伸びるのだろう…。昔の人は草刈り機のない時代に、もっと大変な思いで汗を流していたことでしょう。そんなことを考えながらふと見ると、すぐそばでツマグロヒョウモンが眠りに就いていました。

2022年7月31日(日)
猛暑と草刈り

 6月30日に初夏のカヤネズミ調査をしました。昨年の秋には一番上の休耕田にイネ科植物のきれいな群落ができていました。その中に巣が3個。今回も楽しみにその場所に行こうとしたら、草に阻まれてその日は行きつけず…。後日草刈り機で草を刈りながら巣を探すことに。でも草は私の背丈ほども(写真左)。結局こんな藪には巣が全くありませんでした。5月・6月は例年になく暑さが酷くて、草刈りが進まなかったのが痛かった。きちんと草刈りができた後に広がる草はら(写真右)。こんなきれいな草はらをカヤネズミは好むので、秋の調査を楽しみにしたいと思います。(Y)

2022年7月30日(土)
淡々と生きること

 クサギの葉表で休憩中のシュレーゲルアオガエルのメスを見つけました(写真左)。体長約5cm。シュレーゲルアオガエルはニホンアマガエルと同じように四肢ともに発達した吸盤を持ち、垂直な壁面でも上がることができます。ため池に通じる小道ではきれいなカナヘビがいました(写真右)。小さな生き物たちを見ていると、つい懸命に生きていると思ってしまうのですが、そうではなくて、自分のやることを淡々と行っている…。Tさんのブログの中の言葉が何だか無性に心に残りました。(Y)

2022年7月29日(金)
アオバハゴロモ

 今、ロウ物質を出す幼虫をたくさん見ることができます。例えばアオバハゴロモ(写真左。白いロウ物質をまとった幼虫)。ベッコウハゴロモ、ホソミドリウンカの幼虫たち。この頃は、ツバキの木でアオバハゴロモの成虫をよく目にするようになりました(写真右)。アオバハゴロモは学名 Geisya distinctissima。Geisya=芸者と名がつけられるほど成虫は美しい姿をしています。成虫、幼虫ともに吸汁性害虫ですが、実害は少ないということです。(Y)

2022年7月28日(木)
ジャコウアゲハ、3齢から4齢幼虫へ

 飼育していた3頭の幼虫。まだ大丈夫と飼育箱に入れないで飼育していたら、そのうちの1頭が移動して行方不明になりました。保護しているつもりが、ちょっとした気の緩みで死なせてしまいます。自然下のものより保護飼育したものの方が確実に生存率は上がるのだけど…。さて残った2頭の幼虫は脱皮を終えて4齢幼虫になりました。左の写真は脱皮中で体をよじって皮を脱いでいます。右は脱皮を終えて4齢幼虫になった状態。もう1回脱皮したら終齢です。(Y)

2022年7月27日(水)
クモにもいろいろありまして…

 左の写真はシロオビトリノフンダマシ(体長約5mm)。鳥の糞に擬態していると考えられています。右はトゲグモ(体長約6mm)。腹部側方に2対、後方に1対、黒いトゲ状のものが出ています。大阪にいた頃には見たことがなかった生物の姿や行動。当地に来て、私の生物の世界が大きく広がりました。まだまだ「初めまして」の生きものたちに会いたくて、手には草刈り機、ポケットにカメラ。最近の定番です。(Y)

2022年7月26日(火)
コガネグモ

 ウマノスズクサ畑でデーンと大きな網を張っていたコガネグモ。今日見に行ったら、大きな網ごと忽然と姿を消していました。いつも大きな獲物を捕えていて、コガネグモにとって条件のいい場所だったと思うのに。先日も自分と同じくらいの甲虫を捕食していました(写真左:腹側から、写真右:背側から)。大きいお腹をしていたから、産卵のために移動したのかな。コガネグモの卵のうを見たいので、移動先をもう少し探してみます。ところでコガネグモは全国で生息数が減少。多くの都道府県で準絶滅危惧種に指定されています。(Y)

2022年7月25日(月)
田んぼビオトープ全景(冬と夏)

 撮りためてきた田んぼビオトープの全景写真。写真を整理していると、ほぼ同じ場所を撮っても季節によってこんなにも景観が変わることに驚きました。左の写真は冬(1月24日)、右は夏(7月24日)。冬枯れの時期でも、アカガエルやセトウチサンショウウオが産卵を始め、草の生い茂る夏はバッタの幼虫や子ガエルが飛び跳ねて生きる喜びを発散させています。春から晩秋までは生きものの活気に満ちて、真冬は静かに来るべき春への備え。里山は一年中命あふれる場所だと2枚の写真を見ながら改めて思い至りました。(Y)

2022年7月24日(日)
ジャコウアゲハ、2度目の脱皮

 7月10日に産卵された卵3個(7月10日の当欄)。7月15日に孵化し(体長約4mm)、18日に1回目の脱皮、そして20日に2回目の脱皮をしました(写真左、体長7〜8mm)。初めて体が途中で切れたような状態を見た時、てっきり共食いかと思って落ち込みました。その後、脱皮だとわかってホッと…。体から離れて上方にあるのは脱皮殻。脱皮直後の頭部は黒色ではなくクリーム色をしています。さらに驚いたことに、自分の脱皮殻を食べるのです(写真右)。幼虫は2度目の脱皮を終えて3齢に。今日の体長約2cm。日ごとに大きくなります。(Y)

2022年7月22日(金)
生きるための戦い

 今日は4回目のワクチン接種に行きました。コロナ感染者が全国で19万人超。3日連続の過去最多とか。この先どうなるのでしょう。ちょっと不安になります。田舎にいて感染の心配が少ない私たちに今何ができるのか、考えながら日々の生活を全うしたいと思います。さて、プランターのミニトマトの葉上で普段見慣れないものを見つけました(写真左)。初めて見たクモ対クモの戦いです。犠牲になったのはサツマノミダマシ(写真右。薩摩の実とはハゼの実のことだそうです)。襲ったのはアズチグモ。「食う-食われる」の関係はクモ同士でも。(Y)

2022年7月21日(木)
コオニユリとヌマトラノオ

 田んぼビオトープの法面でコオニユリが咲き始めました(写真左)。株は今年もまた増えましたが、蕾が虫にかなり食べられました。虫害で花が全く咲かない年もあったので心配でしたが、きれいな花をたくさん咲かせてくれました。右の写真は畔に咲くヌマトラノオ。群生する様はとても美しいです。(Y)

2022年7月20日(水)
ミソハギ

 休耕田でミソハギの花が咲き始めました(写真左、右。2019年7月6日の当欄もご覧ください)。年々大きな群落になって、今年は広い休耕田の3分の1ほどを占めるように。満開になると棚田の一部が赤く染まります。今年はどんな景観になるだろう…楽しみです。(Y)

2022年7月19日(火)
ジャコウアゲハ、終齢幼虫から前蛹へ

 ほぼ毎日観察していたら、いろんな貴重な瞬間に出会えます。今日もウマノスズクサ畑でボーッと幼虫を見ていました。もうすぐ前蛹かな…。でも何か変。よく見ると、出来上がった帯糸を潜り抜けたところでした(写真左。7月6日)。翌日には帯糸をしっかり張った前蛹に(写真右。7月7日)。そして翌々日には蛹になりました。(Y)

2022年7月18日(月)
ウマノスズクサ畑で

 ウマノスズクサの葉裏で4個、細い茎で1個の蛹を見つけました。そのうち3個は無事に羽化。もう1個も健全です。昨年までは蛹化するとき、暑い季節でもどこかに移動して行方不明になることが多かったし、蛹を見つけても寄生されていてほとんど羽化を確認できませんでした。今回ウマノスズクサで蛹化する個体が多く、無事羽化しているのはどうしてでしょう? 葉がよく茂っていて寄生バチや寄生バエから守られているから? 写真はウマノスズクサ畑で大きな網を張るコガネグモとシュレーゲルアオガエル幼体。寄生されないのはこれらの活躍もあるかも…。(Y)

2022年7月17日(日)
ビオトープ池

 一昨年、干上がったビオトープ池(2021年3月20日の当欄)。昨年のクロスジギンヤンマの産卵までに水漏れを補修したら、今年は4頭が羽化しました(写真左)。しばらくすると、クロスジギンヤンマより一回り小さくて黒い羽化殻が(写真右)。これは何? マルタンヤンマ? まさか…羽化を見たことないし…。トンボに詳しいTさんに伺ったら、マルタンヤンマ(以下マルタン)の羽化殻だと。マルタンは夜に羽化して早朝飛び立つそうです。道理で羽化を見られなかったはず。今回のことで、小さくても水場の大切さを実感しました。美しいマルタンのオスを見たい。Tさん、教えていただいてありがとうございました!(Y) 

2022年7月16日(土)
ブッポウソウ・巣箱の中は

 隣の地区のTさんがブッポウソウの巣箱にカメラを取り付けました。誘ってくださったので、ブッポウソウの子育ての様子を見に行きました。初め卵は4個あったそうですが、無精卵だったのか親鳥が3個の卵を巣から出したようです。今は1羽が元気に育っています。(写真左)。ヒナはよく動いて「ピーピー」とよく鳴きます。親が来る気配がわかると大きな口を開けて大騒ぎ(写真右)。どちらの写真もモニター画面を撮影しているので、カメラや私の手が反射で写り込んでいます。見苦しいですがお許しください。ヒナには主にオニヤンマなどを運んでくるそうです。あと10日ほどで巣立ちでしょう。(Y)

2022年7月15日(金)
雨のあとで(その2)

 ビオトープ池では今、ナツアカネがたくさん見られます(写真左)。多分この池で羽化したものでしょう。右の写真はセリの花。今満開です。雨上がり、トンボも花もひときわ輝いて見えます.(Y)

2022年7月15日(金)
雨のあとで(その1・カタツムリ)

 大気の状態が不安定ということで、最近はほぼ毎日雨が降ります。今日は午後に雷雨がありました。雨が止んだあとカメラを持って周辺を見て回ると、いつもと違った生きものを見ることができます。写真は殻径1cmほどのカタツムリの幼体。左はヤブツバキの葉の上に。右はキノコを夢中で食べているところ。普段は見られないカタツムリの生活を垣間見ることができました。(Y)

2022年7月14日(木)
カヤネズミ調査とヒメギス長翅型

 6月30日に「モニタリングサイト1000・里地」のカヤネズミ調査(初夏)をしました。見つかったのは繁殖巣と思われる、新しくてしっかりしたつくりの巣が2つ。例年、秋の調査では繁殖巣と思われる巣が複数見つかりますが、初夏には休憩用などの粗い巣や作りかけのものしか見つからなかったので、この時期に繁殖巣が見つかったのはうれしいことでした。草はらで巣を探しながら、生物に出会うたびに写真を撮ります。左の写真はヒメギスの長翅型(初見です)、右はキリギリス成虫。春〜初夏に孵化した幼虫、はや成虫の季節です。(Y)

2022年7月13日(水)
休耕田の生きものたち

 たった2週間で梅雨明け宣言。雨がほとんど降らず困ったけど、「梅雨明け」のあと梅雨らしいお天気に。人にも生物にも恵みの雨になりました。さて、休耕田で見つけた生きものたち。体長約3cmの母グモ(写真左)。卵の入った直径1cm強の卵のうを大事そうに抱えていました。マコモの葉にはホソミドリウンカの終齢幼虫が(写真右。2021年5月30日の当欄もご覧ください)。自然には様々な生物がいて、それぞれの「生」を生きている。改めて気付かされました。(Y)

2022年7月12日(火)
トノサマガエルの子ガエル

 昨日の休耕田の草刈り。途中はすごい草で草刈り機で刈りながら歩きました。目指すは、ここの棚田に1枚だけある水田(写真左)。水田の上は放棄田でうちの管理地ではありませんが、放っておくと藪になるので年に2回刈っています。写真で水田の奥、上の段が放棄田です。今日はその間の法面の草刈りをしましたが、すぐ下の水路が増水していて足場が悪く難渋。でも、その水路でトノサマガエルの子ガエル(写真右。体長約3cm)を見つけました。今季は田んぼビオトープでの産卵はなかったので水田で生まれた? いずれにせよトノサマガエルの繁殖が確認されたのはうれしいことでした。(Y)

2022年7月11日(月)
ウマノスズクサ畑では

 早朝、休耕田の草刈りへ。8時を過ぎると暑くて外の作業ができないのです。草刈りに行く途中、昨夕真っ黒になっていた自然下の蛹が気になって、ウマノスズクサ畑に寄りました。予想通りジャコウアゲハが羽化して翅を乾かしていました(写真左。オスです)。秋にはほとんどが10m近く移動して梁や柱など高いところで蛹化します。でも今回は暑い季節のせいか、ウマノスズクサの葉がよく茂っている葉裏に3個、茎に1個の蛹がありました。右の写真はウマノスズクサの花。何となくジャコウアゲハ幼虫に似ているような…。(Y)

2022年7月10日(日)
ジャコウアゲハの羽化(その4)

 7月8日、残っていた2個の蛹からジャコウアゲハが無事羽化(写真左)。2頭ともメスでした。写真の個体はウマノスズクサの細い茎で羽化。また落下するのが心配で小枝を蛹のそばに置いておいたら、うまく小枝に移って羽化成功です。これで6月1日に産卵された卵の飼育はすべて終了。ところが、ほっとしたのも束の間…畑のウマノスズクサにたくさんの新しい卵! 10個以上産卵された葉も何枚かありました。多数の飼育は大変なので今回は3個だけ飼育することにしました(写真右)。(Y)

2022年7月7日(木)
ジャコウアゲハの羽化(その3)

 今日は残りの8個の蛹のうちの6個が早朝に羽化しました(写真左はそのうちの1頭です)。残念なことに1頭が羽化不全。この1頭はプラスチックの壁で蛹化していたもので、羽化が始まってプラスチックの壁につかまろうとして滑って落下したようです。拾い上げて木の枝に止まらせてやりましたが、もう翅は伸びませんでした(写真右)。木枠で蛹化したもの、保護ポケットのものは無事羽化。プラスチック壁の蛹も外して保護ポケットに入れてやればよかった…。チョウでもトンボでも羽化不全を見るたび心が痛み、命の重さについて考えます。(Y)

