2024年12月3日(火)
与那国島のこと

 新聞に、日本最西端に位置する与那国島で酪農をする人のことが載っていました。島は台湾から110キロほど。戦前から台湾との交流が盛んでしたが、戦後密貿易の取り締まりで交流は途絶え、島は活気を失います。代わりに自衛隊の駐屯基地が置かれ、増強が進む。酪農家の言う「守るべきは、人が住み、自立した産業がある島の暮らしではないか」の言葉が心に響きました。日本全国で与那国島と同じような状況があるのでは…。左の写真はスミレ、右はコバネイナゴ。自然が守られるのは平和であってこそです。(Y)

2024年12月1日(日)
エントツドロバチの巣

 今日から師走。畑のミツバもウマノスズクサもまだ緑色を保っています。やはり暖かいのですね。さて、夏の間干したままにしていた冬用手袋の中にエントツドロバチの巣を発見(写真左)。ピンセットで挟んでそーっと出してみようと思いましたが、しっかり張り付いていて取り出せません。仕方がないので、巣を壊さないようにハサミで手袋を少しずつ切りました(写真右)。エントツドロバチは竹筒などの隙間に泥の巣を作ります。手袋の小指と薬指の部分の隙間を使ってうまく巣作りしたものです。手袋はダメにされたけど、母バチのこの仕事には驚き、感動しました。泥の筒の中には蛹があるはず。うっかり壊してしまわないように巣を手袋ごと飼育箱に入れました。来春の羽化が楽しみです。7月15日の当欄に竹筒に作った巣の写真があります。竹筒の中でも泥で壁を作っているのでしょうか。古い巣で確かめてみようと思います。(Y)

2024年11月30日(土)
柚子仕事(その1)

 柿をいただいたTさんのお宅に、今日は柚子をいただきに行きました。高い所にはきれいな実がたくさん(写真左)。ところが、下の方にはほとんど実が生らず、あっても右の写真のようなものばかり。強い日射で日焼けしたものでしょうか。今年は梅も梨も日焼けして収量が少なかったそうです。やはり猛暑がこたえたのでしょう。貴重な柚子をポン酢、柚子味噌、ジャム、柚子茶等に…柚子仕事が始まります。(Y)

2024年11月29日(金)
様々なクモ(その2)

 左の写真はハナグモ(カニグモ科)、右はサツマノミダマシ(コガネグモ科)。クモ類は腹部背面の色や模様の変異が多く、種名を突き止めるのに苦労します。だから名前がわかった時はとてもうれしい。ハナグモは網を作らず、花や葉の上で静止して獲物を待ちます。体の先端部に単眼と呼ばれる小さな眼が8個も。 サツマノミダマシは緑色の美しいクモです。奇妙な名ですが、ハゼ(ヤマハゼに近い樹木)の実を「薩摩の実」と呼ぶことがあり、それに似ているからということです。本種は造網性。網にかかった獲物を捕えます。(Y)

2024年11月28日(木)
様々なクモ(その1)

 今日は時折冷たい雨の降る寒い一日。思い立って「つやま自然のふしぎ館」に行きました。世界の珍しい哺乳類や鳥類の剥製(希少種や動物園でも見たことがない珍しい種も多数)を中心に昆虫類、貝類など展示総数は約2万点。すべてが剥製や標本ですが、大迫力で迫ってきます。津山に素晴らしい自然史博物館があることを知りました。さて、身近にも様々な不思議な生物がいます。今回はクモ。左の写真はクリチャササグモ。顔のように見えるのは腹部背面の模様です。右はフノジグモ。腹部の模様が「不」のように見えることから名付けられたそうです。(Y)

2024年11月26日(火)
アマゾンの干ばつ

 熱帯雨林で覆われているはずのアマゾンが大干ばつとのこと。驚きました。アマゾン川の水位が低下し、一部では河床が干上がって河底を人が歩いています。世界最大の熱帯雨林を有するブラジルでの干ばつ.…主な原因は、温暖化と過度な森林伐採だそうです。森林伐採は農地開発のため。肉牛生産の酪農や大豆の大規模栽培が行われ、大豆の主な輸出国の一つは日本とか。干ばつの原因は日本も無縁ではありません。日本人も環境や食料自給について真剣に考えるべき時…。左の写真は耕作放棄棚田の草刈り、右は田んぼビオトープの水草取り。環境が良くなるように、ささやかでも汗を流そうと思います。(Y)

2024年11月25日(月)
ミノウスバ(マダラガ科)

 春にマユミの木にミノウスバ幼虫(写真左)が大発生。展開したばかりの新葉が見事に食べつくされました。そして秋には多数のミノウスバ成虫が産卵に。来春、また幼虫が大発生するのかな…。成虫を眺めていると、丸坊主にされたはずのマユミにたくさんの葉があることに気付きました。丸坊主にされても回復するのだ。ホッとしましたが、考えると今年は花が全く咲かなかった…。やはりマユミには相当なダメージだったようです。右の写真は、マユミの木で争うオスのミノウスバ。腹部の先端に毛束があります。さまざまな生物とそれぞれの特徴。面白い生物の世界です。(Y)

2024年11月23日(土)
シロハラ、窓ガラスで激突死(その2)

 シロハラは中国東北部やロシア沿海州で繁殖し、越冬のために日本に渡来する冬鳥。我が家の庭にはシロハラ以外にもいろいろな冬鳥がやってきます。窓ガラスがあるとそれに写り込んだ木々や空に惑わされて鳥がぶつかる心配があります。それを防ぐためにレースのカーテンを窓の外側につけますが今季はまだでした。それにしても、屋根があり、布団干しなども置いてあるややこしい所(写真左)に猛スピードで飛び込んできたというのはちょっと理解できません。そういえば、昨日近くでハイタカが他の鳥を襲ったのか?と思われる場面に遭遇しました。想像ですが、渡って来たばかりのシロハラがハイタカに襲われそうになって驚いて逃げてこうなったのではないかと思います。体長約25cmのきれいなオスでした(写真右)。とても残念です。(Y)

2024年11月23日(土)
シロハラ、窓ガラスで激突死(その1)

 居間から外に出ると、「えっ?」と息が止まりそうな光景が目に入りました(写真左)。近づいて見ると、冬鳥のシロハラが網戸に嘴を突っ込んで死んでいました。網戸やその奥の窓ガラスまで痕がついていて、衝撃の強さがわかります(写真右)。シロハラの今季初めての確認がこんな形でとは…。例年、渡ってきたら翌年の4月末〜5月初めまで、自宅周辺で落ち葉をひっくり返して採餌しながら冬の間を過ごしていました。(Y)

2024年11月22日(金)
センブリとアキノキリンソウ

 南側の小道でセンブリ(写真左)とアキノキリンソウ(写真右)が咲きました。センブリは昨年全く咲かなかったので気になっていましたが、今年は数輪だけ開花。一昨年までと比べて随分減ってしまった…。センブリのすぐ近くにはアキノキリンソウ。こちらも今年は少なくなりました。環境を保全しながら、来年に期待したいと思います。(Y)

2024年11月21日(木)
モンシロチョウの卵と蛹

 畑のブロッコリーの葉に、モンシロチョウの卵がたくさん産み付けられていました(写真左。11月19日)。右の写真は2021年1月に耕運機に被せていたシートで見つけたモンシロチョウの蛹。場所は卵があったのと同じ畑です。20日の当欄で紹介したスジグロシロチョウとよく似た蛹ですが、違いがわかるでしょうか。色の違いは個体変異です。チョウというと今までは成虫しか思い浮かびませんでした。でも卵から飼育してじっくり観察すると、今まで気づかなかったものが見えてきます。そして羽化の時はとても感動します。(Y)

2024年11月20日(水)
スジグロシロチョウの蛹

 先日、ブッポウソウの巣箱の取り外しに行った時のこと(11月14日の当欄)。巣箱のある電柱を木登り器で3mほど登った所に小さなスジグロシロチョウの蛹がありました(写真左。大きさ約1.5cm)。このまま上がれば木登り器で潰してしまうかも。それで、蛹を留める帯糸と腹部先端の固定を外して持ち帰りました。そして紙で作った保護ポケットへ(写真右)。それにしてもあんな高い場所に…。小さな幼虫が蛹になるために食草のあった場所から3m以上移動したことに驚きました。来春、無事羽化することを祈っています。(Y)

2024年11月19日(火)
赤い実

 冬鳥のミヤマホオジロを8日に、カシラダカを16日に、それぞれ飛来を確認しました。一昨年あたりから夏鳥も冬鳥も顕著に減少。昆虫が減っているから野鳥が減るのは当たり前ですが。人間も生態系の一員。生物多様性が貧弱になり、生態系のバランスが崩れると人間も生きていけないのです。国を動かす政治家は自分のことに懸命で、未来の地球を守る意識が乏しいような気もします。左の写真はフユイチゴ、右はコバノガマズミ。輝くような赤い実に、ほんのひととき心が和みます。(Y)

2024年11月17日(日)
海洋熱波

 もう30年近く前、魚屋さんを見かけなくなりスーパーで魚を買うように。それでも魚種は豊富で、切り身のパックとともに新鮮な魚が1匹ずつ並べられて、希望に応じて調理してくれました。でも今は魚種も少なくなり、ほとんどが解凍の切り身のパック。サンマやサバが高級魚並みになり、養殖魚や外国産の魚が目立ちます。海に囲まれた日本…チリと漁獲量世界一を競っていたのはいつのこと? テレビで地球温暖化による「海洋熱波」のことを知りました。漁獲量の減少も記録的な猛暑も、頻発する豪雨災害もドカ雪も、海洋熱波による海水温の上昇や海流異変が原因だということです。政治もマスメディアも、もっと温暖化の現状とその対策を伝えてほしいです。左の写真はキタテハ、右はアキノタムラソウで眠りに就いたキタキチョウ。野生生物は淡々と今を生きています。(Y)

2024年11月15日(金)
ブッポウソウ・巣箱掃除でわかること(その2)

 巣箱掃除の時には内容物を記録しています。左の写真は今年の、右は2019年の巣箱の中の写真。内容物は、ヒナのフンと餌となる昆虫などの残骸です。フンの層1cmで1羽のヒナが巣立ったといわれます。左の写真では約2.5cmの層なので2〜3羽巣立ったと考えられますが、残骸の少なさを考えると無事巣立ったかどうかわかりません。2019年には大きなアオカナブンや小さな昆虫の残骸が多数認められます。この頃までは毎年3〜5羽巣立っていました。巣箱掃除をしていると年々その内容物が貧弱になっていき、昆虫の減少を危機感を持って感じるようになりました。(Y)

2024年11月14日(木)
ブッポウソウ・巣箱掃除でわかること(その1)

 同じ町内のE地区に架けた2つのブッポウソウの巣箱を外しに行きました。イノシシなどの獣害が多くなって、至る所に防獣柵が張り巡らされています。そのため巣箱に行きつくまでが大変になりました。高い脚立を使って防獣柵をまたぎます(写真左)。電柱に着くと、木登り器(写真右)で登って巣箱到着。例年なら中の掃除ですが、今回は中の内容物を点検してから巣箱を取り外しました。防獣柵以外にも様々な事情で維持管理が困難になったためです。この場所を利用していたブッポウソウには気の毒だけど、来年は他の場所を探してもらいます。(Y)

2024年11月13日(水)
干し柿づくり

 Tさんにいただいた愛宕柿(11月7日の当欄)。70個ほどを干し柿に(写真左)、20個ほどは渋抜きをして「あわし柿」に。柔らかくなってしまったものは壺に入れて柿酢を作ることにしました。柿をいただいた時は、忙しい時なんだけどな…とちょっと複雑でしたが、吊るした柿を見ると今年もやってよかったなと思います。昔はおばあちゃんと孫の良い仕事、良い時間だったのだろうと想像します。近い将来、柿の木も獣害を招くだけの不要なものとして伐られてしまうのでしょうか。人間は受け継がれた技も大切な時間も、食べ物さえも失ってしまうような気がします。右の写真は紅葉したトチノキと気持ちのいい秋の空です。(Y)

2024年11月12日(火)
水草取りと田んぼビオトープ

 10月中旬から始めた田んぼビオトープの水草取りは、少しずつですが進んでいます。昨日の作業中にヒルを4匹見つけました。以前にはたくさんいたヒルは、減少を感じていたものの一昨年まではそこそこいたのです。でも昨年見たのは1匹だけ。調べると、ヒルは全国的に数を減らしているとのこと。田んぼビオトープでは、ヒルの減少とともにタイコウチがいなくなり、ミズカマキリガムシ、ゲンゴロウ類などもすっかり少なくなってしまいました。「なぜ?」を考えながら、賑わう田んぼビオトープの再生を願って作業をしています。左の写真はクロゲンゴロウ、右はカメムシを食べるマツモムシ。これらも昨日の作業中に見つけました。(Y)

2024年11月11日(月)
飼育終了
飼育していたチョウの幼虫たちはとっくに越冬蛹になっています。最後まで残っていたジャコウアゲハ幼虫(写真左。10月31日撮影)。この幼虫は、自然下で約1cmになっていた段階で保護して飼育箱に入れたものです(10月19日の当欄)。暖かい昼間は屋外に出して、冷え込む夜は暖房のない屋内に入れて…。気温が下がると幼虫は食べなくなり、成長が止まってしまいます。暖かいうちに蛹にしないといけない。今までの飼育の失敗から学んだことです。その幼虫がようやく11月10日に蛹化(写真右)。多分無理だろうと思っていました。まさか11月になってもウマノスズクサが緑を保ち、幼虫が蛹まで育つとは。温暖化ということでしょうか。蛹になったのはうれしいけど、ちょっと複雑…。でも、これで幼虫はすべて蛹に。今季の飼育終了です。(Y)
2024年11月10日(日)
収穫祭

 隣の地域の収穫祭に行きました。清々しい秋晴れのお天気。大きな建物がないので、空がとても広いです(写真左)。大空を10羽以上のトビが風に乗って旋回していました。会場に着くと、まだ開始前というのに大勢の人。出店を見て回り、地元の方とお話をして、中学生が出店するスイーツのお店でラスクとコーヒーを買って一休み。男の子が一生懸命淹れてくれた本格コーヒーは、とてもおいしかったです。メダカの水槽には、朱色や光っているものなど。ひらひらとドレスを着たような黒色のメダカには驚き!(写真右)。農家の方が丹精された新鮮な野菜を買って、大満足の収穫祭でした。(Y)

2024年11月8日(金)
柿をいただきに(その2)

 柿狩りを終えてふと見ると、ジュズダマの大きな株(写真左)。子どもの頃、空地に生えていたジュズダマで首飾りを作ったことを懐かしく思い出しました。株の下の方にはクビキリギス終齢幼虫(写真右)。クビキリギスは成虫越冬なのに、この時期にまだ幼虫? 温暖化のせいかな…。それはさておき、Tさんのお宅の縁側でお茶をよばれました。寒い日でしたが、縁側はポカポカ陽気で眺めも素晴らしい。別の柿の木では、今季初見の冬鳥のツグミが柿を食べていました。縁側っていいな。とても居心地がいいです。(Y)

2024年11月7日(木)
柿をいただきに(その1)

 ご近所のTさんが声をかけて下さって、今年も柿狩りをさせてもらいました。うちの柿は猛暑のせいでしょうか、昨年に続いて今年も実がなりませんでした。Tさんのお宅では西条柿が鳥に食べられて無くなっていましたが、愛宕柿が豊作でカゴ2個分いただきました(写真左)。渋柿なので、あわし柿や干し柿にします。Tさんの庭先には、すでに干し柿が吊るされていました(写真右)。夜露を避けるための傘…いたく感心しました。(Y)

2024年11月6日(水)
オオカマキリ

 飼育箱にハラビロカマキリコカマキリ、時にはアマガエルもやってきます。飼育箱の中には来春羽化するチョウの休眠蛹が40個ほど。今日はお腹の大きなオオカマキリがやってきました(写真左)。みんな飼育箱の中が気になるのだろうな…。右の写真はオオカマキリの孵化の様子(2019年4月9日)。体長6〜7mmの小さな幼虫たち。このうちのどれだけが生き延びて成虫になったのだろう。そんなことを考えていると、目の前のオオカマキリの命が愛おしく感じられます。5月20日の当欄もご覧ください。(Y)

2024年11月5日(火)
水草取り

 夏の猛暑で田んぼビオトープの整備ができなかったので、マコモがはびこってしまいました(10月14日、その1)。ようやく涼しくなったので、水草取りを少しずつ進めています(写真左)。マコモは水や土の浄化をするので、すべて取ってしまうわけにはいきません。また、冬鳥のコガモの10羽ほどの群れが毎年飛来して滞在するので、隠れ場所など環境に変化を付けます。水草を取っていると、ミズカマキリが現れました(写真右)。整備作業中の様々な生物との出会いが楽しみです。(Y)

2024年11月4日(月)
季節の移り変わりは生物とともに

 今日は朝は濃霧、のち昼間は晴れ。11月とは思えぬ暑いほどのお天気。こんな日は田んぼビオトープの水草取りです。作業に向かう、ため池の堤防で防獣柵に絡んだクズの葉にツチイナゴがいました。よく見るとクズの葉を夢中で食べています(写真左)。本には、ツチイナゴはクズが大好きと書いてありますが、クズの葉を食べているのを見るのは初めてです。いつもクズを目の敵のように刈っていましたが、これからは少しはツチイナゴに残してあげよう…。田の畔には満開のノコンギク(写真右)。季節は確実に移り変わっていきます。(Y)

2024年11月2日(土)
大雨の後で

 昨日の午前中から降り出した雨は本降りとなって夜も降り続き、今日の午後1時頃にようやく上がりました。この辺りでは被害はなかったけど、全国的には被害が出た地域も。大雨災害が頻繁にあれば、一方で熱波で干ばつ被害が出たり、大規模な山火事が発生する国も。日本の気候変動対策(CO2排出削減など)はまだまだ遅れているそうです。最近の動きは、AI利用が進むと電気が大量に必要になるのでCO2排出のない原発推進が必要だとか…。放射性廃棄物処理方法の目処もなく、南海トラフ巨大地震が必ず来るというのに。原発を動かしたくて仕方ない人たちが大勢いるようです…。さて、雨が止んで、ため池の堤防まで散策。ため池の水は、あと30cmで堤防を越えるところでした(写真左)。右の写真は眠りに就いたナツアカネ。時間は16時17分。トンボは早寝早起きです。(Y)

2024年11月1日(金)
台風21号

 台風21号は台湾に上陸したあと温帯低気圧に変わり、北東方向に進路を変えて本州付近に停滞する秋雨前線と一体化。西・東日本の広い範囲で大雨の恐れということです。今年は今までなかったような台風の発生場所や進路です。大雨が多いのはまだ海水温が下がらないということでしょうか。さて、ヤクシソウが満開に(写真左)。右の写真は畔で見つけたフユノハナワラビ(シダ類)。年々株が増えています。季節がわからないようなお天気が続きますが、大きな災害が起こらないことを祈るばかりです。(Y)

2024年10月31日(木)
屈曲していないモンキアゲハの蛹

 フィルムケースの中で蛹になったモンキアゲハ(10月9日の当欄)。フィルムケースから出してみると、ほとんどまっすぐな形をしています(写真左。右に置いたのはモンキアゲハ他個体の羽化殻です)。モンキアゲハの蛹は大きく屈曲しているはずなのですが…(10月2日、その2)。フィルムケースが窮屈だったのかもしれません。今日、保護ポケットに入れてやりました(写真右)。少し屈曲が見られるようになりましたが通常よりは小さい。羽化の時に影響があるでしょうか。来春、無事に羽化することを願っています。(Y)

2024年10月29日(火)
やっと、秋到来!

 用事があって27日から一泊で大阪へ。大阪駅など大きな駅はもちろん、目的地最寄りの小さな駅前にも高いビルやマンションが何棟も。緑はほとんどなく、見上げた空がとても小さく見えました。これが街の発展なのかな? 豊かな自然と便利さを天秤にかけるのではなく、どちらも必要。そんな街づくりが大切だと思います。写真は旅行前に撮ったヒナバッタコカマキリです。雨が降ってようやくこの時期らしい気温になりました。昨年は秋の到来を感じることはほとんどなく、一気に冬が来た感じでした。今年は昆虫たちも穏やかに過ごせているかな。過ごしやすい秋が少しでも長く続きますように…。(Y)

2024年10月26日(土)
水草取りをしながら

 今日の最低気温は11℃、最高気温は21℃。今年21匹目のジャコウアゲハが羽化しました。20匹目と同じ4化目の羽化です(10月15日の当欄)。残念ながらこの時期に羽化しても、蛹でしか越冬できないジャコウアゲハは次世代を残すことはできません。昨年も10月は暑いくらいの日が続き、ジャコウアゲハの若齢幼虫も何とか育っていましたが11月中旬に一気に気温が下がってすべて死んでしまいました。さて、昨日は良い天気だったので田んぼビオトープの水草取り。水の中にはヤンマ系の大きなヤゴ(写真左)やツチガエルの幼生がいました。また畔の草地にはコバネイナゴ(写真右)。多くの生物との出会いを期待して水草取りは続きます。(Y)

2024年10月25日(金)
折々の花

 休耕田でリンドウが咲き始めました(写真左)。猛暑のせいか、猛暑で草刈りができなくて草に埋もれてしまったせいか、例年より小さな株。それでも花はとてもきれいです。右の写真はオミナエシ。咲き終わった大きな株のそばで、小さな株がひっそりと花を咲かせていました。(Y)

2024年10月24日(木)
夏が暑すぎたので

 今日は冬鳥ジョウビタキの飛来を確認しました。さて、年々夏の暑さが厳しくなります。左の写真はミズオオバコ、右はサイヨウシャジン。どちらも例年8〜9月に花の盛りを迎えますが、今年はそのころには花が小さくて数も少なく、ガッカリしていました。ところがミズオオバコは今頃になってたくさんのきれいな花を咲かせています。サイヨウシャジンも数は少ないですが大きくてきれいな花。植物にとっても今年の夏はよっぽど暑かったのでしょう。地球の温暖化、沸騰化を少しでも抑えるために何ができるでしょう。手遅れになる前に。気持ちが急ぎます。(Y)

2024年10月23日(水)
コガタコガネグモのメスとオス

 左の写真はコガタコガネグモ(コガネグモ科)のメス。X字形のかくれ帯(8月4日の当欄)の中心に脚を2本ずつ揃えて止まっています(脚は8本)。顔のように見えているのは腹部背面の模様。この模様は種によって違います。下にある黒い2つの点は眼。クモの眼は全部で8個あり、そのうちの2個です。右の写真の小さいクモはコガタコガネグモのオス。メスの半分ほどの大きさです。気持ち悪いと思っていたクモが、今は興味の対象。様々な姿・形・行動…いろんな生きものがいるものだと日々驚きの連続です。(Y)

2024年10月22日(火)
シュレーゲルアオガエルとアマガエル

 今日は冷たい雨が降る肌寒い一日でした。さて、身近なカエル2種のこと。左の写真はシュレーゲルアオガエル。金属製の倉庫の壁で休息をとっていました(9月7日)。右の写真はアマガエル(10月21日)。熊手を使おうとしたらアマガエルが休息中。この熊手はカエルに譲って別のを使うことにしました。どちらのカエルも四肢すべてに発達した吸盤を持ち、垂直なツルツルした壁面でも上がることができ、眠ったりもします。昼間はこんな風に休息して、夕方になると狩りに出動。身近で眺めているとどちらも愛らしい存在です。(Y)

2024年10月21日(月)
今日も水草取り

 昼間はまだ暑い日もありますが、朝晩は冷えるようになりました。外の作業がしやすくなったので、10月13日に続いて今日も水草(主にマコモ)取りです。かなり開放水面が広がりました(写真左)。生物調査をしながら、少しずつでも作業を進めます。里山地域の環境保全は、野生生物の命を助け生態系を守ることになると信じて…。また活動を継続することで次の世代、そのまた次の世代へとつながるものがあると信じて…。もうひと踏ん張りです。右の写真はため池そばの防獣柵にいたナツアカネ(メス)。真っ赤に染まったオスを撮りたかったのですが敏感で逃げられてばかり。やっと撮影できた1枚です。(Y)

2024年10月19日(土)
ジャコウアゲハ、年4化へ

 当地のジャコウアゲハは、今までは年3化です。蛹で越冬して春に羽化するのが1化目。1化目が産卵した世代が2化目。2化目が産卵した世代が3化目。そして3化目が産卵した卵は蛹になっても羽化せず休眠して越冬します。だから年に3化目まで、3回成虫が現れます。ところが年々夏が長く暑くなって、昨年あたりから年に4回成虫が見られるようになりました。左の写真は自然に育った体長約1cmの幼虫(10月17日)。これは4化目が産卵したものでしょう。今でこれぐらいだと、越冬できる蛹まではまず育ちません。でも、夕方から急に寒くなって雨も降っているので幼虫を食草ごと室内に取り込みました。食草のウマノスズクサはまだ青々としています(写真右)が、室内で与えることにします。ムリだと諦めてはいますが、いっぱい食べて早く蛹にならないかな…。温暖化は、生物の活動にも影響を及ぼすのですね。(Y)

2024年10月18日(金)
自宅周辺の生きものたち

 左の写真はツチガエル。当地に移住した10年余り前、地元の方がツチガエルは昔はたくさんいたけど今はもういないと言っていました。でもそれから数年後、休耕田で1匹のツチガエルを見つけました。そこから毎年数が増えているようで、今年はなぜか自宅玄関周りに数匹居ついています。天敵は多いですが、したたかに命をつないでいます。右はデッキの柱にいたハラビロカマキリ。産卵を控えて大きなお腹です。(Y)

2024年10月17日(木)
爽やかな秋には程遠いけど

 夕立の後のひとときの涼しさ、台風一過の爽やかな秋晴れ…そんなことがなくなって久しい。今日の最高気温は27℃、湿度も高くて蒸し暑い一日。昼間と朝晩の温度差に体がついていけません。朝の気温が低くて動けなかったのか、羽化したばかりのツチイナゴの成虫が網戸に。気温が上がるとデッキの風よけの波板に移動(写真左)。そして、どこかに飛んで行きました。自宅周辺ではヤクシソウが咲き始めました(写真右)。昼間は夏のようなお天気ですが、ツチイナゴは成虫になりヤクシソウの花が咲き…生きものたちが秋が来たことを教えてくれます。(Y)

2024年10月15日(火)
チョウの羽化を見る

 10月10日、飼育していたジャコウアゲハの今年20匹目の羽化がありました。まだ飼育箱に20個ほどある蛹は休眠して越冬、来春羽化します。ところで、10日にチョウの飼育の様子を見たいとお客様が3人来られました。羽化を見たいという強い思いも聞いていましたが、ちょっと時期が遅いし、羽化はいつあるかわからないので…。ところがジャコウアゲハが、客人が来られる当日の朝に羽化。羽化の瞬間には間に合わなかったけど、翅を伸ばした後、ふわりと飛び立つ瞬間を見ていただくことができました。ありえないけど、思いがチョウに伝わったのかと信じたいような光景でした。チョウの羽化はたくさん見てきましたが2020年8月にはモンキアゲハの羽化の一部始終を見る機会がありました。左の写真は羽化の始まり、右は始まって2分後。羽化はいつ見ても感動します。(Y)

2024年10月14日(月)
田んぼビオトープの整備(その2)

 今年はイノシシにひどく畔を荒らされました(写真左)。何度も防獣柵の補修をしましたが、獣害は収まりません。荒らされるたびに泥を上げて畔直し。毎年のことながら、今年は例年以上の被害です。右の写真は水草を取っている時に出会ったオオコオイムシ。猛暑の夏を乗り越えた生きものたちに出会うと嬉しくなります。(Y)

2024年10月14日(月)
田んぼビオトープの整備(その1)

 少し涼しくなって、5月以来の田んぼビオトープの整備を始めました。まずは水草取りから。左の写真はびっしり生えたマコモで、これはしっかり根を張るので手ごわい相手。1時間ほど頑張って、少し開放水面が広がりました(写真右)。今日はここまで。これから少しずつ進めて、アカガエルの産卵までに解放水面を大きく広げます。(Y)

2024年10月13日(日)
生きものたちの営み

 昼間は暑いですが、朝夕はめっきり過ごしやすくなって外の作業ができるようになりました。モズの高鳴きが聞こえ、コジュケイが「チョットコイ、チョットコイ」と鳴き、エナガシジュウカラヤマガラメジロなどの混群が毎日水浴びにきます。生活は不便だけど、これも幸せの一つ…。田んぼに行けば、いろんな生物の営みが見られます。左の写真は交尾中のトノサマバッタ。右はススキ株に作られたカヤネズミの巣。頑丈で大きな巣だし、緑色が残っているので少し前まで繁殖に使われたものだと思います。生きものたちは生き延びて子孫を残すことに懸命です。(Y)

2024年10月11日(金)
草刈りで見つけた生きものたち(その1)

 昼間は暑く感じる時もありますが、朝晩は涼しくなったので夕方から少しずつ草刈りをしています。草刈りの時に出会った生きものたち。左の写真は交尾中のヤマトシジミ。右は大あごが赤いクビキリギスです。クビキリギスは噛む力が強く、噛みつかれると飛び上がるほど痛いそうです。噛みつかれた状態で強く引っ張ると頭部が抜けるというのが和名の由来とか。でも危険を感じた時以外は噛みつくことは無いし、もちろん毒はありません。食性はイネ科植物の穂や若芽など。植物食傾向の強い雑食です。噛む力が強いので、大きく固い穂や種子も食べます。(Y)

2024年10月9日(水)
モンキアゲハの新たな蛹化(その2)

 それから、2本の突起が頭部の殻を押し上げるように伸びてきて、頭部の殻が外れました(写真左)。やがて前蛹の殻はすべて脱落して、無事蛹になりました(写真右)。頭部の殻を押し上げた突起は蛹の最上部に耳のような突起として残っています。耳のような突起はアゲハの蛹にもあります。何でこんなものがあるのだろうと不思議に思っていましたが、頭部の殻を外す働きをしているようです。次の機会にさらに観察しようと思います。(Y)

2024年10月9日(水)
モンキアゲハの新たな蛹化(その1)

 東京にいる娘家族に会いに行っていました。岡山と東京、遠くて疲れました。パソコンのトラブルも重なって、しばらく更新ができませんでした。旅の疲れもパソコンのトラブルも何とか回復したので本欄も再開です。さて、先日モンキアゲハの別個体が前蛹になりました。でも腹部の先端の固定が外れて、そのままでは蛹になれません。そこでティッシュペーパーを入れたフイルムケースに入れてレスキュウ(写真左)。緑色の部分は胸部で、眼のように見えるのは眼状紋と呼ばれる模様です。頭部は胸部の手前の灰褐色の部分。今回は蛹化の時の頭部の変化を細かく観察できました。見ていると前蛹の頭部がまっすぐ上に上がりました(写真右)。(Y)

2024年10月2日(水)
モンキアゲハ蛹化(その2)

 脱皮完了(写真左)。きれいな柄に見えたのは蛹の表面の模様が透けていたのです。その後体を動かして体勢を整えます。しばらくして見に行くと、体中央で90〜100度、大きく反り返るように屈曲してすっかり様相が変わり、モンキアゲハ本来の蛹の姿になっていました(写真右)。これで蛹化完了です。また1つ、生物の不思議に触れることができました。(Y)

2024年10月2日(水)
モンキアゲハ蛹化(その1)

 今夏は今までになくモンキアゲハが多数自宅周辺や畑を飛び交い、産卵もしました。ジャコウアゲハの産卵も多かったので、飼育箱はもう一杯でしたが、何とかやりくりしてモンキアゲハの方も保護・飼育しました。でも保護が遅れたためにすでに寄生されたのもいます。そんな中、飼育箱の中できれいな柄の布を巻いたようなモンキアゲハ前蛹を見つけました(写真左)。これは何?寄生?病気?  戸惑いましたが、間もなくその前蛹が震えるように動き出したので蛹になるための脱皮途中だと気づきました。体の上から脱皮していきます。皮はとても薄いです(写真右)。

2024年9月30日(月)
コカマキリとサトクダマキモドキ

 数日前から庭や畑で見られた、コサメビタキかなと思う野鳥がエゾビタキだと確認しました。本種は体長約14.5cm。小さな体ですが、シベリアやカムチャッカで繁殖し、越冬地は東南アジアの島々。長い渡りの途中で日本に立ち寄ったのです。さて、左の写真は、飼育箱の網戸にいたコカマキリ。中にいるチョウの幼虫に目を付けたのかもしれません。右はサトクダマキモドキのメスで、立てかけた合板に産卵管を差し込んで産卵しているようです。こんなシーンを見るのは初めて。夕方薄暗かったので、明日その痕跡を調べてみようと思います。愛おしくなるような生きものたちの生きざまです。(Y)

2024年9月29日(日)
秋を探しに(その2)

 ため池に通じる小道でヤマホトトギスがひっそりと咲いていました(写真左)。右はヤマハギ。赤紫の花色がとても美しい。少し作業をすると汗だくになりますが、植物が秋の到来を教えてくれました。(Y)

2024年9月29日(日)
秋を探しに(その1)

 気温はかなり下がりましたが、湿度が高いので蒸し暑く感じます。明日で9月が終わるというのに、この暑さ…。自宅の周辺で秋を探しました。まず、満開のヒガンバナ(写真左)。田んぼの畔から移植したものですが、今年はここのヒガンバナが一番きれいです。右はシオン。これも満開です。毎年この時期に吸蜜にくるスジボソヤマキチョウが姿を見せないのが心配で寂しいです。(Y)

2024年9月28日(土)
モンキアゲハ終齢幼虫

 昨日の当欄で紹介した、脱皮したばかりのモンキアゲハ終齢幼虫。食欲旺盛で、終齢になって1週間でこんなに逞しくなりました(写真左)。本種終齢幼虫の特徴は、腹部中央の褐色の斜帯(模様)が背面で途切れて交わらないことと、その下のもう1本の斜帯が側面で途切れていること、と資料にありました。たしかにそうなっています。ところが写真右の別の個体は、下部の斜帯が側面で途切れずにつながっているのです。本種だと自信が持てずにいたら、いきなり紅色の臭角を出しました。それでやっと本種だと確認。下部の褐色帯がつながっているか否かは個体変異だとわかりました。クロアゲハ幼虫の臭角も紅色ですが、もっと長いです。(Y)

2024年9月27日(金)
モンキアゲハ幼虫、4齢から5齢(終齢)へ

 畑のカラスザンショウ幼木に体長4〜5cmの大きな4齢のモンキアゲハ幼虫がいました(写真左。9月20日)。もうすぐ終齢だと思ったら、やはり次の日には終齢になっていました(写真右)。脱皮して終齢になった直後はシワシワの弱々しい感じ。これから葉をたくさん食べてさらに大きく逞しくなります。生物が身近にいると、産卵、孵化、脱皮、羽化など成長の大きな節目に出会えるのが貴重でうれしいです。(Y)

2024年9月26日(木)
ヨモギエダシャク

 カラスザンショウ幼木の葉がほとんど食べられているのに気付きました。アゲハチョウ科の幼虫がいるのかと思って見たらシャクガ科の幼虫、いわゆる尺取虫でした(写真左。体長約5cm。8月15日)。チョウやガの仲間の幼虫は基本的には胸に3対の胸脚、腹に5対の腹脚を持ちますが、シャクガ類では5対の腹脚のうち前方の3対が退化。そのため長さを測るような独特な歩き方をします。この尺取り虫、何者か知りたくて飼育することに。飼育と言っても成熟幼虫だったので、容器に少しの土と落ち葉を入れただけ。程なく落ち葉の下で蛹になって、しばらく経ったある日の夕方、気が付けば羽化していました(写真右。開張約5cm。9月8日)。個体変異が大きく、同定が難しいのですがヨモギエダシャクのようです。今まで知らなかった生物とのうれしい出会いでした。(Y)

2024年9月24日(火)
4ヶ月ぶりの草刈り

 ようやく気温も湿度も下がって、5月以来の草刈りを再開しました。夏には真夏日・猛暑日が続いて、草刈り作業が全くできないのが痛かった。どこも藪状態で草の茎も硬くなっています。刈り倒すような感じで進んでいきますが、大変な草の量。それでも暑すぎて作業ができないより、できる今がうれしい。左の写真は草刈り前、右は草刈り後です。これから少しずつ作業を進めます。(Y)

2024年9月22日(日)
命のやり取りの現場で

 昨夜から今朝にかけてのまとまった雨で、季節が入れ替わったようです。ようやく爽やかな秋になるのかな。昨日までの服装では寒くなって、暖かいのに着替えました。さて、ガレージ付近の廃材置き場でヤマカガシ(ヘビ)がツチガエルを捕らえた場面に遭遇しました(写真左、右)。逃げたツチガエルを追ってここまで来たのでしょう。カエルは昆虫を食べ、ヘビはカエルを食べる。昆虫の命はカエルに引き継がれ、さらにヘビに引き継がれます。でもカエルもヘビも必要以上に食い散らすことはありません。多様な生物が生息する環境ではバランスが保たれ、特定の種が増えすぎることも減りすぎることもないのです。振り返って、人間の世界のありように心が痛みます。(Y)

2024年9月21日(土)
アカタテハの羽化

 カラムシの葉を糸で綴って作られたアカタテハ幼虫の巣。飼育箱に入れて毎日観察していたら、9月20日アカタテハが羽化しました(写真左)。翅を開いてくれなくて、地味な翅裏しか撮影できず。その後、目を離した間に飛び立ったようです。アカタテハは成虫越冬。冬枯れの中で、地味な翅裏が姿を隠すのに役立っているのでしょう(きれいな翅表はリンクの写真をご覧ください)。本種の幼虫は次々に新しい巣を作って、中からカラムシの葉を食べて成長。そしてその中で蛹になります。主のいなくなった巣を開けるとぶら下がった羽化殻が残っていました(写真右)。(Y)

2024年9月20日(金)
ジャコウアゲハ、前蛹から蛹へ

 ジャコウアゲハ前蛹の帯糸が外れて、腹部先端の固定だけで逆さまになっていたので、うまく蛹化できるように対策をしました。ティッシュペーパーをコーン状にしてフィルムケースに入れ、その中に前蛹を正しい向きで収める(写真左)。すると翌日にはちゃんと蛹になっていました(写真右)。チョウの幼虫がいつの間にか姿も形も全く違う蛹に変わる…それが何とも不思議でしたが、当地では孵化も蛹化も羽化もその気になれば普通に見られます。それで今までの疑問も解決しました。昆虫の世界は不思議で魅力的で美しい。そして昆虫の能力にも日々驚きばかりです。(Y)

2024年9月18日(水)
アオスジアゲハ羽化

 9月16日、今年初めてアオスジアゲハが羽化(写真左)。本種は以前、自宅のコンクリート壁で蛹を発見したことがありましたが、寄生されていました。また幼虫を見つけて飼育した時も羽化に失敗(8月19日の当欄)。だから、ようやくうまくいったアオスジアゲハの羽化です。この後元気に飛び立ちました。ところで、一般的に本種は食草(クスノキ科)の葉裏で蛹になりますが(9月5日の当欄)、飼育幼虫のうち1匹だけ飼育箱の木枠で蛹になりました(写真右)。瓶挿しのクスノキが古くなっていたので、落下の危険を感じたのでしょうか? 葉裏で蛹になったものと色が違います。(Y)

2024年9月16日(月)
ジャコウアゲハ幼虫、孵化から2齢へ

 ジャコウアゲハ幼虫は孵化して1齢(写真左)、1回目の脱皮をして2齢、2回目で3齢、3回目で4齢、4回目で5齢(終齢)と脱皮のたびに成長します。終齢幼虫が成熟すると、前蛹と呼ばれる静止状態を経て幼虫最後の脱皮をして蛹になります。1齢幼虫と終齢幼虫はよくわかりますが、その間は何齢なのかよくわかりませんでした。先日たまたま脱皮中の1齢幼虫を見ることができました(写真右)。1齢幼虫から2齢幼虫へ。やっとはっきり区別できました。これから終齢までよく観察して、成長の過程を当欄で紹介したいと思います。(Y)

2024年9月14日(土)
獣害

 イノシシが頻繁に防獣柵を破って荒らしにきます。二重に張られた柵が大きく変形しています(写真左)。やぶ蚊と戦いながら大汗の補修作業。他にも弱そうな場所があって気になります。そう遠くないある地域にはサルが出没するようになったそうで心配の種は尽きません。この夏の強烈な暑さで草刈りがほとんどできなかったので、草もすごい状態。あれこれと棚田の整備が気になるけど、なかなか涼しくなってくれない。今年も昨年同様爽やかな秋は来ないのかな。カラスザンショウの幼木は早くも冬芽を作って秋の到来を教えているのに(写真右)…。(Y)

2024年9月13日(金)
ウマノスズクサ自生地にて(その3)

 カラムシにあった不思議なものはアカタテハ幼虫の巣。ヒメアカタテハと同じように吐き出した糸で葉を綴って作ったものです。飼育のために自宅に持ち帰ったら、アカタテハ幼虫が巣から出ていました(写真左)。毛がたくさん生えていますが、触っても大丈夫。毒はありません。ウマノスズクサ自生地は昨年までお米が作られ、水田の一隅に自生地がありました。コメ作りをやめてたった1年で荒れ放題です(写真右)。ここの自生地もいつまであるかな…。(Y)