2022年7月6日(水)
ジャコウアゲハ羽化(その2)

 予想通り、前夜真っ黒になっていた蛹が早朝に羽化したようで、飼育箱のフタを開けたら元気に飛んで行きました。夏型の大きなオスです(写真左)。残りの8個も今日明日中にはすべて羽化するでしょう。プラスチックの飼育箱に蛹3個も入っていると、狭すぎて羽化の時に翅をうまく伸ばせないかもしれないので、急遽段ボール箱を利用した大きな飼育箱を作りました(写真右)。(Y)

2022年7月6日(水)
ジャコウアゲハ羽化(その1)

 6月1日に産卵された卵14個。6月5日にそのうちの9個が孵化(6月5日の当欄)。孵化したばかりの1頭の幼虫が5個の卵を食べてしまったようですが、9頭の幼虫は順調に成長。6月25日に蛹化が始まり、6月28日には9頭すべて蛹になりました。しばしの静寂…。そして昨日いつものように飼育箱の蛹を見たら色が少し黒い(写真左)。羽化が近い! まず帯糸が切れて宙ぶらりんになったり(写真右)、腹部末端の固定が外れたものは保護ポケットへ(2021年4月14日の当欄を参照ください)。また、それぞれの状況に応じて羽化しやすいように工夫しました。9個の蛹のうち1個は夜には真っ黒になっていました。

2022年7月5日(火)
ヤマアカガエルとニホンアカガエルの子ガエル

 田んぼでは体長2cmほどのヤマアカガエル(以下ヤマアカ)とニホンアカガエル(以下ニホンアカ)の子ガエルをよく見るようになりました。早くに産卵されたニホンアカの子ガエルは、自宅周辺でも見られます。田んぼビオトープからおよそ100m離れた自宅まで、斜面を登って小さな子ガエルがやって来るのです。ヤマアカの子ガエルも雑木林に移動を始めている頃。左の写真はヤマアカ、右はニホンアカの子ガエルです。(Y)

2022年7月4日(月)
セトウチサンショウウオの旅立ち

 昨日、子ガエルを放したあとで、変態して上陸した6匹のセトウチサンショウウオも放しました(3月29日の当欄をご覧ください)。左の写真はそのうちの1匹で、後肢の5本指がよくわかります。変態後は肺呼吸になるので、溺れないように湿ったミズゴケを敷いた水槽で育てていました。だから放すときは馴染んだミズゴケとともに(写真右。6匹のうちの3匹)。進化の歴史を垣間見せてくれた生物が今、旅立ちです。これから成熟する2、3年後の繁殖期まで雑木林などで過ごし、水辺に来ることはない…。1匹1匹違う個性も見せてくれました。いろんな思いが溢れて名残惜しい別れでした。(Y)

2022年7月3日(日)
子ガエルを放しに行った帰り道

 今日は久しぶりの恵みの雨。湿度が高く蒸し暑いのが辛かったけど…。さて、飼育していたカエルの幼生が次々と子ガエルに。昨日も今日も2匹。その度に田んぼビオトープに放しに行きます。これで幼生の飼育はすべて終了。田んぼビオトープの畔を歩いていると、バッタの幼虫とともにたくさんの子ガエルが足元で飛び跳ねています。踏まないようにそーっと、そーっと…。昨日は帰り道で黒っぽい色のトノサマバッタ成虫を見つけました(写真左)。振り向けば西の空がすごく美しかったです(写真右)。(Y)

2022年7月2日(土)
セトウチサンショウウオ上陸へ

 6月26日に2頭のセトウチサンショウウオが変態、外鰓が消失したことを確認しました。体長約4cm、体の幅は5mmほどと割合小さい個体でした。翌日にもまた1頭が上陸(写真左の個体)。こちらは体長約5cm、幅も大きく、同じ卵のうから生まれたのに成長には随分差があります。その後も2頭が上陸して合計5頭。今は雨が降らず暑さが厳しいので、もう少し気温が落ち着いたら田んぼビオトープ付近に放してやりたいと思います。右の写真は変態直前の、まだ赤っぽい色の外鰓が残っている幼生です。(Y)

2022年7月1日(金)
コガタスズメバチの巣

 ご近所の方がコガタスズメバチの巣を持ってこられました(写真左、右。右は巣の内部が一部見えています)。トックリを逆さにしたユニークな形。女王バチが単独で作った初期の巣です。この巣の中で女王バチが産卵、働きバチが育ちます。それまでは幼虫の食料調達も女王バチの仕事。その後、産卵を繰り返して仲間が増えるにつれて巣を大きくしていき、形も球形になります。巣材は木の繊維や樹皮をかじり取って唾液と混ぜて作るパルプです。材料の違いでこのように途中で色が変わることもあります。巣を作るのは庭木や生垣の中、民家の軒下など。庭木の手入れや剪定の時に要注意です。ただし、性格はスズメバチの中では比較的おとなしく、巣を刺激しなければまず刺されることはないそうです。でも、夏から秋は攻撃性を増すので近寄らないほうがよさそうです。(Y)

2022年6月29日(水)
命のリレー

 中国地方は昨日早くも梅雨明け。わずか14日間の梅雨でした。雨が降ったら土が柔らかくなるのでセイタカアワダチソウを引き抜こうとか、草花の植え替えをしようと思っていたのに、今日はカンカン照りの夏空です。水が気になって田んぼビオトープの畔を歩いていると、たくさんの小さなバッタの幼虫が飛び跳ねていました。孵化して間もない体長1cm弱のツチイナゴ幼虫も(写真左)。ウマノスズクサ畑にはツチイナゴの成虫がいました(写真右)。もうすぐ一生を終え、命は次の世代へ引き継がれます。(Y)

2022年6月28日(火)
オタマジャクシとカエルの間

 6月24日、田んぼビオトープにて。左の写真はシュレーゲルアオガエル幼生が成長したものです。指に乗せた感触は柔らかくて優しい感じ。ところで、こういう状態を何と呼ぶ? 四肢も尾もある…オタマジャクシ?カエル? そもそもオタマジャクシとカエルの境目は? 家に戻って調べたら、それはエラ呼吸から肺呼吸に変わる時、左前肢がエラ穴から出た時ということです。その時、エラ呼吸ができなくなって肺呼吸に変わるのです。だから尾があっても四肢があればカエル! ようやく納得。帰り道、日暮れが近づきハラビロトンボが眠りについていました(写真右)。(Y)

2022年6月27日(月)
戦争と地球温暖化に思うこと

 ロシアとウクライナの戦争や石炭火力発電の増加…地球温暖化はますます加速しそうです。一昨日には群馬県伊勢崎市で40.2℃と6月としては観測史上最も高い気温を記録。ここ数年地球温暖化の影響を実感し、また大きな気象災害も頻発しています。国は、大人たちは、これからを生きる子どもたちやそのまた次の世代に責任を持つ気があるのでしょうか? ナツツバキが咲き始めました(写真左)。右の写真は群生するオカトラノオ。自然保護はまず平和であってこそ。人の命も他の生きものたちの命も大切にする世界であってほしい…。(Y)

2022年6月25日(土)
セトウチサンショウウオとともに

 飼育しているセトウチサンショウウオは、同じ卵のうから生まれたのに個性は違います。ピンセットで冷凍アカムシを与えていますが、積極的で食欲旺盛なもの、怖がりで食が細いものと様々です。だから成長にも大きな差があって、大きくなったものは変態直前。別れも近いです。今日は別の水槽に生きたアカムシがいたので、食の細い個体の近くにそっと落としてやったら喜んで食べました。やはり自然のものがいい?ピンセットが怖かった? いずれにせよこの分だとすぐに大きくなるでしょう。写真は左がカメラを向ける前、右が向けた時。餌を期待したのでしょうが、気持ちが通じた気がして何だかうれしかったです。(Y)

2022年6月24日(金)
カエルの前肢の生え方

 また1匹、幼生が子ガエルになりました(写真左)。今回もヤマアカガエルです。ところで、カエル幼生の四肢の生え方は後肢が先で前肢が後という順番ですが、前肢の生え方にも左が先という順番があります(写真右。左側の前肢だけが出かかっています)。後肢は徐々に形作られていきますが、前肢は皮膚の下で完全に形成されてから出てきます。そして右肢は皮膚を突き破って出てきますが、左肢は「エラ穴」から出るため、その分早いと…。ちなみに日本のカエル幼生のエラはすべて左側だけだそうです。ちょっと驚きです。(Y)

2022年6月23日(木)
ネジキの花とオカトラノオ

 6月初めに、そろそろネジキの花が咲くころと思って見に行ったらまだ蕾。次に行ったらもう花の盛りを過ぎていました(写真左。6月11日)。この頃には雨が少なく暑かったので、花の時期があっという間に終わってしまったようです。きれいな花は「写真集・樹の花、樹の実」のネジキのページをご覧ください。右の写真は今が盛りのオカトラノオ。数年前、農道沿いのすぐに刈り取られる場所にあった株を少し持ち帰って移植しました。年々株が増えて、今では小さな群落になっています。もうすぐコオニユリが咲くし、寒くなるまで魅力的な花は途切れることがありません。(Y)

2022年6月22日(水)
変態・幼生から子ガエルへ

 4、5月になるとアカガエル以外にも様々なカエルの幼生が見られます。アカガエルとシュレーゲルアオガエルの幼生はわかるけど、他は何の幼生なのか判別が難しい…。それで今年もカエルの幼生を飼育しました。今まで3匹が子ガエル(すべてヤマアカガエル)になり、生まれた場所に放しました。写真は同じ個体の6月18日(左)と6月20日(右)。2日で尾が消失したことになります。また子ガエルになると、体は尾の部分を含めないでも変態直前の半分くらいになります。大きなオタマジャクシが小さなカエルになるので最初はとても驚きました。変態の不思議に触れるたびに胸がドキドキするような気分になります。(Y)

2022年6月21日(火)
ジャコウアゲハ幼虫の飼育

 6月5日に孵化したジャコウアゲハ幼虫(6月5日の当欄)。体長4mmほどだった幼虫が、2週間経って4〜5cmまで成長しました。食欲旺盛なので毎日ウマノスズクサの新しい葉を補給してやります。でもすぐに新しい葉を食べるのではなく、今まで食べていた葉をほぼ食べ終えてから新しい葉に移るようです(写真左)。飼育箱1個からスタートして、今は過密にならないよう4個に増やしました(写真右)。(Y)

2022年6月20日(月)
ニンジンの花

 ヒマワリの種を蒔きに、昨日久しぶりに休耕田に行きました。休耕田の畑ではニンジンの花がたくさん咲いて、丈も1m以上。すごくきれいで驚きました。ニンジンの花は小さな花が集まって塊を作り、その塊がまたいくつか集まって大きなドーム状〜ボール状になっています。花の咲き始めは同じセリ科のハナウド(6月3日の当欄)とよく似て平らな形ですが、成長するとオオデマリやアジサイのような丸い形になります。この花は6月4日の当欄で紹介しましたがさらに美しくなったので再度紹介します。(Y)

2022年6月18日(土)
モンキアゲハとヤマトシジミ

 冊子写真集を作るにあたって県内のある団体の支援金をいただき、その報告会が5月14日に岡山市でありました。その後大学生を含めた5名の方が私たちのフィールドを見に来てくださって、観察会に向けて協力していただけることになりました。県内で活動されている方たちと、やっとつながることができました。さて、庭のサツキの花に毎日吸蜜にやって来るモンキアゲハ。動きが速くすぐ逃げるので、花のそばでしばらく待って撮影(写真左)。証拠写真ぐらいには…。右の写真は夕方6時を過ぎた頃、眠りについたヤマトシジミです。(Y)

2022年6月17日(金)
北斜面の小道

 今季繁殖期の鳥類調査の時に歩いた、コース上の北斜面の小道(写真左。5月31日)。あまりの草に驚いて、次回の調査までに刈りました。右の写真は晩秋の同じ場所(2020年11月30日)。暖かくなると草は一気に伸びます。これから10月頃まで草との格闘。あと何回草刈りをすることになるか、ちょっと気が遠くなりそうですが…。暑くなると、トンボやチョウが暑さを避けて集まってきます。ここでフクロウに出会ったことも(「季節の1コマ」411)。私にとっては不思議に満ちた大好きな場所でもあります。(Y)

2022年6月16日(木)
ゴンズイの花と昆虫

 今から2週間ほど前、ゴンズイの花が満開の頃のこと。ゴンズイは黄白色で直径3〜5mmの花を多数つけます(写真左)。小さな花ですが蜜をよく分泌しているようで、たくさんの昆虫がやってきます。その日はアオスジアゲハが5頭、他にもクモガタヒョウモン(写真右)やアサマイチモンジ、アシナガバチの仲間、ハナムグリの仲間など。ところで今、窓外の木が揺れたので目をやるとイカルの若鳥(2021年7月18日の当欄)が2羽、サツキの花ではモンキアゲハが吸蜜。当地の豊かな自然を守りたいです。(Y)

2022年6月15日(水)
テイカカズラ

 日本原産のつる性常緑木本植物です。茎は長く伸び、付着根を出して樹幹や岩壁を這い上ります。高所に達すると枝を伸ばし、長さ3〜7cm、幅1.5〜2.5cmの楕円形でつやのある葉を展開。5〜6月に芳香のある白い花をたくさん咲かせます(写真左)。また、林床を這っていたり他の樹木の低いところに張り付いている幼木の葉は、高所の葉と異なり長さ1〜2cm、幅0.5〜1cmの小さなもの。葉脈部分の色が薄くて斑紋状に見えます(写真右)。この小さな葉と、去年きれいだなとしばし見とれた白い花の群生。それが結びついたのは最近のこと。自然観察の面白さにまた気付いた瞬間でした。(Y)

2022年6月14日(火)
クリの花とホタルブクロ

 クリの花が満開になりました(写真左)。今年は花が多いようで大豊作になりそうです。栗拾いは楽しいけど後の皮むき作業が…。放置するとイノシシを寄せるのでひたすら拾わなくてはというのもしんどいなぁ…。豊作はうれしいけどちょっと複雑。あっ、去年の皮むき栗がまだ冷凍庫に! せっかく苦労したのに早く食べないと…。あれやこれやのクリの木の下ではホタルブクロが咲き始めました(写真右)。先日は玄関先の木にヘイケボタルの光が1つ。中国地方も今日、平年より8日遅く梅雨入りしました。(Y)

2022年6月13日(月)
キリギリスの脱皮

 暖かくなって、あっという間に伸びたササ。鎌でササ刈りをしていると、目の前に変わったものが(写真左、右)。何だろうとよく見ると、キリギリス科幼虫の脱皮。脱皮を終えて体を乾かしているようです。写真で胸部や脚の様子をよく見るとキリギリスのようですが、まだ成虫ではないのではっきりとはわかりません。低い目線で作業をしていると、面白いものを見つけることがよくあってその度に手が止まってしまいます。(Y)

2022年6月12日(日)
セトウチサンショウウオの幼生

 飼育しているセトウチサンショウウオの幼生、4、5日見ないうちにぐんと成長。体長約5cmで体の幅も随分大きくなりました。食欲旺盛で、冷凍アカムシを解凍してピンセットで与えるとよく食べます(写真左)。写真右は横から見たところ。セトウチサンショウウオを飼育する度、ヒレから肢へ、魚類の姿から両生類の姿へという変化に感動し、悠久の進化の歴史に思いを馳せます。(Y)

2022年6月11日(土)
ジャコウアゲハ幼虫

 6月5日に孵化した9頭のジャコウアゲハ幼虫は今も9頭。もう5個卵があったのですが…先に孵化した幼虫が卵を食べたのでしょうか? そういえば1頭の幼虫がずっと卵のそばにいたので気になっていましたが(写真左。6月6日)。ジャコウアゲハ幼虫には共食いの習性もありますが、まさか孵化したばかりの幼虫が卵を食べるとは。現場を見ていないので断定はできないけど殻も残っていないので多分…。5個の卵は残念でしたが、9頭の幼虫は元気に育っています。卵が付いていた葉は食べつくされて茎だけに。そこにまだ3頭の幼虫がいました(写真右。体長1cm弱)。残りの幼虫は、すべて他の葉に移動。今は飼育箱1個ですが、終齢になる頃には3〜4個に増えそうです。(Y)

2022年6月8日(水)
ササユリ満開

 ササユリの花が満開です(写真左、右)。花数は蕾も含めて70個ほど。昔はササユリがたくさんあったそうですが、イノシシの食害などで今ではほとんど見られなくなりました。我が家のササユリも何度かイノシシの食害に遭い、その度にがっかり…。でも、鱗茎(ユリ根)がわずかでも残っていれば必ず復活すると聞いて気持ちが楽になりました。ところで今日は小学生の男の子2人とお母さんが、ササユリと田んぼビオトープを見に来てくれました。子どもたちがカエルやオタマジャクシやトンボに熱中する姿がまぶしい、うれしい一日でした。(Y)

2022年6月7日(火)
キリギリスの幼虫

 草むらにキリギリスの幼虫がいました。特徴のある背側の写真を撮りたいと思いましたがすばしっこくて、すぐに逃げて顔を向けてきます(写真左)。背を見せないのはバッタ科やキリギリス科の幼虫に共通する行動ですが、どうしても背側を撮りたい…。数日後やっと撮ることができました(写真右。背側の2本線でヤブキリと区別できます)。今まで気付かなかったけど、キリギリスの顔ってカッコイイ! これからキリギリスの成長と魅力を折に触れて紹介したいと思います。(Y)

2022年6月6日(月)
ニホンアカガエル

 同じアカガエルでも、ヤマアカガエル(以下ヤマアカ)の方がニホンアカガエル(以下ニホンアカ)より産卵が早いです。だからヤマアカの幼生は5月の初め頃に子ガエルになりますが、ニホンアカは今がその時期。ニホンアカの幼生が次々と子ガエルになっています(写真左。体長約1.5cm)。子ガエルたちはもうしばらく田んぼビオトープ周辺で餌を捕りながら過ごし、その後草地や畑など人間の身近で生活します。(一方ヤマアカは雑木林などに移動して生活) 右の写真は畑の畔に現れた、体長4〜5cmのニホンアカ成体です。(Y)

2022年6月5日(日)
ジャコウアゲハ孵化

 今日、ジャコウアゲハの卵が孵化しました(写真左。体長約4mm)。黄色いのは卵の殻。孵化した幼虫はすぐに卵の殻を食べます。5個の卵があった葉を茎ごと持ち帰ったら、別の葉にも9個の卵(6月1日の当欄)。今日孵化したのは9個の方。アレ、幼虫は8頭? しばらくすると幼虫が移動を始めました。幼虫を数えたら9頭! 1頭は少し早く移動していたようです。幼虫の数にしては葉が少ないようなので、すぐに新しい葉を追加しました。幼虫のいた葉を見ると、殻はすっかりなくなっていました。右の写真は終齢幼虫です(2021年8月15日)。これからまた大変だけど楽しみな幼虫の飼育が始まります。(Y)

2022年6月4日(土)
鳥類調査

 繁殖期5、6回目の鳥類調査をしました。今回の調査でホトトギス、コヨシキリ、ブッポウソウなど25種を確認。調査コースを歩いていると、草はらからキジの母鳥と幼鳥が次々と飛び出して…幼鳥は全部で11羽! また、ここ数年あまり声を聞かなくなっていたホトトギスの賑やかな声もよく響いていました。これで繁殖期の調査終了。母鳥が幼鳥に生きる術を教えている様子(2021年7月6日の当欄)、幼鳥や若鳥の愛らしさ。貴重で楽しい調査になりました。写真は調査コースにある畑の人参(左)と春菊(右)の花。人参の花は同じセリ科のハナウドとよく似ています。人参の花がこんなに美しいということを初めて知りました。(Y)

2022年6月3日(金)
ササユリとハナウド

 北斜面のササユリの花が咲き始めました(写真左)。蕾も入れてざっと60ほどの花数です。株数は葉っぱ1枚のものを含めると100株以上。昨シーズンにササ刈りを頑張ったせいか、例年になくきれいな花を咲かせています。適切な時期にササ刈りをすること、伸びてくるササと一緒に育てること…。ササユリとの付き合い方が少しずつわかってきました。右の写真は満開のハナウド。レースのような花がとても美しいです。(Y)

2022年6月2日(木)
アゲハモドキの羽化

 昨年の秋に、隣の地区のSさんが持ってこられた幼虫。夫はアゲハモドキかな?と。私は初めて見る幼虫だったので飼育して確かめることに(2021年11月8日の当欄)。その幼虫が、今日羽化しました。やはりアゲハモドキでした(写真左)。蝶のようですが、体長2cm弱、開張5〜6cmのガの仲間です。右の写真は腹側から見たもの。飼育容器のプラスチックが曇っていて鮮明ではありませんが、ジャコウアゲハによく似ています。毒のあるジャコウアゲハに似せることで天敵から逃れるということでしょう。また一つ自然観察の面白さを知りました。(Y)

2022年6月1日(水)
ジャコウアゲハの産卵

 早いもので、今日から6月。草の勢いも増してきました。ところで昨日、今年初めてジャコウアゲハ(メス)がウマノスズクサ(写真左)の畑をひらひらと。もしかして産卵?期待を込めて見に行くと、ありました!葉裏に見慣れたオレンジ色の卵(写真右)。昨年は産卵数が少なく、卵も多くが黒ずんで孵化せず、幼虫や蛹も保護していたものを含めて寄生や蛹化不全で全滅(2021年11月9日の当欄)。今年の産卵は半ば諦めていたので、思いがけずうれしいことでした。今回は寄生を避けるために一部を卵から保護飼育することに。保護した卵は全部で14個。ウマノスズクサ畑全体では30個以上ありました。(Y)

2022年5月31日(火)
東京へ(その2)

 左の写真は池袋のホテルの11階から見た風景。高層ビルばかりで緑はほとんどありません。右の写真は自宅からの眺め。公共交通機関がなく、とっても不便な生活ですが、滴るような緑を見るとうれしくなります。(Y)

2022年5月31日(火)
東京へ(その1)

 5月27日から3泊4日で東京にいる二人の娘家族の所へ。新幹線も山手線も人でいっぱいでした。まずは次女宅へ。コロナ禍のさなかに生まれた孫息子は2才と1か月。やっと会うことができました。左の写真は次女家族と行った公園。密集した住宅街を通り抜けると、目の前に広がる木々の緑。東京は23区内でも、大きくはないけれどこのような環境がいくつもあります。次の日は長女宅へ。マンションの壁にオオミズアオ(写真右)。久しぶりに見て感激しました。ここは23区外。都内でも自然がまだ残っています。(Y)

2022年5月25日(水)
久しぶりの雨予報

 雨が降らないし、強烈な日差しで田んぼビオトープが干上がりそうになってきました。状況を見ながら、少しでも水が入るように水草取りと泥上げの毎日です。カエルやセトウチサンショウウオの幼生もエビもメダカも…水を必要とするものがたくさんいます。明日は久しぶりの雨予報。予報通りになりますように。カエルの幼生は多くが子ガエルになりましたが、後ろ肢が生えたばかりの幼生も(写真左)。右の写真はアサザの葉の上で交尾中のオオイトトンボ。まとまった雨が待ち遠しいです。(Y)

2022年5月24日(火)
草刈りとトノサマバッタ

 先日、私たちの管理地となっている休耕田の草を刈りました(写真左)。この場所は今シーズン第1回目です。暖かくなって一気に草が伸びました。でも今は伸び始めの柔らかい草で刈るのに力はいりません。時期が遅れてしまうと、最近の真夏は命に危険な暑さ。南に面した田んぼでの作業は昼間はできません。そして秋まで放っておくと力づくの草刈りになります。だから今の季節に草を刈ることは大切なことなのです。右の写真は作業の合間に見つけた体長約2cmのトノサマバッタ幼虫。里山は今、地面も空も水の中も新しい命で溢れています。(Y)

2022年5月23日(月)
ヤマアカガエルとシュレーゲルアオガエル

 田んぼビオトープに体長1.5〜2cmのヤマアカガエルの子ガエル(写真左)がいっぱい。変態直後は体長1cmほどなので気付かないうちに随分大きくなりました。ニホンアカガエルの子ガエルが見られるのももうすぐです。右の写真はマコモの葉に挟まれてリラックスするシュレーゲルアオガエル。時間は午後6時半頃。食事に出発する時間なのに大丈夫かな…。(Y)

2022年5月22日(日)
若鳥たち

 繁殖期と越冬期にそれぞれ6回の鳥類調査をしています。今シーズンの繁殖期調査、まだ4回目を終えたばかりというのに若鳥の群れが活発に活動。年々何もかもが早くなっているように思います。今日は電線にコサメビタキと思われる若鳥が止まっていました(写真左)。またバードバスではヤマガラの若鳥が水浴び(写真右)。生きるエネルギーを発散させている若鳥たちに、見ている私も元気をもらいます。ところで、雑木林ではキビタキの囀りとともに「テッペンカケタカ」の鳴き声がして、ホトトギスの飛来を確認しました。これは昨年と同じ日です。(Y)

2022年5月21日(土)
マコモ取りとシュレーゲルアオガエルの卵塊

 一昨日、田んぼビオトープにマコモ取りに行きました(写真左)。暖かくなるとマコモは一気に伸びます。真夏の猛暑は作業ができなくて秋まで放っておくとマコモはしっかりと根を張り、地下茎を張り巡らせます。そうなると作業が2倍も3倍も大変になるので、マコモが小さいうちに取り除きます。作業しながらふと畔を見ると、窪みにシュレーゲルアオガエルの泡に包まれた卵塊(写真右)がたくさんありました。幼生は泡の中で孵化。雨が降った時に雨水の流れとともに水の中に入りますが、降らないと乾燥して死んでしまいます。早く適度な雨がほしい…。(Y)

2022年5月20日(金)
ナキイナゴの脱皮

 田の草刈りに行く途中、ため池の堤防を歩いていたらバッタの新しい脱皮殻を見つけました(写真左)。すぐそばからバッタの幼虫が飛び出して(写真右)、この脱皮殻の主はナキイナゴだったようです(写真右)。午後、庭のバードバスではエナガの若鳥たちが集団で水浴び。命を輝かせて生きる生きものたち。そのすぐそばで暮らせる幸せを感じます。(Y)

2022年5月19日(木)
「初めまして」と「お久しぶりです」

 夕方、自宅そばの小さな畑でイチゴの収穫をしていて、ハッと目に留まったのが体長4cmほどのベニスズメ(写真左)。鳥(外来種)にもベニスズメがいるので、こちらはベニスズメガとも言われるガの仲間。私にとっては初めて見る昆虫です。右の写真はツチイナゴ成虫。前年の9〜10月頃成虫になり、そのまま越冬したものです。春に活動を始め、交尾・産卵。7月頃まで越冬した成虫を見ることができます。厳しい冬を乗り越えたと思うとうれしくて、つい「お久しぶり!」と声を掛けたくなります。(Y)

2022年5月18日(水)
ホオノキの花とタツナミソウ

 ホオノキの花が咲きました(写真左。5月15日撮影)。ホオノキは私たちが当地を見に来た20年以上前にすでにありました。でも成長が早く、何度も伐採されたので花が咲かず、3〜4年前に初めて咲いたときは嬉しかった! 右の写真はタツナミソウ。草刈りの効果か、驚くほど株が増えました。畔やため池の土手に群生する様は何とも美しい。ところで先日、冊子写真集作成にあたって助成金をいただいた団体の報告会がありました。多様な生物が生息する里山の価値をわかってもらえたでしょうか…。(Y)

2022年5月17日(火)
鳥類調査

 繁殖期3、4回目の鳥類調査をしました。早くに巣立ったスズメやエナガなどの若鳥は集まって行動(写真左はスズメの若鳥)。カワラヒワやヤマガラはヒノキの梢でタネを、カワラヒワの若鳥は畑の小松菜のタネを食べていました。若鳥たちや子育て中の親鳥の活動がとても活発。また、アオゲラの「ピョーピョーピョー」と高音の美しい囀りを間近で何度も聞くことができたし楽しい調査でした。確認したのは、コサメビタキ(写真右)、ブッポウソウ、キビタキ、コジュケイ、シジュウカラなど20種です。(Y)