2024年9月12日(木)
ウマノスズクサ自生地にて(その2)

 不思議なものは、ヒメアカタテハ幼虫がヨモギの葉を綴って作った巣でした。幼虫はその中でヨモギを食べながら生活します。葉を食べて排泄もして巣が古くなったら移動して新たな巣を作り生活します。カラムシでも不思議なものが(写真左)。この説明は次回に。ところで残念なことに、今朝ヒメアカタテハ幼虫がアマガエルに食べられました(写真右)。ここにも、食うものと食われるものとで成り立つ生きものの世界があります。(Y)

2024年9月12日(木)
ウマノスズクサ自生地にて(その1)

 我が家のウマノスズクサはあまりの猛暑で世話が十分に出来ず、雑草に負けてしまいました。それでもわずかに残った葉にジャコウアゲハの母蝶は産卵します。そんな卵や幼虫を少しでも多く越冬できる蛹まで育てたい。そんな思いで今年もウマノスズクサ自生地へ。うれしいことに自生地にはウマノスズクサがいっぱい育っています(写真左)。でも、その地にジャコウアゲハは成虫と若齢幼虫それぞれ1匹ずつしかいなかったのが気になりました。周辺にはヨモギやカラムシが群生。その中で不思議なものを見つけました(写真右)。(Y)

2024年9月10日(火)
多様な生物がいる環境(その2)

 3日後、気が付くとキイロスズメ幼虫1匹がオオカマキリに食われています(写真左)。幼虫は体が大きくても戦う武器を持たないので、オオカマキリに見つかればひとたまりもありません。また自宅の北側ではジョロウグモ(写真右)やコガタコガネグモがカメムシを捕食中。食うものと食われるものとで成り立つ生きものの世界。繁殖期のツバメは、ハエ、カ、ウンカ、シロアリなど1日に500匹ほどの昆虫を子ツバメに与えるそうです。多様な生物が生息するバランスのとれた環境では、特定の種が増えすぎることも減りすぎることもない。カマキリやクモの捕食を見て、そのような環境の大切さに思い至りました。(Y)

2024年9月10日(火)
多様な生物がいる環境(その1)

 デッキの柱に絡みつくヤマノイモの葉が例年より少ない。よく見ると、キイロスズメ(ガ類)の大きな幼虫が数匹(写真左:緑色型、写真右:褐色型)。9月5日のことです。成長すると体長10cm、幅は1〜1.5cmにもなります。いつもの年ならダイミョウセセリの幼虫が育ちますが、今年はいない。しばらくキイロスズメの幼虫を観察することにしました。(Y)

2024年9月9日(月)
ジャコウアゲハ、今年14匹目の羽化

 今年最初に産卵された卵は、確認できたすべてが寄生されて死んでしまいました。2回目の産卵はないものと思っていたら少ないながらも産卵があり、そのうちの9個の卵を飼育。7個が無事育ち、チョウになって飛んで行きました。それからは2化目か3化目かわからないほど次々と産卵。そして今日、今年14匹目の羽化がありました(写真左)。最近はマダラヤドリバエの寄生を防ぐために、卵や小さな幼虫のうちに飼育箱に保護します。また幼虫に与えるウマノスズクサの葉は寄生者の卵が付いている可能性があるので丁寧に洗ってから与えます。葉を1枚1枚、表も裏もスポンジで摺り洗い(写真右)。今できる精一杯の寄生対策ですが、効果ありです。(ハエの寄生の仕方は6月29日の、対策は8月11日の当欄にもあります)。(Y)

2024年9月8日(日)
カナヘビの瞬膜

 カナヘビやトカゲには人間にあるような「まぶた」がありません。代わりに瞬膜というものがあって乾燥や埃、強い紫外線から目を守っています。まぶたは上から下に閉じますが、瞬膜は下から上に閉じます。たまたまカナヘビを撮影したら、瞬膜を閉じている(写真左)のと開いている(写真右)のがありました。9月というのに強い日差しの日が続きます。カナヘビは瞬膜を閉じて紫外線から目を守っていたのでしょう。瞬膜を閉じていても外が見えるそうです。ちなみに、まぶたも瞬膜も持たないヘビは眼球の表面に透明の鱗があり目を守っています。当然瞬きはできません。それぞれの生物の巧みな体の仕組みに驚きと感動と…。(Y)

2024年9月5日(木)
幼虫の共食いについて

 飼育していたアオスジアゲハ幼虫がクスノキの葉裏で蛹になりました(写真左)。他の幼虫はまだ若齢のもの、前蛹(写真右)、前蛹になるために糸を繰っているものなど様々です。飼育を始めた時には幼虫は15匹はいたはず。今は蛹1、前蛹1、幼虫6の計8匹。飼育箱の中だから外敵ではない…では共食い? ネットで調べてみました。複数で飼育すると、特に幼虫の大きさに差がある場合は、大きい方が小さい方を食べることがあり、また動かない前蛹や蛹も食べられることがあるそうです。共食いはジャコウアゲハ幼虫だけと思っていましたが、本種もアゲハキアゲハにもあり、そして幼虫の密度が高くなるほどその傾向が強いと。幼虫もストレスを感じるのでしょうか。ゆったりとした数、環境で飼育することが大切…今回の学びです。(Y)

2024年9月4日(水)
気象災害と獣害と

 迷走台風は日本各地に大きな被害をもたらしました。本格的な台風シーズンはこれからなので今後も心配です。台風の大型化も迷走も日本近海の海水温の上昇が大きな要因。それは地球規模の気候変動によるもので、それは人間の活動によって引き起こされたもの。だから台風被害は自然災害ではあってももはや人災の側面も。2年続きの異常な暑さで、熱中症対策はさかんに呼びかけられていますが、根本の情報と真剣な議論・対策がもっと示されてもいいのでは? 農業は当然ながら気象に大きく影響を受け、さらに中山間地では獣害もひどい状況です。「令和の米騒動」などと言われていますが、お金を出せばコメが手に入るのは農家の方の働きがあってこそ。まもなく新米が出回るから問題は解消…ではありません。コメ不足の根本原因や農家の大変さにも思いを巡らせなければ…。左の写真は農家を悩ませるイノシシ(以前の写真です)。右はイノシシにひどく荒らされた収穫直前の田んぼ(最近の写真)。ここは高齢の方の田んぼ。気力を失っておられるだろうな…。(Y)

2024年9月3日(火)
コミスジ羽化

 9月1日に見つけた金色のコミスジの蛹。夜見たら黒くなっていて、寄生されたに違いないと諦めて翌朝確かめることに。朝起きると…コミスジが蛹の殻につかまって羽化していました(写真左)。家の中で翅が乾くまでゆっくりさせてから屋外へ。近くのヤクシソウで一休み(写真右。体長約2cm、開張約6cm)、モミジの葉でまた一休み。そうしていつの間にかいなくなりました。羽化したてのチョウは、ほれぼれするほど美しいです。それにしても、小さな蛹の中にあんなに大きなチョウがコンパクトに収まっているなんて驚きです。(Y)

2024年9月1日(日)
昆虫の不思議

 薪置き場の隙間からヤブマメの蔓が伸びて、そこに金色に光るものを見つけました。近づいて見ると、大きさ2cm弱の小さな蛹(写真左)。調べるとコミスジの蛹です。この辺では普通に見ることのできるチョウなのに、蛹を見るのは初めて。もちろん飼育します。コミスジの幼虫時代を調べると、これまた面白い。幼虫も飼育したいと思いました。また、朝倉ザンショウの葉にアゲハチョウ科の若齢幼虫がいました(写真右。体長約2cm)。皮膚が透明に近く、体の下部に気管系が透けて見えます。成長を観察したかったのに、不注意で死なせてしまいました。このような幼虫は初めて見たので、病気か何かで長く生きられなかったかもしれないけど、最後まで見届けたかった…とても残念です。(Y)

2024年8月31日(土)
輝く命

 カラスザンショウとイヌザンショウの幼木に産み付けられたアゲハチョウ科の3個の卵。飼育箱に入れて観察していたら、8月30日に一斉に孵化しました(写真左、右。3個孵化したうちの2匹の幼虫)。体長はどれも約2mm。自分が入っていた卵殻を食べています。生まれた喜びでキラキラ輝いているような幼虫たち。種類はまだわかりませんが、成長するうちに分かるでしょう。大切に育てます。今季はアゲハモンキアゲハが自宅周辺をよく飛んでいます。今日は今年初めてクロアゲハオオウラギンスジヒョウモンオオシオカラトンボを見ました。当地はまだまだ生物相が豊かです。(Y)

2024年8月29日(木)
自然災害とコメ不足と

 超大型の台風10号は、ゆっくりとした速度で進路を変えながら各地に大きな被害をもたらしています。特に宮崎県は大地震に加えて台風による大きな被害。被災された方たちのことを思うと…。今年、豪雨被害が多かった九州や東北はコメの大きな生産地。新米が出たらコメ不足は収まるというけれど、本当にそうだろうか…。自民党総裁選の候補者が国民を守るのは防衛力と経済だと言っていたけど??? さて先日、久しぶりに休耕田へ。ミソハギ(写真左)が咲き、クルマバッタも(写真右)。季節はまた一歩前へ…。コメが大切と、そのためには農家を大切にと、政治家はどうして言わないのだろう。(Y)

2024年8月27日(火)
アオスジアゲハ幼虫の成長(その1

 左の写真は幼虫を前部から見たもの。3対のトゲはかなり小さくなりました。トゲのあるのは頭部ではなく胸部で、その下にある白い毛の生えた小さい部分が頭部です。8月15日に卵を見つけて飼育。その後順調に成長し、早いものは終齢になりました(写真右)。小さな眼状紋と黄色の横帯があります。アオスジアゲハ幼虫は天敵が多いので卵や幼虫を見つけたら飼育…飼育箱には今20匹ほどの幼虫がいます。(Y)

2024年8月27日(火)
アオスジアゲハ幼虫の成長(その1)

 今年は自宅のクスノキでアオスジアゲハの産卵がありました。飼育して成長を観察することに。孵化直後はトゲや毛がいっぱい(8月16日の当欄、右の写真)。成長するにつれてトゲや毛は目立たなくなります。左の写真はもうすぐ2齢になる幼虫でしょうか。右は2齢幼虫。体の前部に3対の黒っぽいトゲ、腹部の先端に白い突起があります。トゲは柔らかいそうです。(Y)

2024年8月24日(土)
湧水(その2)

 あたりを見ると、いろんな花が咲いていました。初めて見るクサアジサイ(写真左)やヤマホトトギス(写真右)、ゲンノショウコ、キンミズヒキ、トウバナなど。葉だけでしたがイワタバコも。違う季節にもまた行きたいと思いました。(Y)

2024年8月24日(土)
湧水(その1)

 町内のそう遠くない所に湧水があることを聞いたので、早速行ってきました。苔むした山肌から滲み出したきれいな水(写真左)。「飲める」とは書いていなかったので、手を洗うだけにしました。猛暑の日中、冷たい水がとても気持ちよかったです。ここから流れ出した水が小さな川に注がれ(写真右)、旭川に合流して海へとつながります。(Y)

2024年8月22日(木)
小さな生態系

 昨日クスノキでアオスジアゲハの幼虫を探していたら、他にもいろんな生きものがいることに気づきました。コガネグモ類やサツマノミダマシ、ジョロウグモなどのクモ類、ハラビロカマキリ幼虫(写真左)、グンバイムシ類(写真右)、カメムシ類、アブラムシ類、チョウ類、ハチ類など。1本のクスノキにたくさんの生物が集まって、小さな生態系ができているようでした。食べるもの、食べられるもの…。生物は様々な生物と関わり合って生きていること、そして人間も生態系の一員であることを日々実感します。(Y)

2024年8月21日(水)
小型コガネグモ類の脱皮(その2)

 しばらくすると、後脚で万歳するような形になりました(写真左)。そして脱皮を始めてからおよそ1時間後に見に行くと、いつもの姿になり、脱皮殻は無くなっています(写真右)。暑かったけど、最後まで観察しておけばよかった。ちょっと後悔…。なお、8月4日の写真のクモと今日見つけたクモはよく似ていますが、種類が違うようです。(Y)

2024年8月21日(水)
小型コガネグモ類の脱皮(その1)

 クスノキで、また5匹アオスジアゲハ幼虫を見つけました。前に見つけて飼育しているのと合わせて9匹です。その時、母蝶がまた産卵にやってきました。今季はアオスジアゲハ幼虫の飼育が忙しくなるかな。さて、幼虫を探しているすぐそばに小型のコガネグモ類がいました(写真左。体長約1cm)。いつもはX型のかくれ帯に脚を2本ずつ揃えて止まっているのに(8月4日の当欄、右の写真)、今日はちょっと変です。もしかして脱皮? 見ていたら、およそ10分後に脱皮しました(写真右)。上が腹部で、腹部の先端から出ている糸で脱皮殻と繋がっています。(Y)

2024年8月20日(火)
コバネイナゴ

 飼育していたジャコウアゲハの9匹の幼虫は、7匹が無事羽化して飛んで行きました。残念なことに、残りの2匹は1匹がハチに、もう1匹はハエに寄生されていました。それでも、一つ前の世代は確認できていた幼虫のすべてが寄生されていたので、それを思えばよかったかな。さて、今日は今年初めてコバネイナゴ成虫を見ました(写真左)。当地にはよく似たコバネイナゴハネナガイナゴがいます。一昨年から右の写真がイナゴの幼虫だとわかるようになりました。でも、コバネかハネナガかはわかりません。幼虫を見たら成虫がわかるようになりたい。もう少し幼虫にこだわって観察したいと思います。(Y)

2024年8月19日(月)
アオスジアゲハ幼虫の飼育

 アオスジアゲハ幼虫が新たに2匹孵化。幼虫は16日に孵化したものも含めて4匹になりました。おかしいな、見つけた卵は3個だったのに…きっと見落としたのでしょう。本種の幼虫は以前に1匹飼育したことがありますが、その時は残念ながら羽化不全でした(写真左。後ろの翅が伸びていません))。幼虫を4匹も飼育するのは初めて。母蝶が玄関わきのクスノキに4個も産卵したことがうれしいです。右の写真は16日に孵化した幼虫の今日の姿(体長5〜6mm)。孵化直後はトゲトゲの幼虫だったのに、たった3日で見違えるように(8月16日の本欄もご覧ください)。これからの成長が楽しみです。(Y)

2024年8月18日(日)
生きものたちの日常

 左の写真はオンブバッタ幼虫。終齢かな? フキの葉を一心不乱(?)に食べています。右は交尾中のフキバッタ。上に乗っている小さい個体がオスです。昆虫には感情はないと言われますが、じっと観察していると、うれしいとか、怖いとか、おいしいとか、ヒトとは違うかもしれませんが感情があるような気がします。生きるために懸命に食べるとか、子孫を残すために一生懸命だとか…。でもオンブバッタもフキバッタもどことなくユーモラス。身近にいろんな生物がいるって素晴らしいとおもいませんか。(Y)

2024年8月17日(土)
一刻も早い気候変動対策を!

 関東・東北方面は大型台風による豪雨や強風で大変な被害を受けているのに、関西方面は雨が降らずカラッカラの強烈な残暑。気象災害は年々ひどくなります。毎年河川が氾濫していたら、これから先はどうなるのか…洪水で被災された方たちは…。去年は秋がなくなったように11月まで気温が高く、その後急に冷え込んだので秋の昆虫が一気にいなくなりました。その影響かバッタやハチ、甲虫など昆虫が減少しています。その中で、一部のチョウは昨年・一昨年と比べて増えているようでこれはうれしい。左の写真はヒメウラナミジャノメ、右はヒメキマダラセセリ。これらは林内の日陰で例年と変わらず普通に見かけます。ともあれ、手遅れにならないうちに一刻も早く気候変動対策進んでほしい。(Y) 

2024年8月16日(金)
アオスジアゲハ幼虫の孵化

 アオスジアゲハがクスノキに産み付けた卵(写真左)3個を飼育箱で飼育することにしました。アオスジアゲハの卵からの飼育は初めてです。今日見たら、そのうちの2つで幼虫が孵化していました(写真右。体長約3mm)。全身トゲだらけ、前半部は大きく膨らんでいて他のアゲハ類の幼虫とはかなり違う姿です。これから順調に成長したなら、休眠蛹になって越冬。春に羽化してチョウになるかな…。大切に育てようと思います。(Y)

2024年8月14日(水)
それぞれの日常

 ジャコウアゲハが昨日と今日1匹ずつ羽化。飼育していた9匹のうち、ハチに寄生された1匹を除いて今日までに6匹が羽化しました。左の写真は羽化直前の蛹。蛹の中のチョウの黒い翅の色が透けて、それが日に日に濃くなって、羽化直前になると全体が黒灰色に。ヤドリバエに寄生されると、お腹の辺りだけが黒く変色するので違いがわかります。右はエントツドロバチの巣。完成した巣(7月15日の当欄右側の写真)に小さな穴が開いていたので、ハチの幼虫が成長して羽化、巣から出て行ったようです。数日後、新たな煙突ができて母バチが小さなイモムシを巣に運んでいました。このハチは巣をメンテナンスしながらリユース。無駄がないと思いました。(Y)

2024年8月13日(火)
多発する気象災害

 世界各地で大きな気象災害が起こっています。日本で毎年頻発する豪雨災害。今年は九州と東北が特に大きな被害を受けました。アメリカのカリフォルニア州、またギリシャなど欧米各地では大規模な山火事が発生しています。すべて原因は温暖化によるものです。九州も東北も農業が盛んな所。食料確保は大丈夫? 都会の人間も他人事ではないのです。テレビは熱中症について盛んに対策を伝えますが、根本の温暖化対策については伝わってきません。気象災害より開発や経済が大切?…。今日も北斜面を歩きました。多数見られたヒカゲチョウ(写真左)。ヤブランが咲き始めました(写真右)。(Y)

2024年8月12日(月)
北斜面を歩いたら

 車で出かけた津山の市街地で、車外の気温が38℃になりました。帰宅して温度計を見たら、32.5℃。やはりアスファルト道路の照り返しがなく、緑が多いというのは気温を下げる効果がありますね。昼間は強烈な日差しですが、朝晩しのぎやすくなったのは救われます。さて帰宅して北斜面を歩いたら、強い日差しを避けているいろんな生物に会いました。今日紹介するのはアオイトトンボ(写真左)とショウリョウバッタ成虫(写真右)。今年初めて見るショウリョウバッタ成虫です。(Y)

2024年8月11日(日)
寄生バエ対策

 今日はジャコウアゲハが3匹羽化しました(写真左)。今回は順調に羽化しています。でも、ヤドリバエ(以下ハエ)の寄生をいかに防ぐか…。ハエは微小な卵を食草の葉に産み付けて、ジャコウアゲハ幼虫が葉と一緒に飲み込んでしまうことで体内に入ります。ですから飼育しても卵のついた葉を与えたら寄生されてしまうのです。対策を考えるためにウマノスズクサの葉を立体顕微鏡で調べました。微小な卵がいくつも付いていて「わっ、これが寄生バエの卵!」(写真右)。でもよく観察すると、これはハダニの卵のようです。結局今日はハエの卵は見つかりませんでした。今後こうして全部調べることは不可能なので、幼虫に与える葉を日向水の中でスポンジで擦ることにします。ハエの卵を擦り落とすのです。水道水は塩素が気になるので使いません。いろいろ工夫して、少しでも生かしてやりたいと思います。(Y)

2024年8月10日(土)
イソノキから見えてくるもの

 庭に気付かないうちに生えて、高さ2mほどに成長したイソノキがあります。毎年気にしているのに、いつの間にか花の季節が終わってしまいます。今年は一念発起、花の写真を撮ろうと頻繁に見に行って見つけました。ところが4mmほどの小さな花。枝が揺れてなかなかピントが合わず…証拠写真です(写真左。6月4日)。最近見ると、大きな赤い実ができていました(写真右。実は熟すと黒くなります)。このイソノキも、鳥が実を食べてタネを運んできたのでしょう。いつの間にか鳥好みの庭に?それも楽しい。さまざまな命のつながりが生態系のバランスを保ち、豊かな自然環境ができていく。想像するだけで楽しくなります。(Y)

2024年8月9日(金)
ジャコウアゲハ、3化目誕生

 今朝、飼育箱の中でジャコウアゲハが羽化(写真左)。2化目が産卵したものなので、3化目誕生です(7月29日の当欄。その幼虫たちが育ちました)。春に越冬蛹から羽化したチョウ(1化目)が産卵したものは、確認できたすべてが寄生されて全滅でした。2化目の羽化が確認できなかったので、ウマノスズクサは育っているけど産卵はないだろう…。すっかり諦めていたら、どこかからやって来て次々と産卵(8月3日の当欄)。そのうちの1個はハチに寄生されていましたが、残っているものは無事育って今日最初の羽化となりました。別の飼育箱には若齢幼虫が5匹。食草を補給したら、その葉裏にジャコウアゲハの卵が1個(写真右)。食草補給は秋までエンドレスです。(Y)

2024年8月7日(水)
セミの抜け殻

 左の写真はヒグラシの、右はアブラゼミの抜け殻(羽化殻)です。今年はハルゼミの声を聞かなかったけど、例年より遅れてニイニイゼミは鳴きました。昼間にはツクツクボウシやアブラゼミのうるさくもあるけど心地よくもある鳴き声。数は少ないけどクマゼミも。夕方にはヒグラシの鳴き声が悲しげに聞こえます。ミンミンゼミも鳴き始めてセミの季節も後半です。ここ数年チッチゼミを見ないけど、今年こそと思います。いろんなセミの抜け殻はあるのに、羽化はまだ見ていません。これは夜に探さないとダメかな…。(Y)

2024年8月6日(火)
日除け

 気温35℃前後、高温多湿の毎日です。生きものたちも暑さを避けて日陰に集まっています。左の写真はクロヒカゲ。日陰のコンクリートの上でじっとしていました。右はやはり日陰でじっとしていたカナヘビ(体長約10cm)。尾が青くて一瞬トカゲの幼体かと思いましたが、トカゲのように青光りしていません。そういえば、カナヘビの幼体を見るのは初めて。幼体だから尾が青い? それとも個体変異? 暑さのせいかカナヘビが動かなかったので、じっくりと観察できました。人間も生きものたちも暑さに耐える日々。カナヘビの青い尾…結論は次の機会に。(Y)

2024年8月5日(月)
ヒマワリとヘクソカズラ

 今日の最高気温は35℃。湿度も高くて、ぐったりです。さて玄関横のプランターで、こぼれ種から育ったヒマワリが咲きました(写真左)。こちらはとっても元気。初めは小さな株でしたが、いつの間にか2階に届きそうなくらい。やはりヒマワリは真夏が似合います。右の写真は、ため池の堤防に咲くヘクソカズラ。ヘクソカズラってあんまりな名前…。甘い香りがして、小さいけどきれいな花です。写真は共に7月25日に撮影しました。(Y)

2024年8月4日(日)
生物って面白い!

 左の写真は居間の窓枠にいたナナフシモドキ。体長約10cm。長いのは前脚で、体長とほぼ同じ長さ。触角は短いです。家の板壁とエアコンの室外機の間を移動してきたのか、埃をいっぱい付けています。右はコガネグモ科の幼体。写真では見えにくいですが、大きな垂直円網の中央付近にX字状の白色の帯(かくれ帯)を作り、クモはその中心に脚を2本ずつそろえて止まっています。鳥などに食べられない限りしばらくはそこにいると思うので種名を調べよう…生きものたちの日常を観察していると飽きることがありません。(Y)

2024年8月3日(土)
ジャコウアゲハ幼虫を飼育して

 飼育していた9匹のジャコウアゲハ幼虫。ウマノスズクサを食べていた最後の1匹が飼育箱の天井に移動して動かなくなりました。これから前蛹になり、脱皮して9個目の蛹になります。みんな飼育箱の天井での蛹化です(写真左)。さて順調に育っているようですが、今日、1つの蛹がハチに寄生されていたことが判明。ジャコウアゲハ幼虫に寄生するのはヤドリバエだけだと思っていましたが、天敵は他にもいるのです。またもう1匹は腹部の先端が外れてブラブラに。これでは羽化できないので保護ポケットに(写真右)。チョウにまで育つのは奇跡的なこと…改めて思いました。(Y)

2024年8月2日(金)
食料供給困難事態対策法
 異常気象やウクライナ危機などで、世界的に食料生産が不安定化しています。先日の新聞に、食糧危機の恐れがある場合に政府が農家に生産拡大を指示できるという新法「食糧供給困難事態対策法」が成立とありました。具体的にどのように農家が選ばれ、どのように指示が出るのかよくわかりませんが、指示に従わない場合は罰則が伴うということです。政府は農家の置かれている状況をわかっているのでしょうか。高齢化で米作りの中心は70〜80代の高齢者。跡継ぎはほぼいません。優良農地をソーラーパネルが蚕食して農地は荒れてきています。その状況を放置し、食料自給率向上に背を向けたまま、危機が迫った時に特定の農作物作りを上から罰則付きで強制とは! 都会に住む人もこのような状況を自分事として考えて怒ってもらわないと…。写真はヌマトラノオ(左)とセリ(右)。猛暑でも、移り変わる花々に心が和みます。(Y)
2024年8月1日(木)
土用干し

 今年も梅干を作ろうと思い立ちました。でも、いつも果実や野菜をいただくご近所のおばあちゃんのお宅では梅が不作。和歌山県など梅の産地でも暖冬と雹の被害で大凶作だったそうです。今年の梅干作りは諦めるか…。残念に思っていたら、雹に当たって傷はあるが梅干作りに支障はないという梅を生協のチラシで見つけました。迷うことなく購入です(写真左。6月20日)。赤ジソは畑に雑草のように生えてきます。そして今日、土用干しをしました(写真右)。自然からの恵み。梅干し完成まであと少しです。(Y)

2024年7月30日(火)
ジャコウアゲハ前蛹、蛹に

 昨日の前蛹は、昨夜のうちに蛹になりました(写真左)。ジャコウアゲハ幼虫の飼育は他のアゲハチョウ科幼虫の飼育と違って手がかかることが多かったのです。いつまでも食べ続けたり、なかなか前蛹にならずにウロウロ移動を続けたりして、その挙句寄生で死んでしまう…。でも今回はよく食べてすんなりと蛹になりました。手がかかったのは寄生されていたから? だとしたら今回は寄生を免れて無事羽化する可能性が高いのかもしれません。期待したいです。右の写真はデッキに来た産卵間近のキリギリス。避暑かな? 今日の最高気温は33.5℃。毎日強烈な日差しです。(Y)

2024年7月29日(月)
ジャコウアゲハ幼虫

 7月17日に、孵化して間もないジャコウアゲハの幼虫を2匹見つけました(写真左)。2化目の成虫が産卵したものです。すぐに飼育を始めて今は10匹ほどを保護しています。昨夏以上の猛暑で厳しすぎる暑さと思いますが、幼虫はスクスクと育ち終齢に。そして食べるのをやめて移動を始めました。早いものは飼育箱の天井で前蛹になっています(写真右)。この分だと明日は蛹化かな…。寄生されていませんように。1匹でも多く羽化することを願っています。7月23日の当欄もご覧ください。(Y)

2024年7月28日(日)
ノカンゾウ

 先日、草刈りを頑張ってノカンゾウのある場所に行きつきましたが(7月19日の当欄・その1)、結局ノカンゾウは草に埋もれて咲きませんでした。左の写真はノカンゾウの芽生え(2020.02.11)。秋に草を刈っておくと、日当たりが良く丈夫な芽生えがたくさん出てきます。でもススキなどが伸びてきて日当たりが悪くなると、株が弱り花は咲きません。右は去年、手入れの甲斐あって10年ぶりに咲いたノカンゾウの花(2023.07.31)。来年には開花させることを目指します。(Y)

2024年7月27日(土)
田んぼビオトープ

 昨日は、最初に田んぼビオトープの価値を認めて応援してくれた友人のJさんが友達と一緒に来られました。猛暑にもかかわらず熱心に質問してくださって、良い時間を過ごすことができました。田んぼビオトープの生きものたちも活発で、ミズカマキリやイモリ、メダカ、産卵期のオオイトトンボチョウトンボナキイナゴ等々。興味を持ってくださる方に田んぼビオトープを少しずつでも広めていけば、何かを変える大きな力になると思わせてくれました。左の写真はツユムシ幼虫、右は脱皮直後のナガコガネグモです。夕方になるとヒグラシが鳴いて、ツクツクボウシも鳴き始めました。温暖化が年々進んでいますが、野生生物はまだ季節の移り変わりを教えてくれます。(Y)

2024年7月25日(木)
バタフライガーデン

 バタフライガーデンのヒャクニチソウ、キバナコスモス、ボタンクサギ、マリーゴールドなどが咲き出しました(写真左)。昨年もバタフライガーデンは花でいっぱいだったけど、猛暑と少雨のせいか花を訪れるチョウはほとんどいませんでした。今年はアゲハチョウ科のチョウが吸蜜によく訪れます。今日も夏型のモンキアゲハがヒャクニチソウで吸蜜していたのでカメラを向けたら逃げられました。ガッカリしていたら、すぐそばにオオチャバネセセリ!(写真右)。こちらはゆっくり写真を撮らせてくれました。(Y)

2024年7月24日(水)
雨上がりの畑で

 今日は未明に1度、昼間に2度激しい雷雨がありました。怖いくらいの雷鳴と豪雨に、これがゲリラ雷雨かと。最近は梅雨のしとしと雨や夕立がなくなりました。夕立のあと、ひととき涼風が心地よかったけど、今は雨が降った後も地面から湯気が立ち上り蒸し暑いままです。豪雨か干ばつか…私の子どもの時より気象が激しくなりました。さて夕方には、天候が回復したので畑を見て回ると、昆虫たちが活発に活動していました。左の写真はキリギリス成虫、右はゴマダラカミキリ。大型の昆虫を見るとうれしくなります.(Y)

2024年7月23日(火)
ジャコウアゲハ、今季2回目の産卵

 この春に羽化したジャコウアゲハ(1化目)が、自宅のウマノスズクサに産み付けた卵を保護・飼育しました。卵が孵化して幼虫は順調に成長。でもすべてがマダラヤドリバエの寄生のため死亡。結局我が家周辺では2化目成虫の羽化を確認できず、産卵もないだろうと諦めていました。ところが7月17日に孵化直後の幼虫2匹(体長5〜6mm)を発見。保護・飼育を始めました。飼育したものはすべて駄目だったけど、それ以外の個体がどこかで命を繋いでいたのでしょう。その幼虫が体長約3cmまで成長(写真左)。マダラヤドリバエの寄生の仕方だと防ぐのは難しいでしょう(6月29日の当欄)。それでも保護せずにはおれません。保護した幼虫は5匹になりました。最近は産卵に来た母蝶を目撃することもあります(写真右)。

2024年7月22日(月)
ハラビロカマキリの孵化は?

 オオカマキリの孵化はよく見ます(写真左)。でもハラビロカマキリの孵化は見たことがありません。自宅周辺に卵鞘はたくさんあるし、幼虫もよく見るのに…。昨年の10月、ガレージの柱にハラビロカマキリが大きな卵鞘を産み付けました(2023年10月17日の当欄をご覧ください)。孵化を楽しみにしていましたが、孵化したかどうかもわからず…。今年の孵化の時期が終わったので、卵鞘を切って確かめました(写真右)。空になっているのは幼虫が孵化して卵鞘の外に出た跡。空になっていないのは幼虫が孵化まで育たず死んでしまったということでしょう。孵化できたか否かはほぼ半々です。ハラビロカマキリの孵化に気付かないのは、卵の数も孵化する幼虫も少ないので気づきにくいということでしょう。来年こそは孵化を見たいです。(Y)

2024年7月21日(日)
梅雨明け

 中国地方の梅雨が明けました。このところ雨が降らず猛暑の日が続いていました。一雨ほしいと願っていましたが結局降らないまま梅雨が明け、朝から強烈な日差しです。ヤマガラシジュウカラメジロエナガヒヨドリは暑いせいか一日中ひっきりなしにバードバスに水浴びにやってきます。鳥たちの気持ちよさそうな様子を見ていると、見ている私も幸せな気分。庭ではアキノタムラソウが咲き始め(写真左)、チョウやハチが吸蜜にやってきます。今年生まれのアマガエル(写真右。体長約1.5cm)も元気です。(Y)

2024年7月19日(金)
藪の草刈り(その2)

 草刈り中に出会った生きものたちです。ヒメギスツチイナゴ幼虫(体長約1cm)、ニホンアカガエルの成体と子ガエル、交尾中のナキイナゴなど。ナキイナゴの出す「シャカシャカ」という音がよく聞こえました。そうそう、田んぼビオトープに久しぶりのミズカマキリ! とても嬉しかったです。左の写真はクルマバナに吸蜜にきたツバメシジミ。右はウマオイ幼虫。成虫は見ますが、幼虫を見るのは初めてです。秋に成虫になる昆虫が大きく育ってきました。(Y)

2024年7月19日(金)
藪の草刈り(その1)

 昨日の朝、一昨日に藪漕ぎした場所(写真左)の草を刈りました。あと少しでノカンゾウの場所に行きつくところでしたが、ひどい暑さになってきて途中までで中止。刈ったところはきれいになりました(写真右)。ノカンゾウは昨年数年ぶりに咲きましたが、さて今年は…咲くかな? (Y)

2024年7月18日(木)
藪漕ぎをしながら

 8月に咲くノカンゾウの状況を見に行こうとしました。ところが、忙しかったのと雨が多かったので草刈りをせずに放置していたので、畔伝いの道は藪のようになっていました。藪漕ぎをしながら歩くうちに、草は私の背丈より高くなって前が見えません(写真左)。もしイノシシがいたらと怖くなって、歩いてきた道を振り返ったらすごい藪(写真右)。引き返すこともできないので前進あるのみです。ようやく藪を通り抜けましたが、この時期の草のエネルギーは怖いくらい。ふと考えてしまいました。農家の人は草刈りなど過酷な労働をして食料生産を支えてきました。後継者はいないから年齢が上がってもやめるにやめられない。ニュースでは、企業によっては70歳まで現役時代とほぼ同じ報酬で働けるようになるとか。一方、中山間地農業では体が動かなくなるまで少ない収入で働かざるを得ない。それも数年以内に限界が来る…この国の食料生産はどうなるのでしょう? (Y)

2024年7月15日(月)
エントツドロバチ

 左の写真は、エントツドロバチが竹筒で巣作り途中の巣です。このハチは巣作りの時、泥で煙突状の出入口を作ります。巣材の泥は巣の近くで集め、体内に溜めた水分を吐き出して泥を柔らかくしてから球状に丸めて運びます。運んだ泥で産卵を行う部屋や煙突状の出入口を作ります。母バチはこの状態で室内に産卵し、餌となるガの幼虫などを狩ってきて室内に運び入れます。孵化後幼虫がある程度の大きさになると最後の餌を運び、泥で幼虫のいる部屋を塞ぎます。さらに煙突状の出入口も崩して塞ぎ、巣が完成(写真右)。いつの間にか煙突状のものができ、そしてなくなる…不思議で仕方なかったけど、ちゃんと巣ができていたのです。納得しました。(Y)

2024年7月14日(日)
ブッポウソウの巣立ち間近

 昨日は、他地区のブッポウソウ巣箱の様子を見に行きました。E地区で2個、O地区で1個の合計3個。すべての巣箱でヒナが顔を出して親鳥から餌(多くは昆虫)をもらっていました。3か所とも順調なようでよかったです。でも、うちの管理地に架けた巣箱では、残念ながら繁殖はありませんでした。餌となる昆虫が激減したことが一つの原因かと思われます。そういえば、今年はセミの声がほとんどしません。ニイニイゼミヒグラシも少しだけ。こんなことは当地に来て初めてです。左の写真は、巣箱を見に行った時に地面近くにいたウラギンシジミ(写真左)。眺めていると翅を広げてくれました(写真右)。(Y)

2024年7月13日(土)
アカハライモリの恋と万葉集(その2)

 万葉集の和歌に因んで名づけられたというアイモリンとソデフリン。その和歌を紹介します。
     あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る(額田王)
     紫草のにほえへる妹を憎くあらば 人妻ゆゑにわれ恋ひめやも(大海人皇子)
 額田王と大海人皇子の恋心を詠んだ有名な和歌。和歌から飛鳥時代の雅な恋が感じられるような気がします。それにしても、イモリのフェロモンが万葉集からの命名なんて! 研究者のセンスに驚きです。左の写真は、水のなくなった田んぼビオトープを産卵のため泥まみれで水のある場所に急ぐメスのイモリ(2019.年4月8日)。右は子どものイモリです(2013年11月25日)。(Y)

2024年7月12日(金)
アカハライモリの恋と万葉集(その1)

 突然ですが、フェロモンとは生物が体外に分泌し、同種の個体間で作用する化学物質のことをいいます。繁殖状態のメスは、アイモリンと呼ばれる性フェロモンを分泌してオスを誘います。オスはアイモリンに反応して、メスに尾を振って求愛。その時オスはソデフリンと呼ばれる性フェロモンを分泌します。ソデフリンもアイモリンも、万葉集の和歌にちなんで名付けられました。ソデフリンは男性が女性に恋心を伝えることを意味する「袖を振る」という言葉がもとになっています。アイモリンは男性が愛しい女性を呼ぶ言葉「妹(いも)」がその由来です。和歌は次回に紹介します。左の写真は繁殖期のアカハライモリ。オスは尾が婚姻色と呼ばれる青紫色に変わります(写真右)。(Y)

2024年7月11日(木)
ある日の出会い

 庭で体長約4cmのショウリョウバッタ幼虫と出会いました(写真左)。今年初めて見た時はまだ体長1cmほどだったけど、今はみな大きくなりました。たくさん食べてもう1か月もすれば大きな成虫になります。堤防のネムノキ幼木にはオオカマキリの幼虫(体長約4cm)。すぐそばには天敵のカナヘビ!(写真右)。オオカマキリの幼虫、食べられないかな…。温暖化のせいか昆虫や生物全般が少なくなりましたが、環境を整えてやれば、まだまだ多様な生物が生息しています。このような環境を子どもたちのために残したい…どうすれば良いのでしょう。(Y)

2024年7月10日(水)
国民の命を守るとは

 標高300mの当地でも、一昨日の気温は35℃でした。都会のようにアスファルト道路の照り返しがないのが救いです。新聞に、記録的高温が昨夏に続いて今夏も予想され、農業への影響が懸念されているとの記事がありました。農家の高齢化、人口減少に加え、異常気象による主食のコメ不足も心配です。地球規模で起こっている気象災害。豪雨の地域があれば大干ばつの地域もある…せめて主食のコメだけは何があっても自国で賄えること。それが何より国民の命を守ることになるのでは…。農地に増えるソーラーパネルを見ながら思いに耽ってしまいます。左の写真はシュレーゲルアオガエルの子ガエル(2020.09.20)。右は水浴びに来たヤマガラ(2024.07.08)。野生生物は、急激な気候変動にいつまで耐えられるでしょうか。(Y)

2024年7月9日(火)
ツチイナゴ幼虫

 田んぼビオトープの畔で、孵化して間もないツチイナゴ幼虫を見つけました(写真左。体長6〜7mm)。7月初めまで本種の成虫を見ることができたのですが、早くに産まれた卵がもう孵化し始めたようです。この幼虫は、初めイナゴの幼虫だと思っていました。でも拡大して見ると、本種の特徴である眼の下の黒い線がうっすらと。こんなに小さな幼虫を見るのは初めて…というか、かすかな黒い線に気付かなかっただけでしょう。右の写真は、かなり成長した幼虫(2019年9月13日。体長2〜3mm)。愛おしい生物の世界です。(Y)

2024年7月8日(月)
生態系のバランス

 左の写真はエンマコオロギ、右はイナゴ。それぞれ体長約1cmの幼虫です。幼虫のうちにたくさん食べられるのだろうな…小さな幼虫を観察しながら思います。生き残ったものだけが成虫となり、次の世代に命を繋ぐことができるのです。特定の生物が増えすぎることも減りすぎることもない。豊かな自然の中では、それらの存在自体が知らず知らず生態系のバランスを保っているのです。人間も生態系のバランスが保たれた環境でこそ、自然からの恵みを受けて健全に生きてけるのだと思います。(Y)

2024年7月6日(土)
子どもたちとビオトープ作り

 昨日は、同じ町内の小学5年生とビオトープ作りの仕上げの日。私は猛暑と湿度の高さでダウン。夫だけが、田んぼビオトープからヒルムシロやコナギなどの水生植物、そしてメダカを10匹ほどすくって持って行きました。その小学校のビオトープを作ったのは、まだ寒い時期だったので、田んぼの土で陸地を作って底にも土を少し入れてから注水しただけ(3月13日5月12日の当欄もご覧ください)。でも、昨日行った時にはヘラオモダカやコブナグサなどの植物が青々と育ち、水の中には藻類が生育。アメンボやアマガエルが棲みついていたり、トンボの羽化殻が残っていたり。生物にとって土と水がいかに大切かを再認識。夫が植物とともに持って行った泥の中からはゲンゴロウ類の幼虫も出てきて、新しい場所で泳ぎ始めました。アマガエルやメダカの泳ぐ姿を見て子どもたちは大喜びだった、とか。私も行きたかったな…。写真は自宅周辺で見た昆虫。左はビロウドカミキリ、右はモノサシトンボ。今年はモノサシトンボがたくさん見られます。(Y)