2022年5月16日(月)
セトウチサンショウウオ幼生の今

 飼育しているセトウチサンショウウオ幼生は、成長して体長3〜4cmになりました(写真左は上から、右は横から撮影)。大きいものでは4cmを超えたものも。ヒレだったのが指ができて後肢になりました。指の数は前肢が4本、後肢が5本です。今年はミジンコが発生しないので、まだブラインシュリンプを与えています。でも飼育容器に田んぼビオトープの泥やタヌキモなどの水草を入れているせいか水が汚れず、泥の中にいるミズムシなどの小さな幼体も食べて順調に成長。来月には変態して、外鰓のない亜成体になって陸に上がります。(Y)

2022年5月15日(日)
吸蜜

 左の写真は春菊の花で吸蜜しているベニシジミ。春の初めに現れて、寒くなるまでほぼ一年中姿を見ることができます。ベニシジミの食草はスイバ。卵や幼虫を探しますが、なかなか見つけることができません。右はカンサイタンポポに吸蜜にやって来たハナバチの仲間。後脚の花粉ポケットがいっぱいになっています。自分たちや幼虫の食料を集めているのですが、花粉まみれの姿を見ると、花粉媒介に果たす役割の大きさも相当なものだとわかります。(Y)

2022年5月13日(金)
棚田の風景

 左の写真の黄色いのは菜の花畑(2022.04.19)。農家の方たちが休耕田を耕して、種を蒔いて丹精されたものです。地面が緑色に色づき始めた頃に咲く菜の花の黄色は人の心を和ませます。道路からもっと近いところにあれば、たくさんの人が楽しめるのにとちょっと残念な気もします。右の写真は私たちが田んぼビオトープとして管理している休耕田。白く見えるのは畔補強のために張ってある板。周年水を溜めていると畔が弱るのです。初代は腐ってしまって、今あるのは先日完成した2代目です。(Y)

2022年5月12日(木)
ヒシバッタ

 1枚の休耕田に、3か所の大きな水たまりと水路、湿地、草地のある田んぼビオトープでのこと。体長2cmほどのトゲヒシバッタがいました。私が近づいても逃げません。よく見ると、細くて鋭い「イ」に薄い後翅が刺さっています(写真左)。そっと抜いてやったら急いで逃げていきました。少し離れた所にいたのは体長1cm弱のヒシバッタ成虫(写真右)。様々な生物がいて、それぞれの今を生きています。(Y)

2022年5月11日(水)
今、田んぼビオトープでは

 左の写真は大きくなったカエルの幼生とアカハライモリ成体。幼生は、アカガエル以外にもシュレーゲルアオガエル、ツチガエル、アマガエルなど。識別はこれからちょっと腰を据えて…。ところで、アカハライモリは4月〜6月が産卵期。今年はオスの婚姻色を撮影したい。またイモリの幼生を見ることも楽しみです(2018年7月24日の当欄)。右の写真はマツモムシの幼虫。体長4〜5mmの孵化して間もない幼虫です。(Y)

2022年5月10日(火)
ササユリ1年生

 ササユリが芽を出し、大きく育ってきました。秋に実ったササユリのタネは翌年の秋に土の中で芽を出し、その翌年の春に地上に出てきます。通常1枚の葉で1年目を過ごします(写真左)。花が咲くのは3年目から。ササユリはタネから花が咲くまで5〜6年もかかるのです。とすると、ササユリ1年生のすぐそばの蕾を1つつけたのは3年生というところ(写真右)。北斜面の雑木林が自生地になっています。蕾も膨らんで、もうすぐ開花です。(Y)

2022年5月9日(月)
アゲハとダイミョウセセリの羽化

 保護していた越冬蛹のうち、昨日、アゲハ(写真左)とダイミョウセセリ(2021年7月5日11日の当欄)が羽化しました。ところで、ヤマノイモの葉の間で蛹化するダイミョウセセリ。葉が枯れ落ちたらどうなるの?調べたら、落ち葉の中で冬を越し初夏に羽化すると。それで去年の秋、蛹をヤマノイモの落ち葉とともに飼育箱に入れました。そして昨日無事に羽化。あんまり元気がよくて、写真を撮る間もなく飛んで行きました。右の写真は、落ち葉を探ったら出てきた春型の小さな羽化殻です。(Y)

2022年5月8日(日)
アキグミ

 玄関先のアキグミが5月の初めころ満開になりました(写真左)。花の数も今までで一番多くとてもきれいで、アゲハアオスジアゲハコマルハナバチ(写真右)などたくさんの昆虫が吸蜜にやって来ました。ところで今年はアキグミのすぐ近くのエゴノキが新芽を吹くことなく枯れました。元気であれば今が花の季節(2021年5月18日の当欄)。秋には熟した実を貯食するためにヤマガラが頻繁にやって来ます。毎年楽しみにしていて残念でしたが、これも自然の摂理。代わりにアキグミが十分に楽しませてくれました。(Y)

2022年5月7日(土)
ツバメ

 隣町の道の駅に行きました。以前はツバメの巣がたくさんあったところですが、苦情があったのでしょう、巣を作らせないようにしてしまいました。巣を落とした痕跡もあります。でも今日は巣材をくわえたたくさんのツバメ(写真左)。多分巣を作りかけたら壊される、の繰り返し。それでも諦められないのでしょう…。私たちの家に近い古い農家の倉庫では毎年ツバメが子育てをします(写真右。2018.06.20)。ツバメの巣を落とすと火事になると言われて大切にしてきたそうです。害虫を食べてくれる愛らしい存在だったのでしょう。人々の暮らしのすぐそばで人と共存してきたツバメ。道の駅での巣作り、何とかしてやれないでしょうか。(Y)

2022年5月6日(金)
センス・オブ・ワンダー

 こどもの日の山陽新聞のコラム「滴一滴」は「センス・オブ・ワンダー」について書かれていました。原文通りではありませんが内容を一部紹介します。「センス・オブ・ワンダー」とは美しいものや未知なものに目を見張る感性のこと。「沈黙の春」の著者レイチェル・カーソンが、幼少時に自然の神秘に触れることがいかにのちの人生を豊かにするかについてつづった本の題名でもある。子どもには知識よりも、そばで一緒に驚き、発見の喜びを分かち合える大人こそが欠かせないとカーソンは考えていた…。この本「センス・オブ・ワンダー」をもう一度読み直したいと思いました。そして、子どもたちが驚き感動するような自然を残してあげたい!写真左はハラビロカマキリの幼虫。右は四季折々の花々が楽しめる小道です。(Y)

2022年5月5日(木)
命あふれる季節

 初夏、里山はたくさんの生きものたちが活発に活動する命あふれる季節。キビタキが今日も雑木林に来ました(写真左は2019年に近くの森でで撮影したものです)。美しいさえずりの合間に時折コジュケイの鳴きまねをします。「チョットコイ、チョットコイ」って。畑では、ホオジロやビンズイ(写真右。2022.05.03撮影)スズメ、コジュケイが採餌。昨日はキビタキがバードバス・デビュー。環境整備と雑木林が豊かになったことが奏功しているのでしょうか。鳥の種類も数も今までで一番多いような気がします。平和を祈りつつ、命の愛おしさや新緑の美しさを今までにもまして強く感じています。(Y)

2022年5月4日(水)
オトシブミ

 娘たちが小さかった頃は大阪にいて、新緑の季節によく金剛山に登りました。山道に葉をクルクル巻いたものが落ちています。これはオトシブミのメスが作った揺らん(ようらん・ゆりかごのこと)。メスは中に卵を1つ産み、孵化した幼虫は葉を食べて育ち、成虫になって揺らんから出てきます。おとしぶみ(落文)とは、昔、巻紙に手紙を書いて想いを伝えたい人の近くの路上に落としたと言われる文のこと。「オトシブミ」は揺らんが落文に似ていることからついた名前です。左の写真はイチゴの葉で作られた揺らん、右は制作中のヒメクロオトシブミです。(Y)

2022年5月3日(火)
ため池の堤防(冬から春へ)

 心配していたブッポウソウは、新しい巣箱を使い始めたようです。昨年はヒナに餌(甲虫類、セミ、トンボ、バッタ、カタツムリなど)を与える時期に雨が降り続き、巣立ったヒナの数も例年より少なかったようです。今年は穏やかな天候でありますように。また、大きな災害がありませんように…。さて、昨シーズンは堤防の整備も頑張りました。写真は冬から春へ移り変わる堤防をほぼ同じ場所から撮影したものです。左は冬(2月12日)、右は春(4月20日)。正面の森でブッポウソウがひと夏を過ごします。(Y)

2022年5月2日(月)
鳥類調査

 「環境省モニタリングサイト1000・里地」の鳥類調査、今シーズン繁殖期の1、2回目をしました。確認したのは、ブッポウソウ、キビタキ、コシアカツバメ、アオバトなど21種。そのうちブッポウソウは4月28日にペアがこの場所にやって来ました(写真左。遠いのでただの証拠写真です)。巣箱は傷んだので新しいものに交換し、さらに昨年まであった電柱から少し離れたポールに移動しました(写真右。左側に昨年までの電柱、中央が新しい巣箱)。ブッポウソウのペアは戸惑っているのか、昨年まで巣箱があった電柱に頻繁に来ています。多分、昨年ここで繁殖したペアでしょう。遠く東南アジアから当地を目指してやってくる鳥の能力に驚きます。早く新しい巣箱に慣れて利用してほしいです。(Y)

2022年5月1日(日)
フジの花

 フジの花が満開です。自宅近辺でも街に行く途中の山々でも。すごくきれいですが、こんなにフジの花が増えたのは山の手入れができていないから。確かにフジの蔓は放っておくと暴れるように伸びて巨大になり、絡まれた木は枯れてしまうこともあります。我が家の周囲の雑木林は、冬の間の手入れを頑張ったので今までになくきれいになりました。でも暖かくなった今、フジの細い蔓があちらこちらから伸び始めて絡まる木を探しています。さてどうするか?今は伸びてきた蔓を見つけたら切るしかありません。左の写真はクリの木に絡んだフジ。右は花のアップです。(Y)

2022年4月30日(土)
アカガエル幼生の放流

 3月27日にアカガエルの今シーズン最後の産卵。ニホンアカガエルの卵塊5個です。その卵塊を守るため自宅で飼育開始(4月10日の当欄)。天敵から生き残る確率を高めるために、幼生の体長が2cmになるくらいまで育ててやりたい。でも、ニホンアカガエルの1卵塊の卵数は500〜3000個。案の定、幼生の成長につれ飼育容器は過密状態に(写真左)。もう少し育てたかったけど、もう無理。今日、田んぼビオトープに放流しました。そこにいる幼生は4〜5cmになっていますが放流したのは2cm弱。ちょっと心配だけど生き残る確率は高くなったかな。右の写真は放流した幼生の1匹。(Y)

2022年4月29日(金)
セトウチサンショウウオの幼生

 今シーズン、田んぼビオトープや水路で確認できたセトウチサンショウウオの卵のうは最終的に16個。卵から孵った幼生は順調に育ち、大きいものは体長3〜4cmに(写真左)。右の写真は自宅で飼育している幼生(3月29日4月9日の当欄を参照ください)。毎年のことですが、自然下の方が成長が速いです。でも自然のものは水底の砂に紛れて細かな成長具合がわからないので、飼育個体を観察します。右の個体は体長約2cm。指のある前肢がわかります。体の後方にあるヒレはもうすぐ後肢に変化。ヒレから四肢へ。ダイナミックな形態変化の不思議に好奇心が募ります。(Y)

2022年4月28日(木)
カサスゲ群落

 例年なら草を刈るだけで精一杯。でも昨シーズンは「草を刈って集めて焼いて」を頑張りました。そのせいか、カサスゲが今までになく大きな群落になり、満開の花を咲かせています(写真左)。ここはカヤネズミの生息場所として保全している所。写真を撮っていると、周辺からキビタキやウグイスの美しいさえずりや、時折ブッポウソウの「ゲッ」という鼻にかかったような声。今年も心弾む季節になりました。右の写真はカサスゲ群落がある休耕田の全景。カサスゲの成長とともに環境がどう変わっていくか楽しみです。(Y)

2022年4月27日(水)
ヒメハギとオカオグルマ

 今年もブッポウソウが飛来しました。今まで一番早かったのは4月29日ですから、それより2日早い飛来です。さて、今日は気持ちのよい天気。キンランやトンボソウの芽が出ていないか探しながら歩いていると、例年とは違う場所でヒメハギを見つけました(写真左)。畑の一角ではオカオグルマが満開(写真右)。季節の移ろいは、生きものたちや花々とともに…です。(Y)

2022年4月26日(火)
マツノキハバチ

 アカマツの幼木に今年もマツノキハバチの幼虫がいました。1、2齢期の幼虫は1本の針葉を数頭で取り囲むように食害(写真左)。そして、針葉の中心を糸状に残します。右の写真でクルクル巻いているのが食べ残した針葉の中心部。3齢期以降になると針葉を先端から基部まで食い尽くすようになり、食害量も多くなります。鳥は食べないのだろうか。1〜2年間の発生で終息するようなので、様子をみたいと思います。(Y)

2022年4月25日(月)
ヤマツツジとコバノガマズミ

 コバノミツバツツジが花の時期を終えたと思ったらヤマツツジが満開(写真左)。私はどちらかというと、ピンク色のコバノミツバツツジより赤いヤマツツジが好きです。右の写真はコバノガマズミ。白い花を撮るのが難しくて、蕾の頃から何度も取り直していたら、いつの間にか満開に。まだ納得がいかないけれど、もうすぐ花が終わってしまいそうで…。今の精一杯の写真です
。(Y)

2022年4月24日(日)
未来を生きる人たちへ

 今朝は3羽ほどのビンズイが庭で雑草などの実を食べていました。シジュウカラやヤマガラ、エナガは採食と水浴びに。雑木林ではシロハラも。空を見上げればツバメやコシアカツバメが飛び交っています。田んぼビオトープからはカエルの大合唱。葉桜では子育て中のスズメが大きな幼虫をゲット。このような環境を未来を生きる人たちにも残してあげたい…。左の写真は田んぼビオトープ周辺。右はため池の堤防。どちらも里山の春の風景です。(Y)

2022年4月23日(土)
タンポポ

 当地のタンポポは在来種のカンサイタンポポ(写真左)、キビシロタンポポ(写真右)、そして外来種のセイヨウタンポポの3種類あります。毎年実が熟すちょうど今頃、カワラヒワが実を食べにやって来ます。カワラヒワがうれしそうで、それを見るのがまた楽しみなのです。(2021年4月18日の当欄も参照ください)(Y)

2022年4月22日(金)
二つの風景

 左の写真は2020年の12月のもの。休耕田1枚の草刈りをして、刈草を片づけてホッとしたところでふと見上げたら…まだまだ嵩の高いススキなどの草がいっぱい。思わずため息が出た記憶があります。右の写真は今年の4月の作業中に撮影したもの。よく見ると2枚の写真はほぼ同じ場所!去年から今年にかけて休耕田の整備をかなり頑張りました。手を加えたらこんなに綺麗になるんだ。本格的に休耕田で作業をするようになって10年。ようやく納得できる形に近づいたかな。(Y)

2022年4月21日(木)
クロスジギンヤンマの羽化

 昨日ビオトープ池(人工池)でクロスジギンヤンマの羽化殻を見つけました。今日見に行くと2頭のクロスジギンヤンマが羽化の最中(写真左)。一昨年までは毎年たくさんの羽化がありましたが、夏に池が漏水して干上がってしまい残念なことになりました。その後水漏れを補修(2021年3月20日4月13日の当欄)したところ、今年は2年ぶりにクロスジギンヤンマの羽化を見ることができました。地域で絶滅さえしていなければ、環境を整えることで生きものは戻ってくる。貴重な経験でした。池に隣接する湿地ではカサスゲの花が満開です(写真右)。(Y)

2022年4月20日(水)
ウワミズザクラとミツバアケビ

 今年は雨が少なく昼間は初夏の日差しで、花の季節は主役を変えながら急ぎ足で過ぎていきます。今の主役はウワミズザクラ(写真左)。白い小さな花が房状に咲いてすごく美しいです。右の写真はミツバアケビ。上にある大きなのが雌花で、その下に小さくて多数あるのが雄花です。アケビの花に比べて地味だけど大好きな花。秋に熟す実を小さくしたような雌しべを見ると、当たり前なのに不思議な気がしてきます。(Y)

2022年4月19日(火)
トノサマガエルとアマガエル

 一昨日の当欄で紹介した体長約10cmのトノサマガエル。やっとカメラに収めることができました(写真左)。右の写真は畑で見つけたニホンアマガエル(4月8日撮影)。冬眠から目覚めたばかりのようで、すごく痩せています。今、畑には1cmほどのバッタ科やキリギリス科の幼虫が多数活動中。このアマガエルもいっぱい食べて、じきに大きくなるでしょう。厳しい冬を無事乗り越えた生きものたちは、これから次々と繁殖期に。つながる命をしっかり観察したいと思います。(Y)

2022年4月18日(月)
タンポポとカスミザクラ

 今日もアゲハが2頭羽化しました。家の前の小道はタンポポが満開(写真左)。毎日カワラヒワがタネを食べにやって来ます。庭ではカスミザクラが満開になり、木々も新緑の柔らかい色です(写真右)。ホオジロのペアが雑草のタネを食べに来ました。庭の地面に来たのは初めてでちょっと新鮮な気持ちに。でも昨日までしょっちゅう来ていたシロハラは今日は来ませんでした。季節の移り変わりは速いです。(Y)

2022年4月17日(日)
アゲハとクロアゲハ

 田んぼビオトープではシュレーゲルアオガエルの声がよく聞こえます。自宅そばのビオトープ池で、今季初めてトノサマガエルを見つけました。体長10cm近くある大きなメスです。水草をもっと除いて産卵できる環境を作ってやりたいと思います。さて今日、保護していたアゲハ(写真左)とクロアゲハ(写真右)が羽化しました。寄生されて死んでしまったものが多い中で、無事羽化したのはうれしい出来事でした。(Y)

2022年4月16日(土)
アカガエル幼生の救出

 久しぶりの雨で田んぼビオトープの危機は解消しましたが、今度は水が溢れてアカガエルの幼生がビオトープの外へ出てしまいました(写真左の左側)。そこは今は水が溜まっていてもすぐに抜けてしまいます。そこで幼生の救出作戦です。でも数が多すぎて、今日はやっと三分の一くらい。明日また続きをします。作業中に出てきた、卵を背負ったオオコオイムシのオス(写真右)。空を見上げればコシアカツバメ。えーっ!例年より2週間早い飛来です。(Y)

2022年4月15日(金)
冬芽から新芽へ

 初めてクサギの冬芽を見た時(2月3日の当欄)、とても面白く感じて、春になったら新しい芽はどんなふうに展開していくのか興味いっぱいで観察していました。左の写真は4月4日、右は4月15日に同じ部分を撮影したものです。うーん、すごい。「はるになれば もっと きれいに なるんだよ パッパッパッパッ…」(4月2日の当欄)。次の冬はもっと冬芽にこだわってみよう!(Y)

2022年4月14日(木)
イボタガとアマガエル

 今日は久しぶりの雨。このところずっと高温・乾燥の初夏のようなお天気が続いていたので、人も生きものもようやくほっと一息です。さて、昨日は建物の板壁にイボタガがいました(写真左)。春に現れる大型のガです。翅がデコボコした立体に見えますが目の錯覚。翅の複雑な模様でそのように見えるのです。右の写真はニホンアマガエル。大きなお腹をしているので産卵間近でしょう。田んぼに水が入るころ、初春のアカガエルの時より一層賑やかなカエルの声が響きます.(Y)

2022年4月13日(水)
アケビとショウジョウバカマ

 棚田の入り口で、防獣柵に絡んだアケビの雄花が咲き始めました(写真左)。白い花びら(正確にはがく片)に雄しべの色(何と表現したらいいのかわかりませんが)。いつまでも眺めていたい、清楚で美しい花です。右の写真は、北斜面に咲くショウジョウバカマ。1週間ほど前に見た時は蕾が少し出ていただけなのに、今日見たら満開!全部で17輪。株も増えました。草を刈って、集めて焼く。その繰り返しが花を元気にさせるようです。これからの時期は、短く刈ったササとともにササユリが育ってきます。(Y)

2022年4月12日(火)
オオカマキリとヤブキリの幼虫

 草刈りの時、よく見つかるのがオオカマキリの卵鞘。見つけた卵鞘は持ち帰って飼育箱の中で保護し、暖かくなったら適当な場所に分散して置いてやります。先日、卵鞘の乾燥が気になってスプレーで水をかけてやろうと飼育箱を開けたら、中に体長約1cmの幼虫が(写真左)。すでに孵化していたのです。畑には体長7〜8mmのヤブキリ幼虫(写真右)。ヤブキリは獰猛な肉食昆虫ですが、小さいうちは花粉など植物質のものを食べています。今年はバッタの仲間の成長をじっくり観察したいと思っています。(Y)

2022年4月11日(月)
雨がほしい

 私の若い頃、3月下旬〜4月上旬の菜の花が咲く時期にしとしと降る長雨がありました。「菜種梅雨」、「催花雨」(さいかう・花を咲かせる雨の意)と呼ばれます。でもいつの頃からか、この時期に雨がほとんど降らなくなりました。冬に満水だった田んぼビオトープも雨が降らず、季節外れの強い日差しで干上がってきた場所があります(写真左)。アカガエルやセトウチサンショウウオがまだ幼生期で水の中にたくさんいるのに…。まとまった雨がほしい。何とかこの時期を乗り越えたいと水路の手入れを毎日のようにしています。右の写真はシオヤトンボの脱皮殻。生きものの気配に励まされます。(Y)

2022年4月10日(日)
カエルの外鰓

 3月27日、小さな水たまりに新たに5個のアカガエル卵塊がありました。数日後その水たまりが干上がりそうになって卵塊がピンチ!急いで水の多いところに移したら、先に生まれた幼生(オタマジャクシ)がたくさん集まって卵を食べ始めました。それは大変と卵塊を自宅に持ち帰ることに。4月8日に水槽の中で卵はすべて孵化。しばらくすると幼生は水面すれすれのところに集まって水槽の壁に腹部をつけています(写真左)。幼生をよく見ると左右に突き出た外鰓(がいさい・体の外にでている「えら」のこと)がはっきり認められます。今日見るとどの個体も外鰓は左側だけ(写真は腹側から撮っているので右側に見えますが体の左側です)。調べてみると、カエルの外鰓があるのは孵化後2、3日だけで、まず右の外鰓が先に消え、翌日には左の外鰓も消えるのだそうです。消えるタイミングが左右で違うなんて初めて知りました。(Y)

2022年4月9日(土)
セトウチサンショウウオの卵のう

 今季のアカガエルの産卵は終わりました。田んぼビオトープ全体でおよそ270卵塊。270匹のメスが産卵に来たということです。また、セトウチサンショウウオの産卵はまだあるかもしれませんが、今のところ見つけた卵のうは15個(15対)です。自宅に持ち帰った1個の卵のうを、幼生が外に出てくる(「出のう」と言います。2022年3月29日の当欄)時期に詳しく観察しました。左の写真が1個(1対)の卵のうで、Vの字形の下端部分がくびれていて水中の細い草に付着していました。両側の上端に穴が開いていてここから幼生が出てきます。右の写真は幼生が穴から卵のうの外へ出たところです。また一つ知らなかった生きものの世界に触れることができました。(Y)

2022年4月8日(金)
スジグロシロチョウ

 昨年の晩秋に台所でチョウの蛹を見つけました(写真左)。室内では暖かいので、冬に羽化しても困ると思って蛹をそっと外して保護ポケット(2020年10月28日の当欄)に入れて室外に置いた飼育箱で保護することにしました。そして今日、チョウが羽化しました。保護していた蛹のうちの羽化第一号です。モンシロチョウの蛹だと思っていましたが、出てきたのはスジグロシロチョウ(写真右)。何度見ても羽化したばかりのチョウの美しさには感動します。(Y)

2022年4月7日(木)
里山が美しいのは

 先日、休耕田の草刈りをして刈草を焼きました(写真左は草刈り前、右は草焼き後)。ここは長い間の放棄田でひどい藪と湿地でしたが、数年前に大勢で藪の刈り払いをしました。その後私たちで少しづつ手入れをしている内に、マコモやチゴザサ、ガマ、ススキが群落を作り、カヤネズミの秋の繁殖巣や冬の越冬巣がたくさん見つかるようになりました。それで、カヤネズミに影響が及ばないよう春暖かくなってから草刈りをします。毎年刈っては焼くを繰り返しているうちに生えてくる草も優しい感じになってきました。「里山の美しさは人の汗の賜物」。きれいになった風景を眺めながら改めて実感します。(Y)

2022年4月6日(水)
芽吹きの季節(その2)

 左の写真はウワミズザクラの花芽と葉芽。赤みがかった色をしています。右は休耕田の作業中、東に見える山。新芽のいろいろな色が混じってパステルトーンに彩られます。その中にパッチワークのようなヤマザクラのピンク色が何とも美しい。(Y)

2022年4月6日(水)
芽吹きの季節(その1)

 樹々が芽吹いてきました(写真左:リョウブ、右:コナラ)。周辺の山々も萌黄色から若草色、濃い緑色へと刻々と変化していきます。秋の紅葉の時期とともに、周辺の山々が一年で最も美しい季節です。(Y)

2022年4月5日(火)
サクランボとシダレザクラ

 サクランボが花の季節を終えました。左の写真は3月27日、満開の時のサクランボの花です。もっと早く紹介したいと思っていたのに今頃になってしまいました。実のなる季節にはヒヨドリに負けないように収穫して少しでも味わいたいです(毎年負けるので…)。右の写真は咲き始めたばかりのシダレザクラ(品種名不明)。サクランボもシダレザクラも淡くて優しいピンク色。眺めていると心が落ち着いてきます。(Y)

2022年4月4日(月)
シュンランとコバノミツバツツジ

 雑木林を歩いているとシュンランが満開(写真左)。株も毎年増えています。大阪にいた今から20年以上前のこと。自然観察インストラクター養成講座の講習会が服部緑地でありました。その時、同じ受講生が1輪の花をつけたシュンランの小さな株を見つけました。みんな大興奮!私も見るのは初めて。清楚な美しさにしばし見入りました。当地に来て、この時期たくさんのシュンランを見られるようになりましたが、初めて見た時の感激は今も変わりません。シュンランのそばではコバノミツバツツジが咲き始めました(写真右)。(Y)

2022年4月3日(日)
様々な生活スタイル

 田んぼビオトープでは、アカガエルのほかにいろんな水生生物が生息しています。左の写真は交尾中のマツモムシ。大きい方がメスです。2匹のアメンボはトゲヒシバッタを捕食中(写真右)。種によって生きる姿は様々です。オオコオイムシのオスは卵を背負っているし、サワガニの卵はメスの腹部で孵化し、稚ガニとなって生まれます。様々な生活スタイル。だからこそ、多様な生物が長く命を繋いでこれたということでしょう。(Y)

2022年4月2日(土)
春が来た!(その3)

  「みんなは みんなは きのめだよ はるに なれば もっと きれいに なるんだよ パッパッパッパッ…」(「ふゆめがっしょうだん」2022年1月29日の当欄)。春になって、冬芽(写真左)の中で小さくたたまれていた葉や花や茎になる芽が伸びて一層きれいに、豪華になりました(写真右)。写真の植物は朝倉ザンショウです。(Y)

2022年4月1日(金)
春が来た!(その2)

 畑ではハナモモやサクラがもうすぐ満開です。雑木林ではクロモジ(写真左)やウグイスカグラ(写真右)も開花。里山はこれから6月頃まで、一年で最も美しい花の季節を迎えます。(Y)