2024年7月4日(木)
リンゴドクガのその後(その2)

 繭は2層になっていて、外側の繭を取り除くと内側の繭(写真左)。中に蛹が透けて見えます。内側の繭をハサミで切り開くと蛹(正確には羽化殻)が現れました(写真右)。右側にあるのは幼虫最後の脱皮殻です。ガは夜行性。夜には活発に活動しますが、昼間はじっと動きません。丈夫な2層構造の繭。それに羽化が夜であることを考えると、羽化間近のガは、いつでも飛んで行けるように飼育箱のフタをあけておかないといけませんね。リンゴドクガにはかわいそうなことをしました。(Y)

2024年7月4日(木)
リンゴドクガのその後(その1)

 昨年の10月24日に庭で見つけたリンゴドクガ幼虫は、その後繭の中で蛹になって越冬(2023年10月24日11月12日の当欄(その1、その2)をご覧ください)。5月下旬に数日留守にするので、その間に羽化しないか心配でした。帰宅して繭を見た時は変化がなく、羽化はまだだとホッとしました。数日後、ガが飼育箱の底で死んでいるのに気づきました(写真左)。調べたら本種の成虫です。いつ羽化したんだろう…。繭をよく見ると右上の奥に小さな穴が開いていました(写真右)。(Y)

2024年7月3日(水)
キアゲハ羽化

 6月3日に畑で見つけた2匹のキアゲハ幼虫。1匹はヤブキリに食べられましたが、残った1匹は順調に終齢幼虫へと育ち、6月14日の自然観察会で子どもたちに見せてあげることができました。そして今日、無事羽化(写真左)。ジャコウアゲハ幼虫は寄生されて全滅だったので、何ともうれしい出来事でした。6月5日18日20日の当欄でキアゲハの成長の過程を見ていただけます。ため池の堤防ではネジバナが咲き始めました(写真右)。

2024年7月2日(火)
アカガエル、子ガエルに

 当地のアカガエルは、ニホンアカガエル(以下ニホンアカ)とヤマアカガエル(以下ヤマアカ)の2種がいます。これらの産卵期は1〜3月頃。この時期は田んぼは乾いているし、最近は水溜めや湿地もほとんどありません。そのため最近ではアカガエルの幼生は滅多に見られません。さて、周年水を溜めている田んぼビオトープでは、今年およそ400卵塊の産卵がありました。1卵塊の平均卵数が1500個ぐらいですから、すべて孵化したら1500×400で60万匹の幼生(オタマジャクシ)が育つということになります。実際には卵の段階でも幼生段階でも天敵にたくさん食べられるので、そんな数にはなりませんが…。その中で、無事育った幼生が子ガエルになって次々と上陸しています。左の写真はニホンアカ、右はヤマアカ。背と脇腹の境の筋が、目の後ろでほぼ直線(ニホンアカ)か、曲がっている(ヤマアカ)かで見分けられます。(Y)

2024年6月30日(日)
生きものたちの日常

 左の写真は初見のナナフシモドキ。右はナキイナゴ。ナキイナゴはよくいますが、オスがメスにしがみついているのは初めて見ました。交尾をするためにしがみつくのです。オスとメスの大きさの違いに驚きます。またメスの翅はごく小さく、翅がないように見えます。少し前、田んぼビオトープ周辺ではナキイナゴのオスが後脚と翅をすり合わせて出す「シャカシャカ…」という音がよく聞こえました。メスにアピールしていたのですね。(Y)

2024年6月29日(土)
温暖化とマダラヤドリバエ

 チョウ全般が減少しています。その中にあってジャコウアゲハは、ウマノスズクサの葉にたくさん産卵し幼虫が育ちます。でも、寄生によって次々と死んでいくのです。幼虫を20匹ほど飼育して、今生きているのは3匹だけ。これらも寄生されていたら全滅です。寄生するのはマダラヤドリバエ(2023.09.10の当欄)。幼虫に直接産卵するのではなく、ウマノスズクサの葉に微小卵を産み付け、それを食べた幼虫は寄生されて、終齢幼虫か蛹の段階で死んでしまうのです。温暖化でこのハエが増えているのではないか? 寄生から守るにはどうすれば? 何とか小さな命を守りたい…。写真はジャコウアゲハ幼虫の成長の1コマ。左は孵化直後(卵殻をたべています)。右は脱皮直後(小さな黒いのは頭部の脱皮殻)。(Y)

2024年6月28日(金)
コクワガタとヤママユガの繭

 自宅の周辺で、今季2度目となるコクワガタを見つけました(写真左)。今回もメス。小さな大あごなのに挟まれるととても痛かったです。また、雑木林で少し前に伐った枝を集めていた時、コナラの小枝にヤママユ(ヤママユガ)の繭が付いているのに気づきました(写真右)。一部が開いて中は空になっていたので、去年成虫が無事羽化したものと思われます。11年前に幼虫を見たきりなので、もうこの地域にはいなくなったと思っていました。まだヤママユがいる、また会えると期待が持てました。ところで、地球温暖化、生物多様性の損失、海洋のプラスチックごみ汚染を「3つの環境危機」とする捉え方が国際的に広がっているそうです。そのどれも解決には程遠い…。もっと環境に関心を持つ人が増えたらとの思いを持ちつつ、ささやかでも発信を続けます。(Y)

2024年6月27日(木)
ヤマノイモの葉の上で

 今季はダイミョウセセリ幼虫が、ヤマノイモの葉でたくさんの巣を作っています(巣作りは2023.07.30の当欄をどうぞ)。幼虫の様子を見ようとヤマノイモの所に行ったら…ヒメカマキリの幼虫がいました(写真左)。腹部の半分ほどを上に曲げているので体長5mmほど。念願のヒメカマキリの幼虫を見ることができました。近くにはゴミを背負ったクサカゲロウ幼虫も(写真右)。少しして、ヤマノイモの蔓にシジュウカラが飛んできました。何やら夢中で食べて飛んで行きました。幼虫たち、食べられてしまったかも… (Y)

2024年6月26日(水)
映画「アニマル 僕たちと動物のこと」

 23日から2泊3日で東京にいる娘家族を訪ねました。遠くてなかなか会えませんが、久しぶりに良い時間を過ごすことができました。さて、渋谷の小さな映画館で「アニマル 僕たちと動物のこと」の上映を知り、思い切って見に行きました(6月2日の当欄)。シリル・ディオン監督のメッセージを紹介します…「多くの生態系では種が互いに補完しあい、影響しあい、調整しあってバランスを保っています。人間は、自分たちの利益のためにこのバランスを崩すことができる唯一の種であり、その過程で夥しい数の種を絶滅させています。私たちの文明が生態系を守り、永続させることができれば、私たちはより良い人生を送り、より幸せになれます」。写真は映画の帰りに見た風景(左が渋谷、右が池袋)。高層ビルが林立し、大きな壁のようです。(Y)

2024年6月21日(金)
サカキとオカトラノオ

 温暖化のせいか、今年はうちのホオノキは花が咲きませんでした。それでも、ホオノキの辺りから聞こえるイカルやシジュウカラ、ウグイス、ホトトギスの囀りに心が和みます。ニュースでは、中国の北部で干ばつ、南部では洪水とか。日本の食料自給率が心配です。みんな、もっと農業や環境問題に関心を持たなければ…。さて、ため池に通じる木立の中でサカキの花が咲き始め(写真左)、小道に沿ってオカトラノオの花も(写真右)。十分な手入れもできていませんが、草と一緒に逞しく咲くオカトラノオがとても美しいです。(Y)

2024年6月20日(木)
キアゲハ蛹化

 6月18日前蛹になったキアゲハは、翌日の19日に蛹になりました(写真左)。右の写真は、靴下をくるっと脱ぎ捨てたような、幼虫最後の脱皮殻。新聞の字と比べると、その小ささがわかります。皮はとても薄いです。前蛹が蛹になる時、体を激しく動かして皮を脱ぎ捨てると蛹の姿が現れます。体の中ですでに蛹の皮が出来ているのですね。そして蛹になって10日ほどするとチョウに。まるで手品のような…飼育して身近で観察すればするほど不思議が増していきます。そしてその生物への愛着も。人が、特に子どもたちが自然と触れ合うことの大切さを思います。(Y)

2024年6月19日(水)
ヒメギスの脱皮

 管理地の草刈りをしていたら、目の前に見たことのないものが。何だろうと思って手を止めてよく見たら、脱皮を始めたばかりのヒメギスでした(写真左)。初めは下向きに脱皮して、やがて腹部を少し残して上向きになり、腹部もすべて脱皮します(写真右)。この時期、いろんな昆虫の孵化や脱皮、羽化に立ち会います。それだけ自然が豊かで、昆虫の種類も数も多いということでしょう。どうしたら、この場所の生物相の豊かさや、その価値を多くの人にわかってもらえるでしょうか。元気すぎる草と闘いながら、試行錯誤が続きます。(Y)

2024年6月18日(火)
それぞれの生

 6月3日にニンジンの葉で見つけたキアゲハ幼虫(写真左。若齢幼虫)。終齢になったあと食欲旺盛でしたが、昨日ぱったりと食べるのをやめ、体の中の余分なものを出して動かなくなりました。そして今日前蛹に(写真右)。帯糸で体を支えて、これから幼虫最後の脱皮をして蛹になります。蛹からチョウへ。成長の大きな変化に立ち会える喜び。当地に来て様々な生物と出会い、生きざまを知ることで、ヒトとは違う、それぞれの生物の命の素晴らしさを実感します。(Y)

2024年6月16日(日)
ヒメカマキリの卵鞘とハラビロカマキリ幼虫

 5月25日からしばらく家を空けているうちに、楽しみにしていたヒメカマキリの孵化が終わっていました(写真左。卵鞘に幼虫が孵化して出た穴が開いている)。成虫でも体長25〜30mmほどの小さなカマキリ。その幼虫はどんなだったのだろう。孵化の様子は? 空の卵鞘を見るたび残念な思いがします(1月27日の当欄もご覧ください)。右の写真はハラビロカマキリの幼虫。コカマキリの幼虫かと随分迷いましたが…。どの昆虫でもそうですが、成虫の写真はたくさん載っていても幼虫の写真は少ない。よく似た種だと同定がとても難しいです。間違っていたらご指摘ください。(Y)

2024年6月14日(金)
子どもたちとの自然観察会

 地元の小学1、2年生と田んぼビオトープ周辺で自然観察会をしました。6月中旬というのに30℃を超える猛暑。それでも子どもたちは元気に虫捕り(写真左)や水の中の生物探し。時折聞こえる歓声に、私もうれしくなりました。右は田んぼビオトープで子どもたちに見せてあげたアカハライモリのオス。子どもたちが自然と触れ合うことの大切さを直に感じることができた、良い時間でした。(Y)

2024年6月12日(水)
キアゲハとヤブキリ

 畑のニンジンの葉に2匹のキアゲハ幼虫がいました(6月5日の当欄。この時はまだ中齢幼虫)。もうすぐ地元の小学1、2年生と田んぼビオトープ周辺で自然観察会をするので、その後終齢まで育った幼虫の成長を楽しみにしていました。ところが、そのうち1匹がヤブキリの終齢幼虫に食べられてしまいました(写真左)。幸いもう1匹のキアゲハ幼虫は無事だったので(写真右)、食べられないように飼育することにしました。これで子どもたちにきれいな色彩の幼虫を見せてあげられる! ホッと一息です。(Y)

2024年6月11日(火)
田んぼビオトープ・冬と初夏

 左と右の写真は同じ場所で、2013年に休耕田を借りて初めて作った田んぼビオトープです。その後も3枚の休耕田の一部に水を溜めてビオトープにしましたが、田んぼ1枚全体を満水にしたのはここだけです。左の写真は冬(2021.02.19)。アカガエルの産卵が始まったころです。右は初夏(2024.05.30)。一気に緑が萌え出し地も空も水の中も新しい命で溢れます。干上がったり、イノシシに荒らされたりして少しずつ形を変えながら、田んぼビオトープ12年目です。(Y)

2024年6月10日(月)
ホタルブクロとセイヨウミツバチ

 昨日は雨が降って肌寒かったのに、今日は日差しのある蒸し暑い一日。夕方涼しくなってから、少しだけ田んぼビオトープの整備をしました。家の周辺ではホタルブクロが咲き始め(写真左)、セイヨウミツバチがシロツメクサの花で長いこと吸蜜していました(写真右)。いつまでも眺めていたい、心が和むひとときです。(Y)

2024年6月9日(日)
「見る」と「観る」

 田んぼビオトープや水の涸れない水たまりには、4月から6月末頃にかけて様々な種類のオタマジャクシがいます。アカガエル類2種、シュレーゲルアオガエル、トノサマガエル、アマガエル、ツチガエルなど。水たまりから掬ってきて飼育した7匹は、最初はアカガエル類以外の種類と思っていたのにすべてアカガエルの一種ヤマアカガエルでした。左の写真は、昨日前あしが出た最後の1匹の6月1日の姿です。これだけはアカガエルではないと確信していたのに…。右の写真は、別の個体の前あしが出る直前の様子(5月31日)。皮膚の下に大きな前あしが透けて見えます。見ると観る(みる)は大違い。見るのはその日、その時間だけ見ること。観るは時間をかけてじっくり観察すること。今まで多数のオタマジャクシを飼育してきたのに、前あしが出る直前のダイナミックな体の変化に気づかなかった。「観る」目を大切にしたい。(Y)

2024年6月8日(土)
カエルの前あし…左右どっちが先?(その2)

 5月18日の当欄で、飼育していた7匹のオタマジャクシのうち一番最初に前あしが出た個体は右前あしが先だったと書きました。その後、4日間家を空けて帰宅したら、2匹を残してすべて前あしが出ていました。調べられるのは2匹のみ。そのうちの1匹は左が先でした。そして最後の1匹は今日、右が先に出ました(写真左。体の左側は大きく膨らんいますが、あしはまだ出ていません)。およそ3時間後に見に行ったら左も出ていました(写真右)。えら穴が左側だけにあるからといって左が先とは限らず、左右どちらが先とは決まっていないようです。飼育して観察することの大切さに改めて気づきました。なお、7匹すべてヤマアカガエルでした。5月11日18日22日の当欄もご覧ください。(Y)

2024年6月7日(金)
ツチイナゴ

 草刈りをしていたら、飛び出してきたのはツチイナゴ(写真左。体長5〜6cm)。成虫で越冬するツチイナゴは、冬でも暖かい日には出てきますが、今は越冬中より随分と体色がカラフルになった感じ(2022年12月25日の当欄は冬のツチイナゴ)。これから産卵期、次の世代に命を託して一生を終えます。ぼんやりと眺めていたら、ツチイナゴが私の顔を覗きにきたような気がして、思わずシャッターを切りました(写真右)。バッタの顔はいつも優しい。(Y)

2024年6月6日(木)
カヤネズミの巣とチガヤの花

 左の写真は今年初めて見つけたカヤネズミの巣。チガヤ群落で見つけました(2024.05.22)。そのチガヤが花の季節を迎えました(写真右。2024.06.03)。カヤネズミが銀白色に輝くチガヤの花穂を巻き込んで作ることがあるという、そんな巣を見てみたい…。田んぼや美しい草はらにいると、生きものたちの息づかいが聞こえてきそうな気がします。(Y)

2024年6月5日(水)
ニンジンの花とキアゲハ幼虫

 今年もニンジンの花が咲き始めました(写真左)。毎年こぼれだねから育ち、大きな株になります。いつも収穫の時期を逸して、ニンジンを食べられたことはほとんどありません。でも、花が咲き、葉にはキアゲハが産卵して幼虫が育つことが楽しみ。当地に来て、ニンジンの花の美しさを知りました。良く茂った葉には体長2cmほどに育ったキアゲハの幼虫(写真右)。キアゲハ終齢幼虫の逞しさとチョウの美しさ。成長が楽しみです。(Y)

2024年6月4日(火)
テンの糞とカメムシ

 テンの糞に口吻を差し込んでいるカメムシを見つけました(写真左)。ほ乳類の糞に来る昆虫といえば糞虫(ふんちゅう)を思い浮かべます。糞虫とは、コガネムシ科およびその近縁な科に属する昆虫のうちで、主にほ乳類の糞を餌とする(食糞)一群のものを指すそうです。例えばセンチコガネやエンマコガネ類、ファーブル昆虫記に登場するフンコロガシなど。ところで、糞虫ではないこのカメムシは何をしていたのでしょう。糞に含まれる水分を吸っていたのでしょうか。テンとカメムシ…新たな生物のつながりを見つけました。糞から目を離すと、満開のササユリがとてもきれいでした(写真右)。(Y)

2024年6月3日(月)
トノサマバッタの羽化

 もうすぐ小学生と田んぼビオトープ周辺で観察会をします。子どもたちが来る前にと、5月になって勢いよく伸び始めた草を刈っていたら、大きなトノサマバッタ(写真左。体長5〜6cm)が草の中から現れました。きれいで、羽化直後かなと思いながら写真を撮っていたら、すぐ近くに羽化殻がありました(写真右)。殻の主はこのトノサマバッタに違いない! 昨日、今季初めてトノサマバッタの幼虫を見たと思ったら、今日は成虫を見ることができました。初夏は命が生まれ、躍動する季節です。(Y)

2024年6月2日(日)
気候変動と種の絶滅

 ベラとヴィプランは、動物保護と気候変動問題に取り組む16歳のティーンエージャー。過去40年間に絶滅した脊椎動物はすでに60%以上と言われ、ヨーロッパでは飛翔昆虫の80%が絶滅した。このことを科学者たちは「6度目の大量絶滅」と呼んでいる。50年後、人類は生存していないかもしれない。2人は、気候変動と種の絶滅という2つの大きな危機の核心に迫ろうと決意し、絶滅を食い止めるための答えを探るべく世界を巡る旅に出る…映画『アニマル 僕たちと動物のこと』の内容紹介を読みました。気候変動による危機がここまで迫っていることに衝撃を受け、そしてそのことを全く知らされていないことに暗澹たる気持ちになりました。映画を見に行こうと思います。左の写真はヒナバッタ成虫、右はトノサマバッタ終齢幼虫です(2種とも6月1日撮影)。(Y)

2024年5月31日(金)
ミヤコグサ

 今、田んぼの至る所でミヤコグサ(マメ科)が満開(写真左)。よく見るとキリギリスの幼虫がいました(写真右。体長約15mm)。ところで、ミヤコグサはシルビアシジミ幼虫の主な食草です。シルビアシジミは岡山県のレッドデータブック(RDB)で留意、環境省RDBで絶滅危惧TB類に指定されています。シルビアシジミ現れないかな…。毎年ミヤコグサの花を眺めながら思います。(Y)

2024年5月29日(水)
釧路湿原へ

 25日〜28日まで北海道に行きました。主に道東の釧路湿原と屈斜路湖へ。環境に興味を持った者として、釧路湿原は一度は見ておきたい場所でした。左の写真は湿原を流れる釧路川。湿原の広大さがわかる写真を撮りたかったのですが、初めて行ったので、いい場所を見つけられず…。コッタロ展望台からの1枚が唯一湿原らしい写真です(写真右)。枯葉色の植物はヨシ。湿原はこれから緑色に染まります。(Y)

2024年5月23日(木)
マコモ取りと田んぼビオトープ

 今、マコモ取りを主にしています。生えてくるマコモを秋まで放っておくと株が増えて大きくなり、田んぼビオトープ一面を覆いつくします。そうなるとマコモ取りに難儀するのです。そこで今年は早めに作業を始めました。生え始めのまだらに生えた小さなマコモを除去(写真左は作業前、右は作業後)。密に生えているところは透かして風の通る道を作りました。上の棚田からの水も、土中のパイプ経由ではなく畔を切ってそこから落ちるように。水がきれいになったのか、メダカやオタマジャクシもうれしそうです。眺めていると心が弾む田んぼビオトープになりました。(Y)

2024年5月22日(水)
カエル上陸

 5月18日、19日の当欄でシュレーゲルアオガエルと紹介したのはヤマアカガエルの間違いでした。お詫びして訂正します。今日の左の写真が、以前に撮ったものですが、成長が同じころのシュレーゲルアオガエル(2021年7月4日)。ヤマアカガエルとは似ても似つかぬ姿なのに、思い込みで間違えました。そのヤマアカガエル、あしが4本揃ってからも水の中にいましたが、3日後の今日上陸しました(写真右。尾が短くなっています)。もう生きたものしか食べないので田んぼビオトープ付近に放してやりました。飼育中の幼生は残り6匹。種名がわかるまで飼育を続けます。(Y)

2024年5月21日(火)
ブッポウソウ飛来

 ブッポウソウ、例年より2週間遅れの5月14日に飛来しました! 3月頃、ブッポウソウの巣箱の入口にガムテープを貼りました(写真左)。シジュウカラやヤマガラがこの巣箱を使えないように。小鳥たちが産卵しても、後で来たブッポウソウが巣箱を奪ってしまうということがよくあるからです。そして4月下旬に巣箱入口のテープを外して組み立てました(写真右)。暑さ対策で西日除けに巣箱を山際に移し、ヘビ対策でポリエチレンの平テープを鉄柱に巻き付けたり、断熱シートで作ったキャップを取り付けたり。逆にプッポウソウが警戒しないかと気になっていましたが、幸いカップルが繁殖に使うと決めたようです。ここ2年、暑さやヘビの襲来で繁殖に失敗しています。今年こそうまく行きますように…。2019年4月30日の当欄もご覧ください。(Y)

2024年5月20日(月)
命あふれる季節

 賑やかな鳴き声が聞こえて、コヨシキリの飛来を確認しました。今季3度目の飛来は最多。北の繁殖地に向かう途中に立ち寄ったものです。コヨシキリが立ち寄る自然が残っているのがうれしくて、貴重なこと。さて、左の写真はオオカマキリの、右はオオコオイムシの孵化して間もない幼虫です(体長はそれぞれ約10mm、7mm)。オオコオイムシの幼虫は、オスの背中に産み付けられた卵から孵化したもの(5月12日の当欄をご覧ください)。体の表面を覆っている白いのは泥の小さな粒です。これらの幼虫もまた、生物多様性の一員として生き残って子孫を残す闘いが始まります。(Y)

2024年5月19日(日)
オタマジャクシからカエルへ

 オタマジャクシの左あしが透けてわかるようになりました(写真左。5月19日午前8時20分)。およそ3時間後の11時34分には左前あしが出て、あしが4本揃っていました(写真右)。オタマジャクシとカエルの境界線は?といつも気になっていました。尾が残っていて何とも不思議な姿ですが、前あしが出て肺呼吸になったのでもうカエルです。長い尾は、体内で「異物」と認識され免疫反応により拒絶されて消失するということが突き止められたそうです。そしてその分解産物は栄養分として吸収されるので、尾がなくなるまで餌は食べません。続けてもう少し観察したいと思います。(Y)

2024年5月18日(土)
カエルの前あし…左右どっちが先?