2022年4月1日(金)
春が来た!(その1)

 田んぼビオトープではアカガエルの卵のほとんどが孵化して幼生になりました。2月14日に産卵が始まり、その後3月2日と14日に産卵のピークが。最初に産卵されたものと最後のものとでは1か月の差があり、幼生も体長3cmを超えるものから孵化したばかりの体長約1cmのものまで様々です(写真左)。産卵時期の早いものは、生まれたばかりのほとんど動けない幼生を食べます(写真右)。空からはサギなどの鳥類、水の中ではマツモムシなどの昆虫類、イモリ、そして同じアカガエル幼生にまで…。食べられて数を減らしながら成長していきます。(Y)

2022年3月31日(木)
オオタカの狩り

 3月29日と30日に、上のため池の堤防に近いところで鳥の羽根の散乱を見つけました(写真左)。獲物を堤防の法面に追いつめて仕留めたようです(写真右は堤防の法面。上部に防獣柵もあります)。この狩りの仕方から考えて、襲ったのはオオタカ。羽根の特徴から、犠牲になったのはどちらもキジバトです。可愛そうだけど、キジバトの死はオオタカの命を支えます。自然の中での死は決して無駄になりません。(Y)

2022年3月30日(水)
草焼き(その2)

 法面の草を下ろしてきれいにすると、ツクシの他にノカンゾウの若い株が多数(写真左)。株が増えているのに驚きました。右の写真の緑色の部分は全部ノカンゾウです。これがみんな大きく育って花を咲かせたらきれいだろうな…。10年ほど前に十数輪の花を見ましたが、それから何年も花が咲かず、昨年やっと2輪咲きました。ノカンゾウの開花に必要なのは、適度な湿り気と日当たりだとか。今年はたくさんの花を咲かせたいです。(Y)

2022年3月30日(水)
草焼き(その1)

 今朝も休耕田の草焼きをしました。ここは水が浸み出す場所でマコモやカサスゲが育ち、カヤネズミの巣がよく見つかるところです。休憩後作業を再開して法面の草を熊手で下ろしていたら、目の前に姿の良いツクシがたくさん。そこで急遽予定変更でツクシ採り。またまたハカマ取りの面倒さを忘れてたくさん採ってしまいました(写真右は収穫の一部)。今夜の一品は「ツクシの卵とじ」。とても美味しく、春の味がしました。(Y)

2022年3月29日(火)
出のう

 3月は日差しが強くなるので、晴天が続くと田んぼビオトープの干上がりが心配です。特に心配な場所に産卵されたセトウチサンショウウオの卵のう1つを家に持ち帰って飼育を始めました。3月23日に卵のうの中で孵化した幼生1匹が、卵のうに開いた穴から泳ぎ出てきました(これを出のうといいます)。すべて出のうしたのが3月26日で幼生は全部でおよそ40匹。10匹ほどを残して残りは田んぼビオトープの水量の安定した場所に放流しました。写真は出のうしたばかりの幼生で体長は15mmほど。左は上から、右は真横から撮ったものです。同じ個体なのに横から見ると魚のようです。この不思議で魅力的な生物の成長を今年も大切に見守りたいと思います。(Y)

2022年3月28日(月)
1年ぶりの旅行(その3)

 港で乗船を待っていると、1匹の野良犬がやって来ました(写真左)。出産したばかりの様子。子犬が近くにいるのでしょう。犬はひどく痩せていましたが穏やかな顔つき。盛港は漁港でもあるので、漁を終えた船が入港すると魚を少し分けてもらっているのかもしれません。「野良犬にエサをあげないで」の札(写真右)がありましたが、そっと魚をもらっていると思いたい…。乗船が始まると犬は去っていきました。子犬の元へ帰ったのでしょう。母子ともに保護されていい飼い主に恵まれますように。犬たちの幸せを願わずにはおれませんでした。(Y)

2022年3月27日(日)
1年ぶりの旅行(その2)

 旅行2日目は、「しまなみ海道」を大三島で降りて盛港(さかりこう)から船で10分ほどの大久野島へ。この島は太平洋戦争の時に毒ガスを作っていた所。今はウサギ700匹が迎えてくれる癒しの島です。船が出るまで時間があったので、車で近くを見て回りました。左の写真は「盛五反田海岸」。ここも美しい砂浜でした。正面に見える島が大久野島です。船の時間が来たので港へ(写真右)。わずかの時間とはいえ、久しぶりの船旅に心が弾みます。(Y)

2022年3月26日(土)
1年ぶりの旅行(その1)

 3月24日〜26日、1年ぶりの旅行に行きました。まずは24日。飼い犬のウリを連れて2〜3回行った愛媛県東予の桜井海岸へ(写真左)。以前と変わらない美しい海と砂浜。春になったらまたウリと一緒に行こうと思っていたのに…。大切にしていても日常はあっさりと壊れます。ロシアの軍事侵攻、度重なる大地震と津波、気象災害などなど。その真っただ中にいる人たちに平和な日常が戻ることを祈り、自分たちも一日一日を大切に生きなければと思います。暖かい東予の海岸近くではサクラやコバノミツバツツジが咲き始めていました。右の写真は展望台近くに咲いていたヒサカキの雌花です。(Y)

2022年3月23日(水)
「角ぐむ」マコモ

 朝のうちは風がなかったので21日の続きの草焼きをしました。焼いていると汗が出るほど。でも作業を終えた午後からは、また冷たい風が吹く寒いお天気になりました。なかなかすっきりと春本番にはなりません。午前中の作業で、カヤネズミ生息地として保全している休耕田1枚の草焼き終了。左の写真は草を除けた後に顔を出した「角ぐむ(つのぐむ)」マコモ。右は作業からの帰り道で咲き始めたヒサカキ。里山では季節は生物とともに移り変わっていきます。(「角ぐむ」という言葉に関しては2018年3月28日の当欄を参照してください)(Y)

2022年3月22日(火)
田んぼビオトープ

 冷たい風が吹く寒い一日でしたが、今日も田んぼビオトープを見に行きました。セトウチサンショウウオの卵のうは6個に増えました。最初に見つけた卵のうはすでにもぬけの殻。みんな孵化して卵のうから出て行ったようです。アカガエルの新しい卵塊が1つありました。今シーズンの産卵は多分これで終わりでしょう。早くも卵を背負ったオオコオイムシのオスを見付けました(写真左)。なぜか赤っぽい色をしたミズカマキリ(写真右)も現れて、少しずつ生きものの賑わいを増す田んぼビオトープです。(Y)

2022年3月21日(月)
草焼きと春の風景

 今日は風もなく曇りがち。絶好の草焼き日和です。ススキやカサスゲ、マコモ群落があるカヤネズミ生息地の刈草を焼きました。嵩の大きい草ばかりで、一年でここまで育つ光合成のすごさに驚きます。作業を終えてほっと一息。一段下にはまだ大量の刈草が残っていますが、その先はきれいな春の風景が広がっていました(写真左)。そばのノカンゾウの芽生えが何とも愛おしく感じます(写真右)。(Y)

2022年3月20日(日)
自然からの恵み

 田んぼビオトープで、体長1.5〜2cmに成長したアカガエルの幼生を見ていたら、すぐ近くできれいな鳴き声がします。2羽のセグロセキレイです。1羽は私から3〜4m先。これなら私のカメラでも撮影できるかと思って撮ったのが左の写真。泥の中から獲物を捕えたところですが残念ながらピントがよくないです。右の写真はアメンボがアカガエルの卵を食べています(針のように先が尖った口を突き刺して卵の液を吸う)。泥の中にたくさんいるイトミミズや水生昆虫、またこの季節のアカガエルの卵塊は多くの生きものたちにとっては自然からの恵みでしょうか。ここの豊かな環境を維持したいと思います。(Y)

2022年3月19日(土)
ロシアの軍事侵攻

 ロシアがウクライナに侵攻してもうすぐ1か月。国連安全保障理事会の常任理事国であり、世界の超大国ロシアがまさか軍事侵攻するとは…。破壊された建物、その中にいたたくさんの民間人、多くの子どもまで犠牲になっています。戦争は人間の生命、幸福、環境に対する大きな脅威です。世界が力を合わせて気候危機や自然災害、パンデミックに立ち向かうべき時なのに。写真は咲き始めた梅とアセビの花。平和への願いを込めて…。(Y)

2022年3月18日(金)
ニンジンの収穫

 今日は冷たい雨。いつもよりちょっと丁寧に家事をしたり、いただいたお手紙に返事をしたり、以前の写真を整理したりして過ごしました。あっという間の一日です。さて、少し前の暖かい日に休耕田の畑でニンジンの収穫をしました(写真左)。収穫し残したニンジンの葉にナナホシテントウ(写真右)。このテントウムシはほとんど年中見るような気がしますが、春に見るのは格別です。ニンジンの何株かは残して花を楽しみたいと思います。ニンジンはセリ科。白いレースのようなきれいな花が咲きます。(Y)

2022年3月17日(木)
休耕田の畑

 田んぼで作業をした後、休耕田の畑に様子を見に行きます。今日はキャベツを収穫(写真左)。すぐそばでは採り残したコマツナが花を咲かせています(写真右)。氷点下の朝が続いた寒い冬がいつの間にか終わり、暖かい春になりました。(Y)

2022年3月17日(木)
もしアカガエルがいなければ…

 当地には、ニホンアカガエルとヤマアカガエルの2種のアカガエルがいます。1卵塊の卵数は、ニホンアカガエルで500〜3000個、ヤマアカガエルでは1000〜1900個ということです。大変な数の幼生が誕生しますが、成体まで育ってさらに繁殖まで至るカエルはほんの一握り。ほとんどがそれまでに天敵に食べられてしまいます(写真左、マツモムシに捕食される幼生)。でもそれは里山に棲む他の様々な生物の命を支えているということ。こんなに多数の卵を産むアカガエルがいなければ、里山の生物は数も種類も随分乏しいものになるでしょう。右の写真は、孵化したばかりの外鰓のある幼生。よく見ると体色は様々です。(Y)

2022年3月16日(水)
卵塊の数がメスの数

 私たちの管理地がある棚田に、1枚だけ農家の方がお米を作っておられる田があります。その方の田の水路にアカガエルがたくさん産卵しました(写真左)。この水路はいずれ水がなくなってしまうので、卵塊を救出して田んぼビオトープに入れました。その数は42個。田んぼビオトープの分と合わせると250個ほどになります。アカガエルのメスはそのシーズンに1個の卵塊を産みます。だから卵塊の数がここで産卵したメスの数です。卵や卵から孵った幼生が他の生きものに食べられるのは自然の摂理。でも成長途中で水切れで死んでしまうのはできるだけ避けたいのです。右の写真は水中で包接中のアカガエル。上がオスです。(Y)

2022年3月14日(月)
アカガエルの3回目の産卵

 予報通り少しまとまった雨が降り、朝から賑やかなアカガエルの声。田んぼビオトープに行くと、たくさんのアカガエルの卵塊とセトウチサンショウウオの卵のう2個がありました。今日新たに見付けたアカガエルの卵塊は112個、累計では188個になります。セトウチサンショウウオの卵のうは前のと合わせて4個になりました。早速天敵のアメンボやマツモムシの動きが活発に。また、変わった色のイモリが卵を食べていました(写真左)。何はともあれ、干上がりかけた田んぼビオトープが満水になって(写真右)ホッと一息です。

2022年3月13日(日)
雨を待ちわびて

 2月14日以来雨が降らないし、日差しも強くなってきて田んぼビオトープの一部が干上がる寸前です(写真左)。アカガエルの卵塊もこのままでは干からびそうです(写真右)。泥上げをして何とか今日一日をしのぎました。最近は天気予報も当たらないことがありますが、今夜遅くから雨が降るとか。天気予報が当たりますように。人間もカエルも雨を待ちわびています。(Y)

2022年3月12日(土)
防獣柵の際の草刈り

 いつも気になりながら放置していた防獣柵の際の草(写真左)。草刈り機ではできないので諦めていました。でも今冬は頑張って手刈りでやろうと…。防獣柵が二重になっているので小さな隙間に手を入れて鎌とハサミで少しずつ。何日もかかりましたが、手入れされた地道はとてもきれいです(写真右)。5月になればまた草が勢いよく伸びてきます。それまでのほんのひと時を楽しみたいと思います。(Y)

2022年3月11日(金)
カエルの外鰓

 早くに産卵されたアカガエルの卵が次々と孵化を始めました(写真左)。これはヤマアカガエルの崩れかかった卵塊で、黒い部分が体長約1cmの幼生の集団です。1匹を拡大したものが右の写真。前方左右に出ている細い紐のようなものは外鰓です。サンショウウオやイモリは変態して成体になるまで外鰓がありますが、カエルは孵化後数日で消失します。アカガエルの卵塊を観察していると、受精卵から幼生、そしてカエルへと変化していく様子が間近で見られ、生命の神秘を感じます。(Y)

2022年3月9日(水)
ビオトープ池の変遷(その3)

 左の写真は完成したビオトープ池。2つの池を繋ぐ水路に木の橋を架け、そばにベンチを作りました。池に真っ先に集まってきたのはミズスマシ。その後ガムシやアカハライモリ、アカガエル、トノサマガエル、シュレーゲルアオガエルなどが繁殖。トンボの羽化もたくさん見られました(写真右)。当たり前だけど生物には水が必要。野生生物との共生のためには水のある場所が必要なのだと、乾田が広がる里山地域を見ながら考えてしまいました。(Y)

2022年3月8日(火)
ビオトープ池の変遷(その2)

 最初のビオトープ池は手掘りで作り、近くのため池から採ってきた2〜3株のマコモを移植しました(写真左)。また、自宅の修繕に来た業者の方にお願いして、重機で手前にもう一つ深い池を掘ってもらいました(写真右)。そしてその方のアイデアで、軒下の雨水タンクが満水になったら地面に埋めたパイプを通して水が入るような仕組みに。最後に2つの池を水路で繋いでひょうたん型のビオトープ池完成。でもその後、浅い手掘りの方は何度も水が抜けてしまうので池にすることは断念。今はカサスゲなどが生えた湿地の状態です。昨日の満水の池はこの写真の右側のほうです。(2021年3月20日2021年4月19日の写真も見てください)(Y)