 飼育しているシュレーゲルアオガエルのオタマジャクシが、カエルのような体になってきました(写真左。5月17日)。前あしが出る所が膨らんでいるのがわかりますか。前あしは後あしと違って、皮膚の下である程度育ってから出てきます。前あしは左右同時に出るのでしょうか? 調べると、左前あしは体の左側だけにあるえら穴から出るが、右前あしは皮膚を突き破って出てくる。だから、左前あしが先に出るとありました。ところが、飼育しているオタマジャクシは右前あしが先に出ているのです(写真右。5月18日)。これは例外的なこと? でも考えると…左前あしがえら穴から出ると穴が塞がり肺呼吸だけになります。ならば穴が塞がる前に右前あしが出た方が安全では? もう少し観察してみます。(Y)

2024年5月17日(金)
エゴノキとタンナサワフタギ

 エゴノキ(写真左)とタンナサワフタギ(写真右)の花が咲き始めました。エゴノキは今年は花をたくさんつけているので、実がなる時期が楽しみ。ヤマガラが貯食にやって来るのです(2018年9月4日の当欄をご覧ください)。タンナサワフタギも白くて小さい花がたくさん咲き、蕾も多数あります。数日前、例年の2週間遅れでブッポウソウが飛来。昨日はホトトギスの飛来を確認しました。気が付けば、バードバスに水浴びにくるのは若鳥の集団です。シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、メジロ、ヒヨドリなど。いつの間に巣立ちしたのだろう…。眺めているとホッとする、子どもたちに残してあげたい大切な自然です。(Y)

2024年5月16日(木)
薪で育つカミキリムシ

 ヒメカマキリの卵鞘が付いた薪を飼育箱の中に入れてあります。ヒメカマキリはまだ孵化しませんが、2種類のカミキリムシが出てきました。薪の内部を食べて育った幼虫が羽化を始めたようです。左の写真がホタルカミキリ(体長約1cm)、右はキイロトラカミキリ(体長約1.5cm)です。薪から木屑が出ていたので何かが中にいると思っていましたが、この2種のカミキリムシだったようです。同じ飼育箱の中にはリンゴドクガの繭(2023年11月12日の当欄)もあります。ヒメカマキリの孵化もリンゴドクガの羽化も楽しみです。(Y)

2024年5月14日(火)
食う-食われる(食物連鎖)

 水草取りをしていると、生物の生き残るための様々な闘いを見ることができます。左の写真はスジブトハシリグモ。体長2〜3cmはあるでしょうか。こんなに大きいのは初めて見ました。お腹が大きいので産卵間近のメスのようです。動きが変なのでよく見ると、オタマジャクシ捕食中。オタマジャクシも逃げようともがきますが、やがて動かなくなりました。以前、この付近では、オオコオイムシがツチガエルを食べているのを見ました(写真右。2021年5月8日)。激しい命のやり取りに驚くばかりです。(Y)

2024年5月12日(日)
メダカとオオコオイムシ

 近くの小学校の子どもたちとビオトープを作っています。ビオトープには在来のメダカをと思っていたのに(3月13日の当欄)、田んぼビオトープに行ってもいません。これは困った! いつもいると思って気にかけずにいたのです。ところが昨日、水草取りをしているとメダカが多数泳いでいます(写真左)。大きなものから体長5mm以下の小さなものまで。3月頃はメダカの産卵期。その頃は一時姿を消すのだとわかりました。これで小学校に在来のメダカを持って行けます。オオコオイムシのオスも卵を背負い始めました(写真右)。(Y)

2024年5月11日(土)
オタマジャクシってすごい!

 2月28日にセトウチサンショウウオの卵のうを見つけた水たまりで、アカガエルとは違うオタマジャクシを見つけました(写真左。4月22日。口を水面から出してパクパクしているのは肺で呼吸して空気を吸っているのです)。種類がわからないので、飼育して調べることにしました。右の写真は5月10日に撮影したもの。後あしが出ています。ここまで育つとシュレーゲルアオガエルだとわかりました。この時期は、えら呼吸・皮膚呼吸・肺呼吸、3種類の呼吸をしています。オタマジャクシってすごい! (Y)

2024年5月10日(金)
自然と生物の命を守るには…

 今朝、棚田の上空で11羽のハチクマ(タカ科)が、タカ柱を作りながらゆっくりと東の方向へ飛んで行きました。畑では多数のカワラヒワがコマツナのタネを食べていました。また今日は3回目のカジカガエル探し。やっと見つけることができました!(写真左)。ブッポウソウもコシアカツバメもいないけど…。毎年この時期には決まって飛来し子育てをしていたから、いないことになかなか慣れません。ブッポウソウ(写真右。巣立ち直前のヒナと母鳥。2019年7月11日)やコシアカツバメも同じ思いでしょう。日常が崩れることに不安を覚えるのは人も鳥たちも、きっと同じはず。(Y)

2024年5月8日(水)
オヘビイチゴ

 今日は肌寒いけど、さわやかなお天気。暑くなる前にと、田んぼビオトープの水草取りをしました。例年なら4月末か5月初めに飛来するブッポウソウがまだ来ないのが気になりますが…。さて左の写真はオヘビイチゴの花。今年は至る所でオヘビイチゴが大きな群落を作っています(写真右)。白い花はシロツメクサです。いつも草をきれいに刈ってくれるご近所の方もきれいだと思ったのでしょう。この場所を刈り残してくれました。(Y)

2024年5月7日(火)
コヨシキリとジャコウアゲハ

 今朝、外に出ると、すぐ近くからコヨシキリの賑やかな声。先日も違うところから聞こえたので、集団で繁殖地への渡りの途中のようです。そしてジャコウアゲハ4匹目が羽化しました(写真左が羽化した成虫、右は羽化した後の蛹の抜け殻)。これで確認していた越冬蛹の羽化は終了です。前回に続いて今回もメス。飼育したものではなく、近くのウマノスズクサで育って近くに置いたあった私の長靴で蛹になったのです。長靴は冬の間使用停止、羽化の時落下しないように布を貼りました。その布が役に立って無事羽化して良かった!(Y)

2024年5月6日(月)
カジカガエルを探しに(その2)

 昨日、再度カジカガエルを探しに行きました。5月2日に行ったのと同じ場所ですが、その時より鳴き声がよく聞こえたので、石の上を双眼鏡でカエル探し。鳴き声がしないときは周辺の探索をしました。川のせせらぎの心地よい音、キセキレイの子育て(写真左。石の上で親鳥が巣立ちビナに餌を与えていました)。そして、そばのコンクリート橋の裏にはコシアカツバメの巣が5、6個(写真右)。時折鳴きながら飛び交うコシアカツバメとイワツバメ。結局カジカガエルは見られなかったけど、とてもいい時間でした。(Y)

2024年5月5日(日)
ジャコウアゲハとウマノスズクサ

 昨日、飼育箱の中にあった蛹からメスのジャコウアゲハが羽化しました。うまく飼育箱から出られないジャコウアゲハ。そっと手を出すと指に乗ってきました(写真左)。翅を十分乾かしたら、脚の柔らかい感触を残して飛んで行きました。今季3匹目の羽化で、初めてのメス。幼虫の食草のウマノスズクサも育ってきました(写真右)。もうすぐ今季最初の産卵が始まります。(Y)

2024年5月4日(土)
南側の小道で

 南側の小道でヒメハギが咲くのを楽しみにしていました。毎年1〜2株咲く場所に今年はありません。残念に思っていたら、少し離れたところで発見!(写真左)。株も増えています。可憐で美しい花。つい見惚れてしまいます。右の写真はコガクウツギ。ここ数年花が咲かなかったので、冬に少し剪定しました。その効果か数年ぶりに花を見ることができました。根元に土を入れたりして、来年はもっと大きな花を咲かせたいです。(Y)

2024年5月3日(金)
草刈り日和

 4月26日の当欄にコシアカツバメのことを書きました。その後も施設の周辺を飛び回っているので、昨日その施設にお話しに行きました。工事と関係のない場所だけでもコシアカツバメの巣作りをさせてやってもらえないでしょうかと。誠実に対応していただきましたが、全面工事のため巣の保全は難しいということでした。今はゴールデンウイーク中で工事が行われていないので、30羽以上のツバメが泥を運んで巣を作っています。ゴールデンウイークが終われば多分巣はすべて壊されるというのに。他に何とか営巣場所を見つけてくれるといいのですが…。さて、今日もいいお天気。管理地の草刈りをしました。作業中出てきたのはニホンアカガエル(写真左。体長4〜5cm)。新緑の山がとても美しいです(写真右。手前は太陽光パネル)。(Y)

2024年5月2日(木)
カジカガエルを探しに

 今日は久しぶりの爽やかなお天気で、隣の地区にブッポウソウ飛来確認とカジカガエル探しに出かけました。ブッポウソウは巣箱近くで1羽確認、また姿を見ることはできなかったけどカジカガエルの声を確認しました。カジカガエルの「フィフィフィフィフィーフィー」という美しい声を初めて聞くことができました。もう一度来て姿や行動を見てみたいと思います。左の写真がカジカガエルのいた環境です。しばらく行くと「熊出没注意」の看板(写真右)。自宅から車で20分ほどの所に熊!…。(Y)

2024年5月1日(水)
ウンモンスズメ

 庭でウンモンスズメを見つけました(写真左。2024年4月19日)。スズメガ科の中サイズのガです。頭部の毛の乱れや腹部が黒くなっているのを見ると、羽化したばかりとは思えない。成虫で越冬したのかな? でも調べると蛹で越冬とありました。それなら羽化して間がないのに、どうしてこんなに汚れて乱れている? はて? 狭い所で羽化して外に出ようと暴れたのかな? 右の写真もウンモンスズメ(2021年6月19日)。色の個体変異がありますが、本当はとても美しいガです。(Y)

2024年4月30日(火)
ヒメギスとフキバッタ幼虫

 卵で越冬した昆虫が次々と孵化しています。左の写真はヒメギス、右はフキバッタ。どちらも体長1cmほどの幼虫です。食べて食べられて…。生物多様性の一員として、生き残って子孫を残す競争が始まります。(Y)

2024年4月29日(月)
ビオトープ池にて

 自宅そばのビオトープ池。元々は田んぼだったと思っていた場所を手掘りで掘って、粘土を貼り付けて作った小さな人工池です。その後地元の方に聞くと、ここは田ではなく山だったと。だからすぐに水が漏れてしまうのです。水が減るたびに給水して凌いでいましたが、3年前にとうとう干上がってしまって…。それまではクロスジギンヤンマが40匹以上羽化していたのに姿を消してしまいました。でも、今日見に行ったら、クロスジギンヤンマらしい脱皮殻が1つとシオカラトンボ系の脱皮殻が3つ。そしてヨツボシトンボが羽化を終えたばかり(写真左)。セリの株ではシュレーゲルアオガエルが休憩中。鳴嚢を軽く膨らませたり、へこませたりしていました。鳴く時は鳴嚢(めいのう)をものすごく大きく膨らませるのですね(トップページ)。シュレーゲルアオガエルが鳴いているところを初めて見ました。小さな池の自然が少しずつ回復しているのがうれしい。(Y)

2024年4月28日(日)
ホオノキ

 今日はホオノキ。左の写真はホオノキの芽吹きです。元々は托葉だったものが冬の寒さや乾燥から幼い芽を守るために革質に変化した芽鱗。それが1枚ペロッと剥がれ、ホオノキが活動を始めたことを知ります。少しずつ広がる新葉(写真右)。ピンク色のものは幼葉を守っていた托葉…托葉が必要に応じて革質になったり、柔らかい膜質になったり。動かないと思っていた樹木のダイナミックな活動に驚きました。ホオノキの新葉までの変化は、2023年4月26日当欄の「ホオノキ(その1〜3)」をご覧ください。(Y)

2024年4月27日(土)
トチノキ・芽吹きから若葉へ

 2023年3月3日の当欄でトチノキの冬芽を紹介しました。今年もトチノキは豪快に芽吹き(写真左。4月5日)、今は淡い緑色の柔らかな新葉が広がっています(写真右。4月27日)。周囲の山々も冬のくすんだ色がいつの間にかパステルカラーに彩られ、私の大好きな山の風景になりました。次はホオノキを紹介します。(Y)

2024年4月26日(金)
コシアカツバメ(その2)

 コシアカツバメ(以下コシアカ)が毎年巣作りをする場所は、今は写真のようになっています。ここでは、コシアカのほかにツバメ、スズメ(コシアカの古い巣を利用)、セグロセキレイが巣作りしていました。突然の状況に、みんな困っていることでしょう。夕方、諦められないのか建物の上空を円を描くように30羽ほどのコシアカが飛んでいました。ここで生まれて、毎年ここで子育て…当たり前にしてきた営みがぷっつり途切れてしまう。工事を、繁殖期を少し外してくれたら…。とても切ない思いです。(Y)

2024年4月25日(木)
コシアカツバメ

 4月10日にコシアカツバメの飛来を確認しました。今年もまた子育て期や巣立ちの時期を迎え、そして秋の渡りまで棚田全体がコシアカツバメで賑わうことを期待していました。ところが毎年集団で巣作りをしていた施設が先日から工事に入りました。老朽化した屋根や壁を取り換える大がかりな工事のようです。コシアカツバメは学校や大型施設など限られた場所でしか巣作りしません。東南アジアから繁殖のために渡って来て、いつもの巣作りの場所が使えなかったら…。気になって仕方ありません。新しい安全な場所で巣作りをして、そして来年はまたここに戻って来て巣作りすることを願っています。写真左は田で巣材の泥を集める親鳥、右はその巣。どちらも以前ここで撮った写真です。(Y) ※昨日の当欄でチゴザサと書いたのはチゴユリの誤りでした。お詫びします。

2024年4月24日(水)
チゴユリとアケビの花

 南斜面の小道でチゴユリの花が咲いていました(写真左)。年々株が少なくなって、昨年はとうとう花が咲きませんでした。今年は以前あった場所から少し離れたところで花が咲き、株も少し増えました。日当たりかな? 土壌かな? またたくさんの花が咲くように、様子を見ながら手を入れていきたいと思います。さて、棚田の入り口付近から甘い香り…アケビの花が咲き始めていました(写真右)。真冬を除いて、一年中咲き誇る様々な花。蜜を求めて集まる多くの昆虫。そして昆虫を食べるカエルや野鳥たち…。里山地域の生物相の豊かさは、多様な生物がつながりあってこそです。(Y)

2024年4月23日(火)
羽化ラッシュ

 昨年の秋、薪置き場に置いてあった段ボール箱で自然下のジャコウアゲハの蛹を見つけました。寄生されなかったので、そろそろ羽化かなと様子を見に行ったら、体色が濃いグレーになって翌日ぐらいには羽化しそう…(写真左。4月20日)。でも翌日は雨だったので見に行かず、次の朝見に行ったら蛹はもぬけの殻。羽化を見ることはできませんでした。やはり雨でも見に行くべきでした。去年の春の羽化は1匹だけだったけど今年は2匹目で、まだ羽化しそうな蛹があと1個。アゲハも今季3匹目の羽化がありました(写真右。4月20日)。(Y)

2024年4月22日(月)
小さな命を大切に思える人に

 キビタキやメジロの美しい囀りが聞こえ、ため池にはカワセミやカルガモ。ここ数年聞くことのなかったヒクイナの声もします。先日は、地元の子どもたちにアカガエルやセトウチサンショウウオの幼生を見せることができました。自分が生まれ育った所にこんな貴重な生物がいること、豊かな自然があることは誇っていいし、自慢してもいい。そして将来どんな仕事に就いたとしても、小さな命を大切に思える人になってほしいと思います。さて、草むらを歩いていたら、冬眠から目覚めたばかりの痩せたアマガエル(写真左)。また孵化したばかりのヤブキリ幼虫(写真右。体長約7mm)。今年も里山の賑わいが始まりました。(Y)

2024年4月21日(日)
草はらの手入れ

 カヤネズミの生息地として残していた草はらの草を刈り、刈草を焼きました(写真左。4月20日)。火の様子を見ながら、セイタカアワダチソウを抜いて、ノイバラを根元から刈りました。これらが大きくなると手入れに難儀するのです。周囲はカサスゲが増え、花が咲き始めています(写真右)。カサスゲはカヤネズミが好む巣材です。今までは一面草はらにしていましたが、そこに草を刈って小さな道を作りました。風の通りが良くなって、手入れもしやすく、また景観も良くなるでしょう。カヤネズミ、喜んでくれるかな?(Y)

2024年4月19日(金)
羽化

 昨日、今季初めての羽化がありました。キアゲハが1(写真左)、アゲハが2(写真右)、ジャコウアゲハが1の3種4匹。どれも春型の小さなチョウですが、羽化直後のチョウはとても美しいです。飼育箱にはまだアゲハ、クロアゲハなどの蛹が残っています。毎日飼育箱を見て、羽化が始まっていたら飛んで行けるように扉を開けたままに。親の気持ちになって、無事羽化することを願っています。(Y)

2024年4月16日(火)
セトウチサンショウウオの成長(その2)

 4月2日の当欄で、孵化して間もないセトウチサンショウウオを紹介しましたが、今回は少し成長したセトウチについて。餌は田んぼビオトープのミジンコやアカムシを与えています。成長が心配でしたが、体長約2.5cm、体色も濃くなり体格も立派に(写真左)。よく見ると体前部のヒレは指のある前あしに、そして体後部にはヒレ(写真右)。このヒレは後あしになります。6〜7月頃に外鰓が消失し、肺呼吸になって上陸します。魚類から両生類への進化の歴史を感じながら、今年も大切に成長を見守ってやりたいと思います。(Y)

2024年4月14日(日)
ショウジョウバカマとウマノアシガタ

 北斜面にショウジョウバカマの花が咲き始めました(写真左)。田んぼビオトープ周辺ではウマノアシガタが例年にも増して美しい花を咲かせています(写真右)。小鳥たちがさえずり、シュレーゲルアオガエルなどカエルの鳴き声が響いています。水の中ではアカガエルの幼生、セトウチサンショウウオの幼生、メダカも気持ちよさそうに泳いでいます。こんな生き物たちの賑わいも危うい状況にあります。自然も生物の命もどうしたら守れるのでしょうか。太陽光パネルは増加の一途です。(Y)