2022年3月7日(月)
ビオトープ池の変遷(その1)

 もう随分前の2010年に一念発起。自宅そばの畑の一角に池を作ることにしました。その後休耕田を借りて田んぼビオトープを作るとは想像もしていなかった頃で、生きものが集まる水のある場所がどうしても欲しかったのです。もともとこの場所は田んぼで、穴を掘れば割合簡単に水が溜まると思っていました。しかし最近になって地元の方に聞いたら、田んぼではなく山であったと。道理で手を入れないとすぐに水が抜けてしまうはず…。いずれにせよ、穴を掘ったので水抜け対策が必要でした。ビニルシートを使うのは嫌だったので「たたき粘土」でやりました。左の写真は池を掘り始めたころ(2010年11月)。右は何度かの水漏れ補修を経て、満水の現在の池です。これからこの池の変遷について紹介したいと思います。(Y)

2022年3月5日(土)
フキノトウ味噌

 20日ほど前、大阪の友達からフキノトウ味噌を作ったとメールがありました。私も作ろうと思ってフキノトウを探しましたが、当地では少し早かったようです。そしてようやく今日、いつもの場所にフキノトウが5、6個顔を出しているのを見つけました(写真左)。早速フキノトウ味噌作り(写真右)。うど菜、ツクシ、ワラビ、コシアブラなどとともに、季節になると無性に食べたくなる味です。(Y)

2022年3月4日(金)
ヤマアカガエル

 新聞記事の中で、俳優・仲代達矢さんの次のような言葉が心に残りました。「もうけが唯一の指標になり、市場原理を神のようにあがめ、無駄なもの、非効率なもの、弱い者を容赦なく切り捨てていった。迎え入れたのが異常気象やコロナ禍でなかったか。」 うーん…強い共感を覚えます。自然を大切にすることは人間の命を大切にするのと同じこと。その思いが強くなりました。左の写真は3月2日の蛙合戦の時に畔に上がってきたヤマアカガエル(体長5〜6cm)。右は以前撮影した体長約2cmの子ガエルです(2020.06.06撮影)。ニホンアカガエルの成体は畑や草地で一年中見ますが、ヤマアカガエルの成体を見ることは稀です。いつの間にか雑木林などに移動するようです。(Y)

2022年3月3日(木)
アカガエルの産卵

 サーバーへのアップロードがうまくいかず、ホームページがしばらく表示されなくなっていました。昨日やっと回復しましたが、心配してくださった方もおられたと思います。ご心配をおかけしました。また、よろしくお願いいたします。さて、一昨日は冷たい雨。昨日は暖かくなって、昼頃からアカガエルの賑やかな鳴き声。急いで田んぼビオトープへ見に行きました。たくさんのアカガエルが激しく動き回っていました。鳴のうを膨らませて鳴くオス(写真左)。たくさんの卵塊のそばで包接するアカガエル(写真右の中央。オスの下にメスがいますがわかりにくいです)。昨日の産卵はヤマアカガエル25、ニホンアカガエル23卵塊でした。(Y)

2022年2月27日(日)
アカガエルの新たな産卵

 夜の間に少し雨が降って、日中は暖かく穏やかなお天気。午後2時半頃、田んぼビオトープの方からアカガエルの鳴き声がしたので急いで行ってみました。カエルの鳴き声は止んでいましたが、新たに2卵塊を見つけました。2月14日に10個、15日に2個の卵塊を見つけましたが、その後の産卵は途絶えていて、久々の産卵です。左の写真は今日産卵された卵塊の1個。手ですくうと、コロンと両手に収まりました(写真右)。産卵のピークが待ち遠しいです。雨で産卵のスイッチが入るので、早く暖かい雨降らないかな…。(Y)

2022年2月26日(土)
明るい日差しの中で

 今日は久しぶりの明るい日差しで暖かかったので、双眼鏡とカメラを持って近くを散歩。ヤマガラがアカマツの実を上手に取り出していました(写真左)、他にもエナガ、ミヤマホオジロ、アオジ、ツグミ、シロハラ、トラツグミ、モズ、ノスリなど合計17種の野鳥を見ることができました。また、道路際に植えられたカシワバアジサイの冬芽(写真右)も面白かったです。同じアジサイ科でもアジサイやガクアジサイの冬芽(2月5日の当欄)とは違い、埴輪のような形をしています。(Y)

2022年2月25日(金)
最低気温−6.5℃

 今日の最低気温は−6.5℃。この冬一番の冷え込みでした。10時頃まで給湯器は水しか出ないし、水を入れて庭に置いていたペットボトルは底まで全体が凍ってしまいました(写真左)。それでも昼間は久しぶりに8℃まで気温が上がってホッと一息。田んぼビオトープではアカガエルの産卵はありませんでしたが、1月15日に今シーズン初めて見つけたセトウチサンショウウオの卵のう(1月15日の当欄)は40日経った今日、順調に発生が進んでいました(写真右)。もうすぐ卵のうの中で幼生になります。(Y)

2022年2月24日(木)
薪ストーブ

 地元のIさんが声をかけてくださって、薪作りのための原木をいただきに行きました。家の周辺で大きくなって邪魔になった木を伐採したということで、軽トラに積みやすい長さに玉切りされていてとても助かりました(写真左)。今の時期に作った薪は夏の強烈な日差しを浴びて乾燥し、来シーズンの薪になります。あと必要な物は焚き付け用の柴(しば)。「お爺さんは山へ柴刈りに」の柴です。昔は「芝刈り」と思っていて、変な気がしていたのですが芝ではなく柴で、雑木の枝などのことです。細い柴(写真右)は焚き付け用にとても役立ちます。雑木林には意外なほどたくさんの枯れ落ちた小枝が落ちていて、放置すると山が荒れてしまいます。かつての「柴刈り」は雑木林をきれいにすることでもあったのでしょう。そう考えると、薪ストーブは環境に負荷をかけない究極の再生可能エネルギー利用だと思います。(Y)

2022年2月23日(水)
春の兆し

 畑で菜の花(写真左)やスイセンが、庭ではフクジュソウ(写真右)が咲き始めました。田んぼビオトープでは2羽のセグロセキレイが脚を水に浸けて餌探し、林ではエナガが15羽ほどの群れで元気に動き回っていました。厳しい寒さは続いていますが、生きものたちは明るい日差しに春の訪れを感じているのでしょうか。例年にも増して、暖かい春を待ち望む今日この頃です。(Y)

2022年2月21日(月)
春よ来い

 今日も雪(写真左)。今年の冬はよく雪が降ります。積雪はせいぜい5cmほどですが、ここ数日の気温は札幌とあまり変わりません。でも、北海道や本州日本海側の大雪のニュースを見るたび胸が痛みます。早く暖かい春が来てほしいと祈るような思いです。右の写真はパソコン机から見える南側の風景。ここはすぐ近くで野鳥の観察ができるのです。昨日はエナガが群れでやって来て、窓ガラスのすぐ外の物干しフックを伝いながら移動。また、窓の下にある薪置き場の木枠にはきれいな色のジョウビタキ。日々自然と触れ合える幸せを感じます。(Y)

2022年2月20日(日)
春よ来い

 最低気温−2℃、最高気温+2℃。今日も寒い一日でした。昨日は二十四節気の雨水(うすい)。暦の上では雪が雨に変わり、草木が芽吹き始める時季。鳥取県の米子水鳥公園では昨日、コハクチョウの第一陣が北の繁殖地に向けて旅立ったそうです。それにしても、このところの寒さはいつまで続く?人も動物も暖かい春が待ち遠しいです。左の写真は、暖かい日に泥を上げて土手を高くした田んぼビオトープ。右は作業中、泥の中から出てきたニホンアカガエルのメス。アカガエルの産卵も寒さでストップしたままです。(Y)

2022年2月19日(土)
雪の日の草焼き

 天気予報は、お昼過ぎから雨または雪。朝は風が全く無くて絶好の草焼き日和。冷え込みは厳しいけど、この時期は仕方なし。軽トラに熊手や水タンクを積んで急いで田んぼに行きました。着いたらもう雪がチラチラ。これぐらいなら適度なお湿りで却って安全です。早速作業開始。少しずつ草をずらしながら焼くと、帯状の焼け跡ができます(写真左)。火が広がることもないので散水も必要なく、いい具合です。でも程なく雪が本降りになって、もう限界(写真右)。1時間ほどで作業を終えました。雪は午後から雨に変わりました。積雪は少なくすんでよかったですが、雪の降り始めがもう少し遅かったら、この田1枚すっかりきれいにできたのに…。(Y)

2022年2月17日(木)
雪の日

 月曜日の穏やかなお天気とは打って変わって、この冬一番級の寒さ。昨日は最低気温−3℃、最高気温+3℃、そして今日は最低気温−6℃、最高気温+0.5℃。雪も降って縮み上がるような寒さです。こんな日は何もできないので気分転換も兼ねて街へ買い物に。帰宅してから撮ったままになっている冬芽の写真を整理しました。左はサクランボの、右はイチョウの冬芽。何とも個性的な冬芽たち。春までもう少し…。(Y)

2022年2月15日(火)
草焼きをしながら

 今日は午前中風がなかったので、休耕田2枚の刈草を焼きました(写真左)。ここはヒマワリを植えていたところです(2021年9月6日の当欄)。以前は草を山のように積んで焼いていましたが、火が大きくなりすぎて危ないので、今は草を少しずつ帯状に焼いています。これだと火が大きくならないし、耕運機で耕す時も灰が満遍なく土に混ざり栄養がいきわたります。すぐそばの畑では、秋にタネを蒔いたレンゲソウが元気に育ち、寒さのピークを乗り越えました(写真右)。花の時期が楽しみです。(Y)

2022年2月14日(月)
アカガエルの産卵

 春は3段階でやって来るそうです。日差しが明るくなる「光の春」、雪解けが進む「音の春」、暖かくなる「気温の春」。昨日は終日冷たい雨でしたが、今日は一転、日差しの心地よい「光の春」となりました。生きものたちの活動も活発になってきました。キジやコジュケイの鳴き声。シジュウカラの巣箱探し、そして田んぼビオトープでは昼間から盛んにアカガエルの鳴き声が。そっと近づいて見ると、たくさんのアカガエルが集まって「蛙合戦」の真っ最中(写真左)。激しく水面が波立ちます。そして今シーズン初めての卵塊確認(写真右)。10個見つけました。いよいよ今年もアカガエルの産卵が始まりました。(Y)

2022年2月12日(土)
ベニシジミ幼虫

 スイバの葉の食痕(写真左)。裏返してみたら小さな虫がいました。ベニシジミの幼虫です(写真右。体長7〜8mm)。幼虫の実物を見るのは初めて。ベニシジミは食草のスイバなどの根元で幼虫越冬します。幼虫は気温10℃以上の暖かい日には葉を食べに出てきます。葉肉だけを食べるのでこのような食痕になります。実際にスイバにいる幼虫を見て、食草と昆虫について感慨深いものがありました。知識を持っているだけでは気付かないことがいっぱいあります。しっかりと自然を見ることは大切だと改めて実感しました.(Y)

2022年2月11日(金)
セトウチサンショウウオ2つ目の卵のう

 今日も暖かいお天気。アカガエルの卵塊探しに行きましたが、まだ産卵は始まっていないようです。仕方がないので、一番下の田んぼビオトープの泥を上げて土手を高くする作業をしました。土手が低いと少しの雨でも水はすぐに土手を越えて、孵化したアカガエルの幼生が出てしまうのです。作業中にセトウチサンショウウオの今シーズン2つ目の卵のうを見つけました(写真左)。また、そこから1mほどのところにはメスの成体がいました(写真右)。明後日は雨予報。久々の雨でアカガエルもサンショウウオも産卵ラッシュになるといいな。(Y)

2022年2月9日(水)
鳥類調査

 昨日に続いて、風のない暖かく穏やかなお天気。「環境省モニタリングサイト1000・里地」鳥類調査5,6回目をしました。これで今シーズンの越冬期調査は終了です。確認したのは、オオタカ、ノスリ、モズ、メジロ(写真左)、ヒヨドリ(写真右)など21種。ちょっとビックリはフクロウ!調査コースの防獣柵に止まっていて、間近で見ることができました。昨年、Tさんのお宅の裏山で繁殖していた様子のフクロウ。今年もオスとメスの鳴き交わしが楽しみです。フクロウの写真はトップページの「季節の1コマ」に。(Y)

2022年2月8日(火)
草焼き日和

 今日は最低気温−1.5℃、最高気温+10℃。風もなく久しぶりの暖かいお天気。絶好の草焼き日和で、ため池の堤防に集めていた草を焼きました(写真左)。作業の途中に現れたのは茶褐色の体、鼻筋と目の周りが黒いニホンイタチ。写真は撮れなかったけど、しっかりと特徴を見ることができました。右の写真は作業を終えてスッキリときれいになった堤防です。(Y)

2022年2月6日(日)
厳寒の日は

 今日の最低気温−4℃、最高気温+1.5℃。一日中雪が降ったり止んだりで冷たい風が吹き抜けます。こんな日は外の作業は諦めて、普段は手抜きばかりの家事をほんの少し丁寧にしたり、たまっている写真の整理をしたりします。さて、これは天気が良かった2月1日のこと。暖かく明るい日差しにやる気が出て、久しぶりに鎌で草刈り。およそ7m四方のチガヤ群落で、カヤネズミの繁殖期が終わるまで刈らずにおいていたものです(写真左)。1時間もあれば終わると思って始めましたが、そんな甘いものではなく、1時間半かかってやっと半分。秋の繁殖巣と思われる巣が2個ありました(写真右。2個のうちの1個)。刈り残しておいてよかったです。(Y)

2022年2月5日(土)
孫とお爺さん

 ガクアジサイの冬芽です。左の写真はよだれかけをした可愛い孫、右は白い眉毛と白いひげのお爺さん…に見えませんか?左の写真は1月31日、右は2月4日に撮影したものです。同じ冬芽ではありませんが、孫の帽子のように見える赤紫の部分がはがれ落ちると、右のお爺さん顔になります。毎日観察していると、冬芽の形も様子も日々変化するのがわかります。畑の隅にある3本のガクアジサイは手入れが行き届かなくてすぐに藪状態に。この冬にすべて切ってしまうつもりでした。でもよく見ると3株ともたくさんの冬芽…。ちゃんと手入れして育てます!(Y)