2024年4月13日(土)
タンポポ

 タンポポの花といえば、茎の先に咲く丸い花を思い浮かべますが、実はこれは花の集合体。1枚の花弁(花びら)のように見えている小さな花(小花・しょうか)が集まったものです。このような作りの花を頭状花(とうじょうか)と言い、小花の1つ1つに雄しべ・雌しべ・がくがあります。さて、当地のタンポポは在来のカンサイタンポポ、シロバナタンポポ、キビシロタンポポと外来のセイヨウタンポポの4種です。左の写真はカンサイタンポポ。花全体を包む総苞(そうほう)と呼ばれる部分が閉じています。右はセイヨウタンポポ。総苞が反り返っています。そろそろ実ができる頃。カワラヒワやホオジロが食べにやってきます。2023年4月7日の当欄もご覧ください。(Y)

2024年4月10日(水)
コシアカツバメ飛来

 コシアカツバメが飛来。昨年まではブッポウソウと同じ4月末〜5月初めに飛来していましたから、今年はとても早いです。この辺りでは個体数は多いのですが、近くの施設の軒下だけで集団営巣していて、他に営巣している所はありません。最近は民家やスーパーなどでもツバメ類が巣作りできない場所が増えました。コシアカツバメが今年もこの施設で営巣できることを願っています。Kさんのお宅では例年のようにツバメが巣作りを始めましたが、我が家はやっぱりダメみたいです。でも、花が次々と咲くうれしい春です(写真左:ナズナ、右:カキドオシ)。(Y)

2024年4月9日(火)
コバノミツバツツジとツチイナゴ

 南斜面の小道でコバノミツバツツジが咲き始めました(写真左)。小道沿いでササ刈りをしていると、目の前に成虫越冬のツチイナゴ(写真右)。昨年は猛暑の夏が長く、秋があったのかどうか…。そして急な冷え込みとともに昆虫がほとんどいなくなりました。秋に成虫になって冬を越すツチイナゴ。「生きていてよかった!」…今季初めてのうれしい出会いです。(Y)

2024年4月8日(月)
シュンランとヒサカキの花

 シュンランの花を見に行ったら、すでに花は終わっていました。また先日、満開のヒサカキの花を撮影したらピンボケのものばかり。がっくりです。でもダメもとで北斜面に行くと、シュンランもヒサカキもまだ咲いていました。東西南北、方向によって斜面の気温が違います。北斜面が暖かくなってから咲いたのでしょう。左の写真はシュンラン、右はヒサカキです。今年も見ることができて、カメラに収めることができてよかった!(Y)

2024年4月7日(日)
水草取りと生物調査

 昨秋は暑さと日照りで田んぼビオトープが干上がって、水草取りも十分できませんでした。取りそこなった分を今頃取り除きながら、生物調査をしています。左の写真はドジョウ、右はシオカラトンボ系のヤゴです。ところで、冬の暖かい日に群れになって泳いでいたメダカが忽然といなくなりました。世代交代で、しばらくすると体長1cmもない小さなメダカが現れるのかな。いつもいるものだと今まで気に留めることもなかったけど、メダカが見られなくなる時期があるのかもしれません。今季はちゃんとメダカを観察して確かめたいと思います。(Y)

2024年4月6日(土)
満開のサクラ

 サクラが満開です。写真は濃いピンク色の早咲きのサクラ。見上げると美しさに心がほぐれます。ソメイヨシノも満開となり、ヤマザクラも咲き始めました。これから里山は美しい花の季節を迎えます。(Y)

2024年4月5日(金)
ヒメカンスゲとスズメノヤリ

 春の花が次々と咲き始めています。左の写真はヒメカンスゲ(カヤツリグサ科)。スミレでもタンポポでもなく、この花が咲くと春が来たことを思い起こさせてくれます。右の写真はスズメノヤリ(イグサ科)。初めてこの名前を聞いた時、先が尖ってないけどヤリ?と不思議に思いました。調べると、先端の花の集まりが大名行列の毛槍に似ているからということでした。ヒメカンスゲとともに大好きな花です。(Y)

2024年4月3日(水)
春の風景

 20℃越えのお天気が続いたあと、今日は土砂降りの雨。肌寒い一日でした。左の写真は棚田から見た自宅方面の春の風景(2024.04.02)。里山地域だからこその美しい風景だと自負しています。今年は自宅にツバメを呼ぼうと少し工夫をしました(写真右)。ヘビ対策もカラス対策もこれでバッチリ?。今年は我が家で巣作りどうぞ!(Y)

2024年4月2日(火)
セトウチサンショウウオの成長

 飼育しているセトウチサンショウウオの幼生。孵化した時は1cmほどでしたが、今は約2cmになりました。外鰓もつるんとしていたのが、複雑に枝分かれしています。毎日写真を撮っていますが、小さくて複雑な体のつくり、おまけにアクリル板越しの水の中。私のコンパクトデジカメではなかなか納得のいく写真は撮れません。今日は絞り込んで被写界深度を深くしてみました。外鰓のよくわかる、今までで一番の写真が撮れた…かな?(写真左・右) 今、セトウチの魅力にどっぷりとはまっています。(Y)

2024年4月1日(月)
ミツバツチグリとニオイタチツボスミレ

 3月は寒い日が続いていましたが、ここ数日20℃を超えるお天気。少し体を動かせば汗ばむほどで、早咲きの桜も桃も一気に満開になりました。休耕田で刈草を焼いていると、法面にミツバツチグリ(写真左)とニオイタチツボスミレ(写真右)の花が咲いているのに気づきました。華やかな桜や桃とは違う可憐な美しさ。ニオイタチツボスミレに顔を近づけると、おしろいのような上品な匂いがしました。(Y)

2024年3月31日(日)
生物の営みと美しい風景

 上の田んぼビオトープの畔を切って、土中のパイプからではなく昔の棚田のように水が上から下に流れるようにしました(写真左)。雨が降ると滝のように勢いよく水が流れ落ちます。昨年の猛暑と少雨でドロドロに汚れた水がすっかりきれいになりました。冬眠から目覚めたばかりのアカハライモリ(写真右)も気持ちよさそう。シュレーゲルアオガエルの「キリリリッ、キリリリッ」と乾いた声も響いて、また一つ季節の移り変わりを感じます。澄んだ水の流れを眺めていると気持ち良い。こんな風景や生物の営みを大切に守りたいです。(Y)

2024年3月30日(土)
春の到来

 昨日、今日は20℃を超えました。急に暖かくなって樹木が一気に芽吹き始めました。左の写真はゴンズイの冬芽(1月14日)。右は芽吹き始めたゴンズイです(3月29日)。気付かないまま、樹木も大きく変化しながら花を咲かせ、葉を茂らせます。昨日は暖かくいいお天気だったせいか、動物の動きも活発でした。鳥ではエナガ・カルガモ・シジュウカラのカップルなど。チョウではアカタテハ、ルリタテハ、ヒメアカタテハ、テングチョウ、キタキチョウ、モンシロチョウ。成虫越冬のホソミオツネントンボやクビキリギスも活動開始。水の中では多数のオタマジャクシとともにドジョウ、ガムシ、ヤゴなどの姿。生物が賑わい始めた嬉しい春の到来です。(Y)

2024年3月28日(木)
アカガエルの見分け方(その2)

 田んぼビオトープのアカガエルの卵は、すべてオタマジャクシ(以下幼生)になりました。成長の早いものでは体長2〜3cm。3月20日の当欄では卵塊で2種を見分ける方法を紹介しましたが、この大きさになると幼生で見分けられます。左の写真は背に一対の黒斑があるニホンアカガエルの幼生、右は黒斑のないヤマアカガエルの幼生です。今季は今までになく多くの産卵があり、田んぼビオトープはオタマジャクシがいっぱい! これから食べて食べられて…生き残ったものだけがカエルになります。それまで水が切れることのないように、お天気を気にしながらの毎日です。(Y)

2024年3月26日(火)
休耕田の畑

 今冬は雪がほとんど降らず、雨の多いお天気でした。おかげで田んぼビオトープはこの季節には珍しく満水です。でもこの先、日照りや少雨が続くと一気に干上がりそうで…アカガエルやセトウチが無事上陸できるように願いたいです。さて、休耕田の畑を見に行くと、巻かないのでそのままにしていた白菜に花が咲き(写真左)、キャベツがよく育って今までで一番の出来!(写真右)。 このキャベツは花が咲く前に収穫しなくては。3月下旬というのに寒い日が続きます。それでも今週後半からは春本番とか。サクラの蕾も膨らんできました。(Y)

2024年3月25日(月)
セトウチサンショウウオ(その2)

 3月21日の当欄に、孵化して間もないセトウチサンショウウオ幼生の外鰓(以下えら)について書きました。その時つるんとしていたえらが、今日見たら枝分かれしています(写真左)。また、えらの前方に左右1本ずつある突起はバランサーと呼ばれるもの。幼生期の初期に体の平衡を取る役割をしていて、これがないと幼生はひっくり返ってしまうそうです。バランサーは2週間程度で脱落します。右の写真で、えらの下から後方に突き出しているのはヒレ。これから指ができて前肢になります。その後、体の後方にもヒレができてそれが後肢になります。幼生は様々に変化しながら元気に成長しています。(Y)

2024年3月23日(土)
ヒル

 田んぼビオトープにたくさんいたチスイビル(以下ヒル)が全くいません。以前、田んぼビオトープに入ると、長靴に10匹以上のヒルが上がってきて驚いたことがあり、血を吸われたこともあります。だからヒルがいなくなってホッとした面も。ところがヒルがいなくなったのと同時期に、ミズカマキリタイコウチ、ゲンゴロウ類など水生昆虫も姿を消したり大きく数を減らしたりしたのです。調べるとヒルは、今では水草が豊富な池など自然が残された場所でないと見つからないそうで、全国的に絶滅が危惧されているのだそうです。原因は主に農薬。以前の田んぼビオトープはいい環境だったのだと改めて思います。さてこれからどうしたらいいのでしょう…。ヒルは伸びたり縮んだり、自在です(写真左・右)。(Y)

2024年3月21日(木)
セトウチサンショウウオ

 1月30日に見つけたセトウチサンショウウオの卵のう。卵のう膜を破ってしまい、剥き出しになった卵を自宅で飼育していました(1月30日の当欄)。先日見たら、幼生になって泳いでいます(写真左)。棘のように出ているのは外鰓です。右の写真は2021年5月4日のものですが、外鰓は鳥の羽のように細かく枝分かれしています。個体の成長につれて、つるんとした棘のような外鰓も細かく枝分かれしていくのですね。セトウチの成長を間近で見ていると、魚類から両生類への進化の歴史が感じられてワクワクしてきます。(Y)

2024年3月20日(水)
アカガエルの見分け方(その1)

 田んぼビオトープのアカガエルの卵はほとんどが孵化して幼生になり、早くに産卵されたものは2cmほどに成長して元気に泳いでいます。当地には2種のアカガエルがいます。ちょっと遅いのですが、卵塊での2種の見分け方について紹介します。左の写真のように、卵塊を掬って手の中にすっぽり収まるのがニホンアカガエル。小さな卵塊でも手の中に収まらず、流れてしまうのがヤマアカガエルです。このやり方で見分けられるのは産卵後1週間まで。それ以降は難しくなります。(Y)

2024年3月18日(月)
アカガエルの新たな産地

 今まで気づかなかった場所にアカガエルの卵塊があると聞いて、教えてくださったOさんに案内していただきました。田の法面の際に掘られた屋根溝(やねみぞ)にたくさんの卵塊があり、ほとんどが孵化していて2cmほどに成長した幼生も(写真左)。屋根溝は田の水を抜くためのものだそうです。田に水分が多いと大型機械が使えないのです。アカガエルの産卵は田んぼビオトープ周辺だけになってしまったと思っていたので、思いがけず嬉しいことでした。中山間地には、山際の水が湧く場所がもっとあるはず。アカガエルとの共生が期待できそう…。右の写真は、幼生の集まりに接近して撮影したものです。(Y)

2024年3月17日(日)
久しぶりの草刈り

 カヤネズミの越冬地として刈り残していた枯葉色の草はら(写真左。高い所から俯瞰したものです)。一昨日から草刈りを始めました。広い放棄田なので作業はなかなか進みませんが、オイルタンク1杯分の草刈りで最低10個のカヤネズミの巣が見つかります。右の写真は、草はらの中。倒れた草を起こしながらの、休み休みの作業です。1月24日の当欄の右の写真は7月に撮影したもの。左の写真と同じ草はらです。草を刈り終えたら焼いて…緑色の美しい草はらが楽しみです。(Y)

2024年3月13日(水)
消えたメダカとビオトープ

 遺伝子組み換えされた「光るメダカ」ではなく、地域のメダカを田んぼビオトープに入れてきました。今日も毎年捕りに行く水路に行きました。ところが、あんなにたくさんいたメダカが全くいない! いるのは多数の小さな巻貝と少数のドジョウのみ。生物が周りからどんどんいなくなります。やがては人への影響も出てくるのでは? ところで隣の地区の小学校で、子どもたちと作っていたビオトープがひとまず完成しました(写真左、右)。ツルツルした壁面には粗朶を設置。これから草が生え、花が咲き、トンボが来て…。うれしい想像が広がります。今日はここに入れるメダカを捕るつもりでした。田んぼビオトープから分けることにします。子どもたちの未来が明るいように…大人にはその責任があると思うのです。(Y)

2024年3月11日(月)
地域の自然にこだわったビオトープ

 同じ町内の小学校の子どもたちとビオトープ作りをしています。今日は庭で、細い木の枝を10〜20本束ねて粗朶(そだ)作り(写真左)。粗朶は小さな生物の隠れ場所になったり、メダカの産卵場所になったりするので、ビオトープの多様な環境作りに使います。今週小学校に持って行く予定。メダカは、お店で売っている遺伝子操作されたものではなく、地域にいるメダカを。また、水草もホテイアオイではなくコナギ(写真右)を。地域の自然にこだわったビオトープにしたいと思います。(Y)

2024年3月10日(日)
アカガエルの卵塊救出

 今日は風もなく、日差しの暖かいお天気です。鳥たちの活動も活発で、庭のケヤキの木にアオゲラがやってきました。今季初飛来です。さて、一昨日の続きでMさんの田の水路へ卵塊救出に。6〜7個あると思っていたセトウチサンショウウオの卵のうは、掬いあげてみると2個だけ(写真左。1対の大きなものとちぎれて分離したもの)。これで田んぼビオトープと周辺のセトウチ卵のうは通算36個に。またアカガエル卵塊は13個あり、一昨日の分と合わせて42個。これらはすべて救出して、田んぼビオトープの水量の安定したところに放しました。右の写真は、田んぼビオトープで1個のアカガエル卵塊から生まれた夥しい数の幼生(オタマジャクシ)です。この中からカエルにまで育つのは…?(Y)

2024年3月9日(土)
自然を壊して再エネなんて

 今日の最低気温-1℃、最高気温+5℃。啓蟄はもう過ぎたというのに、時折雪が舞う真冬並みのお天気でした。それでアカガエル卵塊の救出は明日以降にして、今日は家の用事を。こんなに寒い中、バードバスではシジュウカラやヒヨドリ、スズメがひっきりなしに水浴び。イカルの高音の明るい囀りが響きます。昨日、卵塊を救出した近くの田の法面には一輪のコスミレ?(写真左)。また卵塊のすぐそばにノウサギの糞(写真右)。減少が心配されているノウサギが近くにいることがとても嬉しい。当地に限らず、自然豊かな場所を壊してソーラーパネルを並べたり風発建設なんて何かおかしい…。(Y)

2024年3月8日(金)
セトウチ、産卵ラッシュ

 今日は田んぼビオトープへ。セトウチサンショウウオの卵のうは40個に。田んぼビオトープに隣接するMさんの田や水路にもアカガエルが産卵していないか…気になって見に行きました。今まで数回見に行った時はなかったのに、今日は田に29個の卵塊がありました(写真左)。すでに水はほとんどありません。このままでは干からびそうなので、救助して田んぼビオトープへ移しました。水路にも卵塊が数個。また、セトウチの卵のうも6〜7個(写真右)。ここで見つけるのは初めてです。水路の卵塊や卵のうも放っておけば埋めたパイプから流れてしまいますが、今は大丈夫。救助は明日に。(Y)

2024年3月6日(水)
東京へ

 3月1日から2泊3日で、2人の娘家族に会いに東京へ行きました。東京はどこも大勢の人、人。デパ地下での買い物をすごく楽しみにしていたけど、人の多さと大荷物とで早々に諦めました。東京一極集中は問題ありだけど、私の住む所のように高齢化・人口減少も大いに問題ありです。左の写真は都心から30分ほどの所。昔の武蔵野を彷彿とさせる風景が残っていました。右は帰りの新幹線の車窓からの眺め。富士山がとてもきれいでした。さて、帰宅して田んぼビオトープに行ったら、新たな産卵があったようです。通算で、アカガエルが300卵塊以上、セトウチサンショウウオの卵のうは27個になりました。(Y)

2024年2月28日(水)
セトウチサンショウウオの新しい卵のう

 田んぼビオトープの近くの水たまりにある深みで、セトウチサンショウウオの卵のうを7個見つけました(写真左、右。卵のうは茎にしっかり付いていました)。田んぼビオトープでも1個、新たな卵のうが。通算で23個。調査を始めて以来最高の数です。この水たまりでセトウチの卵のうを見つけたのは初めて。気づかなかっただけで、ずっと産卵があったのだと思います。ここは雨が降らないと干上がってしまうので、田んぼビオトープに移しました。干上がらないように、適度な雨を願うばかりです。(Y)

2024年2月26日(月)
セトウチサンショウウオの外鰓

 セトウチサンショウウオの外鰓はカエルと違って、変態して上陸するまであります(写真左。飼育下のもの。2020年5月13日)。右の写真は自然下の成体、田んぼビオトープに来てメスを待つオスです(2022年11月27日)。水辺に来るのは繁殖期だけで、繁殖が終われば雑木林などで暮らし水辺に来ることはありません。2020年、初めて飼育して放流。成熟するのに2〜3年かかるそうですから、今繁殖に来ているのはその時の個体かも…!(Y)

2024年2月25日(日)
カエルの外鰓

 田んぼビオトープでアカガエルの卵塊数を調べたら、新しいものも入れて通算で300個近くありました。セトウチサンショウウオの卵のうも15個に。ここは生物のホットスポットと言っても過言ではない気がします。大切に保全されるべき場所ではないでしょうか。さて早くに産卵されたものは体長1cmほどのオタマジャクシ(幼生)になっています(写真左)。右の写真は孵化して間もない、外鰓のある幼生です。外鰓(がいさい)とは外えらのこと。カエルにも孵化して2〜3日は外鰓がありますが、その後消失します。カエルの外鰓を初めて見た時は驚き、感動しました。(Y)

2024年2月23日(金)
水の濁りとカモの羽

 田んぼビオトープに行くと、このところずっと水が濁っています。先日は大きい羽が3枚水面に浮いていました(写真左。3枚のうちの1枚)。カモが来ているのです。夜行性で、種類は特定できていません。右の写真はたんぼビオトープにいたコガモ(2017年3月2日)。写真を整理していて見つけました。当時は田んぼビオトープに隣接して放棄田があり、木も生えていて隠れやすかったのか、10羽ほどの群れが昼間も活動していました。今は放棄田を整備しているので、隠れる所はありません。だから夜に採餌にくるのかな。羽をよく観察して、早く種類を特定したいです。(Y)

2024年2月21日(水)
アセビの花とフキノトウ
 大阪では、18・19日はまだ2月というのに暑いほどのお天気。冬物の上着を脱ぎたかったけど、たくさんの荷物もあったので着たまま我慢。でもこちらに戻ってからはお天気が悪く、とりわけ今日は一日中冷たい雨が降る肌寒い一日でした。さて先週撮影したものですが、アセビの花が咲き(写真左)、フキノトウも大きく膨らんで中の蕾が見えるように…(写真右)。昨日は少しですがフキノトウ味噌を作って早春の香りを楽しみました。(Y)
2024年2月20日(火)
アカガエルとセトウチサンショウウオの産卵

 18日から一泊で大阪に行きました。電車の窓から眺める風景は高層マンション林立の味気なさ。自宅に戻れば落葉した樹木と緑の常緑樹、枯葉色の中に見えてきた淡い緑色。見慣れたとはいえ変化に富んだ今頃の景色にほっと一息。さて、今日3日ぶりに田んぼビオトープに行くと、アカガエルの新しい卵塊が71個(写真左はその1つ。通算では240個ほど)。そして、セトウチサンショウウオの卵のう1個を発見(写真右。通算で11個)。この地域の個体のほとんどみんなが、この広くはない田んぼビオトープに集まってきているような気もします。別の場所で小さくても水の涸れない場所が増えてほしい。生物と共生するための大きな願いです。 ※2月16日の里やま日記の、アカガエルの卵塊数通算200個以上は間違いで、正しくは170個以上です。(Y)

2024年2月16日(金)
アカガエルの産卵から考えたこと

 田んぼビオトープで今日見つけたアカガエルの卵塊は、およそ100個(写真左。その一部です)。通算で200個を超えました。1卵塊の卵数は500〜3000個ですから、200個の卵塊では10万個〜60万個の卵があるということになります。もちろんすべてがカエルになるわけではなく、卵・幼生・成体がさまざまな生物の餌となり、里やまに棲む生物の命を支えています。アカガエルがいなければ里やまの多くの生物は生存が難しくなります。アカガエルは里やま生態系の中で重要な役割を担っているのです。そのアカガエルが、乾田化や水路のコンクリート化で生存の危機に瀕しています。何とかアカガエルの生息環境を保全できないか。毎年卵塊と向き合う中で考えてしまいます。右の写真は、水路で角ぐみ(つのぐみ)始めたカサスゲです。(Y)

2024年2月15日(木)
セトウチサンショウウオの卵のう

 昨夜は田んぼビオトープの方から盛んにヤマアカガエルの鳴き声がしたので、産卵が期待できそう…。楽しみに田んぼビオトープに行くと、やはりアカガエルの新しい卵塊が43個も見つかりました(通算では67個)。早くに産卵されたものは幼生が卵塊膜から出て泳ぎ出しています。また、水路ではセトウチサンショウウオの卵のうをまた1個見つけました(写真左。7個目)。すでに発生が進んでいますから、見落としていたのでしょう。右の写真は昨日見つけた卵のう。これも拡大して見ると、かなり発生が進んでいました。(Y)

2024年2月13日(火)
卵の発生と子どもたちとのビオトープ作り

 今日は4月並みの暖かいお天気。田んぼビオトープの様子を見に行きました。アカガエルの卵のうでは、発生が進んでいました(写真左)が新しい産卵はなし。セトウチサンショウウオの卵のうは1個増えて合計4個に(写真右は今日見つけたもの)。こちらも発生が進んでいるので、以前に産卵されていたのに気付かずにいたものです。そのあと、車で隣の地区の小学校へ。依頼があって、ビオトープ作りの下見に行ってきました。ビオトープを作って下の学年の子たちを楽しませたいという、上の学年の子どもたちの熱い思いを担任の先生からお聞きしました。子どもたちとのビオトープ作りが楽しみです.(Y)

2024年2月11日(日)
植物たちの冬ごもり

 冬の間、樹木は冬芽で春に芽吹く花や葉を厳しい寒さや乾燥から守ります。一方、草花は枯れてしまいますが、地上部は枯れても地下の根が生きているものもたくさんあります。そこから春に新しい芽を伸ばすものや、緑の葉が地面に張り付くようにして冬を越すものがあります。写真のように円形に葉を広げて冬越しする様子をロゼットといいます(左の写真はタンポポ、右はノアザミ)。ロゼットのメリットは、冬の冷たい風を避け、太陽の光を効率よく利用できること。ロゼットとは、八重咲のバラの花を由来とする言葉だそうです。(Y)

2024年2月9日(金)
生物多様性お話し会

 日々田んぼビオトープと向き合っていると、山を切り開いて石を積んで棚田を作った先人の苦労が見えてきます。私たちも借りた田を水を涸らさない様に管理していると、多様な生物が見られるようになりました。周辺の草はらにもさまざまな生物が暮らしています。そんな場所が潰されて太陽光パネルだらけになるなんて…耐え難い思いです。同じような問題意識を持つ人たちで「生物多様性お話し会」を持とうということになり、昨日実施されました。15名の参加があり、私たちも生物調査のデータ紹介や「生物多様性とは?」という話をさせていただきました。その後、アカガエルの産卵が始まった田んぼビオトープ(写真左)の見学。若い参加者の人たちも大いに興味をもってくれて、自分たちの地域でもやってみようと…。とても励まされた思いで帰ってくると、庭では早春の花フクジュソウが咲き始めていました(写真右)。(Y)

2024年2月4日(日)
渇水を乗り越えて

 去年の夏から秋にかけてほとんど雨が降らず、最近まで田んぼビオトープは半分ほど干上がった状態。水草を抜いても泥上げをしても一向に水が湧きません(写真左。1月14日)。ここは、休耕田を借りた時はイノシシのぬた場でした。畔が常にぬかるんで、麻袋に土を詰めて畔に積むことを何度も行ってようやく歩けるような状態。そんな場所だから、穴を掘ればすぐに水が湧いてきました。でも今冬は全く湧いてこなかった。猛暑と少雨で地下水位も下がっていたのでしょう。1月20日と21日の待望のまとまった雨で、田んぼビオトープは一気に満水に(写真右。左の写真と同じ場所。1月21日)。アカガエルの産卵に間に合って、ほっとしています。(Y)

2024年2月2日(金)
アカガエルの産卵と太陽光パネル

 今季は冬鳥が少ないとはいえ、今日はカシラダカとアオジを見ることができました。例年なら10月〜11月頃には姿を見せる鳥たち。この異変の原因は? 今後何らかの発表があるでしょうか。さて、今日もアカガエルの新しい卵塊が8個ありました(写真左。これは2月1日に撮影したもの)。この写真のように、同じ場所に集中して産卵することが多いです。アカガエルが産卵する田のすぐ近くで太陽光パネルの設置工事がほぼ終了(写真右)。カエルとパネル、やっぱりミスマッチだなぁ…。(Y)

2024年2月1日(木)
能登の大地震から1か月

 早いもので、今日から2月。元日の能登地方の大地震から1か月です。地震は日本列島に住む限り避けられませんが、能登で起こった地震の規模の大きさに呆然となりました。想定外なんて言葉は人間の思い上がり。自然災害には通用しないものであることをまた思い知らされました。人間は自然にも他の人間や野生生物の命にも、もっと謙虚に生きなければ…。さて、1月21日に始まったアカガエルの産卵。今日は14個の新しい卵塊を確認しました。左の写真で右側が21日産卵のもの、左側が新しいピカピカの卵塊です。また、セトウチサンショウウオの卵のう1個を見つけました(写真右)。絶滅に瀕した両生類の命。大切に守りたいと思います。(Y)

2024年1月31日(水)
田んぼビオトープの整備

 秋から始めた水草取り。カエルの産卵に間に合うか心配でしたが(写真左。2023年12月10日)、頑張った甲斐あってようやく目途がつきました(写真右。2024年1月21日)。作業直後なので水が濁っていますが、翌日にはきれいになりました。泥上げや水草取りの作業は大変ですが、田んぼビオトープがきれいになり、生息する生物が増えることは大きな喜びでもあります。(Y)

2024年1月30日(火)
セトウチサンショウウオの産卵

 今日は暖かく穏やかな一日。田んぼビオトープの水草取りをしました。アカガエルの産卵は1月21日の1卵塊のみ。セトウチサンショウウオ(以下セトウチ)は成体も見ないし、産卵はまだだろうと思っていました。ところが無造作に水草を抜いたらセトウチの卵のうが2個付いていてびっくり(写真左)。あまりに無造作だったので、1個は卵のう膜が破れて寒天質に包まれた卵が剥き出しに。その1個は持ち帰って孵化するまで飼育することにして、無事な方は見つけた所にそっと戻しました。昨夏の猛暑と少雨を生き抜いて産卵に戻って来たセトウチ…何だか愛おしいです。作業を終えて帰宅すると、きれいな空が広がっていました(写真右)。(Y)

2024年1月27日(土)
ヒメカマキリの卵鞘

 薪置き場に積んでいた薪にヒメカマキリの卵鞘がありました(写真左)。初めて見るもので大きさ約1cmと、その小さいことに驚きました。成虫とは昨年初めての出会いがありました。本種は他のカマキリと比べて小さくて目立ちにくいですが、成虫も幼虫も眼に特徴があるので見分けることができます。右の写真は少し成長した幼虫で、夫が2010年8月に撮影したものです。(Y)

2024年1月26日(金)
ケラとサワガニ

 ニホンアカガエルの産卵があった1月21日は昼間暖かく、水路ではケラを見ることができました(写真左)。田んぼビオトープの上の法面からは水が滴り落ちています(写真右)。所々にある穴ではサワガニ(季節の1コマ504)が越冬中。サワガニは清流の生きものだと思っていたので、当地で初めて見た時は驚きました。田んぼビオトープの水も水田と同じように雨水頼みですが、土中を通って湧き出す水がきれいだということでしょう。本種は日本固有種。母ガニの腹板内で稚ガニまで成長します。ケラもサワガニも魅力的で、見飽きることがありません。(Y)

2024年1月25日(木)
冬芽と葉痕(ニワウルシとサンゴジュ)

 左の写真はニワウルシ(別名シンジュ)幼木の冬芽と葉痕。ニワウルシは中国原産の高木で成長すると高さ25m、直径1mほどにもなる木。たくさんの種子を飛ばし、成長が早いので至る所の空地や道路際に見られます。大きなハート形が葉痕、その上の突起が冬芽です。右の写真は、ご近所のおばあちゃんのお宅にあるサンゴジュの冬芽と葉痕。大きな帽子をかぶった人のよう。これらの芽吹きも見てみたい。春が待ち遠しいです。(Y)

2024年1月24日(水)
棚田が美しいのは(その3)

 きれいになった堤防の景観を記録に残したくて、棚田の高い所から撮影しました(写真左。2021年9月7日)。右の写真は現在のため池堤防下です。白っぽく見えているのはマコモなどが枯れたもの。ここでカヤネズミが繁殖し、枯れた草の株元や倒れた草の間で越冬します。それでも放っておくわけにはいかず、これから少しずつ枯れ草を刈ります。そうすると、春にはまた青々とした草が生えて美しい草はらに。若いころ見た美しい棚田の景観は、農家の多くの人の汗によって守られていたのです…当時はそんなこと思いもしなかった。(Y)

2024年1月24日(水)
棚田が美しいのは(その2)

 左の写真は、ため池堤防下の数年間放置されたままの放棄田です(2016年12月14日撮影)。その後うちで草刈りなど整備しているとカヤネズミが多数生息するマコモ、チガヤ、ススキの美しい草はらになりました(写真右。2020年7月5日撮影)。2023年1月24日の当欄もご覧ください。(Y)

2024年1月22日(月)
棚田が美しいのは(その1)

 昨夏の猛暑で棚田の整備ができず、暑さが和らいだ10月になってから草刈りや田んぼビオトープの水草取りを始めました。放っておいた水草は伸び放題(写真左。2023年11月20日)。アカガエルの産卵までに水草を除去して開放水面を広げておかなくてはと作業開始。水草取りは大変。でも毎日少しずつ続けていると、いつの間にかきれいに(写真右。左の写真と同じビオトープです)。棚田が美しいのは人の汗の賜物という言葉に共感…でも現代において美しい棚田の景観を守り続けるにはどうしたらいいのでしょう。(Y)

2024年1月21日(日)
アカガエルの産卵が始まりました

 一昨日、昨日と待望のまとまった雨が降り、田んぼビオトープのすべてが満水。干上がっていた田んぼビオトープのいろんな所からあふれ出てくるきれいな水…いつまでも眺めていたいと思いました。そして今季初めてのニホンアカガエルの産卵(写真左)。1卵塊だけですが昨季より3週間ほど早い産卵です。水路にはオスの成体も(写真右)。ところで冬鳥が少ない今季ですが、昨日はシロハラ、今日はトラツグミが初めて庭に来ました。うれしいことがテンコ盛りの、特別うれしい日…。(Y)

2024年1月19日(金)
クサギの冬芽と芽吹き

 クサギの冬芽を初めて見た時、元気いっぱいって感じで面白いと思いました(写真左。2022年2月)。この冬芽がどのように芽吹くのだろう? 右の写真は芽吹いて葉が展開し始めたもの(2022年4月)。以前は葉が茂った木か、落葉した木しか目に入らなかった…。冬芽で寒さをしのいで、春に芽吹いて葉を茂らせるという木のダイナミックな変化に気付かないでいたのです。冬芽の面白さとともに芽吹きの美しさ、不思議さに触れて、一昨年から観察を始めました。いろんな木の芽吹きの季節に、少しずつ紹介したいと思います。(Y)

2024年1月18日(木)
冬芽(ナナカマドとヒメコウゾ)

 昔、幼い娘たちと「ふゆめ がっしょうだん」の絵本を楽しみました。以来、絵本にある様々な冬芽に興味を持ちました。でも当時住んでいた大阪では身近で見る機会もなく、いつの間にか心の奥底に。当地に来て様々な冬芽を見る機会を得て、しまっていた興味がまたムクムクと…。左の写真はナナカマド、右はヒメコウゾの冬芽です。こちらに移住した当初、ヒメコウゾがはびこって困っていたのに、こんなに大きな冬芽に気付かなかった。身近にあることで興味を持ち、知ることでさらに気付きが増える…そんな気がします。(Y)

2024年1月16日(火)
草刈りとカヤネズミの巣

 今日は草刈りをしました。左の写真は放棄田のマコモとチガヤの小さな群落。ここを刈っていて秋の繁殖巣を3個見つけました。もう使われていないので中を見ると、チガヤの葉が細かく裂かれた産座にたくさんの黒いものが(写真右)。カヤネズミ幼獣のフンです。幼獣が無事育ったのだと思うとうれしくなります。今日の草刈りで見つけた巣は12個。そのうち8個が繁殖巣と思われるものでした。最終的にどれだけの巣が見つかるか楽しみ…。草はらで一生を過ごすカヤネズミは、良好な草地環境の指標とされ、岡山県の準絶滅危惧種です。(Y)

2024年1月15日(月)
フキノトウと温暖化

 フキノトウが現れました(写真左)。昨年より40日、一昨年より50日も早い顔見せです。朝晩の冷え込みは厳しくても、昼間は暖かい日が多いためでしょう。温暖化が言われて久しく、豪雨、干ばつなど様々な異変が報じられています。でもそればかりではなく、温暖化による生物多様性の貧弱化が始まっていて、人間の生活に影響を及ぼしつつあると感じます。そんな地球環境の危機の中でも戦火は止むことなく、人の命や生活基盤の破壊はエスカレートするばかり。戦争は温暖化を加速し、環境破壊の最たるものだというのに…。ゴンズイの冬芽(写真右)を見ると、寒さの中でただ春に向けて芽吹く準備を整えています。人間も、人や人以外の生きものの命や生きるということをもっともっと大切にできないものでしょうか。(Y)

2024年1月14日(日)
水草取りとオオコオイムシ

 今日は明るく暖かい日差し。田んぼビオトープで午前、午後の2回水草取りをしました。2月になるとアカガエルの産卵が始まります。それまでに水量を増やし開放水面を広げなけらばならないので少々焦り気味。左の写真は作業中に出てきたオオコオイムシ。あと、ヒメガムシ、シオカラ系のトンボのヤゴやヒルなど。生物の気配が少なくなった冬に出会う生きものたちは、どれも貴重です。休耕田に水を溜めた所は6か所ありますが、昨日ようやく2か所目の整備が終わったところ(写真右)。1日経つと水が澄んできれいになります。(Y)

2024年1月13日(土)
水草取りとドジョウ

 この冬は野鳥がすごく少ないです。例年、群れを作って自宅周辺の雑木林や畑、藪、草地で一冬中過ごすカシラダカやアオジを全く見ることができません。ミヤマホオジロ(季節の1コマ506)やシロハラ(2022年12月27日の当欄)も今年はとても少ない。温暖化が生物に大きな影響をもたらし、後戻りできない状況になってはいないか…。里山地域から、生物を観察しながら発信を続けます。さて、先日は水草(主にマコモ)取りをしました(写真左)。その時に現れたのはドジョウ(写真右)。きつい水草取りの作業中、ほんの一時心が和みました。(Y)

2024年1月10日(水)
繁殖巣と越冬巣

 先日、チガヤ群落になっている休耕田の草刈りをしていて、カヤネズミの大きな繁殖巣を2つ見つけました。使用済みの巣なので開いて中を観察(写真左)。2層構造になっていて、外層は巣材を粗く裂いてありますが、内層はとても細かく裂いてあって柔らかい。この柔らかく暖かい産座で数匹の赤ん坊が育ったのでしょう。カヤネズミの巣は鳥のように巣材を運んでくるのではなく、そこに生えているチガヤやススキなどのイネ科の草の葉を裂いて編んで作ります。繁殖のための巣はこのように手間をかけて丁寧に作られています。ところで、2014年に家の側にたくさんの藁束を立てて「わらにお」と呼ばれるものを作りました(2015年1月18日の当欄左側の写真)。藁が足りなくてまるで編み笠を被った侍のような失敗作でしたが、春になって「わらにお」をほどいたら、小さいけれど暖かそうなカヤネズミの越冬巣が!(写真右)。カヤネズミが冬の間ここにいたのだと感激。 懐かしい思い出です。(Y)

2024年1月7日(日)
棚田の整備

 夏の猛暑で、南に面した棚田では一日中日差しが強く作業ができませんでした。それで今頃、暖かい日は水草取り、寒い日は草刈りと棚田の整備作業です。左の写真は冬の棚田。まだまだ草刈りは終わりません。右の写真は刈り取った1枚の田の1年分の草。光合成のすごさに圧倒されます。コメ農家はお米を作る人、ぐらいしか考えていませんでしたが、自分で作業するようになって思い至りました。農家の人は本体の作業以外にも、ため池、水路、農道の整備をし、農地や周辺の草を何度も刈ってそれを片づけて…大変な労働の結果が、お米の生産だけでなく環境保全・景観保全・国土保全にも繋がっていたのだと。その労働の価値が都会の人々にどれほど認識されていただろうか?労働に見合う報酬は? 作業をしながら思いが巡ります。(Y)

2024年1月6日(土)
ジャコウアゲハ幼虫の飼育を終えて

 昨年の12月中旬までジャコウアゲハの飼育幼虫がいました。最終的には死んだものあり、温めることで蛹化したものもありで飼育を終えました。蛹化に至ったものも無理があったのでしょう、その後すべて死んでしまいました。自然に反することをしたのかもしれません。もともと当地ではジャコウアゲハは年3化。でも昨年は、秋が暖かかったためか4化目が出現し産卵もありました(写真左)。食草は十分でしたが、日暮れが早くなり、朝晩の冷え込みが強くなってくると幼虫の活動は不活発に。幼虫の成長や蛹化には食草や気温だけでなく、日長も関係があるのかもしれません。自然下でも秋に産卵されたものは多くが死ぬのでしょう。昨年の猛暑の長い夏は、様々な生物にも大きな影響があったものと思われます。先日薪置き場で自然下で育った蛹を見つけました(写真右)。かろうじて間に合った蛹でしょう。(Y)

2024年1月5日(金)
赤い実、青い実

 左の写真はヤブコウジの赤い実、右はジャノヒゲの青い実です。冬枯れの雑木林で、ひときわ輝いています。(Y)

2024年1月4日(木)
おはぎと水草取り

 夫は昨年のお正月から、今までしたことのないことを発案します。昨年はコンニャク作り。私も一度やってみたかったので一緒にしました。(2023年1月5日、6日の当欄)。何度か失敗した後に完成。でも、コンニャク作りでお正月は終わりました。さて今年は、おはぎ作り。私は何度か作っているので夫に任せて、田んぼビオトープの水草取りに。開放水面が広くなりました(写真左)。2時間ほどして帰宅したら、テーブルの上におはぎ!(写真右)。おいしくて、ちょっと夫を見直しました。(Y)

2024年1月3日(水)
切り干し大根

 今シーズンは畑の大根がうまく育ちました(写真左)。無農薬・無化学肥料です。20本ほどですが、どうやって食べきるか…まずはおでんなどの煮物。あとは佃煮、ユズ大根、切り干し大根など保存食に。12月に切り干し大根を作ってみました。大根1本(約800g)で70gの切り干し大根ができました(写真右)。2回の調理で食べきる量です。簡単なので、もっと作って1年間の保存食にします。梅仕事、柚子仕事に大根仕事…大変だけど出来上がったら達成感も。それに、買ったものよりおいしいです。(Y)

2024年1月2日(火)
「明けましておめでとう」が言えなくて…

 今日は1月2日。元旦に石川県の能登地方で大きな地震がありました。厳冬期、しかも元旦の大地震。被災された方たちのことを思うと胸が痛みます。改めて日本は地震国なのだと心に刻みました(2023年3月15日5月7日の当欄もご覧ください)。さて、薪置き場で冬眠中のカメノコテントウ(写真左。体長約1.2cm)とヤモリの幼体(写真右。体長4〜5cm)を見つけました。今日は日差しが暖かく、しばらく見ていると動き出したので急いで元の場所へ。私のすぐそばでひっそりと生きている生きものたち。いとおしい命です。(Y) ※今年から新しいページにしました。

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