2022年2月4日(金)
冬芽探し

 昨日は節分で今日は立春。暦の上では春とはいえ、最低気温は−4℃、最高気温7℃の寒い一日でした。それでも時折出る明るい日差しに誘われて冬芽探し。左の写真はサンゴジュの、右はネジキの冬芽。冬芽は夏から秋に作られるそうですが、これから冬芽がどのように変化して葉や花になっていくのか…。知りたい気持ちが溢れてきます。(Y)

2022年2月3日(木)
冬芽

 左の写真は朝倉ザンショウの冬芽。1月3日の当欄で紹介した朝倉ザンショウの冬芽は「両手を広げたお兄さん」という感じで今回のとは全く違った形です。冬芽には、春になって葉が出てくるもの、花が咲くもの、枝になるものといろいろあって、同じ樹種でも様々な形をしています。右の写真はクサギの冬芽。みんないろんな仕組みで寒さや乾燥から芽を守り、芽吹きの春を待っています。(Y)

2022年2月2日(水)
苦戦

 今日は私たちの管理地で、草刈りをしたままにしていた刈草を集めました。その休耕田は防獣柵があるために自由に出入りできません。それで、刈草をガーデンバケツに入るだけ詰め込んで柵の上から「よいしょ」と外に出します。すべて出し終えたら防獣柵の外に草の山(写真右)。それをまたほかの場所に運んで、苦戦した今日の作業はようやく終了。今月中の風のない日に安全な場所で焼きます。それにしても、防獣柵は必要だけど人間にとっても厄介です。(Y)

2022年1月31日(月)
アカガエルの産卵を待つ

 今日は最後に残っていた、一番下の田んぼビオトープの泥上げをしました。泥の中から現れたのは大きなお腹をしたニホンアカガエルのメス(写真左)。暖かい雨が降れば、一気に産卵が始まりそうです。水が溢れて孵化した幼生が流されないように、土手を高くしておかないといけません。アカガエルの産卵に影響が出ないようにと気にしつつの作業です。右の写真は今の田んぼビオトープ。写真ではわかりませんが、あと4か所水が溜まっています。(Y)

2022年1月29日(土)
ふゆめ がっしょうだん

 「みんなは みんなは きのめだよ はるに なれば はが でて はなが さく パッパッパッパッ…」 写真絵本「ふゆめ がっしょうだん」(福音館書店)の一節です。冬芽の面白さと長 新太さんのリズミカルな文章に惹き付けられて幼い娘たちと楽しみました。もう30年以上前のこと。最近になって、身近なところに魅力的な冬芽がたくさんあることに気づきました(12月30日1月24日の当欄)。冬芽は冬越しをしている芽のこと。冬の寒さや乾燥から芽を守るためにさまざまな仕組みを持っています。写真は左がガクアジサイの、右がクズの冬芽。今、冬芽に夢中です。(Y)

2022年1月28日(金)
セトウチサンショウウオの卵のう(その後)

 1月15日に田んぼビオトープで見つけたセトウチサンショウウオの卵のう(2022年1月15日の当欄)。12日後の1月27日に再度見に行きました(写真左)。卵のうは水を含んでふっくら。中の卵は発生が進んでいて、神経胚でしょうか。昨季までは見つけた卵のうは、かなり発生が進んだものばかりだった気がします。これから卵がどのように変化するか楽しみ。右の写真の植物は卵のうが付けられていたコウガイゼキショウ(イグサ科)です。(Y)

2022年1月27日(木)
セミの産卵痕

 昨日、左の写真のようなリョウブの小枝を見つけました。それが何かわからなかったので枝を持ち帰り、もっと近くから撮影しました(写真右)。小さい穴とささくれ立った木の繊維が規則正しく並んでいます。どうやらこれはセミが産卵管を突き立てた痕。セミはその穴に卵を1つずつ産むそうです。夏の終わりに産卵された卵は、翌年の初夏に孵化して地中に潜り、長い地中生活を経て成虫になります。小枝は飼育ケースに入れました。ちゃんと管理して、できればセミの孵化を見たいと思います。産卵したのはニイニイゼミかな。(Y)

2022年1月24日(月)
冬芽と葉痕

 左の写真は高さ約1mのイヌザンショウ、右は高さ50cmほどのカラスザンショウ幼木の冬芽と葉痕です。どちらも同じミカン科ですが、カラスザンショウの方は大きく成長して葉も大きくなります(2021年9月22日の当欄)。大きくなったカラスザンショウの葉痕を見てみたい気がしますが、高くて見ることができません。それにしても、カラスザンショウの幼木の棘はなんてカラフル。初めて気づきました。(Y)

2022年1月23日(日)
田んぼビオトープ1

 2013年に1枚の休耕田をお借りしました(写真左、2013年4月25日)。排水の良くない田だったそうで、この写真の時もぬかるみの状態。主に生えている水草は「イ」。水草を抜いていたら少しずつ水が溜まり始めたので、ここを「田んぼビオトープ1」と名付けました。当時、米作りをやめた棚田の一部ではナタネ栽培が行われていて、春のきれいな風景が広がっていました。右の写真は今日のほぼ同じ場所。冬枯れの風景ですが、水草がかなり取り除かれて水面が広がっています。ここを含めてビオトープは4枚に。もうすぐアカガエルの産卵が始まります。(Y)

2022年1月21日(金)
再生可能エネルギー

 津山市の標高約1000mの五輪原高原に、高さ約120m、幅110mの風力発電機16基が建設されます。県内最大級の風力発電事業だそうです。すでに昨年の10月に着工され、2024年6月に発電開始予定。確かに風力発電は再生可能エネルギーですが、設置場所造成やアクセス道路建設には大規模な伐採や土木工事を伴います。そして発電機の設置場所は渡り鳥の通過コースでもあります。再生可能エネルギーを作るために今ある豊かな自然環境を壊す?違和感を覚えるのは私だけではないはず。太陽光パネルが増え続けている里山地域(写真左)もこれでいいのでしょうか?このようなことについては、事業者任せにせず、自然保護の立場に立った規制強化が必要だと考えます。写真右は我が家の薪ストーブ。主に敷地内の大きくなった木を伐採して薪を作っています。ささやかながら自分たちができる再生可能エネルギー利用です。節電も心がけてはいますが、一方で「再生可能エネルギー生産」を免罪符とした大規模な自然破壊が許されるとしたら…。何やらむなしいです。(Y)

2022年1月20日(木)
雪の日

 今日は二十四節季の大寒。その通りの寒さとなって、今朝も雪景色(写真左)。あまりの寒さで外の作業ができないし、今日は別の話題を。お世話になってきた自動車整備工場経営のTさんのこと。Tさんが長年やってこられたお店を昨年末で閉じられました。12月に行ったときに「旭の里山・生きもの写真集」と少しばかりお礼の品をお渡しました。その時にいただいたのがTさんが作った木彫りのカエルの置物。以前にもいただいた(2020年4月9日の当欄)のですが、今回のバーベルはドングリ。Tさんは蛙と筋トレが好きなんだそうです。なるほど!それにしても素晴らしい作品。宝物がまた一つ増えました。(Y)

2022年1月16日(日)
鳥類調査

 数日前から昼間でも5℃以下という厳しい寒さが続いていました。予報では土・日と少し和らぎ、その後また冬型気圧配置になるらしい。貴重な2日間です。昨日は田んぼビオトープの水草取りをしたので、今日は鳥類調査。ところが予報と違って雲が取れず肌寒い。鳥は種類も数も少なくて、確認できたのはカケス、セグロセキレイ、カシラダカなど16種。ちょっと寂しい結果になりました。左の写真はシロハラ。ツグミやヒヨドリとともにヤマウルシの実を食べていました。右はアオジ(メス)。地上で落ち葉を跳ねのけて熱心に餌探し。(Y)

2022年1月15日(土)
セトウチサンショウウオの産卵

 久しぶりの暖かくいいお天気。田んぼビオトープの水草取りをしました。今日はいつものマコモではなく、チゴザサ(イネ科)やコウガイゼキショウ(イグサ科)などの低い草。作業中に今シーズン初めてのセトウチサンショウウオの卵のうを見つけました(写真左)。中の卵がきれいな丸い形。産卵されて間がないようです。同じ田んぼビオトープの少し離れた場所では、ニホンアカガエルのメス(写真右)。お腹が卵で膨らんでいました。泥を落として撮影したかったけど、きれいな水がなかったので泥だらけのカエルです。(Y)

2022年1月13日(木)
アカガエルの産卵間近

 今日は最低気温が−3℃、最高気温は+2℃でした。朝日が差してきたと思ったら急に雪が降り出して、あっという間に銀世界(写真左)。このところ厳しい寒さが続いて、外の作業ができません。それでも少し寒さが緩んだ日に、夫が田んぼビオトープの水草を取り除いて開放水面を広げてくれました(写真右。1月10日)。作業完了まであと少し。寒い日が続いたあと、ふっと緩んで暖かい雨が降るとアカガエルの産卵が始まります。例年なら1月末頃から。今年は少し早いかもしれません。空模様を見ながら、ちょっと焦る気持ちのこの頃です。(Y)

2022年1月11日(火)
冬のクモ類

 田んぼビオトープで作業していると、たくさんの小さなクモに出会います(写真左・右)。体長は数mmから1cm以下。小さなクモも写真を撮って拡大するといろんな特徴がよくわかり、多くの種類がいることに気付きます。この日の作業中にクモ類以外で見つけたのは、アワフキの仲間、ナメクジ(体長約5cm、幅1.5cmほどの大きなもの)など。真冬でも水の中や水辺では意外とたくさんの生き物が活動しています。(Y)

2022年1月9日(日)
マコモ取りとカワセミ

 今日もわりと暖かかったので、田んぼビオトープのマコモ取りをしました。今は枯れたようになっていますが(写真左)、今のうちに根を取っておかないと夏には水面を覆いつくすほどになってしまいます。アカガエルやセトウチサンショウウオの産卵まであと20日ほどでしょうか。それまでに終えたいので、ちょっと気がせきます。今日は水中で動いているのはメダカだけ。でもふと見上げたら電線にきれいなカワセミが止まっていました。今日の作業のご褒美かな。右の写真は近くのため池に来たカワセミで(2019年4月4日撮影)、画像がよくありませんが今日は撮れなかったので…。(Y)

2022年1月8日(土)
セトウチサンショウウオ

 朝は−4.5℃まで冷え込みましたが、昼近くなると日差しが暖かくいいお天気。午後から田んぼビオトープの水草取りに行きました。現れた生きものたちは、オオコオイムシマツモムシ、小型のガムシ、小さなクモ類が多数。さらにうれしいことに、セトウチサンショウウオのオスを見つけました(写真左)。早くもやってきて、メスが来るのを待っているようです。泥や水草はオスの隠れ場所です。水草を一部残してこの田んぼビオトープでの作業を終了しました(写真右)。作業はまだ3か所残っています。産卵までに何とかなりそう…かな。(Y)

2022年1月7日(金)
ユズ仕事

 11月にTさんのお宅で収穫させてもらったユズ(2021年11月12日の当欄)のこと。まずは果汁を絞って冷蔵庫に保管しました。こうしておけばすぐにポン酢を作ることができます。また、ユズ茶とジャムも作りました。残りのユズは最近ようやく続きの作業を。おろし金で皮をおろし、果肉は絞って果汁を保存。おろした皮はパックに入れて冷凍保存(写真左・右)。これでユズ味噌も簡単です。ヤレヤレ、今年もユズ仕事無事終了です。大変だけどやめられない。これからちょっと贅沢にユズをいただきます。(Y)

2022年1月6日(木)
セイタカアワダチソウ

 セイタカアワダチソウは北アメリカ原産の帰化植物。茎は2.5m以上になることもあります。刈っても刈っても寒さが厳しくなる頃まで出てきて(写真左。高さ約15cm。2021年12月19日)、地下茎に栄養をため込みます。根や地下茎からは他の植物が嫌う化学物質を出して、他の植物の成長を阻害するということです。そのような植物が増えると在来の植物を圧迫するので、見つけたら刈ったり根や地下茎を引き抜いたりします。でも、先日は残った地下茎から3cmほどの芽が出ているのを見つけました(写真右)。外来生物法で「要注意外来生物」に指定されている逞しく悩ましい植物です。(Y)

2022年1月5日(水)
アカマツの新芽

 庭に高さ1mほどの自生のアカマツがあります。その新芽をよく見ていたら、もう若い葉が出ているものがありました(写真左)。また、去年できた若い球果(松ぼっくり)を一つ見つけました(写真右)。球果は1年半をかけて成長し、今年の秋に種を作ります。何気なく見ていた松ぼっくりですが、この新芽がどんな風に成長し雄花や雌花を咲かせ球果ができるのかを知りたくなりました。今年は一年間じっくりと観察したいと思います。(Y)

2022年1月4日(火)
初仕事

 今日は私たちも今年の初仕事。田んぼビオトープの水草取りをしました。泥の中からたくさんのコガムシ(写真左)やガムシオオコオイムシなどが出てくるし、水面には多数の小さなクモもいて厳寒期でも生き物は見られます。ところで、12月に中山間地保全事業の方々と一緒に草刈りをしました。その折にこの場所に初めて来られた方が、上の方から田んぼビオトープ(写真右)を見てあれは何をしているのか?と尋ねられました。説明すると、とても良い試みだ、子どもたちがたくさん見に来たらいいなと言ってくださいました。長年農業をされている方にも新鮮な風景だったようです。田んぼビオトープに関心を持ってくれたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。(Y)

2022年1月3日(月)
明けましておめでとうございます

 早いもので、今日は3日。左の写真は夫が作ったミニ門松です。右は朝倉ザンショウの冬芽と葉痕。この葉痕はちょっと「強面のお兄さん」って感じで面白かったので載せました。今年もよろしくお願いします。(Y)

※今年から新しいページにしました。

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